JR西日本は16日、ICカード「ICOCA(イコカ)」の定期券の利用客が朝のラッシュ時を避けて乗車すれば、ポイントを付与する試みを始めると正式に発表した。大阪中心部の駅で降りる人が対象で、期間は来年4月1日から1年間。新型コロナウイルス対策で密を避けるためにも、駅や電車の混雑緩和をめざす。 関西圏の約380駅から乗車し、午前9時半~10時半にJR大阪環状線や東西線の各駅や新大阪駅、尼崎駅など計33駅の自動改札機を出ると、1回につき20ポイント(1ポイント=1円換算)を与える。ポイントは自動券売機でイコカの残高に振り替えることができ、運賃の支払いや買い物に使える。 対象となる到着駅はいずれも午前7、8時台の混雑が激しく、大阪駅と天王寺駅は2019年の平日平均で約8万~11万人が利用している。約6割が通勤客で、そのうち9割がイコカ定期券の利用者という。通学定期券の利用者は、時間の変更が難しいとみて今回の対象からは外した。 混雑の緩和ができれば、ラッシュ時に数を増やしている車両や駅員を減らすことができる。JR西はコロナの影響を受けた利用客の減少で経営が悪化しており、コスト削減を進める狙いもある。今回の試みの効果を分析し、将来的には時間帯別に運賃に差をつける制度の導入も検討する。(神山純一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学術会議が組織見直し案 「国からの独立」は結論出さず
日本学術会議の梶田隆章会長は16日、政府への提言機能や国際発信力を強化するなどとする組織の見直し案を井上信治・科学技術担当相に提出した。一方、自民党が求める国からの独立については、独立行政法人や国立大学法人、特殊法人といった形態を検討したものの、「ナショナルアカデミーとしてどういう設置形態がふさわしいのか、法制上の洗い出しを進める必要がある」として結論は出さなかった。 報告書は「より良い役割発揮に向けて(中間報告)」と題する9ページ。国を代表する学術機関として、安定した財政基盤など五つの要件を満たす必要があるとし、「政府の特別の機関」である現在は「5要件を全て満たしている」と評価した。その上で、独立する場合にそれらが満たせるかも含め、「時間をかけて精査する必要」があるとした。 一方、会員の選出方法については、産業界所属の会員を増やすなど多様性の充実を図り、選考プロセスの透明性を向上させる方針を示した。(石倉徹也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「テラハ」木村花さんへの侮辱容疑 男を書類送検へ
フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演し、5月に死去した木村花さん(当時22)をウェブ上で誹謗(ひぼう)中傷したとして、警視庁は近く、大阪府箕面市の20代の男=職業不詳=を侮辱容疑で書類送検する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。木村さんは共演者に激怒するシーンが放送された3月以降にSNSに中傷コメントが相次いだ末、5月23日に自ら命を絶った。 捜査関係者によると、男は木村さんが亡くなる直前の5月中旬ごろ、匿名で、ツイッター上に「性格悪いし、生きてる価値あるのかね」「いつ死ぬの?」などと数回にわたって書き込み、木村さんを公然と侮辱した疑いがある。6月下旬に木村さんの遺族にメールで謝罪をしていたという。 木村さんが亡くなった直後、多数の中傷コメントや関連のツイッターのアカウントが削除された。捜査関係者によると、中傷コメントが書かれた画像が残されており、警視庁が遺族の協力を得て分析していた。この男の投稿も保存されており、侮辱行為を裏付ける証拠となった。 警視庁は男の書き込みのほかにも、木村さんを中傷した投稿約1200件(約600アカウント)を確認。残された画像の分析やウェブ上の捜査でわかったという。警視庁は、ほかの中傷コメントについても引き続き捜査を進めていく考えだ。 テラスハウスはシェアハウスで… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高知の養鶏場で鳥インフル 今季11県目、西日本に集中
高知県は16日、宿毛市の養鶏場で鳥インフルエンザが発生したと発表した。鳥での伝染力や致死率が高い高病原性の疑いがあり、県はこの養鶏場の採卵鶏約3万2400羽の殺処分を始めた。高知県内の養鶏場での発生は初めて。今季の養鶏場での発生は11県目で、西日本に集中している。 高知県は殺処分のために16日午前、職員154人を現地に派遣した。この養鶏場から半径3~10キロ以内を搬出制限区域に設定。この区域では養鶏場2戸が約580羽を飼育中という。 県によると15日午前、この養鶏場から「農場で鶏が死んでいた」と家畜保健衛生所に通報があった。40羽が死んでおり、養鶏場内の13羽に簡易検査を実施したところ、11羽から陽性反応が出た。続いて実施した遺伝子検査で高病原性の疑いが分かった。 高知県内では2011年、仁淀川町で野鳥の鳥インフルの感染が確認されたが、養鶏場での発生はこれまでなかった。(加藤秀彬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
薬物常用者は「目つき肌つや違う」 職質のプロが技伝授
違法薬物から若者を守りたい――。福岡県内をはじめ全国で大麻所持事件が増えるなか、県警は摘発の端緒をつかむのに欠かせない職務質問に力を入れている。その「職質のプロ」である行橋署地域課長の山田敬三警部(59)は定年退職を来春に控え、後継者の育成に努めている。 「ほら、今なにか落とした」。10月下旬、行橋署の駐車場に山田さんの声が響いた。署員に話を聴かれていた男性のポケットから、白い粉入りのポリ袋が落ちた。「証拠隠滅のために捨てることがある。見逃さないように」と山田警部が諭した。職務質問訓練での一幕だ。 鑑識や通信指令など様々な警察活動に精通し、実績を重ねた警察官や職員は、県警本部長から「技能指導官」に指定される。熟練の技を若手に伝える使命を担う。山田さんは、犯罪を防ぎ、事件の早期解決のために不審者らから事情を聴く職務質問の分野で2016年、指導官に選ばれた。県警にいま指導官は山田さんを含め25人いる。 北九州市小倉南区出身の山田さんは大学を卒業後、食品会社に3年間勤めた後の1986年、警察官になった。職務質問は機動警察隊などで30年以上にわたり経験した。 「若いときは先輩に言われるがままに職質をしていました」と笑う山田さんだが、先輩に話を聴くよう指示された通行人に声をかけると、不思議と大麻を所持していた。何度も声かけを重ねるうち、大麻や覚醒剤の使用常習者の傾向がわかってきたという。 拡大する職務質問の訓練で指導する山田敬三警部(中央)=2020年10月26日午後3時47分、福岡県警行橋署、板倉大地撮影 「目つきや肌のつや感が違って… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
報道写真展、日本橋三越で開会 野口みずきさんがサイン
ニュース写真で1年間の出来事を振り返る「2020年報道写真展」が16日、東京都中央区の日本橋三越本店で始まった。 開会式には、ギリシャで東京五輪の聖火ランナーを務めたアテネ五輪(04年)マラソン女子金メダルの野口みずきさんが招かれた。テープカットを終えた野口さんは、自身が写ったギリシャでの聖火リレーの写真にサインをした。 展示しているのは、東京写真記者協会(新聞、通信、放送など35社加盟)の会員らが撮影した約300点。今年の会場はコロナウイルス感染拡大を防ぐため、展示スペースの通路を例年に比べて広めにし、パネルを設置する壁も再利用出来る木材を並べて通気性を良くする対策が取られている。24日まで(入場無料)。(恒成利幸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
縁起物は郵送、露店も映えスポットも…初詣の「密」対策
新型コロナウイルスの猛威が止まらないまま、新年が近づいてきた。初詣の「密」を避けるため、各地の寺社は分散参拝を呼びかけ、さらなる対策も打ち出している。甘酒の振る舞いや露店の見送り、縁起物を年内から授与――。今までとは違う姿の新春を迎えることになりそうだ。 正月三が日の人出が全国屈指の約230万人に達する熱田神宮(名古屋市熱田区)。境内に例年約200はあった露店をなくし、参道の幅を広く確保した上で、全域で一方通行に。本宮付近にはライブカメラを設置し、ネットで混雑状況がわかるようにする。 「三が日には地元の氏神様にお参りいただき、熱田神宮には落ち着いてからお参りください」と総務部の圓藤能久さん。 破魔矢などの授与は12月初旬… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寿都町に「核抜き条例」包囲網 核ごみ処分場応募に反発
北海道の寿都(すっつ)町と神恵内(かもえない)村で始まった「核のごみ(原発から出る高レベル放射性廃棄物)」の最終処分場の選定プロセスに対し、「待った」をかけようとする動きが周辺自治体で相次いでいる。2町村が、道や周辺自治体の反対を押し切る形で選定プロセスに向かったことへの反発もあるようだ。 選定プロセスの第1段階「文献調査」が始まった寿都町の西隣の島牧(しままき)村で15日、村議会が村内への核のごみの持ち込みを拒否する条例(核抜き条例)を可決した。議員8人のうち議長を含む5人が条例案の提案者となり、賛成4、反対3の賛成多数(議長を除く)だった。条例案の提出者の一人で、地元漁協の組合長でもある浜野勝男村議は、寿都町の片岡春雄町長が反対の声があるなかで調査への応募に踏み切ったことに対し「(寿都町は)いっこうに聞く耳を持たなかった」と批判。「文献調査から次(の概要調査)に移行するのは完全にストップさせなければ」と述べた。藤沢克村長は「多くの同じ意を示す自治体とスクラムを組むのは起こりえるのではないか」と語った。 寿都町周辺の島牧村、黒松内(くろまつない)町、蘭越(らんこし)町は、片岡町長が8月に調査への応募検討を表明するとすぐに再考を求めた。しかし応募の動きは止まらなかった。 3町村は寿都町より面積が大きく、各自治体では、仮に寿都町で将来、地下に最終処分場が建設されれば、地中深くへの核のごみの埋設となるため、町村の境に関係なく何らかの影響が出かねないとの懸念が根強い。水産業への風評被害を心配する声もある。 黒松内町でも12月議会で核抜き条例が提案され、継続審議となり、年明けの議会で採決される見込みだ。蘭越町では核のごみを拒否する決議が採択される可能性がある。 寿都町でも、文献調査に異議を… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「八丁味噌」を名乗れるのは誰? 100年続く業者対立
黒みがかった色合いと濃いうまみが特徴の「八丁味噌(みそ)」。この名称を使える業者は誰なのか。名前の由来となった「発祥の地に限るべきだ」という老舗と、「広く愛知県内で認めるべきだ」とする業者の間で対立が続いている。 大豆と塩を原料とする八丁味噌は、同県岡崎市八帖(はっちょう)町で江戸時代から造られてきた。町で今も蔵を構えるのは「合資会社八丁味噌」と「まるや八丁味噌」の2社だ。 3年前の2017年12月15日、この老舗2社に衝撃が走った。「地理的表示(GI)」として、2社と対立する県味噌溜醬油(みそたまりしょうゆ)工業協同組合が申請した「八丁味噌」が認められたのだ。GI保護制度は農林水産省が所管しており、生産地と結びついた特徴を持つ商品であることを示し、そのブランド価値を保護する狙いがある。 実は先にGIを申請したのは、… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ハロウィーンの偽パトカー、書類送検 「再生回数を…」
ハロウィーンの夜に偽パトカーを札幌市の繁華街・狸小路付近で無許可で走らせたとして、北海道警は15日、同市清田区の30代と40代の男を、道路運送車両法違反と道路交通法違反の疑いで札幌区検に書類送検し、発表した。2人は容疑を認め、30代の男は「過激な動画をネットで流して再生回数を上げたかった」と供述しているという。 札幌中央署によると、2人の書類送検容疑は、10月31日午後8時5分ごろ、同市中央区南2条西5丁目の市道で、撮影用パトカーを「仮ナンバー」(臨時運行許可番号標)をつけないで運転したというもの。また、30代の男は道警の許可を得ないで道路を動画撮影に使用し、偽パトカーを運転した40代の男はその手助けをした疑いがある。 30代の男は偽パトカーの動画を撮影し、動画配信サイトYouTube(ユーチューブ)で公開しようと計画。同市北区のレンタル会社に勤める40代の男に、「劇用車」と呼ばれる撮影用パトカーの貸し出しを頼んだ。車は車検が切れていたため、自治体が貸し出す仮ナンバーをつけて走行する必要があった。2人は仮ナンバーを取得したが、私有地の駐車場で偽造ナンバーに付け替えて撮影。30代の男の求めで、そのまま公道でも走行したという。 40代の男は「無許可で公道を走れないとわかっていたが、少しの距離なのでばれないと思った」と供述しているという。 30代の男が11月2日に「自分がやった」と同署に出頭した。署は両罰規定を適用し、法人としてのレンタル会社も両容疑で書類送検した。(前田健汰) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル