教職員の勤務時間をタイムカードなど客観的な方法で把握している教育委員会が、都道府県は約91・5%、政令指定都市は85・0%、市区町村は71・3%に上ることが25日、文部科学省の調査(9月1日時点)で分かった。全国平均は72・0%で、昨年度の48・2%から大幅に伸びた。 文科省は2016年度から、47都道府県と20指定市、1723市区町村の計1790教委での教職員の働き方改革の取り組みを調査。タイムカードやICカード、パソコン使用時間などで勤務時間を管理している自治体教委の割合を都道府県別にみると、山口県内は全教委で導入し、茨城、群馬、埼玉、京都、香川の各県内は90%台の導入率だった。一方、最低は宮崎県内の40・7%で、このほか40%台は秋田、福島、山梨、広島、徳島、鹿児島だった。文科省は「着実に進んでいるが、法律で義務づけられており100%を目指したい」と話す。 法改正により来年度から導入される教職員の「変形労働時間制」の実態も調査。繁忙期に勤務時間を延ばす代わりに夏休みなどに休日をまとめ取りできる制度で、「今年度中に条例制定予定」としたのは12道県で、指定市はゼロだった。13都府県と2指定市が「時期は未定だが条例整備予定」で、22県と18市が「検討中」だった。文科省は、多くの自治体が新型コロナの対応で条例制定に着手できなかったと見ている。 残業時間については、コロナ禍で多くの学校が臨時休校した4~5月に、月45時間を超えた小中学校の教職員は前年度より30~50%ほど減っていた。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
普天間飛行差し止め、4182人が提訴 第3次で最多
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の周辺住民4182人が25日、米軍機の騒音被害を訴え、国を相手に夜間・早朝の飛行差し止めや損害賠償を求めて那覇地裁沖縄支部に提訴した。普天間飛行場での飛行差し止めを求める爆音訴訟としては、2002年、12年の提訴に続く第3次の訴訟で原告数は過去最多。 訴状によると、原告側は米軍機の騒音により、高血圧といった健康被害などを受けていると主張。午後10時から午前6時までの飛行差し止めや慰謝料など1人当たり月額3万3千円の損害賠償を求めている。第2次訴訟の提訴後に起きた16年のオスプレイ大破事故や17年の小学校へのヘリ窓落下などを挙げ、墜落などの危険性も訴えている。 原告は宜野湾市、浦添市、北中城村のうち、「うるささ指数」(W値)と呼ばれる数値が75以上とされる区域の居住者。これまでの訴訟では、この区域の原告への損害賠償を認める判断が定着し、確定判決では最大で月額約1万2千円の賠償を国に命じている。一方で飛行差し止めについては「国は米軍機の運航を規制できる立場にない」として退けられている。 県の資料によると、普天間飛行場周辺に県などが設置している13の騒音測定地点のうち19年度は1年の平均値が2カ所で基準値を超えた。また、飛行場南側の地点では、普天間に常駐していない外来機である戦闘機により、19年5月、測定が始まった1998年以来最大となる124・5デシベルを記録した。 1次、2次訴訟にも参加した訴訟団の島田善次団長(80)は、12年以降に沖縄に配備されたオスプレイや外来機により、以前よりも騒音がひどくなったと感じているという。提訴前に「1次、2次で、私たちが求めてきた『静かな日々を返せ』。それが実現していない」と語った。 訴訟団は来年3月にも追加提訴を予定。計5千人の原告数をめざしている。 沖縄防衛局は「訴状が送達されていないのでコメントは差し控える」としている。(岡田将平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マルコメ、即席生みそ汁27万点を回収 破片混入の恐れ
マルコメは25日、即席生みそ汁の一部に製造機械のゴム部品の破片が混入した恐れがあるとして、約27万点を自主回収すると発表した。購入者からの指摘で判明し、これまでに健康被害の報告はないという。対象は「生みそ汁料亭の味しじみ8食」(賞味期限2021年4月12~14日)、「生みそ汁料亭の味みそ汁定食8食」(同4月20、27日、5月9日)、「生みそ汁料亭の味お徳用21食」(同5月2、3日)。今月28日に回収専用ダイヤル(0120・407・510)を開設し、土日祝日を除いて受け付ける。ただし、1月1~3日は対応する。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
犬猫業者の飼育数制限、完全施行を3年先送り 環境省
繁殖業者やペットショップが犬猫を飼育・管理する際に、飼育者1人あたりの飼育数の上限を定める規制の完全施行が、予定より3年先送りされることがわかった。25日の中央環境審議会動物愛護部会で環境省が明らかにした。 数値規制の導入は、昨年成立した改正動物愛護法で定められたもの。一部業者による劣悪な飼育状況を改善するのが目的で、来年6月に省令として施行されることになっていた。 環境省は今年7月、飼育者1人あたりの飼育数について、繁殖用の犬は15匹、猫は25匹、販売用の犬は20匹、猫は30匹を上限とする規制案を提示。これに対しペット関連の業界団体や一部の繁殖業者らは、廃業に追い込まれる業者も出るとして、「13万匹以上の繁殖用の犬猫が行きどころを失う」「殺処分が増える」などと強く反発していた。 環境省は今回、上限は案の通り定めるとしたものの、来年6月の施行を断念。22年6月から繁殖用の犬は25匹、猫は35匹、販売用の犬は30匹、猫は40匹とゆるめの上限を定め、その後は年5匹ずつ減らすとした。省令通り完全施行されるのは24年6月で、予定より3年先送りされる。 また、業者から反発があったケ… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再審無罪確定、国家賠償求め提訴「捜査のあり方変えて」
滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者への殺人罪で服役後、再審無罪が確定した元看護助手の西山美香さん(40)が25日、国と滋賀県を相手取り、約4300万円の損害賠償を求める国家賠償請求訴訟を大津地裁に起こした。弁護団は捜査の違法性を明らかにしたいとする。 西山さんは、任意捜査では否認したが、担当の男性刑事に恋愛感情を抱いて「自白」したとされる。公判で再び否認したが懲役刑が確定。17年に出所した。 訴状では、県警が担当刑事を変えずに起訴後も取り調べ、西山さんをマインドコントロールして自白を維持したと主張。患者が自然死した可能性を指摘する捜査報告書を検察に送致せず「違法な証拠隠しだ」などと訴える。起訴した大津地検、再審開始決定に特別抗告した大阪高検の判断も問う。 西山さんは会見で「お金は大事じゃない。私の事件を教訓に捜査のあり方を変えてほしいと訴訟を決意した」と話した。(新谷千布美、安藤仙一朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
吉川元農水相の事務所を捜索 収賄容疑で東京地検特捜部
自民党衆院議員だった吉川貴盛・元農林水産相(70)=北海道2区、22日付で議員辞職=が大臣在任中に鶏卵生産・販売大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の前代表(87)から計500万円を受け取った疑いがある問題で、東京地検特捜部は25日午前、東京・永田町の衆院議員会館や札幌市にある吉川氏の事務所などに、収賄容疑で家宅捜索に入った。既に吉川氏の任意聴取も行っており、立件を視野に押収資料の分析などを進める方針だ。 吉川氏は21日の聴取に現金の受領を認め、「返すつもりだった」と説明していたことも判明。同日夜に慢性心不全などの治療中で近く手術を受けるとして議員辞職を表明し、22日に辞職した。特捜部は辞職に伴って議員会館の事務所などが近く閉鎖されることも考慮し、捜索に踏み切ったとみられる。 関係者によると、農水相だった吉川氏は2018年11月に都内のホテルで200万円、19年3月に大臣室で200万円、同年8月にも大臣室で100万円の計500万円を前代表から受け取った疑いがある。前代表は、家畜のストレスを減らす「アニマルウェルフェア(動物福祉)」に基づいた飼育基準づくりを進める国際機関に「農水省として反対意見を出してほしい」などと依頼したという。 前代表は特捜部の調べにこうした経緯を認め、「業界のためだった」と説明。特捜部は大臣の職務に関して受け取った賄賂の可能性があるとみて調べている。 検察当局は7月、19年の参院選広島選挙区をめぐって衆院議員・河井克行被告(57)と妻の参院議員・案里被告(47)を逮捕した買収事件の関連先としてアキタ社を家宅捜索した。前代表の聴取や農水省からの資料提出といった捜査も進めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山形の養豚場で豚熱、1300頭殺処分へ 国内10県目
農林水産省は25日、山形県鶴岡市の養豚場で飼われていた豚で豚熱(CSF)の感染が確認されたと発表した。東北地方では福島県で野生のイノシシの感染が確認されていたが、養豚場での感染は初めて。2018年9月に26年ぶりに国内感染が確認されて以降、養豚場での発生は国内10県目。山形県は養豚場で飼育している約1300頭を殺処分する。 養豚場から「死ぬ豚が増えた」と通報を受けた県が24日に遺伝子検査をしたところ陽性反応が出て、国の機関による精密検査で25日に感染が確定した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
除染なき避難指示解除 「手放しでは喜べない」住民複雑
東京電力福島第一原発事故から間もなく10年。政府が25日、福島県の7市町村に出している避難指示の解除に、除染なしで解除できる方式を新たに加えた。除染より早期の解除を優先した飯舘村の判断が背景にあったが、妥協を強いられた村民の思いは複雑だ。他の自治体も国による除染を求めており、新方式がどこまで広がるかは分からない。 「国の正式な説明を聞いたうえで、住民の意見を確認し、見定めたい」 飯舘村の杉岡誠村長は25日、村役場で報道陣の取材に応じ、新方式での避難指示解除を慎重に判断する考えを示した。「除染や避難指示解除はすべて手段でしかない。夢のあるふるさとを実現するため、総合的に判断したい」と述べた。 村の帰還困難区域は長泥地区の… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「少人数」呼びかける一方、10人で会食 鹿児島知事
鹿児島県の塩田康一知事が、15日夜に自民党県議らと約10人で鹿児島市内のホテルで会食していたことが、関係者への取材でわかった。新型コロナウイルス対策で政府が避けるよう呼びかける「5人以上」の会食だったが、塩田知事は朝日新聞の取材に「きちんと感染対策は取られており、市中感染が起きている東京と鹿児島では感染状況が違う。不適切だったとは思わない」と述べた。 塩田知事や県秘書課などによると、会食はホテル内のレストランの個室で開かれた。「政策に関する意見交換会」として自民党県議団が主催し、塩田知事のほか岩切剛志副知事も参加。参加者間にアクリル板が設けられ、各席の距離を空けていたと説明する。2時間ほど飲食し、各自約1万円を私費で支払った。知事、副知事は公務扱いではなかったという。毎年春に開く恒例の会合だったが、今年は新型コロナで延期していた。県秘書課は「県として会食での一律の人数制限はしていない」としている。 県内では今月9日、1日あたりの新規感染者が過去最多の40人を記録し、10日には、鹿児島市で接待を伴う飲食店でのクラスター(感染者集団)発生が発表された。 塩田知事は24日、「忘年会・新年会を含む会食はなるべく少人数、短時間での開催を」と県民に呼び掛けていた。 政府の新型コロナ対策分科会は「感染リスクが高まる」として5人以上の飲食を避けるよう促している。知事の会食は、菅義偉首相が14日夜に自民党の二階俊博幹事長らと5人以上で会食し、批判を受けていた翌日に行われた。(小瀬康太郎、町田正聡) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子ども乗せた自転車、停車中も気をつけて 事故の7割超
暮らしに関わる重大事故の原因を調べる消費者庁の消費者安全調査委員会(消費者事故調)は25日、幼児乗せ自転車の事故について報告書をまとめ、公表した。事故情報の分析から、特に停車中の場面でふとしたきっかけでバランスを崩す転倒事故が多発していることが判明した。走行中を含めた転倒事故を防ぐ設計上の対策を検討するよう経済産業省に提言した。 運転席の前後に幼児2人を乗せる「3人乗り」が解禁され、電動アシスト付き自転車の出力が引き上げられて約10年になることから、2018年11月に調査を始めた。 東京消防庁の救急搬送データでは、自転車の単独事故で搬送された6歳未満の幼児は2011年以降の7年間で1443人。このうち詳細が確認できた1221人の事故の形態を調べたところ、停車中の事故でけがをした幼児が896人と7割を超えた。 保育園の駐輪場での使用実態調… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル