創業82年になる鋳造会社が、「お肉のサブスクリプション(定額定期便)」を新商品として売り出した。鋳物メーカーが「食肉」を手がける事情とは――。 1938(昭和13)年創業の「石川鋳造」(愛知県碧南市)の4代目社長、石川鋼逸(こういつ)さん(48)は、名前に「鋼」の文字が入る。自動車部品や水道管の委託製造を主に請け負ってきた。 「食肉」とのつながりが生まれたのは、2017年12月。「肉がおいしく焼ける」ことに特化したフライパンを開発・商品化した。自動車メーカーなどの下請けから脱して、自社製品で勝負に出た。 熱伝導が良く、蓄熱温度が高い鋳物の特性を生かしたフライパン。フッ素樹脂塗装なしでも焦げ付きにくく、さびにくいよう加工した。 秘密は鉄板の厚みだ。他社の主流商品の3倍ほど、4~5ミリもある。内径20センチと小ぶりだが、ずっしり重い。商品への「思い」と「重い」をかけて「おもいのフライパン」と名付けた。 新聞やテレビで紹介されると、税抜き9千円(現在は同1万円)と高額ながら注文が殺到した。同社のウェブサイトからの通信販売で、多い時は1日1万5千枚の注文があり、3年待ちの人気商品に。 だが、フライパンは頻繁に買い替える商品ではない。大きいサイズを出すなどしたが、数年たつと、注文も落ち着きを見せ始めた。石川さんは次の手を考えた。 「このフライパンを欲しがるの… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内新たに2744人感染、過去最多を更新 新型コロナ
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大阪城に白黒ヤギが出没中 広がる人気、その理由は?
最近、大阪城公園(大阪市中央区)にヤギが出没している。童謡に出てくるような白と黒のヤギ2頭が、黙々と草を食べる愛らしい姿が癒やされると話題になっている。 「めっちゃ、かわいい」 近所に住む女性(39)は、たまたま見かけたヤギに足を止めた。2歳の息子も大喜びで、柵越しのふれあいを楽しんでいた。 拡大する大阪城公園に「出勤」したヤギ。飼い主が松の手入れをする間、トラック荷台のケージで待つ=2020年11月30日、大阪市中央区、矢木隆晴撮影 だがなぜ、大阪城公園にヤギ? ペットのヤギが除草に活躍 その目的は「除草」。今年6月から、同公園の除草作業に試験的に導入されていて、月に4、5回公園に姿を現す。 この2頭、公園を管理する市の持ち物ではなく、個人の私物だ。造園業を営む辰己倖一さん(59)のペットとして、普段は大阪府八尾市の自宅で飼われている。辰己さんは大阪市が公園の管理を委託する大和リースからの依頼で同公園内の植栽管理を担当。仕事がある時、ヤギもトラックの荷台に乗って自宅から一緒に「通勤」する。 ヤギやヒツジが好きな辰己さんは、今年4月に長野県で2頭を購入。「大阪城公園の除草に使えないか」と思いつき、大和リースの担当者に相談。大阪市や大阪城パークセンター、関係者の許可を得て実現した。 拡大する大阪城公園に「出勤」したヤギ。飼い主が松の手入れをする間、トラック荷台のケージで待つ=2020年11月30日、大阪市中央区、矢木隆晴撮影 2頭は1歳3カ月の双子で、見た目から「シロちゃん」と「クロちゃん」と呼ばれている。シロは気が強く、餌をよく食べ体が少し大きい。クロは比較的おとなしめだ。「仕事」の日は、朝9時ごろから夕方4時ごろまで黙々と食べ続け、縦2メートル×横3メートルの柵の中の草をほぼ食べ尽くす。人間が刈ればすぐ終わる面積なのだが、騒音も排ガスを出さず、刈った草も残さないため、「トリプルゼロ」(騒音ゼロ、CO2ゼロ、廃棄物ゼロ)とも呼ばれ環境にやさしい。 そして経済効率よりも期待できるのが「癒やしの効果」。公園で観察していると様々な人が足を止める。「今はコロナでみんながイライラしている時。見ているだけで和む」と話す、ヤギを見つめていた建設業の男性。スマホで写真を撮ったり、ぼーっと見つめたり、さながらアイドル的存在となっている。 拡大する大阪城公園の植栽を管理する辰己倖一さん。ペットとして飼うヤギがかわいくて、除草で活用できないかと提案した=2020年11月30日、大阪市中央区、矢木隆晴撮影 2頭のヤギは、現在、公園内の森ノ宮駅に近い緑地帯で主に活動している。実施日は同センター(06・6755・4146)に問い合わせれば教えてもらえる。今後はホームページやSNSで発信することも検討しているという。 ヤギのレンタルも ヤギの除草は全国的に増えている。農林水産省によると、2018年のヤギの飼育頭数は約3万頭で、年々増加傾向。学校や団地、河川敷や傾斜地など、除草の需要は全国各地で広がりつつあり、レンタルや販売をする業者も数多く存在している。 除草するのはヤギだけ?後半では他の動物による除草などの記事がご覧いただけます 辰己さんが購入した「産直市場… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「キラー・カーン」を書類送検 自転車でひき逃げ容疑
自転車で歩行者をはねたのにそのまま逃げたなどとして、警視庁は9日、元プロレスラーの「キラー・カーン」こと小沢正志氏(73)=東京都新宿区=を道路交通法違反(ひき逃げ)と重過失傷害の疑いで書類送検した。新宿署への取材で分かった。 小沢氏は10月18日午後5時ごろ、同区百人町1丁目の都道の車道左端を自転車で走行中、20代女性をはねたのに、救護したり警察へ通報したりせず、現場から立ち去った疑いがある。脇道に左折しようとした際、歩道にいた女性にぶつかったという。女性は歯が折れるなどの大けが。署は周囲の防犯カメラの映像から小沢氏を特定した。 署によると、調べに対し小沢氏は容疑を認めており、「ぶつかったのには気が付いたが、そのまま自分が経営する近くの店に行った。けがをさせたことは申し訳ない」などと供述しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
動かないお母さんの左手、大すき 小3娘がつづった感謝
言葉に出しにくい家族への感謝の気持ちを伝える第14回「『いつもありがとう』作文コンクール」(朝日学生新聞社、シナネンホールディングスグループ主催)で、埼玉県春日部市立備後小学校3年生の米島夏綾(かりん)さん(8)の「お母さんの左手」が、9540点の中から最優秀賞に選ばれた。「30分ぐらいで普通に書いた」という作品が、審査員から「構成力がありドラマを感じる」と評価された。 夏綾さんの家庭では、母親の一美さん(44)が都内の職場で働き、父親の亮さん(37)が家事を受け持つ。一美さんの左手が不自由で、家事をこなすのが難しいことがその理由だが、周囲からは奇異の目で見られることも。昼間に公園で父子で遊んでいると、誘拐犯と間違えられて警察に通報されるなど、いつも笑顔の亮さんが落ち込むこともある。 夏休みの宿題で作文に取り組んだ夏綾さんは、そんな家族の様子を描きながら、父と母、そして母親の不自由な左手への感謝の気持ちをつづった。一気に書き上げ、10日もかかった読書感想文に比べて「簡単だった」という。 そんな作品が、作文コンクールの頂点に。審査員の1人で作家のあさのあつこさんは「この作品の秀逸なところは、最後はお母さんの不自由な左手にありがとうと結ばれているところで、これには驚いた。作品を作る力、構成力をひしひしと感じた」と評価した。 夏綾さんは3日、両親と春日部市役所を受賞の報告に訪れ、石川良三市長の前で作文を朗読した。 普段は活発だという夏綾さんも、受賞の感想を聞かれると「うれしかった」とはにかんだ。一美さんは「家庭のことが書かれて恥ずかしいけれど、最優秀賞はうれしい」。亮さんは「夏綾は母の左手に手紙を出すつもりで書いたのでしょう」と話した。(米沢信義) 「お母さんの左手」(全文) わたしのお父さんは、はたらいていない。その代わり、そうじやせんたく、ごはんを作る家事をしてくれる。わたしにとって、お父さんがいつも家にいて、家事をすることは当たり前だけど、スーパーの店員さんや友だちのお母さんたちからはふしぎに思われている。今まで何回お父さんの仕事は何、と聞かれたかおぼえていない。それでもお父さんはいつも笑っている。気がつくとわたしも笑っている。わたしはそんなお父さんが大すきだ。 ある日、めずらしくお父さんが… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
寺の境内から300年前の石仏 コロナ退散願って安置
お寺の境内で住職が石を掘り出したら、なんと石仏だった。記された年は疫病がはやっていた約300年前。おそらく疫病退散の石仏だったのでは、と思った住職はその石仏を境内に安置した。新型コロナ退散を願う人がさい銭を供え、手を合わせている。 石仏が見つかったのは、長野県伊那市高遠町の弘妙(ぐみょう)寺。田中勲雄住職(78)は、敷地内の旧七面堂近くに大きめの石が埋まっていることに気がついていた。子供のころから寺に住む義母の笠井広子さん(88)は「ずっと土をかぶってたの。コケも生えてねえ」。 この春、住職は総代会長の北原昭さんらと石を掘り出してみた。すると、お釈迦様を彫った石仏が現れた。高さは70センチほどで「享保12年」と刻まれていた。西暦に直すと1727年。当時のことを調べると、たびたび疫病や飢饉(ききん)が起こっていたことがわかった。 「ちょうど今の時代と同じだなと思って」。住職は新型コロナが早く収まりますようにとの願いを込め、新七面堂の下に石仏を安置した。口コミで広がったのか、コロナ退散を願う人がぽつりぽつりと訪れて手を合わせるようになった。 笠井さんは「掘ったらこんなにきれいだった」と石仏を慈しむ。高遠は石材加工で全国に知られた「高遠石工」と呼ばれる人々がいた地域。住職は「当時は高遠石工が活発に活動していた時代。おそらく高遠石工が彫ったものでしょう」と話している。(依光隆明) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
尾身氏「ステージ3地域、GoTo停止を」 衆院厚労委
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は9日の衆院厚生労働委員会で、「ステージ3相当の地域は今の感染状況を打開するには『Go To』含めて人の動き、接触を控えるべき時期だ」と述べた。高齢者や基礎疾患がある人を自粛としている東京都の「Go To トラベル」について、すべての人を対象に一時停止すべきだとの認識を示した。 尾身会長はステージ3相当の感染拡大地域では「Go To トラベル」を含めて人の動きを止めるということは「世界的な感染対策上の合理的なオプション」だとも指摘した。 一方、政府は8日に「Go To トラベル」と「Go To イート」を来年6月末まで延長することを決めた。尾身会長は延長に対する意見を問われ、「今の感染状況のときは中止した方がいいということを再三申し上げている」と指摘。「むしろ早く感染を下火にしてステージ2にしてから、またしっかりとやる方がトータルとしては経済的にも影響があるし、国民の理解が得られやすいんではないかと思う」と述べた。(土肥修一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
UR都市機構の団地で火災、高齢男女死亡 名古屋・千種
9日午前7時半ごろ、名古屋市千種区星ケ丘1丁目、鉄筋コンクリート造り25階建てのUR都市機構アーバンラフレ星ケ丘10号棟で、11階に住む無職中村光彌さん(94)方から出火した。火は約1時間後に消し止められたが、部屋から高齢の男女が搬送され、病院で死亡が確認された。 愛知県警千種署によると、中村さんは妻(95)との2人暮らしで、署は亡くなった2人が中村さん夫妻とみて、身元や出火原因、焼損面積などを調べている。団地の防災センター職員が、部屋から煙が出ているのを見て火災に気付き、119番通報した。消防車両が16台出動した。 現場は、地下鉄東山線星ケ丘駅から東に約270メートルの住宅街にある。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「あおり」事故から4年、亡き妻との約束果たす苗木
4年前、軽乗用車で帰宅途中の夫婦が前方の車に進路をふさがれ、トラックに追突された。事故で亡くなった妻は、ハープの演奏が好きだった。夫は、妻の夢をかなえるために、自ら育てた木で楽器をつくろうとしている。「あおり運転」などが厳罰化されたいま、夫は何を思うのか。 事故に関する裁判がすべて終わり、一つの区切りを迎えた11月。宇都野信清さん(59)は、切り株に腰掛けて木の成長ぶりを確認していた。愛知県豊田市にある山の一角で、2年前から苗木を育てている。晩婚の2人が将来描いていた「楽器の森」をつくるためだ。 妻の朱美さん(当時48)は芸大出身で、よくハープを奏でていた。コンサートを開くほどの腕前だった。 拡大する自然のなかでハープを演奏するのが好きだったという朱美さん=宇都野信清さん提供 あの日も、朱美さんが好きだっ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
英国人に手厚く、朝鮮人には何もない 墓碑銘に映った差
三重県熊野市の山中に、高さ75メートルの巨大な遺構が残る。紀州鉱山の選鉱場跡だ。戦時中、東洋一の規模とうたわれたこの鉱山で、1300人余りの朝鮮人労働者が、採掘やトンネル掘削などの強制労働に就いていた。 拡大する紀州鉱山の選鉱場跡。高さ75メートル。完成当時「東洋一」の処理量を誇った=2020年11月22日午後1時37分、三重県熊野市紀和町板屋、阿久沢悦子撮影 その朝鮮人の追悼碑が、旧紀和町役場に近い国道沿いにある。 2010年3月、市民団体「紀州鉱山の真実を明らかにする会」が建てた。同会は、鉱山を経営していた石原産業(大阪市)の従業物故者名簿などから、朝鮮人犠牲者を割り出した。 碑の横に35個の石が並び、一… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル