昨年7月の参院選で、参院議員の河井案里被告(47)=自民党を離党、公職選挙法違反罪で公判中=の陣営を巡る公職選挙法違反の問題で、広島高検は21日、連座制を適用し、案里議員の当選無効などを求める行政訴訟を広島高裁に起こした。検察側が勝訴して確定すれば、連座制が適用されて案里議員は失職する。 高検は、参院選で車上運動員に違法な報酬を支払ったとして公選法違反(買収)の罪で有罪判決が確定した案里議員の公設秘書(55)は、連座制の適用対象となる「組織的選挙運動管理者等」に該当するとみている。 この秘書は参院選で案里議員の陣営の遊説責任者として、車上運動員14人に法定上限(日当1万5千円)の倍の報酬計204万円を支払ったとして、逮捕・起訴された。今年6月の一審・広島地裁は懲役1年6カ月執行猶予5年の有罪判決を言い渡し、最高裁が11月25日付で上告を棄却して一審判決が確定した。 連座制は、候補者本人以外の選挙違反を理由に候補者の当選を無効とし、一定期間の立候補を禁止する制度。組織的選挙運動管理者等は、選挙運動の計画の立案・調整や運動員の指揮・監督をする人のことで、禁錮(執行猶予を含む)以上の刑が確定すれば候補者に連座制が適用される。 行政訴訟は最高裁までの二審制で、それぞれ迅速な判決を目指す「百日裁判」で進められる。 案里議員は車上運動員への違法報酬とは別に、夫で元法相の克行被告(57)とともに地元議員を買収したという別の公選法違反罪で逮捕・起訴され、東京地裁で公判が続いている。公選法の規定では、連座制とは別に案里議員自身の有罪が確定しても当選は無効となる。(西晃奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
爆笑問題・太田さん「判決に納得。一生言わせてもらう」
週刊新潮で大学への裏口入学を報じられたお笑いコンビ「爆笑問題」の太田光さん(55)が21日、記事は名誉毀損(きそん)だと認める東京地裁の判決を受けて都内で記者会見した。裏付け取材が不十分として新潮側を敗訴とした判決について、「ある程度、納得している」と評価した。 週刊新潮は2018年8月発売の記事で、太田さんが出身の日本大学芸術学部に「裏口入学」し、太田さんの父が合格の対価として800万円を日大側に支払ったなどと報道。太田さんは「全くの事実無根」として、発行元の新潮社に3300万円の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めていた。 この日の判決は、記事のきっかけになった取材源からの情報内容について、具体的な客観的証拠が見当たらないと指摘。「十分な裏付け取材を行ったとは言い難い」として名誉毀損を認めて、新潮側にネット記事の削除と440万円の賠償を命じた。一方、謝罪広告の掲載などは認めなかった。 太田さんは会見で「あの記事が裁判で認められなかったことは、ラジオ、テレビで一生言わせていただく。そこでとんとんかなと受け止めている」と語った。 新潮は控訴の方針に対し、太田さんギャグで返す 太田さんの父親が裏口入学の対… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大都市で災害が起きたら 人口や産業が集中、被害も増幅
人口や産業が集中する大都市がひとたび大地震や大水害に見舞われれば、被害は増幅し、全国に影響が及ぶ。東日本大震災でも首都圏は大きな揺れを経験したが、直下で地震が起こればその比ではない。大都市のあり方そのものを事前に見直していくことが課題になる。 都市に潜むリスク 2011年3月の東日本大震災で東京は震度5強の揺れに見舞われた。超高層ビルは長時間揺れ続け、エレベーターや鉄道は停止。帰宅困難者が路上にあふれ、道路は深夜まで大渋滞に。コンビニからは物がなくなった。壊れた建物は一部にとどまったものの、落ちてきた天井で亡くなった人もいた。 もし、直下で地震が起こればどうなるか。1995年1月、都市直下型の阪神大震災では、震度7の揺れによって住宅の倒壊が相次いだ。火災が広がって救出や消火が追いつかないまま多くの人が亡くなった。電車も脱線した。地震発生は午前5時46分。ラッシュ時だったら、さらに大きな被害になっていたはずだ。 2018年6月、震度6弱の大阪北部地震が起きたのは午前7時58分。登校中の小学生が倒れてきたブロック塀で命を落とした。鉄道が止まって多くの人が足止めされ、エレベーターの閉じ込めも多発。ガスや水道も止まり、都市のもろさが改めて浮かんだ。 国は首都直下地震の最悪ケースで死者2万3千人、経済被害95兆3千億円を見込む。大阪や名古屋も南海トラフ地震で激しい揺れが想定され、大阪市の中心部には活断層が南北に走る。 都市は戦後、大災害のない時期に膨れあがった。近年の東京は、都心回帰による人口の増加傾向も目立つ。東京一極集中の是正が繰り返し唱えられてきたものの、解決の道筋は見えない。 11月にあった国土交通省の専門委員会では、地震リスクを考えて居住地を選んでいる人は、東京周辺でも3割程度にとどまるとの調査結果が紹介された。東京生まれの世代が増え、高齢化による退職者や介護需要の増加で若者の流入が見込まれるなど、構造的な問題も課題に挙がった。 委員からは「テレワークなど生活習慣を変えていく必要がある」「地震のリスクが大きくても一極集中の是正には必ずしも効かない。これまでの延長線上で考えても難しい」との声が出た。 被災する人や建物が多いと、避難所や仮設住宅も追いつかない。大量の災害廃棄物も課題になる。 地震は防げなくても、被害は対策によって減らせる。日本学術会議は3年前、「大震災の起きない都市」を掲げた提言を公表した。都市への集中を緩和するとともに、建物の耐震性を1・5倍程度に高めて機能を維持。地震後もとどまれるようにし、ほかの地域への影響も小さくする。提言に携わった田村和夫・建築都市耐震研究所代表は「集まっていることで被害はより大きくなる。地域全体を災害に強くしていかなければならない」と話す。 水害時に逃げられる場所や浸水に強い建物を増やすことも課題になる。国や東京都は、公園や公共施設を生かした「高台まちづくり」を打ち出した。大水害になれば建物は孤立、救助や排水に時間がかかる。東京のゼロメートル地帯では100万人単位の広域避難が必要とされ、避難先や道路渋滞、鉄道の計画運休との調整など課題は山積みだ。 首都圏は富士山の噴火の影響も懸念される。国の報告書によれば、わずかな降灰で交通や物流が混乱。処分が必要な火山灰は東日本大震災の廃棄物の10倍に上る。 備えどこまで 首都の備えはどこまで進んでいるのか。 東京都は木造住宅が集まる地域… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
介護施設「それいゆ」の5人死傷 地裁が遺族の訴え棄却
岐阜県高山市の介護老人保健施設「それいゆ」で2017年夏、高齢の入所者5人が相次いで死傷した問題で、死亡した男性(当時80)の遺族らが、施設を運営する医療法人「同仁会」に慰謝料など約2800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、岐阜地裁であった。鈴木陽一郎裁判長は、原告側の訴えを棄却した。 原告側は、施設側が男性の食事中の誤嚥(ごえん)を見逃したため窒息死したと主張したが、判決は「死因が施設での食事の介助や食後の見守り中に起きた誤嚥による窒息とは認められない」とした。男性が心筋梗塞を発症していた可能性や、意識を失った後の職員による心臓マッサージが原因だった可能性も否定できないとした。 同仁会の折茂謙一理事長は、「1年半以上の間、監視義務違反というレッテルの下で肩身の狭い思いだった。今後は自信を持って介護の仕事をすることができる」とコメントを出した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長女への性暴力、実父に逆転有罪 証言に「具体性ある」
当時12歳の長女を自宅で強姦(ごうかん)した罪に問われ、一審・静岡地裁が無罪とした実父の控訴審判決が21日、東京高裁(近藤宏子裁判長)であった。高裁は長女の証言を「被害にあった者でなければ語り得ない具体性や迫真性が十分にある」と指摘。証言を信用できないとした一審判決を破棄し、強姦罪を認めて求刑通り懲役7年を実父に言い渡した。 実父は2017年に長女に性的暴行を加えたなどとして起訴され、裁判では、1年以上にわたり性暴力を受けたとする長女の供述の信用性が争点だった。一審は、虚偽の被害を訴えた可能性があるとしていた。 高裁は、発覚を免れるための実父の行動や家族内での長女の孤立などを十分に検討しなかったとして、一審判決が「証拠の評価を誤り不合理な認定をした」と指摘。長女に軽度の知的障害があったとしても、性行為時の体勢などの説明は高い信用性があるとした。 さらに一審の裁判官が法廷で長女に尋問した際のやりとりも検討し、「理解の難しい問いを重ねており尋問の仕方が不適切だ」と認めた。そのうえで、事件後に検察官が録音録画した長女の面接の様子を「誘導を排し被害者の言葉で語らせる中立性に配慮したもの」とし、法廷証言に比べ信用性があるとした。(根津弥) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
動きのボケ混戦制す 異色のM-1王者マヂカルラブリー
16回目となる「M―1グランプリ」の歴史で、最も異色の王者と言っていいだろう。 野田クリスタル(34)と村上(36)のマヂカルラブリー。しゃべくり漫才で爆笑を起こした前回王者のミルクボーイとは違い、視覚的な笑いで混戦を制した。 言葉なきボケ 最終決戦のネタは、「つり革」。床を転げ回って、とてつもなく揺れる電車の車内を全身で表す野田のボケに、温かみのある村上が突っ込む。同じようなテイストのネタで挑み、10組中10位の最下位に終わった2017年の雪辱を果たした。 敗者復活はぺこぱ敗退 決勝に先立つ敗者復活戦は15組で戦われ、インディアンスが選ばれた。新型コロナウイルス感染で欠場を余儀なくされた祇園の木崎太郎に触れたり、会場となった屋外での寒さをネタにしたりとこの日ならではの漫才を展開。昨年3位で、知名度の抜きんでるぺこぱらを上回った。 「3年前の決勝のネタは、老若男女の方がいる寄席みたいなところでは全然ウケなかったんです。今年の2本は多少は反応が返ってくるんで、みなさんが笑えるようなネタになっているのかなと思います」 会見の席で村上は興奮する様子もなく、落ち着いてそう自己分析した。 後半の読みどころ 優勝会見で野田クリスタルは何を語ったのか。マヂカルラブリーの勝因とは?最終決戦の審査員票も含めて考えます。 1本目の高級フランス料理店も… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内感染者、新たに1805人確認 死者は48人増加
新型コロナウイルスの国内感染者は21日午後8時半現在で新たに1805人が確認された。死者は全国で48人増え、重症者は10人増の603人だった。 感染者数が全国最多の東京都は392人の感染を確認した。検査数が減る週末明けで感染者数の発表が少ない傾向にある月曜日としては過去最多となった。また、「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都基準の重症者数は63人で、前日から3人減った。 都内では感染拡大が続いており、20日までの1週間の感染者数を1日平均にすると603人となり、初めて600人を超えていた。 188人の感染がわかった神奈川県では、川崎市宮前区の学習塾で中学生11人の感染が判明した。この学習塾ではこれまでに生徒ら10人以上の感染が確認されており、同区の市立中学校3校が21日から休校している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JAL職員が助っ人巫女に 「日頃の接客生かしたい」
福岡空港のカウンターで勤務する日本航空(JAL)の職員31人が新年、福岡県宗像市の宗像大社で巫女(みこ)として勤務することになった。21日にあった研修では白衣に緋袴(ひばかま)姿で参拝者への言葉遣いやお守りの受け渡しなどを学んだ。 JALは宗像大社を機内誌や機内放送で紹介した縁で、2017年に市と連携協定を結んで人材交流を続けている。 宗像大社は新年、新型コロナ感染対策で授与所を増やして参拝者を迎えるため、人手の確保が急務に。コロナで業務が減っていたJALが手助けを申し出た。社内の募集に対し職員約100人から応募があり、元日から11日まで交代で参拝客を迎える。 権禰宜(ごんねぎ)の長友貞治さん(43)は「職員の皆様は接客のプロで大変心強い。こちらも学ぶ姿勢で臨みたい」。研修に参加した入社1年目の立山佳奈さん(24)は「日頃の接客を生かせればと思います」。JAL側は「異業種交流の経験を空の旅の質の向上につなげたい」としている。(棚橋咲月) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
たい平さん「伸び伸び育ててもらった」 こん平師匠死去
林家こん平さんの死去を受け、弟子で落語家の林家たい平さんは朝日新聞の取材に次のように語った。 ◇ 落語について一切言わず、伸び伸び育ててもらい、感謝の気持ちでいっぱいです。「焦るんじゃないぞ、咲くときがあるから」と言われた言葉が、いつも自分の中にありました。芸人は愛されることが大切だ、親しみをもって呼ばれることが素敵なことなんだ、と教えていただきました。「こんちゃん」と街で呼ばれたら「ハーイ」と手を挙げて応えていた。落語家はそうでありたいと思わせてくれました。(井上秀樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自分の罪を後悔」逮捕の少年、心に変化 福岡女性刺殺
福岡市の商業施設で女性(21)が刺殺された事件で、殺人などの疑いで逮捕された中学生の少年(15)について、福岡地検は刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を21日に終え、勾留を再開した。事件直後から接見を重ねてきた弁護人が朝日新聞の取材に応じ、少年の心の変化について語った。 福岡市の女性刺殺事件 8月28日夜、福岡市中央区の大型商業施設「MARK(マーク) IS(イズ)」で、市内の事務アルバイトの女性(21)が刃物で刺されて死亡した事件。福岡県警は現場で刃物を持っていたとして、少年(15)を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕し、9月9日には殺人の疑いで再逮捕。福岡地検は少年の刑事責任能力の有無を見極めるため、9月25日から鑑定留置を開始。専門医らが少年の精神状況などを調べた。21日に鑑定留置が終了。勾留が再開する。 弁護人が初めて少年と接見したのは、事件から4日後の9月1日。クーラーの音にかき消されるほどの小さな声で、一方的に早口でしゃべった。弁護人が話す間は目線をそらし、時折髪を触る癖をみせた。 殺人容疑で再逮捕されてから6日後の15日。弁護人は、スティーブン・R・コヴィー著のビジネス本「7つの習慣」を子ども向けに再編集した本を、少年に差し入れた。パン屋で働く青年が常連客の老人から助言を受けて考え方を改め、仕事の優先順位を考えたり、同僚との人間関係を改善したりしながら成長していく話を例に、感情を抑え、自分の意思で主体的に行動することの大切さを説く内容だ。 「少年は周りの人と関係を構築したり、感情を抑えたりする経験が不足していたのではないか」。弁護人はそう考え、この本を選んだという。少年は数日で読みきり、本に出てくる言い回しを時折会話に織り交ぜるようになった。 ■鑑定留置が終わりに近… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル