検温など水際対策に懸命 九州の離島で新型コロナウイルスへの警戒感が高まっている。感染症指定医療機関が少なく、小さな島で感染者が発生すれば混乱は避けられない。自治体や船会社は水際対策に懸命だ。関係者は「大型連休中に人出が増えれば感染を広げかねない」と懸念する。 【写真】「侍マスク」口コミで広がり…静かな反響 「皆さまの『訪れないやさしさ』で島をお守りください」。緊急事態宣言の全国拡大を受け、長崎県五島市の野口市太郎市長は17日の記者会見で訴えた。 五島列島の北部、小値賀(おぢか)島へのフェリーが出る佐世保港(同県佐世保市)。乗船券売り場に「高齢者が人口の約半数を占めるため、感染者が出た場合、島民の生命生活に危険を及ぼす恐れがあります」と渡航自粛を求める張り紙がある。 小値賀町は人口約2300人。感染者が出れば、隣の中通(なかどおり)島(同県新上五島町)にある指定医療機関へ船などで数十分かけて搬送する。民泊して釣りや島暮らしを体験する旅が人気だが、窓口のおぢかアイランドツーリズム協会は大型連休中の宿泊など40件以上の予約を全て断った。 長崎市と新上五島町を結ぶ高速船を運航する五島産業汽船は、出航前に乗船客の検温をしている。「乗客に感染者がいたら、船内の消毒などで運休を余儀なくされる。安全、安心な運航のためにやむを得ない」 福岡県でも離島を訪れる釣り客が相次ぐ。宗像市によると、休日は釣り具を手に大島や地島に渡船で向かう家族連れなどが目立つ。船内でマスクを着けず大声で会話する客もおり、不安がる住民もいる。7日の緊急事態宣言後、両島に向かう人は半減したが、25日は少なくとも40人、26日に42人を確認した。 市は渡船場の張り紙で、レジャー目的で離島に行かないよう求め、高齢者への感染リスクも伝えるが、十分理解されていない。29日から渡船場の近くに警備員を配置し、注意を促す。 福岡市の玄界島や小呂島、北九州市の馬島や藍島などでも一定数の釣り客を確認。離島がある5市町と住民代表でつくる県離島振興協議会は「感染者が発生した場合、島民らの命にも関わる。来島は控えてほしい」としている。 (宮崎省三、野田範子、大坪拓也) Source : 国内 – Yahoo!ニュース
関東 今日も午後から雨の範囲広がる 洗濯もの油断しないで!(tenki.jp)
今日28日(火)の関東地方は、午後から雨の範囲が広がりそうです。洗濯ものを外に干している方は、早めに取り込むと良いでしょう。 今晴れていても注意 山沿い・沿岸部ではすでに雨雲発生中! 今日28日(火)の関東地方は、雲はあるものの、朝から日差しが届いている所が多くなっています。ただ、上空の寒気や気圧の谷の影響で大気の状態が不安定になっていて、昨日に引き続き雨雲が湧きやすい条件になっています。すでに関東地方の山沿いや沿岸部では、雨雲が発生している所もあります。局地的ではあるものの、強い降り方になっている地域もありますので注意が必要です。 午後から雨雲広がる 油断しないで! 午前中は山沿いや沿岸部が中心だった雨雲は、午後になると平野部にまで広がる予想です。雨が降る時間は短いものの、局地的に雨脚が強まったり、雷が鳴ったりすることもあるでしょう。午後どうしても外出が必要な方は、雨具をもってお出かけください。 現在地周辺の雨雲レーダーや雷レーダーなどを上手に活用して、最新の情報をご確認ください。 洗濯ものも油断せず! 早めに取り込むように! 日差しが出ていると思わず洗濯ものを沢山してしまいそうですが、今日の関東地方の洗濯指数はあまり高くありません。午後の雨に備えて、早めに洗濯ものを取り込んだり、部屋干しに切り替えたりすることをおすすめします。なお、明日からは高気圧に覆われて、洗濯日和が続きます。明日以降のGW中にたまった洗濯ものをしてしまうのも良いのではないでしょうか。 日本気象協会 本社 安齊 理沙 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
特売中止、客に分散来店を要請…混雑対策に悩むスーパー(西日本新聞)
新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、東京などで問題化しているスーパーの混雑対策に地場小売り各社も頭を悩ませている。レジ店員と客の間に仕切りを設置するなどの対策は進むが、政府が要請する入場制限などより踏み込んだ対策を取るべきか苦慮する。 【動画】「涙が出た」コロナ終息願う動画、ネットで話題に イオン九州(福岡市)は、ゴールデンウイーク(GW)中に店内が混雑する場合の入場制限の必要性について検討を始めた。小型店は特に混雑の可能性が高いとみており、海外の事例などを参考にする。「お客さまと従業員の安全を優先したい」とする。 ディスカウントストアを展開するミスターマックス・ホールディングス(同市)は来店客の過密対策を強化した上で、入場制限には慎重だ。担当者は「外で待ってもらう間に密集しないようにする必要がある。安全確保策も含めて考えなければならない」と難しさを口にする。 大分県地盤のマルミヤストア(同県佐伯市)も「首都圏の客数の上昇率は、地方には当てはまらない」として、店舗が立地する自治体などから要請があるかを見極める方針だ。 福岡県内を中心に展開するあるスーパーは、混雑回避のため週に1度の特売日をやめた。ゆめタウンなどを展開するイズミ(広島市)は、各店舗で混雑時間の通知や商品を袋詰めする台の増設などを順次進めることを決めた。担当者は「入店制限をかける前に、やれることをやる」と話す。24時間営業のスーパー「サニー」などを展開する西友は、店内放送などでピーク時間帯を避けた来店を呼び掛けている。 小規模の商店には対策自体が難しい場合もある。福岡市中央区の青果店「かいぶつくん薬院店」は、レジ待ち客に間隔を空けるよう張り紙で告知するが、昼前と夕方の混雑は避けられないという。店長は「店内は狭く、5人来店すればいっぱい。外で待ってもらうなど、お客さまの自主的な対応に頼るしかない」と話す。 福岡、佐賀の両県などでホームセンターを展開するLIXILビバはGWの5月2~6日の全店休業を決めた。担当者は「営業を短縮してきたが、客数は4割増えた。連休中はさらに危険な混雑状態になると考え、やむなく決断した」と苦渋をにじませた。(仲山美葵、山本諒) 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
プレハブ仮設から全員退去、宮城 大震災10年目で(共同通信)
宮城県名取市で28日、東日本大震災の被災者向けに建設されたプレハブ仮設住宅の最後の入居者が退去した。建設型仮設住宅は入居期限が何度も延長されてきたが、震災10年目を迎え、宮城県では全世帯が転出したことになる。ピーク時には2万2095戸が整備され、5万3269人が身を寄せた。 プレハブ仮設182戸が立てられた愛島東部団地で、女性ら1世帯2人が名取市に鍵を返した。沿岸部に自力再建した自宅に引っ越す。 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
落語の春風亭小朝さん・作家の篠田節子さんらに春の褒章
学術や芸術、社会福祉など、様々な分野で功績のあった人をたたえる2020年春の褒章の受章者が決まった。政府が28日付で発表した。受章者は660人(うち女性190人)と22団体。29日に発令される。 学術研究や芸術文化への功労者に贈られる紫綬褒章は19人(同3人)。落語家の春風亭小朝(本名・花岡宏行)さん(65)のほか、俳優の藤山直美(本名・稲垣直子)さん(61)、直木賞作家の篠田節子さん(64)らが受章する。 危険を顧みず人命救助にあたった人に贈られる紅綬褒章は4人(同2人)と2団体。今回の受章者で最年少だった福岡県宗像市の藤島海琴さん(14)は、昨年8月、海で溺れていた女児を自ら飛び込み、救出した。 ボランティア活動が対象の緑綬褒章は14人(同12人)と20団体が受章する。長年一つの仕事に打ち込んだ人への黄綬褒章は191人(同20人)に、公共の利益などに尽力した人への藍綬褒章は432人(同153人)にそれぞれ贈られる。 25歳で真打ち 春風亭小朝さん 25歳で36人抜きの真打ちに。異例の昇進でスターへの階段を駆け上がり、30日間連続独演会など新しい企画を実現させてきた。 落語界初の日本武道館公演は、二つ目時代にコンサートを見ながら「僕はここでいつかやるんだろうな」と考えていた。その信念が大事だと、いまはわかる。「『こんな人がいたらいいな』と思ったことを、自分でやったんです。後輩たちに夢を与えたかな」 現代性あふれる笑いを古典落語に採り入れてきた。最近は独演会に来た観客が「いい気持ち」になることを意識。「興行が赤字になってもいい」とまで言う。 卓越したプロデュース力を最も発揮したのが、2004年から東京都心で5年間催した「大銀座落語祭」。古今亭志ん朝や五代目柳家小さんら大物が相次いで世を去った時期だった。「落語界は、東西の壁を越えて外に発信する必要があった」と振り返る。 いまや落語会が全国で催され、若手中堅に人気者が続出しているが、落語ブームと呼ぶことは否定する。「300人の小屋(会場)がソールドアウトするのがブームなら、ものすごく悲しいですよね」。1人で8千人を集めた自負が、瞳の奥で光った。(井上秀樹) 社会派エンタメの一線 篠田節子さん SFやホラー、ミステリーなどのジャンルにとらわれず、社会派エンターテインメントの第一線を走り続けてきた。「人間的にも、作品的にも、円熟や成熟からはほど遠い」と話す。 市役所に勤めながらカルチャーセンターなどの小説教室に通った。97年、「女たちのジハード」で直木賞を受け、「仮想儀礼」「鏡の背面」と毎年のように作品を発表。題材は疫病、カースト制度、イスラム過激派、薬物依存と幅広く、社会への鋭い問題意識から、その時々の空気感を巧みにすくいとってきた。「そのつど取材を通して時代を見ることができた。大きく日本が変わっていったと実感しています」 デビューして30年。受章をありがたいと思う一方で、新型コロナウイルスの感染拡大に対し、「医療現場や流通の現場で命がけで仕事をする方がいる中、このような形で顕彰されるのは正直、心苦しい」。ただ、文化の底力が試されているとも感じる。「病原体の脅威以上に差別やヘイトが出てきている。どうものを見て、判断力を養うのかは文化の力にかかっています。少しでも貢献したい」 問題意識は年々広がり、いまは地球規模の気候変動と民族間の対立に関心を寄せる。「この時代にしか書けないものをきっちり書き、後の世代に残したい。日本の小説のメインストリームから外れて、海外の作品と真っ向勝負できるようなものを、と思っています」(興野優平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
介護職員が次々発熱、4分の1以下に 社長「極限状態」
北海道千歳市のサービス付き高齢者向け住宅で、新型コロナウイルスの感染拡大により介護職員が4分の1以下に減り、介助が十分にできなくなっていることが施設側への取材でわかった。これまでに入居者と職員計10人の陽性が判明し、入居者43人がPCR検査の結果を待っている。これ以上職員が減るとサービスを続けられない恐れがある。 この施設は「グラン・セラ柏陽」。運営会社の高橋宏昌社長によると、約50人が入居。今月18日ごろ、併設するデイサービスを10日に利用した男性の陽性が確認されたと保健所から連絡があり、18日以降に職員2人が発熱。入居者も次々と発熱するなどし、デイサービスは閉鎖した。 高齢者住宅とデイサービスで働く介護職員は常勤とパートで二十数人。感染の判明後、複数のパート職員が家族の反対などでやめ、発熱などで出勤できない人も出て、28日からは5人になるという。 残った入居者43人のうち29人が要介護認定を受けている。職員が泊まり込みで介護を続けるが、排泄(はいせつ)や食事の介助が十分にできない状態で、口腔(こうくう)ケアは取りやめている。運営会社の本部社員は専門知識がなく、同業者や行政から人的支援を受けられるめどは立っていないという。 高橋社長は「極限状態で介護崩壊が迫っている。このまま人的支援がなければサービスを続けられない」と訴えた。道は25日までに千歳市の通所介護関連施設での入居者5人と職員5人の感染を公表したが、施設名は明らかにしていない。(原田達矢) ■「運営会社、なんとかするしか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
閉鎖空間で過ごす達人? 宇宙飛行士が語った在宅のコツ
新型コロナウイルスの感染拡大で、外出自粛や在宅勤務が求められている。ずっと家にいるとストレスがたまるが、どう発散すればいいのだろうか。国際宇宙ステーション(ISS)など閉鎖空間で長い時間を過ごすことの多い宇宙飛行士の若田光一さん(56)に、オンラインでコツを聞いた。 ――若田さんは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の理事を務められていますが、今は在宅勤務ですか。 そうです。(筑波宇宙センターがある)茨城県が緊急事態宣言の対象になる1週間前くらい前から、家で作業を始めました。その後、JAXAも全事業所がテレワークになりました。日本実験棟「きぼう」の運用管制チームなどはシフトで勤務していますが、それ以外はテレワークです。 ――在宅勤務のコツは。 テレワークであっても仕事の生産性は維持していかなければなりません。気持ちも引き締めないといけませんが、気合だけではなんともできないこともありますよね。生産性の維持に必要なのは、スケジュールを明確にすることかなと思います。 ISSでは半年間のミッションで何をするかの大まかなゴールがあり、2週間先まで毎日のスケジュールも分刻みで立てられています。それをきちんとこなしていくことが非常に重要です。今のような状況でも、1日単位や1週間単位、1カ月単位で目標を定め、普段の学校や会社の生活と変わらないスケジュールで過ごすと楽なのかなと思います。あと、休みの日はちゃんと休むということですかね。 アリやメダカと話して、元気に ――外出自粛の中でも心身を健康に保つにはどうすればいいですか。 (ISSでは90分ごとに日が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
春の褒章 栃木の受章者 緑綬褒章 草月流師範会理事 刑部久子さん(73) 駅に生け花 30年以上提供(産経新聞)
29日付で発令される「春の褒章」が発表され、栃木県内からは15人が受賞する。内訳は、緑綬褒章1人▽黄綬褒章4人▽藍綬褒章10人。緑綬褒章を受章する刑部(おさかべ)久子さん(73)に喜びの声を聞いた。 JR宇都宮線、自治医大駅構内に飾られている色とりどりの生け花。30年以上提供を続ける独創的な作品は、駅利用客に癒しを与えてきた。「こんなに素晴らしい表彰を私が受けていいのかという思い。地域の皆さんのおかげ」と笑顔で語る。 子供のころから花が好きで、高校の部活で生け花を始めた。就職先の会社で偶然、現在も所属する「草月(そうげつ)流」の指導者と出会い、その自由な作風に魅了されて入門。自宅で教室を開いて生徒を指導しつつ、作品作りに没頭する日々を送ってきた。 作品の提供を始めたのは駅が開業して間もない昭和61年。当時はまだ利用客が少なく、駅の発展に貢献したいと考えたからだった。「来る人の心が和らげば」との思いを込めた作品は、徐々に利用客から認知されるように。提供を始めて30年以上、駅に花を絶やしたことはない。 「花を見て元気が出たという通勤客や、花の前で子供の成長記録を撮影していたという家族もいた。多くの感謝の言葉のおかげで続けられた」 雅号は郊舟(こうしゅう)。自宅の庭に生える花や近所で拾ってきた木の枝など、身近な素材を利用しているのが作品の特徴だ。自分の感性の赴くままに、色を塗ったり、組み合わせたりして1つの作品にしていく。 「草月流は個性を大切にし、どんなものでも自分なりに作品にできる。だから50年以上やっていても飽きない」。その独創性が評価され個展を開いたほか、海外での指導経験もある。 今後の目標は「体力と気力がもつ限り、生け花を続けること。大好きなことだから」。精力的な活動は今も続いている。(根本和哉) 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
GWの石垣島、宿泊予約は1300人。「コロナ終息後に来て」市長が訴え(BUSINESS INSIDER JAPAN)
全国に緊急事態宣言が出されている今年のGWも、沖縄県の石垣島には大勢の観光客が訪れるかもしれない。 【全画像をみる】GWの石垣島、宿泊予約は1300人。「コロナ終息後に来て」市長が訴え 石垣市が行った緊急アンケートの推定値では、GW中の5月1日~5月6日に石垣市内のホテルなどの宿泊予約者は延べ1291人に上ることが分かった。 石垣市の中山義隆市長は自身のTwitterで、「 新型コロナ感染拡大防止のため石垣島への来島自粛をお願いしていますが、残念ながら街には依然としてマスクなしの観光客の姿が見られます。コロナ終息の後に来て下さい 」と訴えるが、観光客の抑制は簡単ではなさそうだ。 1日の宿泊者数は215人 緊急の予約状況調査は、石垣市観光文化課が4月23日に実施。市内のリゾートホテル17件、ビジネスホテル27件、ウィークリーマンション8件、合計52事業所について、電話で予約状況を質問した。 調査の結果、5月1日からの6日間の宿泊予定者は延べ1291人で、1日当たりの宿泊者は延べ215人。8施設は電話が通じず、回答を得られなかった。 回答した施設のうち、約4割にあたる18件がすでに休業や営業自粛中だった。 調査は1日当たりの宿泊予約を集計するもので、GW期間の前から宿泊している長期滞在者も含んでいる。施設によっては「通常の何割」などの回答もあり、その場合は市で計算しているため、あくまで調査結果は推定値としている。 市内の宿泊施設は280の事業所があり、収容人数は約8000人。今回の調査では大型の施設から52施設を選んでおり、52施設の収容人数は全体の約7割に相当するという。 自粛求めたいが「電話通じず」 石垣市観光文化課の担当者によると、島は毎年GWには直行便がある都市などからの観光客でにぎわうという。 「例年GWは繁忙期で人の動きが大きい。関東では湘南に人が押し寄せたというニュースもあり、『もしかしたらGWに多くの観光客が来るのではないか』と心配する声があった。現状把握のためにアンケートを実施したところで、GW中の対応に生かしたい」(石垣市観光文化課) 石垣市によると、調査に応じた宿泊施設の中には、「予約者に対し自粛を求める連絡をしたいが、電話がつながらない」という声もあったという。 次ページは:観光客が引き起こす医療崩壊リスク 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース
「命の選別をしないために」想定される人工呼吸器不足に備え、タブーを超えた議論を(BUSINESS INSIDER JAPAN)
「どの人から人工呼吸器を装着させていけばよいのか。そのような判断を医療者だけに求めるのは非常に酷なこと。日頃から、他人ごとではないんだと、心の備え、情報の備えをしておいてほしい」 【全画像をみる】「命の選別をしないために」想定される人工呼吸器不足に備え、タブーを超えた議論を これは4月1日に行われた新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の会見での、東京大学医科学研究所・武藤香織教授の発言だ。 人工呼吸器があれば助けられるのに、人工呼吸器が無い……。一方で、あと数日で亡くなってしまう可能性が高い患者に人工呼吸器を使い続けている……。 新型コロナウイルスの流行の長期化によって患者が今後も増え続けてしまえば、こういった状況になることも十分想定される。あと数日で亡くなってしまう可能性が高い患者から人工呼吸を取り外し、その分を助けられる患者の治療にあてる。 武藤教授の指摘は、私達自身がこの究極の選択を問われる当事者であることを強く意識させるものだった。 「医療崩壊」の中で直面する「命の選別」問題 4月22日に開催された専門家会議の資料でも、次のような一文が記載されている。 「今後、一部の医療機関では治療の優先度をつける必要に迫られる局面も想定されうる」 感染者が爆発的に増えた非常時において、より多くの人を救う方法を考えることは当然だ。一方で、治療する人に優先度をつけることは「命の選別」にもつながりかねない。 その判断基準は、公正で透明性のあるものでなければならない。 感染者が爆発的に増加しているニューヨーク州では、感染症の世界的大流行を想定した人工呼吸器の使用方法に関するガイドラインが公開されている。 その中では、「『今の重症度』だけで判断してカラーコード(重症度の指標)を決める」「48時間治療をしても回復しなければ場合によって人工呼吸器を外す」といった基準が記載されている。 内容の妥当性についてはさまざまな意見はあるだろうが、少なくともこのガイドラインは、長年の議論の末に策定されてきたものであり、その考え方なども含めて参照できる透明性が担保されている。 一方日本では、こういった事態を想定した明確な方針が無いうえ、そのための議論もほとんど進んでいないのが現状だ。 だからこそ専門家会議は「こうした状況下では、優生思想による判断が行われかねない」と、強い懸念を示している。 次ページは:助けられる人を助けるための究極の選択肢を考える 【関連記事】 Source : 国内 – Yahoo!ニュース