首都圏4都県に緊急事態宣言が出されたことを受け、愛知県豊田市は9、10日に開く成人式に、4都県から帰省して参加することを自粛するように求めることを決め、市の公式ホームページで呼びかけた。市担当者は「感染者が急激に増え、感染防止策を徹底する必要があるため」としている。市によると、新成人は約5千人という。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宣言解除の条件、異論が噴出 「1カ月では判断難しい」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府は7日、首都圏の1都3県に緊急事態宣言を出すことを決めた。飲食を中心とした対策は十分なのか、宣言を経て感染は収まるのか。専門家の見方を聞いた。 生活や経済に大きな影響がある緊急事態宣言は、解除の条件と、対策と期間の適切な設定が重要になる。社会全体で人と人の接触を減らすように求めた昨年4月の宣言と違って、今回は感染拡大の「急所」という飲食の場に対策の重点を置き、対象エリアも絞った。特に酒を飲む夜の会食での感染を防ごうと、飲食店の時短営業の要請や、夜間の不要不急の外出自粛、勤務の抑制を打ち出した。 「4月に実施したような網羅的な抑制ということでなく、何とかその経験を生かして焦点を絞ってできないかという強い思いが、みんなの共通認識」。7日午前、緊急事態宣言について議論した政府の諮問委員会後、メンバーの釜萢敏(かまやちさとし)・日本医師会常任理事はこう話した。一方で、「そのことで効果が不十分になる懸念はみんな持っている」と不安をのぞかせた。 諮問委員会には各分野の専門家らが参加し、宣言に伴う政府案に意見した。ここで異論が噴出したのは、宣言解除の条件だった。 政府案では、政府の分科会による感染状況の四つのステージのうち、2番目に深刻なステージ3をゴールとしていた。今の東京都は、最悪レベルのステージ4。ステージ3でも感染者は多く、保健所や医療現場は逼迫(ひっぱく)している。分科会はステージ3でも、「Go To トラベル」の見直し、夜間や酒類を提供する飲食店への外出自粛要請などの対策が必要だとしてきた。 諮問委員会メンバーの鈴木基・国立感染症研究所感染症疫学センター長は「(感染者が徐々に増える)ステージ2でようやく医療公衆衛生が通常運転になりうる状況。それをしっかりと達成するためには、ステージ3での解除は早すぎる」と話す。対策の効果が確認できる時期を考えると、1カ月後に解除する判断自体が難しいとみる。 分科会はステージの判断指標を六つ示しており、一つは新規感染者数だ。東京都の1日あたりの人数に直すと、ステージ3は300人、4は500人ほど。市中感染が広がっており、直近1週間の平均では1200人を超え、目標は遠い。 宣言の期間は1カ月。尾身茂・分科会長は7日の会見で、「確かに1カ月未満に、ステージ3に近づけるということは簡単ではありません」と認めた上で、「しっかりと頑張れば、1カ月以内でもステージ3にいくことは可能だと思っています」と述べた。 宣言「遅すぎた」との指摘も 政府が「勝負の3週間」と呼び… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再び緊急事態宣言…暮らし逆戻り?「前回の緊張感ない」
暮らしも、仕事も、また逆戻りするのか――。新型コロナウイルスの感染者数が急カーブで増え続け、首都圏1都3県に再び緊急事態宣言が出された。対象地域の市民からは「遅すぎる」との声もあがる。 買いだめ客の姿なく JR千葉駅前では7日夕、足早に帰路につくスーツ姿の会社員の姿が多くみられた。 教育関係の会社に勤める千葉市稲毛区の会社員細川悠元(ゆうげん)さん(29)は「8日から週の半分以上がテレワークになる。新年でやる気が上がっていたのに、逆戻りした感じ」と嘆く。 自宅には長男(3)と生後4カ月の長女がおり、「仕事に集中できる環境ではない」。前回の宣言時もテレワークになったが、子どもの泣き声が相手に聞こえないよう、電話は車の中に移動してかけた。「会社での雑談から生まれるアイデアもあるので、効率は落ちる」 子どもたちの年齢を考えると、感染の不安は高い。夜の会食もできるだけ制限してきた。「宣言を出すのが遅かった。感染者がどこまで減れば解除されるのか具体的に示してほしい」 千葉市中央区のスーパーでは、前回の宣言発令前にみられた「買いだめ客」の姿はなかった。50代の男性店主は「念のため水などの在庫は増やしたが、逆に売れ残りが増えている」と話す。 千葉市の会社員堀越侑茄(ゆうか)さん(28)は、いつもより大きめのマイバッグを持って来たが、水やティッシュの在庫が多くあるのを見て、普段と同じ買い物をした。「足りなくなったら外に出て、また買いに来ればいい。宣言は少し緩い気がする。前回のような緊張感はないし、本当にこれぐらいで大丈夫なのかな」と不安を口にした。(福冨旅史) ■議員の会食「怒ってい… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Giants reach deal with former MLB All-Star Justin Smoak
The Yomiuri Giants have agreed to a contract with longtime major league first baseman and designated hitter Justin Smoak, the Central League champions said Thursday. Yomiuri will sign the 34-year-old switch hitter as a free agent from the San Francisco Giants on a two-year deal believed to be worth $3 […]
「感染前に戻れれば」 宣言再び、渋谷を見つめる3日間
新型コロナの感染拡大をうけて、首都圏に2度目の緊急事態宣言が出されます。街の風景はどう変わるのか。社会部の記者たちが7~9日の3日間、東京・渋谷から報告します。 7日20:00 渋谷区宇田川町のデパート「PARCO渋谷」入り口に飾られたドラえもんの像の周囲で、何度もスマートフォンで写真を撮っている男性がいた。都内の会社員男性(57)。仕事帰りに用事があって渋谷に寄ったら、偶然見つけたという。 「いま、ドラえもんに一つ、道具を出してもらえるとしたら」と尋ねると、男性は「実はあまり詳しくはないんだけどね……」と言って数秒考え、「タイムマシンですかね」と答えてくれた。「やはり国は新型コロナウイルスを甘く見ていたと思う。感染が拡大する前の世の中に戻って、命を最優先にした政策をとってもらいたい」 新型コロナで友人を2人、亡くしたという。一人は60歳だった。「私も新型コロナの本当の恐ろしさをわかっていなかったのだと思う」。当たり前のように満員の電車に揺られ、通勤していたからだ。 男性は詳しい仕事の内容は教えられないということだったけど、8日からも、しばらくの間は出勤が必要だという。「寄り道もきょうが最後。経済も大事だけど、命がなくなったら、楽しいことも何もできなくなってしまうから」 拡大するデパート前に飾られたドラえもんの像の周りには、スマートフォンで写真を撮る人の姿が絶えなかった=2021年1月7日午後8時10分、東京都渋谷区宇田川町、山本亮介撮影 7日18:15 渋谷のワインバー。緊急事態宣言をめぐる菅義偉首相の記者会見が始まる5分前から、従業員の女性(33)は店内のテレビを準備し、経営を心配するお客さんと一緒に見つめた。 会食を介した感染が増えている、と画面の向こうで菅首相が理由を説明をする。女性は「どうして飲食店が狙いうちされるのか。会食が悪いという根拠はあるのだろうか」と不満を漏らした。 同店はコロナ禍の前までは夕方から未明までを営業時間としていた。酒類の提供が午後7時までとされたことに対し、「昼飲みする人は少ない。現実を分かっていない」。協力金についても「家賃が高いところと低いところで一律支給はおかしい。つぶれる飲食店が出てくるだろう」と顔を曇らせた。 拡大する「店名公表すれば、そこの店に集まり、密になる。昨春もそうだった」。菅首相会見をテレビで見る飲食店の従業員(左)らからは不満が漏れた=2021年1月7日、東京都渋谷区、木村浩之撮影 7日17:00 宮下公園跡地に昨年6月オープンした商業施設「MIYASHITA PARK」。「4階建ての公園」をコンセプトに約90店が軒を連ねる。明治通り沿いの1階はフランスやイタリアの高級ブランド店が並び、ロングコート姿の男性スタッフが客を招き入れた。 一方、すぐそばの公園の公衆トイレの脇では、毛玉の目立つニットを重ね着した男性(47)が、衣類や調理器具が詰まったキャリーバッグを整理していた。横浜市のアパートから立ち退きを迫られ、昨年9月から路上生活が続いているという。 都内の感染者数が2千人を超えたと伝えると、「この半月、公園から見える電車の乗客数が減ったと感じていた。まだ増えるんじゃないかな」と話した。2度目の緊急事態宣言が出される見込みと知り、「苦しくても我慢できる人とできない人がいる。我慢できる人に合わせる政策はとってほしくない」という。 持っていた衣類をリサイクルショップに売り、大手ディスカウントショップで一玉30円ほどのうどんをまとめ買いする。カセットコンロでゆでる素うどんが主食だ。まだ数カ月分は生きていけるという。隣で寝起きする同じくらいの年齢の男性がこの2日間、荷物を置いたまま姿が見えないのが気にかかる。 都内の気温は8度ほど。風が強く、街路樹を揺らす。男性は肩をすくめ、この日の午前中に明治神宮に行ったことを教えてくれた。人影の少ない社殿で手を合わせ、祈ったという。「自分だけがよければいい、という考えの人がどうか少なくなってほしい」 拡大する商業施設に面した歩道脇に置かれた荷物。男性によると、路上で生活する人たちの所持品という=2021年1月7日、東京都渋谷区神宮前6丁目、山本亮介撮影 7日15:10 スクランブル交差点を見下ろす大型ビジョンに「東京都で新たに2447人の新型コロナ感染確認」の速報が流れる。 ハチ公前で友人を待ちながらスマホをいじっていた大学生の男性(21)は「あっという間に1千人、2千人と増えたから、過去最高と言われても『またか』と思っちゃう」と話す。 富山の実家への帰省をやめ、飲み会は控えている。「マスクを外して話さないから大丈夫」と、この日は友人と買い物に来たという。緊急事態宣言が出されることはニュースで知ったが「何が制限されて何は許されるのか、正直よく分からない。前回みたいに飲食以外も閉まったら困るけど」。やがて友人が到着し、「SHIBUYA109」へと向かっていった。 拡大する大型ビジョンでは東京都の新規感染者数を伝える速報が流れた=2021年1月7日午後3時48分、東京都渋谷区、増山祐史撮影 7日13:00 ハローワークには、若者から高齢者まで幅広い年代の人たちが仕事を探しに訪れていた。 世田谷区に住む男性(46)は昨春まで印刷会社に派遣社員として働いていたが、新型コロナウイルスの影響で契約が更新されなかったという。しばらくはイベントスタッフなど単発の仕事で食いつないでいたが、感染が「第3波」を迎えた昨秋に、ついに仕事が入らなくなった。 10万円ほどの貯金はあっという間になくなり、家賃も滞納が続く。「このままだとのたれ死んでしまう」と、わらにもすがる思いで仕事を探しにきた。 比較的求人が多いのは重労働だが、腰に持病を抱えているため、できない。「緊急事態宣言が出たらどうなるのか。明日生きていけるかも心配だ」とこぼす。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国で過去最多の7571人感染 20都府県で最多更新
新型コロナウイルスの7日の国内感染者数は午後10時現在で7571人となり、1日あたりの最多を3日連続で更新した。前日から1千人以上増え、初めて7千人を超えた。6日時点の重症者は全国で796人で、前日より12人増えてこれまでで最多となった。死者は64人増えた。 新規感染者が最多となる地域が相次ぎ、緊急事態宣言が出された首都圏の1都3県のほか、大阪、愛知、福岡など全国の計20都府県で最多を更新した。 都道府県別で最多となった東京都は2447人の感染を確認。前日の1591人を大きく上回って初めて2千人を超えた。都内では5日に1278人が確認されて以降、3日連続で1千人を超えた。「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO)を使用」とする都基準の重症者数は前日より8人多い121人で、過去最多を更新した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋田で車の立ち往生相次ぐ 暴風と吹雪、大規模停電も
7日午後9時55分ごろ、秋田県大潟村方口の県道で、自動車10台が雪で立ち往生していると県警本部に通報があった。8日午前0時現在、除雪車が作業中という。このほかにも県内で車が立ち往生しているという情報が県警に寄せられている。 発達した低気圧の影響で、秋田県内は沿岸部を中心に7日夕方から暴風や吹雪となった。気象庁によると、午後7時台から8時台にかけて最大瞬間風速が八峰町で42・4メートル、能代市35・3メートル、大潟村で33・4メートルと、いずれも観測史上1位を更新した。 東北電力ネットワーク秋田支社によると、強風による断線などで午後11時現在、県内約4万4300戸で大規模な停電が発生している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カネミ油症、子や孫らの健康調査 全国規模で厚労省方針
国内最大規模の「食品公害」のカネミ油症で、認定患者の子や孫らを対象にした全国規模の健康実態調査が行われることになった。患者の子や孫ら「次世代」に特化した調査は初めて。健康不安や差別に苦しむ子や孫らの大半は患者認定されておらず、支援団体などが実態調査と救済の必要性を訴えていた。 厚生労働省が取材に明らかにした。患者認定の基準を策定する「全国油症治療研究班」(事務局・九州大)が全国の認定患者の子らを対象に、本人の同意を得て健康実態を調べる。調査の手法や規模、時期などは検討中で、対象者に「協力金」の支払いも検討している。 今月末にある研究班と患者団体との会議の場で、実態調査のあり方や方向性などが説明されるという。 汚染された食用油を口にした人… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
GoToトラベル、停止期間を延長 イベント、商店街も
国土交通省は7日、観光支援策「Go To トラベル」の全国停止期間を延長すると発表した。経済産業省もイベント支援策「Go To イベント」と商店街支援策「Go To 商店街」の一時停止期間を延長する。いずれも昨年12月28日から今月11日まで全国で停止することが決まっていたが、今回の緊急事態宣言が終わる2月7日まで停止する。 「トラベル」事業では、12日以降の予約済みの旅行については17日までに申し出ればキャンセル料をとらない。キャンセルが発生した観光事業者に対しては、補償として旅行代金の35%(補償額の上限は1人1泊あたり1万4千円)を一律で支払う方針。緊急事態宣言は1都3県が対象だが、全国的に感染が拡大傾向にあることなどを踏まえて、全国一斉の停止を続ける。 「イベント」事業はコンサートやスポーツイベントなどのチケットを割引するが、停止期間中は割引対象外とする。オンラインイベントは割引を続ける。「商店街」事業は、停止期間中のイベントを中止する。 飲食店を支援する「Go To イート」も、農林水産省が昨年11月から感染が広がっている地域でのプレミアム付き食事券の販売見合わせと利用自粛を呼びかけており、これを継続する。今回宣言が出る1都3県を含む23都道府県では、すでに食事券の販売が中断されている。3月以降に予定されていた食事券の追加販売も、感染状況を見極めながら慎重に実施するかどうかを判断する。(木村聡史、新宅あゆみ、高木真也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「感染前に戻れれば」 緊急事態宣言の渋谷から
新型コロナの感染拡大をうけて、首都圏に2度目の緊急事態宣言が出されます。街の風景はどう変わるのか。社会部の記者たちが7~9日の3日間、東京・渋谷から報告します。 7日20:00 渋谷区宇田川町のデパート「PARCO渋谷」入り口に飾られたドラえもんの像の周囲で、何度もスマートフォンで写真を撮っている男性がいた。都内の会社員男性(57)。仕事帰りに用事があって渋谷に寄ったら、偶然見つけたという。 「いま、ドラえもんに一つ、道具を出してもらえるとしたら」と尋ねると、男性は「実はあまり詳しくはないんだけどね……」と言って数秒考え、「タイムマシンですかね」と答えてくれた。「やはり国は新型コロナウイルスを甘く見ていたと思う。感染が拡大する前の世の中に戻って、命を最優先にした政策をとってもらいたい」 新型コロナで友人を2人、亡くしたという。一人は60歳だった。「私も新型コロナの本当の恐ろしさをわかっていなかったのだと思う」。当たり前のように満員の電車に揺られ、通勤していたからだ。 男性は詳しい仕事の内容は教えられないということだったけど、8日からも、しばらくの間は出勤が必要だという。「寄り道もきょうが最後。経済も大事だけど、命がなくなったら、楽しいことも何もできなくなってしまうから」 拡大するデパート前に飾られたドラえもんの像の周りには、スマートフォンで写真を撮る人の姿が絶えなかった=2021年1月7日午後8時10分、東京都渋谷区宇田川町、山本亮介撮影 7日18:15 渋谷のワインバー。緊急事態宣言をめぐる菅義偉首相の記者会見が始まる5分前から、従業員の女性(33)は店内のテレビを準備し、経営を心配するお客さんと一緒に見つめた。 会食を介した感染が増えている、と画面の向こうで菅首相が理由を説明をする。女性は「どうして飲食店が狙いうちされるのか。会食が悪いという根拠はあるのだろうか」と不満を漏らした。 同店はコロナ禍の前までは夕方から未明までを営業時間としていた。酒類の提供が午後7時までとされたことに対し、「昼飲みする人は少ない。現実を分かっていない」。協力金についても「家賃が高いところと低いところで一律支給はおかしい。つぶれる飲食店が出てくるだろう」と顔を曇らせた。 拡大する「店名公表すれば、そこの店に集まり、密になる。昨春もそうだった」。菅首相会見をテレビで見る飲食店の従業員(左)らからは不満が漏れた=2021年1月7日、東京都渋谷区、木村浩之撮影 7日17:00 宮下公園跡地に昨年6月オープンした商業施設「MIYASHITA PARK」。「4階建ての公園」をコンセプトに約90店が軒を連ねる。明治通り沿いの1階はフランスやイタリアの高級ブランド店が並び、ロングコート姿の男性スタッフが客を招き入れた。 一方、すぐそばの公園の公衆トイレの脇では、毛玉の目立つニットを重ね着した男性(47)が、衣類や調理器具が詰まったキャリーバッグを整理していた。横浜市のアパートから立ち退きを迫られ、昨年9月から路上生活が続いているという。 都内の感染者数が2千人を超えたと伝えると、「この半月、公園から見える電車の乗客数が減ったと感じていた。まだ増えるんじゃないかな」と話した。2度目の緊急事態宣言が出される見込みと知り、「苦しくても我慢できる人とできない人がいる。我慢できる人に合わせる政策はとってほしくない」という。 持っていた衣類をリサイクルショップに売り、大手ディスカウントショップで一玉30円ほどのうどんをまとめ買いする。カセットコンロでゆでる素うどんが主食だ。まだ数カ月分は生きていけるという。隣で寝起きする同じくらいの年齢の男性がこの2日間、荷物を置いたまま姿が見えないのが気にかかる。 都内の気温は8度ほど。風が強く、街路樹を揺らす。男性は肩をすくめ、この日の午前中に明治神宮に行ったことを教えてくれた。人影の少ない社殿で手を合わせ、祈ったという。「自分だけがよければいい、という考えの人がどうか少なくなってほしい」 拡大する商業施設に面した歩道脇に置かれた荷物。男性によると、路上で生活する人たちの所持品という=2021年1月7日、東京都渋谷区神宮前6丁目、山本亮介撮影 7日15:10 スクランブル交差点を見下ろす大型ビジョンに「東京都で新たに2447人の新型コロナ感染確認」の速報が流れる。 ハチ公前で友人を待ちながらスマホをいじっていた大学生の男性(21)は「あっという間に1千人、2千人と増えたから、過去最高と言われても『またか』と思っちゃう」と話す。 富山の実家への帰省をやめ、飲み会は控えている。「マスクを外して話さないから大丈夫」と、この日は友人と買い物に来たという。緊急事態宣言が出されることはニュースで知ったが「何が制限されて何は許されるのか、正直よく分からない。前回みたいに飲食以外も閉まったら困るけど」。やがて友人が到着し、「SHIBUYA109」へと向かっていった。 拡大する大型ビジョンでは東京都の新規感染者数を伝える速報が流れた=2021年1月7日午後3時48分、東京都渋谷区、増山祐史撮影 7日13:00 ハローワークには、若者から高齢者まで幅広い年代の人たちが仕事を探しに訪れていた。 世田谷区に住む男性(46)は昨春まで印刷会社に派遣社員として働いていたが、新型コロナウイルスの影響で契約が更新されなかったという。しばらくはイベントスタッフなど単発の仕事で食いつないでいたが、感染が「第3波」を迎えた昨秋に、ついに仕事が入らなくなった。 10万円ほどの貯金はあっという間になくなり、家賃も滞納が続く。「このままだとのたれ死んでしまう」と、わらにもすがる思いで仕事を探しにきた。 比較的求人が多いのは重労働だが、腰に持病を抱えているため、できない。「緊急事態宣言が出たらどうなるのか。明日生きていけるかも心配だ」とこぼす。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル