林家こん平さんの死去を受け、弟子で落語家の林家たい平さんは朝日新聞の取材に次のように語った。 ◇ 落語について一切言わず、伸び伸び育ててもらい、感謝の気持ちでいっぱいです。「焦るんじゃないぞ、咲くときがあるから」と言われた言葉が、いつも自分の中にありました。芸人は愛されることが大切だ、親しみをもって呼ばれることが素敵なことなんだ、と教えていただきました。「こんちゃん」と街で呼ばれたら「ハーイ」と手を挙げて応えていた。落語家はそうでありたいと思わせてくれました。(井上秀樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「自分の罪を後悔」逮捕の少年、心に変化 福岡女性刺殺
福岡市の商業施設で女性(21)が刺殺された事件で、殺人などの疑いで逮捕された中学生の少年(15)について、福岡地検は刑事責任能力の有無を調べる鑑定留置を21日に終え、勾留を再開した。事件直後から接見を重ねてきた弁護人が朝日新聞の取材に応じ、少年の心の変化について語った。 福岡市の女性刺殺事件 8月28日夜、福岡市中央区の大型商業施設「MARK(マーク) IS(イズ)」で、市内の事務アルバイトの女性(21)が刃物で刺されて死亡した事件。福岡県警は現場で刃物を持っていたとして、少年(15)を銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕し、9月9日には殺人の疑いで再逮捕。福岡地検は少年の刑事責任能力の有無を見極めるため、9月25日から鑑定留置を開始。専門医らが少年の精神状況などを調べた。21日に鑑定留置が終了。勾留が再開する。 弁護人が初めて少年と接見したのは、事件から4日後の9月1日。クーラーの音にかき消されるほどの小さな声で、一方的に早口でしゃべった。弁護人が話す間は目線をそらし、時折髪を触る癖をみせた。 殺人容疑で再逮捕されてから6日後の15日。弁護人は、スティーブン・R・コヴィー著のビジネス本「7つの習慣」を子ども向けに再編集した本を、少年に差し入れた。パン屋で働く青年が常連客の老人から助言を受けて考え方を改め、仕事の優先順位を考えたり、同僚との人間関係を改善したりしながら成長していく話を例に、感情を抑え、自分の意思で主体的に行動することの大切さを説く内容だ。 「少年は周りの人と関係を構築したり、感情を抑えたりする経験が不足していたのではないか」。弁護人はそう考え、この本を選んだという。少年は数日で読みきり、本に出てくる言い回しを時折会話に織り交ぜるようになった。 ■鑑定留置が終わりに近… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トヨタの元町工場で火災 クラウン、レクサスなど生産
21日午後2時50分ごろ、豊田市元町にあるトヨタ自動車元町工場内の建物から「黒煙が上がっている」と通報があった。同社によると、生産技術開発棟内の車両から出火し、午後4時半ごろ鎮火した。生産への影響はないという。現場には複数の消防車両が駆けつけ、消火活動に当たっており、メ~テレの空撮映像では建物から白い煙が上がる様子が見えた。 敷地内では、建物から外に出た従業員らが心配そうに消防活動を見守った。負傷者は確認されておらず、全員が避難したという。 元町工場は東名高速豊田インターチェンジの東約1キロ。同工場はクラウン、レクサスなどを生産し、昨年の生産台数は約5万台。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
諫早湾干拓の「失われた10年」 漁業者、開門求め続け
国営諫早湾干拓事業(長崎県)をめぐり、堤防排水門の開門調査を命じた福岡高裁の判決が確定して21日で10年がたった。20日には野上浩太郎農林水産相が就任後初めて現地を訪問。干拓地の営農者は「不毛な裁判を終わらせて」と求めた。野上農水相は、開門以外の方法で問題解決を目指すという国の従来の方針に言及。漁業者側は「失われた10年」の有明海の窮状を訴えた。 拡大する諫早干拓を視察する野上浩太郎農水相(左から3人目)=2020年12月20日午前11時57分、長崎県諫早市、長沢幹城撮影 干拓さえなければ… 「タイラギは今、ゼロです。9年連続休漁。アサリも、クルマエビもゼロ。これで生活していけますか」 佐賀市であった野上浩太郎農林水産相と、開門を求める裁判の原告や弁護団との意見交換の場。漁業者の平方宣清(のぶきよ)さん(68)=佐賀県太良町=は語気を強め、コロナ対策で5メートル離れて座る野上農水相に「このままでは後継者は育たない。地域が消滅する」とぶつけた。 拡大する野上浩太郎農水相に有明海の漁業の現状を訴える平方宣清さん(中央)=2020年12月20日、佐賀市、長沢幹城撮影 平方さんは漁師の家の次男として生まれ、19歳で潜水士になった。潜って採るのは、すしネタにも使われる有明海の高級二枚貝タイラギ。最盛期は300隻近い船が漁に繰り出し、平方さんも1千万円を超える年収があった。 だが、国が干拓事業のために潮受け堤防で湾を閉め切った1997年以降、海に異変が起きた。翌年から大規模な赤潮が頻発し、タイラギが激減した。断続的な休漁を余儀なくされた。 「干拓さえなければ、一人の漁民として何の障害もなく有明海と向き合えた」。堤防排水門の開門を求める裁判に参加。2010年12月、福岡高裁が国に開門を命じると、当時の民主党政権の菅直人首相が「高裁の判断は大変重い」と控訴を断念し、判決は確定した。「これで有明海で生活していける」。将来に確かな希望を持てた気がした。 しかし、国は期限の3年を過ぎても開門せず、逆に17年、開門差し止めを命じた別の裁判の判決を受け入れた。国が負った開門の義務はほごにされたままだ。 「主張を通すために判決を無視するというのは裁判の基本的ルールを崩す行為」。記事の後半では、確定判決を守らなかった国の姿勢を批判する漁業者側の馬奈木昭雄弁護団長のインタビューを掲載しています この10年、海の仲間は減るば… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小6サンタ、僕も経験した小児がん 闘う仲間への贈り物
入院している仲間に少しでも元気になってもらいたい。クリスマスイブの24日、小児がんを経験した小学6年生の少年が「サンタクロース」になる。現在も後遺症と闘っているが、大阪市都島区の市立総合医療センターで闘病中の子どもたちにプレゼントなどを準備している。 拡大する入院中の子どもたちにプレゼントを届ける予定の泉潤平さん。「みんなのレモネードの会」にちなんで黄色のサンタ帽を着用する=母親の花さん提供 サンタクロースになるのは同市旭区の小学6年生、泉潤平(いずみじゅんぺい)さん(11)。小児がん患者や家族らが参加する「みんなのレモネードの会」の企画で、小児がんを経験した子どもが自らプレゼントを考えて準備し届ける取り組みの一環。クリスマスを病院で過ごす子どもたちを励まそうと、2017年に始まった。今年は全国13カ所であり、関西では潤平さんがサンタクロースを務める。 プレゼントは看護師を通じてアンケートをし、みんなで楽しめるディズニー映画や幼児向け番組のDVD3枚と木製おもちゃに決めた。手書きのメッセージをしたため、24日に総合医療センターを訪れ、三つの小児病棟と小児外来に贈る。 記事後半には、動画もあります。潤平さんが脳腫瘍を発症してからの闘病生活や頭部の大手術、そして退院を経て仲間へプレゼントを贈るまでの歩みを振り返ります。 吐き気、大手術…後ろ向きな言葉は一度も 潤平さんが発症したのは17年… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関東大震災直後、惨殺された日本人 森達也氏が劇映画化
1923年の関東大震災の直後、流言飛語をもとに朝鮮人虐殺が相次ぐなか、日本人が犠牲になる事件も起きた。香川県の被差別部落出身の行商団9人が千葉県で自警団に惨殺された。ドキュメンタリー作品で知られる映画監督の森達也さん(64)がこの「福田村事件」を題材に初めての劇映画づくりに挑む。震災から100年となる2023年の公開を目指している。 今年11月、森さんと脚本家の佐伯俊道さん(71)らが行商団の故郷、香川県三豊市を訪れた。脚本を書く取材のためだ。 2人を自宅に迎えた女性(76)は、義父の大前春義さん(故人)について語った。「目の前で仲間が殺される様子が浮かぶんでしょうな。一杯飲んだら、泣いて大きな声を出して――」 春義さんは行商団の一員として、13歳の時に福田村事件に遭った。半世紀以上が過ぎた86年に民間団体の調査に対して初めて証言するまで、家族にも事件のことは一切語らなかった。 生存者の証言などによると、一… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国宝に重文…皇室ゆかりの収蔵品、どんどん貸し出します
皇居・東御苑の「三の丸尚蔵館」が所蔵する皇室ゆかりの品々が、来年4月以降、地方の美術館などに積極的に貸し出されることになった。同館は2024年度まで改築工事中で、その期間を利用し、国宝や重要文化財級を含む収蔵品を多くの人たちに見てもらおうという狙い。今後、オンラインで収蔵品を検索できる態勢づくりを進めていく。 同館は、昭和天皇の死去に伴い、国に寄贈された美術・工芸品などを収蔵、展示する施設として1993年11月に開館した。その後、香淳皇后や秩父宮さまを始めとする皇族方の遺品が寄贈された。 宮内庁などによると、現在の収蔵品は約9700品。内訳は、国宝や重要文化財の候補になるAランクが約2500品、美術的・歴史的価値のあるBランクが約7100点。 Aランクの作品のうち、「蒙古襲来絵詞(えことば)」は13世紀の鎌倉時代の作品で、肥後の国御家人・竹崎季長(すえなが)が二度にわたって九州博多周辺に来襲した「元寇(げんこう)」で戦った自らの功績を記録した絵巻とされる。1890年(明治23年)に当時の宮内省が買い上げた。益子焼の人間国宝・島岡達三の「地釉象嵌(じゆうぞうがん)唐草文壺(もんこ)」は1982年、栃木県で開かれた全国植樹祭で同県知事から昭和天皇、香淳皇后に献上された。 坂本竜馬が29歳の時に姉の乙女に宛てた手紙、秩父宮家の創設祝いに献上された横山大観の「秩父霊峰春暁」なども所蔵されている。 宮内庁によると、これまでも地方に数点を貸し出すことはあったが、今後は積極的に広報活動をしていくという。貸し出しは無料で、Aランク全品とBランクのうち、公開実績のあるものを合わせた計約3200品から優先的に貸し出す予定だ。 宮内庁と文化庁は、今年度の補正予算案に約9500万円を計上。収蔵品の検索、照会をしやすくするため、同館の企画展の図録をデジタル化し、収蔵品のデジタルアーカイブを構築する費用が含まれる。2022~24年度には、国立博物館を含めて、毎年4館以上に計160品以上の貸し出しを目指す。(長谷文) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
裁判員制度「おおむね順調」 辞退者減らす工夫には課題
2009年に始まった裁判員制度の施行状況について議論してきた法務省の検討会が報告書をまとめ、21日公表した。「おおむね順調に運用されている」と評価する一方、裁判員候補者の辞退が相次いでいることを受け、より参加しやすい環境の整備などを課題に挙げた。同省は報告書をもとに必要な措置を検討する。 検討会は法曹三者に加え専門家や犯罪被害者団体の理事ら11人で構成。長期間かかる裁判を対象から除外することなどを盛り込んだ15年の改正裁判員法の付則に基づき、19年1月以降、裁判員経験者や被害者らから聞き取りもして検討を進めてきた。 裁判員候補者が仕事や介護を理由に参加を辞退した割合は昨年、前年より微減したものの66・7%。その後の選任手続きを欠席した割合も依然3割を超えている。報告書は、裁判員休暇制度の導入を含め職場の理解を得るほか、各地裁が地元施設と連携し介護や保育のサービスを受けやすくする必要があると指摘した。 新型コロナウイルスの影響にも… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
苦境ゲストハウス、御朱印ブ-ムにあやかった復活策とは
コロナ禍で宿泊客が激減した全国のゲストハウスをもり立てようと、兵庫県姫路市のゲストハウスのオーナーが人気の「御朱印帳」ならぬ「御宿印(ごしゅくいん)帳」を製作して多くのゲストハウスに泊まってもらうプロジェクトを思いついた。各地のゲストハウスの賛同を得て、クラウドファンディングで製作費などの資金を募っている。 発案者は「シロノシタゲストハウス 姫路のお宿」(同市国府寺町)のオーナー城下(しろした)智久さん(49)。 背景には、コロナ禍でのゲストハウスの苦境がある。城下さんのゲストハウスも10月は31日間のうち、宿泊客があったのは9日間だけだった。「GO TO トラベル」も利用できるが、ゲストハウスの宿泊費は元々安価なため、高級旅館・ホテルのように割引額が大きくなって宿泊者が増えるような恩恵は、それほど受けていないという。 そこで「御宿印帳」を作ってゲストハウスを多くの人に知ってもらい、従来の客だけでなく、新たな客を掘り起こすことを思いついた。「御宿印帳」の考え方は、寺社の御朱印を集める御朱印帳と同じ。プロジェクトに参加するゲストハウスに宿泊してそれぞれの「御宿印」やサインを集める帳面で、来年4月1日からスタートさせる。 50軒の参加を目指してSNSで呼びかけたところ、北海道から沖縄までの50軒がプロジェクトへの参加を表明した。ウェブサイト(https://goshukuincho.com/)で確認できる。 城下さんは参加するゲストハウスに、「御宿印帳」の利用客への特典をお願いしている。城下さんのゲストハウスは500ミリリットルのお茶のペットボトル1本をプレゼントする。コップ1杯の地酒やレンタル自転車1日無料の特典を用意しているところもある。 ネット上で資金を集めるクラウドファンディングは、ウェブサイト「CAMPFIRE(キャンプファイア)」上のページ(https://camp-fire.jp/projects/view/346904)で1月23日まで実施している。金額によって御宿印帳をはじめとした返礼品がある。60万円の目標額に達しなくてもプロジェクトは実施する。(滝川直広) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水虫薬以外も承認外の手順で製造 厚労省が立ち入り調査
水虫などの皮膚病用の飲み薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、同社が他の複数の薬についても厚生労働省の承認外の作業手順で製造していたことがわかった。厚労省幹部が報道陣に明かした。厚労省と福井県などは21日、医薬品医療機器法違反の可能性があるとして、製造した小林化工(福井県あわら市)に合同で立ち入り調査に入った。同省が調査に入るのは初めて。混入原因の全容解明に向けて調査を進める。厚労省幹部は報道陣に「業務停止命令は免れない」との見方を示した。 同日午前9時前、厚労省と県、独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」(PMDA)の担当者計約10人が同社に入った。県などによれば、調査は数日間予定され、工場の作業員らの聞き取りや製造工程、出荷前検査の記録などをチェックする。厚労省は薬の製造を承認し、県は同社に医薬品販売業の許可を出していた。承認した薬の成分と異なる成分の薬を流通させたことが同法違反にあたる可能性があるとみている。 同社によれば、問題の薬は31都道府県の医療機関などで364人(うち2人死亡)に処方された。19日時点で156人が意識消失などの健康被害を訴え、34人が入院または救急搬送された。服用の影響とみられる交通事故は22件にのぼる。(平野尚紀、鈴木智之、三井新) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル