池袋から東武東上線で1時間少々。うとうとしたら、もう着いた。埼玉県小川町は都会からすぐなのに里山に囲まれた畑が広がり、古い家々もそこかしこに残る。ひなびた風情が好まれ、コロナ禍を転機に移り住む人が増えている。隣の寄居町の工場を拡充中のホンダがお金を出して両町境に新駅もできた。いまコロナとホンダで埼玉奥地が熱いのだ。 9年前に廃校になった小川小学校下里分校がカフェによみがえった。地元の野菜をふんだんに使う定食がおいしい。店主の有賀香織さん(45)は6月、6歳の娘と東京・広尾から越してきた。 拡大する廃校になった小川小下里分校にできたカフェ店主の有賀香織さん親子 それまでの20年間、華やかなファッション界やCMの撮影現場におしゃれなケータリング料理を提供してきた。それがコロナで予約が消え、見通しも立たない。ならばいっそ、と思い立った。収入は半減だが、家賃は3分の1、食材は近所の農家が分けてくれる。「生きていけるか不安でしたが、経費がかからず、意外にお金を使いません」と有賀さん。ここの生活がすっかり気に入った。 広告の仕事をする柳瀬武彦さん… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
医薬品卸3社と幹部ら7人を起訴 談合容疑で公取告発
医薬品卸大手4社が独立行政法人「地域医療機能推進機構」(東京)発注の医薬品入札で談合したとされる事件で、東京地検特捜部は9日午後、独占禁止法違反(不当な取引制限)の罪で、アルフレッサ(東京)、スズケン(名古屋)、東邦薬品(東京)の3社を起訴し、発表した。3社の幹部ら7人も在宅起訴した。 公正取引委員会が同日午前、3社と7人を検事総長に刑事告発していた。メディセオ(東京)も談合に関与していたが、課徴金減免制度(リーニエンシー)に基づいて事前に違反を自主申告したため、告発されなかったとみられる。 在宅起訴されたのはアルフレッサ(3人)の五味信幸・病院統括部長(62)、吉田和正・同(58)、鍋嶋明・同部営業グループ長(49)▽スズケン(3人)の中原岳志・病院統括部長(61)、伊藤哲也・同部副部長(53)、大島克彦・同部広域病院課統括課長(58)▽東邦薬品(1人)の笠原次男・病院統括部部長(50)=いずれも肩書は当時。 特捜部の発表によると、3社と7人は、機構が運営する全国57病院に医薬品を納める2016年と18年の競争入札で、都内の貸会議室などで事前に受注者を決めるなどしたとされる。 入札は、7千品前後の医薬品を主に製薬会社ごとの群に分けて行われ、落札者は2年間納入する仕組みだった。16年も18年も参加したのはメディセオを含む4社だけで、計約1435億円分を分け合っていた。 公取委は19年11月、検察への刑事告発を前提とした犯則調査権に基づいて4社を家宅捜索。今年10月にも特捜部と合同で再び捜索していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
認定こども園で園児にわいせつ行為 元職員に実刑判決
大阪府八尾市の認定こども園で園児2人にわいせつな行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた元職員の和田敬之被告(32)の判決が9日、大阪地裁であった。松本圭史裁判長は「保育園職員の立場を利用した卑劣で悪質な犯行。刑事責任は重い」として懲役2年(求刑懲役3年6カ月)の実刑を言い渡した。被告側は控訴する方針。 判決などによると、園児を送迎するバスの運転などの業務を担当していた和田被告は2017年7~8月、同園でプールの後で全裸だった女児2人(いずれも当時5歳)に背後から近づき、胸を触るなどのわいせつな行為をした。 判決は、被告の犯行を目撃したとされる保育士にうその証言をする事情はなく、証言は信用できると判断。被告が公判で起訴内容を否認し、反省の態度がみられないなどとして、実刑を選択した。(米田優人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
グーグル検索数増 1位は新型コロナウイルス、2位は?
インターネット検索大手のグーグルが9日、この1年の検索ランキングを発表した。昨年と比べて検索数が増えた「急上昇ランキング」の1位は「新型コロナウイルス感染症」、2位が米国の「大統領選挙」、3位は4月7日に出された「緊急事態宣言」だった。元日から11月22日までが対象。 急上昇ランキングには、期間中の関心事や流行が色濃く反映される。今年必需品となった「マスク」では、家電メーカーながら、製造に乗り出した「シャープマスク」に続き、「ユニクロマスク」、3位に「手作りマスク」が入った。 4月には、品切れが相次いだため、「作り方」という検索も増えた。マスクやマスクカバー、アルコール消毒液が上位を占めるなか、男性が休校中の孫のために折り紙で作ったという万華鏡について検索する「折り紙万華鏡作り方」が10位に入り、自宅で過ごす時間の工夫もみられた。 意味を調べる時に使われる「と… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
森友改ざん、国の報告書は「うそ」 赤木さんの妻が会見
学校法人森友学園(大阪市)を巡る財務省の公文書改ざん問題で、自死して公務災害を認定された同省近畿財務局(近財)職員赤木俊夫さん(当時54)の妻雅子さん(49)が9日、記者会見し、国側から開示された公務災害の報告書について、「夫が改ざんを苦にしていたのは間違いない。夫の死について国はうそを書いている」と語った。 7日付で国から開示された文書は、公務災害認定の理由を記した「災害認定報告書」など。赤木さんについて、「上級官庁との連絡調整」「マスコミ報道などで精神面や肉体面に過剰な負荷が継続した」などの記載はあるが、同省による改ざんの指示や赤木さんの関与について具体的な記述はなかったことが判明している。 雅子さんとともに会見した弁護団の松丸正弁護士は「改ざんの事実を隠蔽(いんぺい)したうえで、公務災害を認定しようとしたとしか思えない」と改めて批判した。 この日は、赤木さんに改ざんを指示したなどとして雅子さんが国などを相手取り損害賠償を求める訴訟で今後の裁判の進行内容を協議する日だった。 弁護団は会見で、赤木さんが受けた心理的な重圧や恐怖感を裏付けるためには、開示された報告書の内容では不十分だと指摘。そのうえで近財職員への聞き取り調査の内容や、赤木さんが改ざんの経緯を記したとされる「赤木ファイル」を国側に提出させる必要があるとして、来年2月までに裁判所に文書提出命令を申し立てる方針を明らかにした。 朝日新聞は財務省広報室に対し、報告書で改ざんに触れなかった理由を尋ねた。同室は9日、「個人のプライバシーとともに、訴訟にかかわることでもあるため、お答えを差し控えます」と回答した。(遠藤隆史、米田優人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
公取委の講演聴いた翌月も談合 「反省見えず、あぜん」
「高止まりさせておかないと」「会社のため」――。医薬品卸の4大大手が、独立行政法人「地域医療機能推進機構」(東京)発注の医薬品入札で談合したとされる事件。昨年の強制捜査から1年以上を経て、アルフレッサ、スズケン、東邦薬品の3社と各社の幹部らが起訴された。関係者への取材で、談合に至った動機が判明。「組織ぐるみ」だった疑いも強いとみられている。 「医薬品で入札談合をすれば、保険医療を負担する全国民、将来世代にも影響が及ぶ可能性がある。過去の違反歴があるにもかかわらず、大変悪質だ」 公取委の鎌田明・第一特別審査長は9日、医薬品卸大手3社を告発した会見でこう述べた。 医薬品の公定価格である薬価は、主に卸業者が医療機関に売る価格を参考にして改定される。談合で価格が高止まりすれば、薬価の改定幅は小さくなり、患者の負担が増えることになる。それにもかかわらず、1兆~2兆円規模の年間売上高を誇る大手各社が談合を繰り返していたことを重く見て、当局は告発・起訴に踏み切った。 関係者によると、4社の談合は… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
規制委員長、地裁判決「インパクトある」 審査には自信
関西電力大飯原発3、4号機(福井県)の設置許可を取り消した4日の大阪地裁判決をめぐり、原子力規制委員会の更田豊志委員長は9日の定例会見で「判断には自信を持っている」として、判決で問題視された「基準地震動」の審査をやり直さない考えを明らかにした。他原発の審査にも「影響しない」と述べた。 判決は、耐震設計の根幹となる基準地震動の値を定める際、計算式の「ばらつき」を上乗せをする必要があるか検討すべきなのに、審査の中で「検討した形跡がない」として許可を違法と断じた。更田委員長は敗訴について「組織を率いる者として責任を感じているし、インパクトはある」と述べる一方、「ばらつきの考慮はやっている」などと反論。規制委の内規「審査ガイド」について、「誤解を呼びやすい箇所が特定されるなら、よりわかりやすい表現にすることは考えられる」として、解釈が明確になるよう表現を変えるかどうか検討する考えも示した。(小坪遊) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不安抱える妊婦が涙声で電話 一般医療に迫る限界 旭川
北海道第2の都市・旭川市で新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、地域医療の中核を担う基幹病院までが外来診療や手術の停止に追い込まれている。コロナ以外の医療に影響が出始めており、「医療崩壊」の危機が迫る。地方の医療体制の限界が浮かび上がった。 9日午前8時、小雪が降るなか、「災害派遣班」と書かれたマイクロバスが吉田病院に到着し、迷彩服を着た看護師ら5人が入っていった。重症障害児者施設「北海道療育園」にも同様に医療チームが入った。 旭川への自衛隊入りが正式に決まったのは前日夕方。北海道の鈴木直道知事が市の意向を受け、自衛隊に災害派遣を要請した。自衛隊が入った2施設はいずれもクラスター(感染者集団)が発生。寝たきりの高齢者が多く入院する吉田病院と、重症障害者が入所する北海道療育園では、介助を必要とするコロナ患者が多く、医療従事者の人手が足りなくなっていた。 旭川市では11月6日に最初の感染者が出た吉田病院など9カ所でクラスター(感染者集団)が発生。基幹病院も含まれ、自衛隊の派遣を要請するまでに医療体制が逼迫(ひっぱく)した。 市内に五つある基幹病院は今秋までにコロナ病床を大幅に増やし、感染拡大に備えていた。旭川赤十字病院は一つの病棟をコロナ専用に切り替えた。防護服を着て看護する医療従事者の負担が重いため、本来は58床使える病棟を3分の1の20床に抑えた。 それでも寝たきりの高齢者が多かった吉田病院から次々患者が搬送されると、一気に苦しくなった。牧野憲一院長は「トイレや食事の世話、寝返りなどの介助を数人がかりでしなければならなかった」。15~16床が埋まっただけで、スタッフは限界だったという。 「ギリギリの体制」(牧野院長)が続くなか、11月21日には旭川厚生病院でもクラスターが発生。感染者は9日時点で計253人にのぼり、国内の医療機関では過去最大のクラスターとなった。厚生病院は2病棟をコロナ専用とし、コロナ患者の治療は続けたが、1日約1千人もの外来患者は他病院へ回すことになり、「ドミノ倒し」のように各病院で人手が足りなくなっている。 特に影響が大きかったのが産科だ。二つの基幹病院で分娩できなくなり、他の病院にしわ寄せがきている。厚生病院では市内の分娩(ぶんべん)数の3分の1に近い年間約800件を扱う。出産日が迫る妊婦から順に他の病院へ引き継ぎを依頼した。 医師不足のため2年前に分娩を… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夫婦同姓、最高裁大法廷が憲法判断へ 2015年以来
夫婦別姓を認めず、婚姻届を受理しないのは憲法に違反すると訴えた3件の家事審判で、最高裁第二小法廷(岡村和美裁判長)と第三小法廷(林道晴裁判長)は9日、長官と判事の15人全員がそろう大法廷(裁判長・大谷直人長官)で審理すると決めた。 大法廷は2015年の判決で、夫婦同姓を定めた民法規定を「合憲」と判断している。今回は、同姓で婚姻届を出すよう事実上求める戸籍法の規定を含め、改めて憲法判断を示すとみられる。詳しい審理日程は決まっていない。 申立人は、東京都内に住む3組の事実婚の夫婦。18年2~3月に国分寺市、八王子市、世田谷区に婚姻届をそれぞれ出す際、夫婦別姓にするため、婚姻後の名字を答える項目で「夫」「妻」の両方に印をつけて不受理とされた。 3組は、市長や区長に対し婚姻届を受理するよう求めて東京家裁と東京家裁立川支部に家事審判を申し立て、夫婦同姓を定める民法750条と婚姻届の手続きを定める戸籍法74条について、「法の下の平等や両性の本質的平等を定めた憲法に反する」と訴えた。 家裁と立川支部は審判で、「家族の姓を一つに定めることは社会に定着しており合理性がある」とした15年の最高裁判決を引用。多くの夫婦が夫の名字を選ぶ現状は「民法が生んだ差別とはいえない」などと述べ、訴えを退けた。東京高裁も即時抗告を棄却した。 申立人らは、それぞれ最高裁に特別抗告し「15年の最高裁判決から社会情勢は変化している」と主張。今年7月までに102の地方議会が、「選択的夫婦別姓制度」の導入や議論を求める意見書を可決したことなどをふまえ、違憲と認めるよう求めていた。 夫婦別姓をめぐっては、法相の諮問機関「法制審議会」が1996年、選択的夫婦別姓制度を盛り込んだ民法改正案を法相に答申したが、法改正は実現していない。内閣府が18年に公表した世論調査では、選択的夫婦別姓を「導入してよい」と考える人は過去最高の42・5%で、「導入する必要はない」とした29・3%を上回っている。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自衛隊を襲うストレス 家畜の殺処分も「やるしかねえ」
「災害大国」日本ではいま、救援・復旧活動で自衛隊への依存が増している。それに加え、中国や朝鮮半島といった安全保障の最前線に対峙(たいじ)しているのが、九州・沖縄を管轄する陸自西部方面隊(約2万5千人)だ。そのトップである西部方面総監を務めた本松敬史・元陸将が8月の退官後、初めてメディアのインタビューに応じた。 自衛隊の「主たる任務」は国防であり、災害派遣は都道府県知事の要請を受けた防衛相が「事態やむを得ないと認める場合」(自衛隊法83条)が基本だ。それでも、地方自治体で対応しきれない災害現場では様々な判断と対応がある。 陸上自衛隊で九州・沖縄を管轄する西部方面隊のトップである総監を8月まで務め、熊本豪雨などに対応した本松敬史氏(58)へのインタビューを続ける。 災害時に自治体から期待される「三つの属性」 防衛省・自衛隊では災害派遣の基準として、自衛隊法83条の解釈から、「緊急性」「公共性」、自衛隊でしかできない「非代替性」という三つの要件を設けている。現場ではどう運用されているのか。 「災害に直面した知事から自衛隊の災害派遣を要請される段階で、三要件についてフィルターをかける下準備は現場でほぼ終わっています」と本松氏は話す。 熊本豪雨の際は、陸自の第8師団(司令部・熊本市)が熊本県と具体的に何をするか検討し、西部方面総監部(熊本市)は傘下の第8師団と東京の防衛省・統合幕僚監部の間で災害派遣に向け調整した。「よって、知事から派遣要請があれば同時刻に受理され、活動開始となります」 東日本大震災や2016年の熊本地震での経験から、自衛隊、特に陸自には災害派遣になじむ「三つの属性」があり、それゆえに地方自治体からの期待が大きいと本松氏は考える。 「被災地で様々な活動ができる… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル