昨年の参院選を巡り公職選挙法違反罪に問われた元法相の河井克行被告(57)の公判が11日、東京地裁であった。広島県呉市議の土井正純氏(55)が克行議員からの現金受領を認め、「買収になる金だと思った」と述べた。捜査段階の調書で「30万か、少ないな」と供述したことも明らかになった。 土井氏によると、参院選の投開票日3日前の昨年7月18日、克行議員が妻で参院議員の案里被告(47)=公選法違反罪で公判中=について「まだまだ厳しい」と話し、現金30万円入りの封筒を差し出した。土井氏は断ろうとしたが最終的に受け取り、その日のうちに政治活動費として自身の口座に入金したという。 克行議員の弁護側は、土井氏が捜査段階の調書で「国会議員のくせに30万か、少ないな」と供述していたと指摘。これに対し、土井氏は「違法という気持ちはあったが、私にはそれだけの価値しかないのかなとも思った」と釈明した。 呉市議会は今年7月、土井氏に… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「霧」と「音響」の彫刻が語る 70年大阪万博の記憶
「霧の彫刻」と「音響彫刻」。1970年大阪万博ゆかりの二つの展覧会が、いずれも京都市立芸術大学の主催で開かれている。 JR京都駅の東南に位置する、京都市南区東九条の北河原市営住宅跡地に出現したのは、70年万博ペプシ館での発表を皮切りに世界的に知られる中谷芙二子(なかやふじこ)の霧の彫刻。「霧の街のクロノトープ」と題する今プロジェクトは、中谷がアーティスト集団・ダムタイプの高谷史郎(たかたにしろう)と協同で進めてきた。 拡大する中谷芙二子×高谷史郎「霧の街のクロノトープ」展示風景=京都市南区東九条北河原町 建設現場の足場に似た高さ約3・8メートルの構造体に取り付けられた約800個のノズルからは、コンピューター制御の人工霧が15~20分間隔で噴き出し、雲海のように空き地を埋め尽くす。霧の形や噴射の時間は厳密に調整され、構造体は日没時に太陽がその中心を通るよう、空き地に対して斜めに設置されている。 戦前から在日韓国・朝鮮人が多… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
給食のうどんで食中毒 浮上した「原因食材」に深まる謎
11月半ば、東京都墨田区の保育園の給食で食中毒が起きた。発疹など症状は軽かったが、原因の可能性がある食材として浮上したのが「だしパック」だったことから、関係者に議論を呼んでいる。 都の食品監視課によると、当日のメニューはきつねうどん、カボチャサラダ、バナナ、麦茶。午前11時ごろから食事を始め、10分後から1時間20分後にかけて、園児28人の顔や腕に発疹が現れた。いずれも軽症で1時間ほどで回復。同じ給食を食べた職員らに発症はなかったという。 ヒスタミンを検出 症状からヒスタミンによる食中毒を疑い、都が検査をしたところ、きつねうどんから100グラムあたり8ミリグラムのヒスタミンを検出(スープ、麺、具すべてを含めた値)。この日のメニューでヒスタミンを含み得るものは、だしに使われたカツオ節のほかにないため、都ではだしパックのカツオ節が原因食材の可能性があるとして、流通状況などを調べている。保育園の給食を調理した事業者によると、使用しただしパックは継続的に使ってきたメーカーのもので、これまでに問題はなかったという。 ヒスタミンとは何か。藤井建夫… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
岩手ゼロ・謎の飛行物体…今年の東北流行語大賞が決定
東北6県で最も話題になった言葉を選んで1年間を振り返る「勝手に!東北流行語大賞」に、新型コロナウイルス関連の「岩手ゼロ」が選ばれた。東北の情報を発信する「TOHOKU360」(仙台市)が主催。今月上旬にウェブで候補15語の決選投票を行い、1733人の投票結果を10日に発表した。 「岩手ゼロ」は春ごろから全国で新型コロナの感染者が確認される中、岩手県だけが7月29日まで感染者がいなかったことに由来する。県内では「陽性第1号」になることを懸念する声があったことから、達増拓也知事は5月、「感染者は出ていい。第1号になったとしても県はその人のことを責めません」と会見で語っていた。 次点は6月中旬に宮城や福島の上空で確認された白い「謎の飛行物体」。仙台管区気象台や自衛隊にもその正体がわからず、SNSで「仙台上空に未確認物体!」「UFOだったりして」などと波紋を呼んだ。 3位には福島県出身の作曲家・古関裕而氏がモデルで、同県がロケ地にもなったNHK朝の連続テレビ小説「エール」が選ばれた。 コロナ関連の語は1位のほか2… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教員の「変形労働制」 北海道で条例可決、導入へ
教員の勤務時間の上限を繁忙期に引き上げる代わりに、夏休みなどに休みを固め取りできるようにする「変形労働時間制」について、北海道議会は11日の本会議で、導入のための条例案を賛成多数で可決した。来年度から実施する。文部科学省などによると、条例の可決は全国初という。 昨年国会で教職員給与特措法の改正法が成立した。導入には都道府県と指定市が条例を制定する必要がある。北海道の条例は札幌市を除く道内の公立学校が対象になる。 道内の公立学校の教員が繁忙期に労働時間を延ばす変わりに、夏休みなどに連続して休日を取れるようにする1年単位の「変形労働制」。ただ、導入は教員の長時間労働の固定化につながると反対する声も根強い。 道議会本会議では宮川潤議員(共産)が意見を述べ、長時間労働の実態を放置したままの制度導入に反対を表明した。道内の教職員でつくる北海道高等学校教職員組合連合会(高教組)と全北海道教職員組合(道教組)も同日、反対声明を発表。道教組の斎藤鉄也書記長は「教員の声を全く聞かずに可決した。導入で長時間労働の歯止めがきかなくなり、子供のための教育が壊れていく」と訴えた。 道教育委員会は9月、道立校の校長と各市町村教委宛てに制度導入の意向調査を実施。約8割が活用を希望したといい、導入の理由に挙げている。道教委は「制度を導入すること自体が勤務時間を縮減するものではないが、働き方改革を進める一つの選択肢となる。本制度の趣旨に沿った適切な運用を行う」と説明している。 教員の変形労働時間制を巡っては昨年12月、盛り込んだ教職員給与特措法の改正法が国会で成立。都道府県と指定市が条例を制定すれば導入できるようになる。(原田達矢) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
赤、オレンジ、緑…釣り人が夜空に描く「落書き」
京浜工業地帯の夜景をキャンバスに赤、オレンジ、緑の線で落書きをしたような光景が広がる。光の正体は通称「タチフロート」。タチウオを狙う釣り人が使う光るウキが海に向かって飛んでゆく。 ここは横浜市鶴見区の護岸。土日の夜には200人以上が1キロ弱の間に並ぶ。近くの海釣り施設が昨年の台風で被害を受けた。復旧もままならないうちに新型コロナウイルス対策の入場規制が始まり、この場所に来る釣り人が増えた。 拡大する赤、青、緑の「タチフロート」が海に飛んでゆく=2020年11月12日、横浜市鶴見区、加藤諒撮影(午後7時24分から36分までに撮影した14枚を比較明合成) 3人の子を連れた会社員阪田昌也さん(42)は「海釣り施設に入れないので10月からここに。子どもを遊ばせるのも外の方がいい」と話した。 この場所に30年以上通っているというベテランの釣り人は、「タチウオの季節はもう終盤。魚群の第2波が来るかどうか。コロナと同じで誰も分からないよな」とつぶやいた。(加藤諒) 拡大する京浜工業地帯の夜景に光跡を描く「タチフロート}=2020年11月28日、横浜市鶴見区、加藤諒撮影(午後5時54分から6時51分までに撮影した20枚を比較明合成) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
笑顔が世界一のクオッカ 360度カメラで見た表情は!
つぶらな瞳に、ぽっちゃり顔の小型のカンガルー・クオッカ。時折、口元が笑っているように見えることから「世界一幸せな動物」とも呼ばれている。現在、生息地のオーストラリア以外では世界で唯一、見ることができる埼玉県こども動物自然公園(東松山市)の協力で、飼育展示場に360度カメラを設置した。 クオッカはオーストラリア南西部やロットネスト島などの森林や湿地に主に生息する。体長40~50センチ、体重約2~4キロで、低い草木や堅い木の実などを食べる。あごの筋肉が発達し、口角がキュッと上がっており、下からみると笑っているような表情がSNSで話題になった。 今年3月、開園40周年を記念し、オーストラリアのフェザーデール野生生物園からクオッカのオスとメス各2頭が贈られた。新型コロナの影響で7月からの公開になったが、待望の赤ちゃんが2頭産まれ、土日祝日は平均約1千人の来園者が訪れるという人気ぶりだ。 同園では現在、6頭のクオッカが飼育されている。公開時間は平日2時間、土日祝日は3時間。クオッカは飼育展示場を走り回ったり、えさをボリボリ食べたり、じゃれ合ったり。その愛らしい様子を撮影しようと、スマホを片手に来園者も移動する。中には一眼レフに望遠レンズを手にしたカメラマンも。お目当てのシーンは、笑っているように見える表情だが、意外に難しい。取材では360度カメラを飼育展示場に埋めて撮影させてもらった。果たして、笑っているような映像が撮れているのかは見てのお楽しみだ。 【動画】埼玉県こども動物自然公園の飼育員がクオッカを解説=同園提供、竹谷俊之撮影 クオッカの担当飼育係・寺内あ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
リサイクル、地球の次は…あれを使ったゴミ回収、目指す
宇宙ゴミリサイクル目指す雪下真希子さん(47) 星たちがまたたく宇宙には、膨大な宇宙ゴミも漂う。そのリサイクルに挑戦する企業の共同創業者だ。「地球のリサイクルはやってきた。『じゃあ、次は宇宙で』というのが発端です」 宇宙ゴミとは地球の軌道上にある不要な人工物。役割を終えた人工衛星やロケットの破片などを指す。そのリサイクルを目指す「STARS(スターズ) Space(スペース) Service(サービス)」(SSS)は、昨年12月25日設立の静岡大発のベンチャー企業だ。 1971年創業の中部日本プラスチック(浜松市)を父から引き継いだ。インターンの留学生が、静岡大学工学部の能見公博教授の下で、地上と宇宙を結んで人や物を運ぶ「宇宙エレベーター」について学んでいた。会話の中で宇宙ゴミの存在を知り、能見教授を紹介してもらって、起業の話は一気に進んだ。 SSS社が目指すリサイクルの舞台は宇宙。ロケットで人工衛星を宇宙に運び、回収した宇宙ゴミを宇宙ステーションで修理したり、使える部品を再利用したりする。宇宙で作業が完結するため、コストの大幅削減が期待できる。 SSS社は現在、能見教授が中心となって進める宇宙エレベータープロジェクトに参加している。中部プラ社からは社員が出向して環境試験に加わるなど技術や知識を積み重ねている。本格的な事業開始には数十年かかると見込むが、「(宇宙ゴミ対策は)求められていること。困っていることを解決すればお金になる」。広大な宇宙にビジネスチャンスを見ている。(須田世紀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
切れた電話、4時間後に部屋へ行くと…宿泊療養中に死亡
神奈川県は12日未明、新型コロナウイルスの軽症・無症状者向けに県が設けている宿泊療養施設に入っていた、県内在住の50代の男性が死亡したと発表した。施設側が連絡しても電話に出ない状況が数時間続き、室内で心肺停止の状態で発見されたという。宿泊療養施設に入所中の患者が死亡したのは同県では初めて。県は「極めて異例」のケースだとし、宿泊療養施設での健康観察のあり方を検証する方針。 県によると、男性は8日に感染が確認され、9日から同県厚木市内の宿泊療養施設に入っていた。 男性は11日午前、頭痛や腰痛、倦怠(けんたい)感を訴えた。体温は37・8度だった。県の保健師との電話でのやりとりのなかで「寝ているので腰痛がある。体を動かしているとよくなる」などと話していたという。 同日午後3時ごろ、LINEを使った健康状態の報告がなかったことから、施設の看護師が午後4時ごろ~7時半ごろに計6回、室内の内線電話や男性の携帯電話に電話をかけたが、つながらなかったという。このうち午後4時ごろの電話に対しては応答したものの、男性はしゃべらず、電話は途中で切れたという。午後6時半以降の電話に対しては応答がなかった。 午後8時ごろ、施設の看護師が部屋に様子を見に行ったところ、男性は心肺停止の状態でベッドに仰向けに倒れていたという。男性は医療機関に緊急搬送されたが、午後9時ごろ死亡が確認された。 記者会見で県の担当者は「死亡原因を含めてまだ不明な点が多いが、(宿泊療養施設の)運営そのものに緊張感を持たないといけない」と話した。 午後4時ごろ、男性が一言も話さないまま電話が切れた後、約4時間の間、室内を確認しなかったことについては「結果論からすると適切かどうかは判断が分かれる。いままで電話に出ても答えないケースは他(の患者)にもあった」としつつ、「その時点で注意を払っておくことが必要」とした。再発防止策については「健康観察のあり方や基準をもう少し明確化しないといけない」とした。(岩本修弥) ■男性の死亡まで… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寺に残された遺骨 祖国に返れぬ朝鮮人労働者たち
ノーベル物理学賞に寄与した宇宙素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ」がある岐阜県飛驒市の神岡鉱山。ここでも戦時中、亜鉛と硫酸の増産のため、朝鮮人が多数動員された。その遺骨が、周辺の寺に今も残っている。 神岡鉱山の朝鮮人動員は1940年に始まった。厚生省(当時)の資料では42~45年に神岡鉱山に連行された朝鮮人は1694人。鉱山に電源を供給する神岡水電にも、ダム建設の工夫(こうふ)として2千人以上が動員された。 拡大する金文奉ら、浅井田ダム建設の犠牲者をまつる慰霊灯籠(どうろう)の横に立つ下嶌義輔=2020年10月12日午後2時26分、岐阜県飛驒市神岡町、阿久沢悦子撮影 同県中津川市の下嶌義輔(しもじまよしすけ)(66)は15年前から、鉱山周辺の寺院に朝鮮人の遺骨を訪ね歩いている。元国鉄職員。労働組合の活動の一環で、在日朝鮮人の指紋押捺(おうなつ)拒否などを支援してきた。 下嶌は90年、名古屋市で開かれた集会で在野の研究者、金蓬洙(キムボンス)(故人)と出会い、神岡鉱山で働いていたと思われる朝鮮人34人の犠牲者リストを手にした。金が役場に残っていた戦時中の「埋火葬認許願綴(つづり)」から、名前と職業、生没年月日、死因、本籍地を書き写したものだった。 2005年、前年の日韓首脳会… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル