宮内庁は8日、天皇、皇后両陛下が学界の第一人者の講義を聴く「講書始(こうしょはじめ)の儀」(12日)、新年恒例の「歌会始の儀」(15日)について、それぞれ開催を延期すると発表した。新型コロナウイルス感染症が昨年末から急激に感染拡大したことを受けた措置。今後の開催時期は感染状況を見極めて判断するという。 二つの儀式が延期になったのは、1953年1月の秩父宮さまの逝去で翌月に実施された例がある。 二つの儀式のうち、歌会始は、披講諸役(ひこうしょやく)が独特の節回しで時間をかけて読みあげる儀式。宮内庁は、関係者が互いに向き合わないように配置し、アクリル板を設置するほか、参列者数を大幅に絞るなど、感染対策を施し、開催する方向だったが、見送りを決めた。 また、宮内庁は8日、感染拡大を受けて皇居一般参観と東御苑開園を当面の間休止することも発表した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
明治時代、海の上を走った列車 「高輪築堤」の遺構公開
1872年に日本で初めて鉄道が開業した際に造られた「高輪築堤」の遺構が8日、東京都港区のJR高輪ゲートウェイ駅近くで報道各社に公開された。 JR東日本と港区教育委員会によると、高輪築堤は、海の浅瀬に盛り土をして石垣で固めた幅約6・4メートルの堤で、その上を列車が通っていた。8日公開されたのはその一部だ。 1870年の着工で、現在の田町駅付近から品川駅付近までの約2・7キロにわたり造られた。当時の兵部省が陸寄りの土地を走ることに反対し、海上ルートになったという。当時の錦絵にも海上を走るような様子が描かれているが、明治末期以降に埋め立てられた際に撤去されたと考えられていた。 2019年4月、品川駅の改良工事の際に石垣の一部が見つかり、20年7月にJR東が再開発を予定している高輪ゲートウェイ駅付近でも出土した。現在、約770メートルの遺構が確認されているという。 JR東は港区教委と調査を続け、一部の現地保存や移築を検討している。JR東の担当者は取材に対し「明治初期の鉄道の歴史を後世に継承できる、大変意義深いものと考えている」と話す。 鉄道ファンらの関心も高く、10~12日に行われる見学会には、定員計300人に対し、はがきで1978枚の応募があったという。(一條優太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クラスター発生、医療・福祉施設で45% 12月分析
政府の新型コロナウイルス対策の分科会が8日開かれ、昨年12月に発生した807件のクラスター(感染者集団)を分析した結果が報告された。医療機関や福祉施設での発生が45%を占めた。飲食に関連したものは約2割で、このうち約半数は接待を伴う飲食店だった。 報道された情報にもとづき、5人以上の感染者が出たクラスターを分析したもので、分科会メンバーの押谷仁・東北大教授から報告された。 807件(感染者数1万3252人)のクラスターのうち、医療・福祉施設での発生が361件(同8191人)と最も多く、45%を占めた。飲食関連が156件(同1664人)、教育施設123件(同1754人)、職場95件(同1103人)、その他72件(同540人)と続いた。 飲食関連のうち、接待を伴う飲食店が77件(同907人)で約半数を占めた。そのほかの飲食店39件(同327人)、カラオケ19件(同245人)、会食16件(同134人)、ホームパーティー5件(同51人)だった。 今回の緊急事態宣言は昨年4月の宣言と異なり、感染拡大の「急所」とする飲食の場に対策の重点を置いている。押谷さんは、医療機関や福祉施設、教育施設のクラスターをきっかけに地域に流行が広がることは少ないと指摘。感染の拡大を抑えるうえでは「飲食の場が重要で、そこを抑えていかないといけない」と話した。 このほか、教育施設では高校が41件(同771人)と最も多く、大学19件(同364人)、保育所・幼稚園27件(同250人)、中学校14件(同134人)、小学校9件(同89人)だった。高校や大学は、小中学校に比べ、クラスターごとの感染者数が多いという。 職場の内訳は企業関連が66件(同635人)と多かった。工場関連は9件(同178人)と件数は多くないが、クラスターごとの感染者数は多くなる傾向があるとしている。(土肥修一) 【クラスターの内訳】 クラスター件数 感染者数(人) 医療・福祉施設 361 8191 飲食関連 156 1664 教育施設 123 1754 職場関連 95 1103 その他 72 540 計 807 13252 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市部長ら、ゴルフ場で酒→車乗り合わせ帰る 兵庫・川西
兵庫県川西市の幹部職員ら11人が昨年10月、県内のゴルフ場で平日にゴルフコンペを開き、昼食時に飲酒していたことが同市への取材でわかった。その後に車に乗り合わせるなどして帰っており、飲酒運転と疑われかねなかったとして、市は参加した職員を注意した。 川西市によると、参加したのは土木部長、副部長級1人、課長級1人を含む現役職員9人と、元職員2人。現役職員は有給休暇を取得していたか、勤務日ではなかった。昼食でビールを飲み、夕方に車で帰宅した。市職員課は、運転した職員の飲酒量を「コップ1杯から中ジョッキ1杯程度」とし、「飲酒から運転まで4時間以上たっていた」と説明している。 川西市では昨年9月、市職員が交通事故を起こすなどしたケースが2件続き、全職員に交通ルールの順守を呼びかけていた。市は「職員らが飲酒運転だったかどうかは判断できない」としながらも、管理職3人を厳重注意とし、残る職員6人も注意した。 兵庫県内はこの時期、新型コロナウイルス対策で県が独自に定めていた5段階(現在は6段階)の警戒区分のうち、下から2番目の「感染警戒期」だった。(石村裕輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
除雪中の死亡事故「記録的被害の恐れ」 高齢化も影響か
北日本や西日本の日本海側で、大雪が続いている。2メートル以上積もった地域もあり、広い範囲で平年の数倍の積雪となった。雪に慣れている地域でも除雪中の死亡事故が相次いでおり、専門家は「記録的な被害になる恐れがある」と懸念する。 新潟県妙高市で3日、屋根の上で除雪作業をしていた男性(58)が転落し、亡くなった。 秋田県大仙市では4日、女性(85)が雪に埋もれた状態で見つかり、その後、死亡が確認された。除雪中に、屋根から落ちた雪の下敷きになった可能性がある。 長岡技術科学大の上村靖司教授(雪氷工学)によると、屋根からの落雪に巻き込まれたり、屋根に上がって雪下ろしをしている時に転落したりする事故が目立っているという。 「雪の量が多いことに加え、高齢化や過疎化が進み、高齢者が単独で作業をすることが増えていることが事故につながっている」と分析する。 雪下ろしでは、どんな点に注意したらいいのか。 上村教授によると、命綱とヘルメットをつけることが基本だが、屋根に命綱を固定する金具「アンカー」を設置していない家が多いという。 誤った方法でロープを使うと、宙づり状態になる恐れや、ロープがゆるんで転落する危険もある。 アンカーがない場合、家の周りに雪を残しておき、落ちた際のクッションにする方法もあるという。 また、はしごの固定が不十分で転落する事故も起きている。はしごは、上下でしっかり固定できているか確認し、75度の傾斜で立てかける。はしごに上ったままの作業はしない。 何かあったときにすぐに助けを呼べるように複数で作業をすることも重要だ。 1人でやる場合は、家族や近所に声をかけ、携帯電話を身につける。 気温が上がると雪が緩んで落雪する危険もあるため、早朝など気温の低い時間帯に作業をするといいという。(藤波優) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北陸中心に「顕著な大雪」 日本海側、観測史上最多も
北陸を中心に日本海側では8日、大雪となった。気象庁によると、各地の12時間降雪量の最大値は同日夜までに富山県高岡市59センチ、福井県大野市56センチ、富山市48センチで、いずれも観測史上最多に。山口県下関市でも24時間で6センチと史上最多となった。 7日夜遅くから8日夜にかけて、富山、福井、石川、新潟の4県の一部地域に各地方気象台は「顕著な大雪に関する気象情報」を発表。短時間に強い雪が降って交通網などへの影響が懸念される際に出される。2019年11月の導入以降、初めて発表された。 8日午後7時時点の積雪の深さは、富山県氷見市で平年の8倍となる72センチ、鳥取県米子市で5倍超の16センチなど、北陸を中心に日本海側では広範囲で積雪が増えた。太平洋側でも、岩手県一関市で平年の6・6倍となる33センチとなった。 北陸に大雪をもたらしたのは「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」と呼ばれる現象だ。2方向からの冷たい風が海上でぶつかり、雪雲が発達。帯状になって狭い範囲に入り続ける。7日夜から北陸には集中的に雪雲が流れ込むようになり、短時間で降雪量が増えた。 昨年12月に新潟県の関越自動車で大規模な車の立ち往生が起きた大雪をはじめ、年末年始、今回と今季は日本付近への強い寒気の流れ込みが続いている。要因の一つが太平洋の海面水温が低くなる「ラニーニャ現象」だ。日本では寒い冬になりやすくなるこの現象が昨年秋から発生。偏西風を日本付近で南に蛇行させ、寒気が入りやすくなっているという。 強い冬型の気圧配置は10日ご… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
千葉で455人感染 4日連続の最多更新 重症も28人
千葉県内で8日、新たに455人の新型コロナウイルス感染が確認された。7日に続く450人超で、4日連続で最多を更新した。重症患者も28人で最多となっている。県などが発表した。(今泉奏) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神奈川で自宅療養の60代男性死亡 安否確認に応答なく
神奈川県は8日夜、新型コロナウイルスに感染し、自宅で療養していた横浜市の60代の男性1人が亡くなったと発表した。死亡を確認したのは6日で、死因は新型コロナによるウイルス性肺炎だった。県の説明によると、男性は入院相当だったが、本人の希望もあって横浜市保健所の判断で自宅療養としていたという。 県によると、男性は一人暮らし。5日の午前と午後、人工知能(AI)による安否確認の電話に応答がなかった。応答がない場合、県職員が電話をかけることになっているが、それが行われていなかったという。男性と連絡がとれないことから親族が6日、男性宅を訪れたところ、部屋で倒れているのを発見した。男性は病院で死亡が確認されたという。 緊急事態宣言下の神奈川県内ではコロナ患者用の病床が逼迫(ひっぱく)しており、8日時点で自宅療養者は2601人に上る。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ感染者、各県で最多更新 熊本、奈良、香川…
熊本県と熊本市は8日、新たに101人が新型コロナウイルスに感染し、1人が死亡したと発表した。1日あたりの感染者数の発表では最多となった。また熊本市は、5日に感染を発表した南区の80代女性の患者発生届を取り下げたと発表した。1度目のPCR検査で陽性と診断されたが、入院後の経過や2度目のPCR検査などで陰性と診断された。この結果、熊本県内の感染者数は2283人、死者は29人になった。 奈良県は8日、新型コロナウイルスに新たに56人が感染したと発表した。12月3日発表の39人を上回り、過去最多を更新した。累計の感染者数は2231人となった。 香川県と高松市は8日、新型コロナウイルスに新たに34人が感染したと発表した。1日の感染者数の過去最多を2日連続で更新した。県内で確認された感染者は計403人。34人のうち24人が、クラスター(感染者集団)が発生した高松市内の特別養護老人ホームの入所者。 佐賀県は8日、24人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。1日あたりで最も多かった今月4日の23人を超え、過去最多。県が確認した感染者数は延べ566人になった。 山梨県と甲府市は8日、合わせて36人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。感染者は10歳未満~80代の男女で、1日あたりの感染者数としては前日の35人に続いて2日連続で過去最多となった。 愛媛県は8日、新たに38人が新型コロナウイルスに感染しているのを確認したと発表した。愛媛県内での1日あたりの感染者数としては過去最多で、同県の感染者数は延べ計607人、うち死者13人となった。 愛媛県内での感染拡大や1都3県で発出された緊急事態宣言を受け、県は松山市内で酒類を提供する飲食店を対象に13日~26日、営業時間を午後8時、酒類提供を午後7時までとする時短要請を行うことも合わせて発表した。要請に対し全期間で応じた店舗には28万円の協力金を支払う。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「協力金より店開ける」 緊急事態宣言、正念場の足元で
新型コロナウイルスの感染拡大が続き、首都圏1都3県では緊急事態宣言下の生活が再び始まった。在宅勤務や時短営業が求められるなか、働き方や暮らし方をどこまで変えられるのか。宣言の最大の目的である感染者数の減少に向け、正念場の1カ月を迎える。 飲食店は8日から、午後8時までの閉店が求められている。例年なら新年会でにぎわう東京・新橋は金曜夜にもかかわらず、午後8時になると多くの店が片付けをはじめ、酔客も帰路についた。 焼き鳥屋「山しな」は普段は午後5時から11時までの営業だが、要請に応じ8日は閉店を3時間早め、代わりに昼から店を開けた。 コロナ禍で売り上げは半減。「売り上げの多少の足しになれば」と店主の山科昌彦さん(46)は話す。時短営業の要請に応じた店に払われる協力金は、仕入れ先の業者には支給されない。業者から少しでも食材を仕入れ、還元したいという思いもあるという。 今回から時短要請に応じない店の名前の公表が可能となり、政府は罰則の導入も検討している。「罰金などの罰則はある程度効果があると思うが、店名公表は意味がない。そこに人が集まるだけ」と疑問を呈す。 午後8時までの時短営業を決めた水炊き屋「駿」の本島健一店長(53)は、休業も検討している。最近は客が一人も来ないという日もあるという。「仕入れた食材があるので開けているが、その先は未定」 開店して12年になるが、売り上げは9割減。廃業も頭をよぎる。「罰則は飲食店だけでなく、飲みに来る人にも適用しないと効果がないのでは。店名公表も宣伝になるだけ」と語る。 一方で深夜まで続ける店もあった。昨年オープンした居酒屋の30代店主は「協力金よりも、店を開けた方が稼ぎがいい。生きていくためにはしょうがない」。午前0時まで営業する予定という。 同僚と飲みにいくという会社員の男性(36)は「知人の飲食店を応援したいので。感染は心配だが、大声で話さなければ大丈夫だと思う」と語った。(黒田壮吉) 「電車の混み具合、普段と変わらない」 夕刻、イルミネーションが点灯… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル