2日午前8時25分ごろ、東京湾を航行中の船舶から「クジラの死骸が浮いている」と海上保安庁に通報があった。東京海上保安部から巡視艇が出動して調べた結果、羽田空港の東約3300メートルの海上で、クジラとみられるものが漂流しているのを確認した。 同保安部によると、腹部が海面に出て、頭部と尾びれが沈んでいる状態で、死んでいるとみられる。同保安部は付近を航行する船舶に注意を呼び掛けるとともに、東京都などと今後の対応を検討している。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
「移住が目標」福岡ローカルMCの羽鳥慎一アナ
フリーアナウンサーの羽鳥慎一さんと、九州朝日放送(KBC)アナウンサーの宮本啓丞(けいすけ)さんがタッグを組んだ、福岡の情報番組「羽鳥×宮本 福岡好いとぉ」(KBCで月1回午後7時から放送)。1月にスタートしてから、折り返しの半年を迎えた。羽鳥さんの福岡への印象は――。 羽鳥さんはテレ朝系「羽鳥慎一モーニングショー」で活躍する全国の朝の顔、宮本さんは「アサデス。」でおなじみの福岡の朝の顔。KBC開局65周年を記念した番組のコンセプトは、地元の人も知らないディープな情報を掘り下げること。福岡ゆかりのゲストと「はとりばす」に乗って県内をめぐる。 羽鳥さんは「福岡に詳しくなったのと同時に、好きになった。スポーツ新聞を見ても、最初にソフトバンクホークスが勝ったかどうかを見る。だいぶ福岡中心の頭になってきた」「(スタートを100点満点の10点とすると)60ぐらい。残りは、まだ知りたいという気持ち」と振り返る。 印象に残るネタは「うどん」。「福岡はラーメンと思っていたので。こしがゆるい、柔らかいのがいい」 羽鳥さんにとって、ローカル局初レギュラーだ。「東京の人が福岡の番組に出ているのがよくわかる。番組もリラックスしていて楽しいし、それ以外の過ごし方も楽しい。屋台も番組で行かせてもらいました」「東京だと身構えるところがあるが、福岡ではない。リラックスしていい面が出ているのと、いつもは頑張って隠している悪いところが出ているかも。福岡の人の温かさで許してもらっているのかな。脇は甘くなっています」 宮本さんによると、羽鳥さんは福岡の地名に詳しくなり、ぽろっと福岡市の「警固(けご)」といった地名が口について出るという。「ロケの風景の中に羽鳥さんがいる感動を毎月味わえている。(福岡の)二日市とか、福津に羽鳥さんがいるなんて」 番組のもうひとつのコンセプトが、羽鳥さんに福岡好きになってもらうこと。羽鳥さんは「冗談じゃなく、移住が最終的な目標。移住までいかなくても、プライベートでも今まで以上に頻繁に来たくなるような感じになってきた」「もしかなうなら、(番組の)延長戦もありかな」と話した。 次回の放送は7月22日午後6時55分から。(小西孝司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「同じ自治体なのに」私立の子、適応指導教室の受け入れ進まず 公立からを想定(西日本新聞)
子どもの不登校について当事者や保護者らから多くの意見が寄せられている。いじめ、教師への反発、体調不良など不登校の理由はさまざまだ。ただ、学校の閉鎖的な雰囲気や画一的な指導に加え、受け皿を巡る対応が長期化につながるケースも目立っている。 【画像】不登校の児童生徒や保護者が利用できる主な学校外の機関 九州在住の40代の優美さん=仮名=は、中学生の娘が私立学校在籍を理由に、地元の適応指導教室への入室を拒まれたことに憤る。適応指導教室は教育支援センターとも呼ばれ、不登校児童生徒や保護者からの相談を受けたり、児童生徒の学習指導をしたりする。文部科学省の2017年度調査によると、全国の6割強の自治体が設置し、基本的に自治体内の児童生徒を受け入れている。 優美さんの娘は小学校のころ、友人関係のトラブルやクラスの雰囲気になじめず不登校になった。心機一転し、私立中学に進学したが、不登校傾向は続く。ただ、娘は転校を望まず学校に戻りたいと考えており、復帰への方法を模索していた。 優美さんによると、フリースクールなども検討する中で昨春、地元の適応指導教室を見学した。娘は「ここなら通えそう」と笑顔を浮かべた。しかし教室に問い合わせたところ「私立の子どもの受け入れは難しい」。娘はひどく落胆したという。 「前例ない」受け入れ進まず 「同じ自治体で暮らしているのに私立だけ差別するのはおかしい」と優美さんはいぶかる。学校を通じて自治体の教育委員会とやりとりしたが「前例がなく、一人のために対応できない」との返事だった。ところが新年度に教育委員会の担当者が代わり、改めて打診すると、一転して受け入れが認められた。 文科省によると17年度、全国の適応指導教室に通う児童生徒は約2万1千人で、うち私立学校は約200人と1%にとどまる。文科省は16年、全国の教育委員会に私立学校の児童生徒の柔軟な受け入れを通知しているが「公立の子どもを想定しているところが多く、受け入れはほとんど進んでいないのが現状だ」(担当者)と認める。 優美さんには苦い記憶がある。小学生だった娘が学校に行き渋ったとき、当時の教師の助言を真に受け「何とか学校に行かせようとしか考えていなかった」という。「誰もつらさを分かってあげられない中、娘に寄り添い、話をきちんと聞いてあげれば良かった」と自戒を込めて振り返る。 娘はこの1年、学習意欲を失うなど精神的に落ち込むこともあった。優美さんは適応指導教室で笑顔を見せる娘にほっとする一方、なお釈然としない思いも抱える。「子どもにも家族にも大事な1年を無駄にされた。せっかくの受け皿も、人によって対応が異なるような仕組みは直すべきではないか」 次ページは:動かぬ体 励ましも重圧 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
【裁判員制度10年】死刑判決を高裁が破棄…娘殺害された母の嘆き「一審なんか無くていいんじゃ」(東海テレビ)
荻野美奈子さん(66)。10年前、娘の友花里さん(当時21)を見知らぬ男に殺害されました。 荻野さん:「成人式の日にね、写真館に行って撮ってきた写真です。(娘は)ブルーが好きだったんです。私は『この着物がいいわぁ』って」 一審の裁判員裁判で男に下された死刑判決は高裁で破棄されました。 荻野さん:「高裁の裁判官たちのね、いる位置がね、私たちの位置と全然違って相当『上』なんですよね。私たちをすごい見下ろしてるなと(感じた)」 荻野さんが感じた、司法との距離・・・ 国民が裁判員として、司法に参加する“裁判員制度”開始から今年で10年になります。娘を見知らぬ男に殺害された女性は、裁判員が出した死刑判決が破棄された控訴審の裁判を通じて、制度の理念がなし崩しになっていると感じました。女性が抱いた司法との距離とは。制度10年で見えてきた課題を追いました。 ■『一審破棄率の上昇』 2009年10月、千葉県で当時大学生だった友花里さん(当時21)は、自宅マンションに侵入してきた男に現金を奪われた上、殺害され火をつけられました。 千葉地裁で行われた裁判員裁判、男に下されたのは死刑判決…友花里さんの母、美奈子さんは、判決が出たときにこう感じたといいます。 「裁判員裁判だから死刑判決が出たのかなと思うんですね。(裁判員が)身内がこうなったらっていうことを思われたんじゃないかなと」 裁判員裁判では、プロの裁判官と共に6人の裁判員が判決を決めます。しかしそれは、一審・地裁での裁判のみ。二審の高裁以降、判断をするのはプロの裁判官のみ。 そして二審の東京高裁は、一審の死刑判決を破棄し、出した判決は「無期懲役」。その後、確定しました。一審を破棄されたとき、美奈子さんはその説明に違和感を覚えたと話します。 「(判決で)『今までの”判決の例”ではこういう場合(殺害されたのが1人で計画性がない場合)は無期懲役か有期刑かどちらかで、死刑は出たことない』って言われたんでね。同じ事件は2つとないですからね。それぞれが事情を抱えて、それぞれが違う判決が出て、私はそれでいいと思うんですね」 裁判員裁判の死刑判決が高裁で覆されたケースは、友花里さんの事件を含めて5件ありますが、死刑に限らずこうした裁判員裁判の判決の「破棄率」は、ここ数年10%を上回る水準で推移しています。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
東京選挙区 与野党入り乱れての群雄割拠、非自民票の熾烈な争奪戦(産経新聞)
全国屈指の激戦区、東京選挙区(改選数6)は、与野党入り乱れての群雄割拠の様相を呈している。野党の間では、改選数1の「1人区」で実現しているような共闘とは裏腹に、非自民票の熾烈(しれつ)な争奪戦が水面下で展開されている。 通常国会閉会日の6月26日夕の新宿駅東南口広場。東京選挙区で立憲民主党から出馬する元都議の新人、塩村文夏は、同じ選挙区から出馬する元朝日新聞記者の同党新人、山岸一生への支持を懸命に訴えた。 「この夏の陣、山岸さんとともに戦って2議席を獲得していきたい。私たちに力を貸してください」 立民にとって、この広場は縁起がいい。平成29年10月の衆院選で、党を立ち上げた直後に約8千人(主催者発表)の聴衆を集めた。いわば「聖地」だ。 だが、この日は夕方の帰宅ラッシュに合わせたタイミングでの街頭演説だったにもかかわらずビラを受け取る人は少なく、熱気はほとんどなかった。党関係者は「足を止める人が少なすぎる」と嘆いた。 今回、立民は無党派層が多い都市部で多くの議席を獲得する戦略を描いており、東京は最重点区と位置付ける。3年前の参院選で旧民進党で当選した蓮舫と小川敏夫は、立民の副代表と常任顧問だ。当時、それぞれ約110万票と約50万票を獲得した。 当時と何が違うのか。一つは勢いに陰りが見られること。もう一つは、政治団体「れいわ新選組」を発足させた現職、山本太郎の存在が大きい。山本は6年前、約66万票を獲得して初当選した。今回、2カ月足らずで約2億円の寄付金を集めた。街頭演説ではあっという間に人だかりができる。その勢いに立民幹部は警戒感を隠さない。 山本は選挙区と比例代表のどちらに出馬するかを明らかにしておらず、「ここまで引っ張ったら、最後まで言わない。どうぞしびれてください」と既成政党をあざ笑うかのようだ。 共産党もあなどれない。街宣車には「暮らしに希望を HOPE」と書かれた、赤いガーベラをモチーフにしたスタイリッシュな横断幕。狙うは所得格差に不満を持つ無党派層だ。2期目を目指す現職の吉良佳子は6月26日夕、新宿駅西口で街宣車に乗り込み、「私は諦めない。再び国会に送り出してほしい」と支持を求めた。 互いを意識するのは野党だけではない。自民党が同月27日に党本部で開いた都連選対本部の開所式。元厚生労働副大臣の現職、武見敬三は終始硬い表情で「何としてでも2議席獲得させていただきたい。そのためにも、必死で頑張る所存だ」と訴えた。 6年前、元五輪相の丸川珠代は知名度を生かして約106万票とトップ当選を果たし、選挙区初挑戦だった武見は約61万票と最下位だった。公明党代表の山口那津男や山本ら知名度が高い候補者が並ぶ中、都連幹部は「埋没しかねない」と懸念する。だが、その危機感がバネとなり、都連関係者によると、支持を伸ばしているという。 父親は元日本医師会会長の武見太郎。れっきとした厚労族で、医師や薬剤師など医療関係の組織票にも期待している。 そんな武見を横目に、丸川にも焦りがにじむ。自身も厚労族だが、医療関係の票が一方的に武見に流れそうだからだ。初当選した12年前は改選数5。自民に逆風が吹き荒れ、4位当選に甘んじた。選挙が水物であることを身をもって経験している。 「正直厳しい…」 周囲にそう漏らす丸川に余裕はない。=敬称略(千田恒弥、今仲信博) Source : 国内 – Yahoo!ニュース
参院選、25日間の短期決戦 国会閉幕から投票まで(共同通信)
4日公示される参院選は先月26日の通常国会閉幕後、事実上スタートを切った。投開票の今月21日まで実質的に25日間の短期決戦だ。2016年の前回選の39日間よりも14日縮小。1992年の参院選以降、今回を含めた直近10回の平均28.7日間を下回った。 近年、参院選は7月に実施されてきた。通常国会は1月召集、会期150日間と決まっている。会期延長はあるが、解散はないので投開票日は絞り込みやすい。 92年以降、活動期間が最も短かったのは、橋本政権で臨んだ98年と第1次安倍政権時の2007年の24日間だ。いずれも与党自民党が惨敗した。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
九州北部、2日夜遅くから激しい雨 宮崎県えびの市では総雨量700ミリ超(西日本新聞)
梅雨前線の影響で、九州地方は1日、南部を中心に非常に激しい雨が降り、宮崎県では降り始めからの総雨量が700ミリを超えた所もあった。鹿児島県では土砂崩れに巻き込まれた女性が死亡した。福岡管区気象台によると、前線は再び北上し、北部は2日夜遅くから雨が強まる見通し。九州全域で総雨量が増え、土砂災害の危険性がさらに高まる。 【写真】土砂崩れで埋没した世界遺産 気象台によると、太平洋高気圧の勢力が弱く、梅雨前線は4日ごろまで九州付近に停滞する見込み。九州の南から大量の暖かく湿った空気が流れ込み、特に前線の南側では雨雲が発達しやすくなっている。 南部では1日未明から朝にかけて、九州の西海上で発生した雨雲が帯状となって次々に流れ込み、広い範囲で1時間に50~60ミリの非常に激しい雨が降った。鹿児島県日置市では観測史上最大となる24時間雨量327・0ミリを観測した。 総雨量は1日午後4時現在、宮崎県えびの市で747・0ミリ、鹿児島県薩摩川内市で578・5ミリ、熊本県湯前町で338・5ミリに達し、いつ土砂災害が起きてもおかしくない状態だ。 1日は小康状態だった九州北部も、2日夜遅くから局地的に雷を伴う激しい雨が降る可能性がある。2日夕までの24時間予想雨量は九州南部で最大150ミリ、北部で同100ミリ。3日夕までの24時間は北部、南部ともに同100~200ミリ。気象台は河川の増水や浸水被害、落雷や竜巻などの突風にも注意を呼び掛けている。 西日本新聞 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
大雨で87万人避難勧告 土砂崩れや浸水相次ぐ 鹿児島・宮崎・熊本の3県(西日本新聞)
九州南部を中心に激しく降り続く雨の影響で、各地で土砂崩れや浸水などの被害が相次いだ。1日午後7時時点で鹿児島、宮崎、熊本3県で約40万世帯約87万人に避難勧告が出された。住宅の被害も確認されているだけで全壊1棟、半壊4棟など。高速道路も朝から通行止めが続き、交通にも影響が出た。 【写真】土砂崩れで埋没した世界遺産 同日午前7時20分ごろ、鹿児島市本城町で崩れた崖の土砂が民家に流れ込んだと119番があった。市によると、住民の70代女性は救出され搬送時には意識があったが、病院で死亡した。1世帯3人が住んでおり、残る2人は無事だった。 鹿児島県いちき串木野市では大里川の堤防が決壊し、消防が住民など10人を救助。同県では5市39万416世帯83万4316人に避難勧告が出された。県によると、全壊1棟、半壊3棟、一部損壊2棟の被害が確認されている。 宮崎県都城市では用水路から水があふれて道路が冠水、同市鷹尾1丁目付近の高齢者を含む10世帯16人が消防のボートで救出された。熊本県山都町では土砂崩れで民家1棟が半壊した。 大雨で九州道の鹿児島北インターチェンジ(IC)‐えびのICなどが通行止め。西鉄高速バスは福岡‐鹿児島、延岡、宮崎間が終日運休し、JR鹿児島線の川内‐鹿児島間など一部区間も終日運休した。 西日本新聞 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
SBGフィッシャー氏32億円 報酬1億円超の役員最多
2019年3月期決算の上場企業の役員報酬で、1億円以上を受け取った役員は275社の564人に上り、前年の240社538人を上回って過去最多になった。1億円以上の役員報酬の開示ルールは10年3月期から始まったが、開示対象となる役員は開始当初の約2倍に膨らんだ。 東京商工リサーチが6月28日までに有価証券報告書で開示した3月期決算の企業をまとめた。 最高額はソフトバンクグループ(SBG)副会長のロナルド・フィッシャー氏の32億6600万円。SBGは、19年3月期に過去最高の営業利益2・3兆円を上げるなど好調な業績もあり、4人が10億円を超え、トップ10に5人が入った。会長兼社長の孫正義氏は2億2900万円だった。 孫氏は株主総会で「どのくらい会社の価値増大に貢献したか、ということも重要な物差しじゃないか」と話し、「世界中の有能な経営陣は取り合い状態になっている」と理解を求めた。 2位は、新日本建設の会長を退… 980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
検証「安倍農政」6年半 基盤弱体化止まらず[’19参院選](日本農業新聞)
所得増も農家減少 目標値なお隔たり 4日公示・21日投開票の参院選は、農業の成長産業化に向けて多分野で改革を進めた6年半の「安倍農政」の是非も問われる。安倍晋三首相は生産農業所得や農産物輸出額の増加を成果とするが、生産基盤の弱体化は止められず、政府が掲げた成果目標の進捗(しんちょく)状況は芳しくない。農業がこの間どう動いたか、農水省の統計から検証した。 首相は2012年12月の第2次内閣発足後、13年6月に(1)農業・農村全体の所得を倍増(2)農林水産物・食品の輸出額1兆円(3)全農地の8割を担い手に集約──などを目標とする成長戦略を閣議決定。実現に向け、矢継ぎ早に農政改革を進めた。 農業総産出額や、農家の所得に当たる生産農業所得は政権発足前の12年に比べ、直近の調査の17年はいずれも伸びた。首相は通常国会閉会後の6月26日の会見で「生産農業所得はこの19年間で最も高い水準」と誇った。だが、伸びをけん引した畜産や野菜の産出額の増加の背景には、肉用牛の飼養頭数の減少など、生産基盤の弱体化による供給力の低下と、それに伴う価格上昇がある。手放しでは喜べない。 カロリーベースの食料自給率は16年度から38%に低下し、6年間で農業就業人口は3割、主な仕事が農業の「基幹的農業従事者」も2割減った。首相は26日の会見で、49歳以下の若手新規就農者が「統計開始以来、初めて4年連続で2万人を超えた」と強調したが、全体の新規就農者数は毎年5万~6万人で、離農者数に追い付かない。荒廃農地の面積も拡大が続いている。 加えて、首相が政権の成果とするのが、農林水産物・食品の輸出額だ。6年連続で増え、18年には9068億円になった。19年に1兆円という目標に近付いてはいるが、主力品目は水産物や加工食品が多い。首相自身が国会で、「農家の手取りが増えるような輸出を心掛けたい」と述べている。農家所得の向上には直結していないとの指摘がある。 輸出以外の政府目標は、いずれも達成までの道のりが険しい。14年に農地中間管理機構(農地集積バンク)を創設し、担い手が利用する農地の割合は5割を超えたが、伸び率は年平均1ポイント程度で伸び悩む。法人経営体数は6割増となったが、達成には残り5年間で倍増が必要となる。11年の全国平均比で4割削減するとした担い手の米生産費は、年によって増減を繰り返している。 米価は12年産の水準には届かないが、飼料用米の拡大による生産調整の達成が奏功し、60キロ当たり1万1967円だった14年産からは大きく回復した。だが、政府が生産数量目標の配分を廃止した18年産は、飼料用米の生産量が前年を下回り、主食用米の作付けが増えた。一方、米の消費量減少を受け、主食用米の適正生産量は7年間で1割近く減った。今後、需給安定に向けた取り組みは一層難しくなる恐れがある。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース