いけがみえきはどうしてかいちくするのでしょう――。電車が大好きな小学生が1年生の時、幼いころから親しんできた地元駅の建て替えについて調べた自由研究が本になった。それが駅関係者の目にとまり、異例の増刷へとつながった。なにが、大人たちの心を動かしたのか。 現在、小3の佐瀬健太朗さんは東京都大田区で育った。最初の家は東急池上線の線路脇にあり、カンカンカン、と踏切音が聞こえてきた。父の祥平さん(45)が週末にあちこちの電車を見に連れて行ってくれた。 最寄りの池上駅は当時まだ改札内に踏切が残り、至近で電車を見られるお気に入りの場所だった。帰る前に「もう1本見てから」と父にねだった。 1年生になるころ、健太朗さんは駅の建て替えを告げるポスターを目にした。 「踏切、なくなっちゃうのか……。なんでつくりかえるんだろう」 その疑問を夏休みの自由研究にしたら、と母の優子さん(45)がすすめた。健太朗さんは画用紙15枚の紙芝居にする計画を立てた。本で調べるだけでは足りない。アンケートにも取り組もうと親子で決めた。 友人やその親などの知り合いのみならず、大田区長が近くの公園に朝のラジオ体操で来ると耳にして、回答を頼みに行った。 総勢15人に尋ねたのは二つ。「新しい駅は楽しみですか」と「改札内踏切がなくなるのはいいことだと思うか」。いずれも「はい」が多数ながら、約3分の1が「いいえ」だった。〈かいちくは、みんなにとってもたのしみなきもちとさびしいきもちがりょうほうあることがわかりました〉 こうして、「かわる! いけがみえき」が完成。優子さんは「親の目ながら、力作でした」と振り返る。 本をめくった東急社員は驚いた 「クオリティーが…」 本にする計画が持ち上がったの… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
イカ禁止令に「これはタコ」 正月遊びにへ理屈あり?
正月と言えば、凧(たこ)あげ。香川県さぬき市津田町には、「イカ」と呼ばれる凧がある。 正しくは「桝イカ」。豊作や豊漁を願って揚げるのは、津田町では古くから「イカ」だった。 絵柄は、長方形の和紙の中央に、ひし形と円が描かれる。ひし形は一升枡、円は一斗枡を表す。 桝イカを50年ほど制作している地元の中野薫さん(79)によると、1993年、地元の凧好きの仲間らが「津田松原凧の会」を結成。翌年から凧揚げ大会を開いており、全国の凧師や地元の子どもが150人ほど集まるという。 津田町で凧を作るのは現在2人で、桝イカを作るのは中野さんだけだという。 「子どもの頃は近所のみんなが桝イカを揚げていた。自分がいなくなって、作られなくなると思うとさみしい」と話す。 イカと呼ばれる凧は高松市や奈良県など、全国の他の場所にもあるという。 どうしてタコなのにイカなのか。 凧の博物館(東京)の職員、福岡正巳さん(63)に話を聞くと、「元々イカだったのがタコになったんです」。中国から遣唐使船に乗って日本に伝わり、江戸時代までは「いかのぼり」と呼ばれていたという。 タコになった理由は諸説あるが、庶民の間で流行し過ぎたため、幕府が「いかのぼり禁止令」を出した。反発した庶民が「これはイカじゃなくてタコです」と、へ理屈を言って遊び続けた、とする説が有力という。(平岡春人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「コップに菌いたらイヤ」 口つけずうがい、小5の発明
今年の三重県発明くふう展で、鈴鹿市立鼓ケ浦小学校5年の川崎海空(みく)さん(10)が最高位の知事賞に選ばれた。新型コロナ禍の中、「コップに口をつけずにうがいができないかな」と考えた作品だ。末松則子市長を11日に表敬訪問して成績を報告した。 作品名は「うがい安心水キャッチ」。タピオカドリンクを飲む時に使うような太めのストローを熱で「く」の字に曲げ、手に持てるよう、穴を開けたペットボトルのふたにつけた。 一方を水道の蛇口にあてると、水がストローを通って、無理な姿勢をとらなくても口に入る。歯ブラシにストローをつけたものと、家から近い海岸で拾った流木で作ったスタンドとセットになっている。 「コップに菌がついていたらいやだなと思ったのがきっかけで、苦労したのはストローを曲げる方法。何十回も失敗した」と川崎さん。熱のあて具合で溶けたり折れたりの連続だったという。 サーフィンと空手と、何か新しいものをつくることが好きな川崎さん。両親によると「次は何をつくろうか」と毎日考えているような少年だという。双子の女の子、海美(みう)さんも発明好きで、ライバルでもある。 県発明くふう展は今年で49回目。167点の応募があったという。(中根勉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
年末年始の住まいも案内 新宿で「年越し相談村」
仕事や住まいを失った人たちからの相談を専門家が受ける「年越し支援・コロナ被害相談村」が、12月29日、30日と新年1月2日に東京都新宿区歌舞伎町2丁目の大久保公園で開かれる。新型コロナウイルスの感染拡大は、非正規雇用など不安定な立場で働く人に打撃を与えており、女性や外国人が相談しやすい態勢もつくるという。 労働問題に詳しい弁護士や労働組合などでつくる実行委員会が28日、詳細を発表した。 コロナ禍で解雇や雇い止めにあった人が、職場の寮や家賃を払えなくなった共同住宅などから追い出され、住まいも同時に失うケースが出ている。東京都は、住まいを失った人が年末年始を過ごせるようにビジネスホテル1千室を用意する予定で、相談会では、情報提供や申請の手助けなどもしたい考えだ。 コロナ禍では、飲食や観光など、非正規の女性の働き手の割合が高い業界が打撃を受けている。相談会では、女性が相談しやすいよう、女性の相談員が対応する個室も用意してプライバシーに配慮する。技能実習生ら外国人労働者からの相談に対応するため、オンライン会議システムで通訳とも結ぶという。 開催時間は、各日とも午前10時~午後5時。会場では弁当も配る予定。問い合わせは全国ユニオン(03・6273・0422)へ。(榊原謙、吉田貴司) 拡大する仕事を失った人や生活に困った人のための相談会について説明する実行委員会のメンバーら=2020年12月28日午後、東京・霞が関の厚生労働省 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
本音が他の被災者のために 阪神大震災、26人の証言集
阪神・淡路大震災の直後から、被災者の見守り活動を続けてきた神戸のNPO法人「よろず相談室」代表の牧秀一さん(70)が、18世帯26人のあゆみをまとめた証言集を出版した。四半世紀にわたる活動の集大成で、分量は500ページを超える。これから起きる災害で被災者になる人たちに被災後の道筋を示し、「希望」を手にしてほしいとの願いを込めている。 牧さんが活動を始めたのは震災9日後、神戸市東灘区の小学校に開かれた避難所でだ。定時制高校の教師をしていたため、ボランティアリーダーから「先生だから人の話が聴けるでしょ」と、被災者の様子を見るよう頼まれた。 仲間と一緒に被災者の声に耳を傾け、生活情報を載せた「よろず新聞」を毎日発行した。避難所の閉鎖後は、仮設住宅に移った高齢の被災者の訪問を開始。孤独死や自殺の報道が相次ぎ、「ほっとかれへん」と思ったからだ。 兄嫁が亡くなった人へかけた言葉 家族や仕事を失っただけでなく、住み慣れた地域から離れ、孤立を深める被災者たち。訪問は、被災者が復興住宅に入居してからも続け、その数は130世帯に上った。それでも孤独死を防げず、「活動している意味がないから、やめよう」と漏らすほど思い詰めたこともある。 しかし、2006年に震災によ… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オリラジ中田さん・藤森さん、吉本と契約終了 31日付
吉本興業は28日、所属するお笑いコンビ「オリエンタルラジオ」の中田敦彦さん(38)、藤森慎吾さん(37)とのマネジメント契約を31日付で終了することで合意したと発表した。 同社は「自ら確立した方針にて活動していきたいという2人の意向を最大限尊重し、この度合意によりマネジメント契約を終了することとなりました。当社としましては、2人の新しい環境での活躍を応援してまいる所存です」などとするコメントを出した。 2人は2004年にコンビを結成。「武勇伝」のリズム芸でブレークし、近年は音楽ユニットやYouTuberとしても活動の幅を広げていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
見慣れぬ字、消えた「公式サイト」 洋服通販トラブル増
インターネット通販をめぐるトラブル相談が、今年は増加している。国民生活センターによると、22日現在で25万2343件と昨年同時期比で1・3倍に。うち洋服についての相談は1万2115件とほぼ倍に達した。新型コロナウイルスの感染拡大で「巣ごもり需要」が増える中、商品が届かないなど詐欺的なケースもあり、同センターが注意を呼びかけている。 同センターによると、「緊急事態宣言」後の5月、ネットでの洋服購入についての相談は前月の倍近い1803件。翌6月には2096件に達した。相談を受けた事例の契約者は、女性が8割弱を占める。年代別では40代が最多で3割弱、30代と50代は2割。内訳を見ると、業者との「連絡不能」(5160件、複数回答可)や「商品未着」(4305件、同)は前年同時期比で倍以上増えた。 具体的には、バナー広告を見て海外業者に洋服と靴を注文し、約1万円をクレジットカード決済したが商品が届かず、メールでの返信もない(4月、関東の60代女性)。服と靴を注文し、約1万2千円をカード決済したが商品が届かず、ホームページの電話番号にかけると、「新型コロナのため対応しておりません」とアナウンスが流れるだけ(5月、九州の50代女性)――、といった相談が寄せられた。 7~9月はトラブルが減少傾向にあったが、冬物シーズンを迎えた10月から再び増加。関西の20代男性は今月、SNSの広告を見て注文した服が色もサイズも注文と違い、送付状にあった電話番号にかけたが、つながらなかった。センターの担当者は「慣れている人はそのサイトが怪しそうかチェックしている。不慣れな人がトラブルに巻き込まれやすい」と指摘する。(市原研吾、後藤泰良) 詐欺に使われた口座? 残金はわずか500円 ネット通販を利用した経験がなかったという大阪市のアパレル店員の女性(22)は10月、実在するアウトレットモールの公式通販をうたうサイトで、ブランド品のコートを9万8500円で注文したと取材に話した。「ちょうど買いに行こうと思っていたら『公式サイト』を見つけて、コロナだし、通販でいいかなと思って」 注文は銀行振り込みで、振込先の名義は個人名だったが、「利用したことがないから『そういうもんか』と思った」。注文時の確認メールには、「入金確認後2日以内に発送し、発送後3~5日で商品が届く」旨の説明が書かれていた。 だが、商品は届かず、問い合わ… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
川崎重工のサーバーに不正アクセス 情報流出の可能性も
川崎重工業は28日、顧客情報を管理するサーバーが不正なアクセスを受け、情報が外部に流出した懸念があると発表した。情報が実際に漏れたかどうかは特定できておらず、専門機関と調査を進める。川重は潜水艦などの防衛機器も手がけている。 不正アクセスは昨年9月から繰り返されていた。国内外にある自社のサーバーが、タイ、インドネシア、フィリピン、米国に置かれたサーバーから不正なアクセスを受け、データを外部に送られた可能性があるという。 今年6月の定期的な社内調査で発覚し、経済産業省と防衛省に報告していた。国内と海外の通信をいったん制限し、サーバーの安全性を確認したうえで今回の発表に至った、と説明している。(小出大貴) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アルミ缶1キロ45円の底値 「金のこと、しとかんと」
今年、ここ20年での「底値」まで値崩れしたものがあるという。路上で暮らす人たちが生計の糧にしているアルミ缶だ。愛知県内では、業者が路上生活者から買い取る単価が一時1キロ45円まで下がり、十数年前の半値以下に。新型コロナウイルスの影響とみられる。「今年は悲惨だった」。そう嘆く、ある路上生活者のアルミ缶集めに同行した。 拡大するアルミ缶を入れた袋が次々と荷台に積み上がった=2020年12月11日午前7時46分、名古屋市、村上友里撮影 12月半ば、日の出前の午前6時。名古屋市中心部のオフィス街は、まだ人影も少ない。 「指先がかじかんで、袋あけられんわ」 緑の大きめのジャンパーに軍手をした男性(67)は、集積所に置かれた分別されていないごみ袋に手を突っ込むと、アルミ缶をそっと取り出した。 30カ所を3往復 口を閉ざした家族のこと 「音を出したら迷惑だでね」 朝と夜、1日2回アルミ缶を集めて15年になるという。持ち去りを条例で禁じる自治体もあるが、名古屋市では禁止されていない。それでもマンションの住民に怒られることもあり、音を出さないよう細心の注意を払う。 「缶集めを禁止されたら、もう生活できんわな」 朝7時ごろまでは、新たにごみを出す人はあまりいない。 「それまでは、夜に集めきれなかった残りの分」 男性の「いつものコース」は、1平方キロメートルほどの範囲にある約30カ所の集積所を回る。事業所が入ったビルやマンションが並び、飲食店はあまりない。午前6時から2時間かけて、3往復。自転車をこぎながら、横目で集積所をチェックする。 前かごに、クマのプーさんのキーホルダー。「拾ったんだ」。お気に入りだ。 そう話して笑顔もみせていた男性は、これまでの経緯を聞くと、表情を曇らせ、やや声をとがらせた。 名古屋市出身で、広島県の造船… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
党員集め「名前だけでいい」と発言 維新・森議員認める
日本維新の会の森夏枝・衆院議員(比例近畿)が2018年度に党員を募集する際、事務所関係者に「名前だけで構わない」と発言していたことがわかった。森氏が取材に認めた。18、19年度に集めた党員延べ99人分の党費について、事務所の事務局長だった父親が肩代わりしたことが判明しているが、森氏はこれまで関与を否定していた。 この問題は10月に発覚。党費は1人年2千円で、父親が肩代わりしたのは計19万8千円に上る。森氏が代表を務める日本維新の会京都3区支部の事務担当者でもあった父親は、担当者が党員獲得の際に党費を受け取ってこなかったので「自分で出してもいいと思った」としていた。 森氏は党員集めについて、「党費を集めるのは難しいと思った」「『難しかったら名前だけでいいです』とは言った。足りない分(の党費)は父親が立て替えた。それをよしとした私に責任がある」と釈明。これまでの説明については、「(党員集めをした人を)守りたかった。迷惑をかけたくなかった」と述べた。説明を一転させた理由については、「正直に話すことにした」と語った。 一連の経緯を「反省している」とした上で、「党員になりたくなかった人もいた中で、『2、3年前の2千円を払って』というのは難しい」と、党費回収は困難との見方を示した。 党費肩代わりは、選挙区内の住民への寄付行為を禁ずる公職選挙法に抵触する恐れがあるとの指摘については、「党員になることに財産的価値はないので、寄付行為にはあたらない」との認識を示し、今後に記者会見を開くつもりはないとも話している。 森氏は17年の衆院選に京都3区で立候補し、比例区で復活して初当選した。(高井里佳子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル