顕微鏡の奥で宝石のように輝く「珪藻(けいそう)」を使ったアートが人気を集めている。世界で数人と言われる「珪藻アーティスト」の奥修さん(52)は、10年がかりで約600の作品を制作。昨年秋には、作品の写真や作り方を紹介した本を出版し、ミクロの世界に広がる神秘を伝えている。 珪藻は海や川にいる植物プランクトンの一種で、ガラス質の殻を持っている。数万種のほとんどは0・1ミリメートル以下で、丸や三角、星、ラグビーボール形など多様な形をしている。 その珪藻を並べて組み合わせ、精緻(せいち)な幾何学模様や顔、風景などを描く珪藻アートは、多くの作品が米粒よりも小さく、肉眼では見えない。光の当て方によってきらめきや色合いが変わり、万華鏡のようだ。 奥さんは東京水産大学(当時)の大学院生の時に、珪藻の美しさに出合った。海洋環境の研究で東京湾のプランクトンを顕微鏡でのぞくと、一面に珪藻が広がっていた。「繊細で、彫刻のように整ったきれいな殻が大量に見えた」。大学院を出た後も珪藻の研究を続け、2007年に起業。研究や教育用に珪藻を観察できるようにしたプレパラートを販売し、アートにも取り組むようになった。 海や川の水から泥などを除き、… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
凍土に潜む未知のウイルス 「パンドラの箱」開く温暖化
「人間にとって最も危険な生き物は?」と聞かれたら、何を想像するだろう。毒蛇だろうか。サメだろうか。答えは蚊だ。蚊が媒介する感染症で毎年、80万人以上が亡くなる。そんな推計がある。地球温暖化で蚊の分布が広がり、感染症のリスクが高まる。こんな未来が予想されている。健康という切り口から温暖化を考えてみたい。(戸田政考、編集委員・石井徹) 温暖化のリアル2> 今回は地球温暖化と健康の関係を読み解きます。これまで、健康影響についてはわからないことが多く、専門家は「過小評価されてきた」といいますが、最近ではさまざまなことがわかってきました。 検疫所前にある特殊装置 昨年9月下旬の成田空港。新型コロナウイルスの影響で海外からの観光客は激減し、いつもは大勢の人が通る検疫所の前はがらがらだった。 「今日はいないですね」 検疫専門官の大里早貴さんが言っているのは観光客のことではない。 蚊だ。 拡大するヒトスジシマカ=国立感染症研究所昆虫医科学部提供 あまり目立たないが、検疫所の… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネット経由でコロナ苦支援 ふるさと納税や飲食店先払い
新型コロナウイルスの感染拡大で、昨年に続いて緊急事態宣言が出されました。医療や飲食店、生活困窮者支援などの現場は厳しさを増しています。支えたくても外出がしづらいなど制約が多い中、インターネットを使った経済的支援なら、在宅や遠方からでも力になることができます。 医療従事者3万7千人に「応援金」 新型コロナに感染した患者の治療にあたる医療従事者らの支援方法の一つとして広がっているのが、ふるさと納税だ。制度の魅力の一つである返礼品が受け取れないものが大半だが、すでに多くの寄付が寄せられており、医療従事者らへの応援金や医療用資機材の整備などに充てられている。 大手サイトの「さとふる」は、政府が最初の緊急事態宣言を出した昨年4月に医療従事者らへの寄付をまとめた特集ページ「新型コロナウイルス医療対策支援寄付サイト」を作った。返礼品は受け取れないが、昨年末までに15自治体に5億円を超す寄付が集まったという。 寄付件数は、5月に7236件と最多になった後は減少し、9、10月は100件台に。だが感染拡大が顕著になった11月から年末にかけて、再び急増しているという。 さとふるや郵送などを通じてふ… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍、家でできる社会貢献 仕事スキル活用・相談員
新型コロナウイルスの感染拡大に、緊急事態宣言。多くの人が困っているのはわかっていても、外出もままならず、支える活動がしづらい。そんな中でも役に立てる、在宅でできるボランティア活動もあります。 拡大するオンラインで高齢者向けの体操教室を行うための設定を、プロボノ参加者(手前)が支援する=サービスグラント提供 会社員の日常的スキルで貢献 地域の団体で、回覧板や掲示板の代わりにホームページを立ち上げたい。オンライン会議システムで高齢者の体操教室をしたい――。コロナ禍に見舞われた昨年、地域活動にオンラインを利用したいという多くの依頼がNPO法人「サービスグラント」に舞い込んだ。 サービスグラントは、仕事で得た知識や経験を生かして社会貢献をするボランティア活動「プロボノ」に参加を望む人と、支援を求める団体を仲介している。現役で働きながらプロボノに参加する人もいるが、近年は定年前後のシニア層の参加も増えている。 コロナ禍の今、参加希望者も例年より増えているという。昨年7月、希望者47人に調査すると、コロナの影響を参加動機に挙げた人が約半数に上った。「リモート勤務になったので、その知見を社会課題に生かしたい」「コロナの影響で困窮しているNPOの助成金の申請支援で力になりたい」といった声が寄せられた。 ボランティアは必ずしも特殊な… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
車中に15時間「ガソリンが…」 北陸道、立ち往生続く
北陸地方で降り続く大雪の影響で、福井県内の北陸自動車道では、午前11時時点で千台以上の車が立ち往生している。解消のめどは立っておらず、車中で過ごすドライバーたちにも疲労が募っている。 北陸自動車道で名古屋市から金沢市の実家に向かっていた会社員男性(33)は、9日午後7時半ごろから、丸岡インターチェンジ(IC)の手前約3キロの地点で足止めされた。 10日午前10時ごろ、朝日新聞の電話取材に「すでに15時間ほど止まっている。1、2時間は覚悟していたが、ここまで続くとは思わなかった」と疲れた様子で話した。 車に載せていたスコップで前後の雪かきをし、周囲の車にも貸しているという。男性は「満タンにしていたガソリンも半分ほどになり、朝からエンジンを切った。いつ解消するか情報がなく、見通しも立たないのが不安だ」と話した。 フットサルチームに所属する福井県坂井市の会社員女性(18)は、試合があった神戸市から福井県坂井市へチームの貸し切りバスで帰る途中、丸岡ICの手前で9日夜からバスが動かなくなった。 女性は「9日夕方に食事はサービスエリアで取ったが、車内にあるのはチョコレートやアメなど菓子だけ。車内にトイレがないので困っています」。 福井県坂井市のトラック運転手、坂下吉太郎さん(52)は、9日午後6時ごろに丸岡ICから2キロほどの地点で立ち往生に巻き込まれた。敦賀市内のスーパーに生鮮食品などの食材を運び、坂井市内の会社に戻る途中だったという。 物流を止めるわけにはいかないと何とか積み荷を届けたが、立ち往生に巻き込まれることも見越して帰路のサービスエリアで1日分の弁当やパン、水などを買いこんでいた。 それでも「もう食べ尽くしてしまった。もっと買っておけばよかった」。水やジュースを飲みながら空腹をしのいでいるという。 3年前に福井県が大雪に見舞われた際に立ち往生を経験した同僚は、自宅に帰るまで丸2日かかったと話していたという。「11日の昼ごろには帰れるかな。やることもないし、気長に車が動くのを待ちます」(笹川翔平、川本裕司、遠藤隆史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
親子で食事まで2年 ひきこもりの子に「お供え」やめた
もう何年も姿を見せない息子。「それが先日、自ら部屋を出て、親子で食事をしたんです」 60代の母親が静かに話し始めると、長テーブルを囲む他の父母たちが目を潤ませた。 山口県宇部市のNPO「ふらっとコミュニティ」が毎月開く教室「家族心理教育実践編」。ひきこもりの子がいる父母ら10人ほどが集まり、子どもの心理や日頃の接し方を学んでいる。 この日報告をした母親は、2年前から教室に通い始めた。息子の部屋のドアの前に食事を置く「お供え」をやめ、「ごはんできたよ」とさりげなく声をかける。部屋から出ている気配に気付いても、普段通りに振る舞う。小遣いをきちんと渡す――。教室で学んだ対応の仕方を一つひとつ実践するうちに、少しずつ息子の様子が変わってきたという。 NPOの理事長で山口大大学院教授(保健学)の山根俊恵さんは「外に出そう、就労させようと焦るのは逆効果。でも、何もしないでいるとあっという間に10年が経ってしまう。親たちが変わることで必ず家族関係は変化する」と話す。 拡大する子どものひきこもりに悩む親たちの話に耳を傾ける山根俊恵・山口大教授=山口県宇部市、藤脇正真撮影 山根さんは精神科の元看護師。「行政の窓口や保健所に相談しても、話を聞いて終わり」「精神科の医師に相談したら、本人を連れてこいと言われた」――。ひきこもりの家族に共通する悩みを知り、精神障害者支援の場として運営していたNPOで2015年から、ひきこもりの当事者や家族の支援を本格的に始めた。 「引き出し屋」と呼ばれる業者の実態をルポする連載。悩む当事者や家族に出口はないのか――。4回目は、「引き出し屋」のやり方とは根本から異なるNPOの取り組みや、ひきこもり状態から抜け出した男性の体験を報告する。 親たちはまず、6回の基礎講習… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
変形学生服、表舞台から去った 不良消え…残った優しさ
2年前の3月、岡山市の駐車場。県内の多くの中学で卒業式があった日の午後のこと。 「何しにきたんや!」「なんやなんや!」。集まっていた赤や紫、黄色の学生服姿の中学生が記者(26)に気付き、あっという間に囲まれた。県警がこの年から「周囲に暴力的なイメージを与え不安や恐怖感をもたらす」としてこういった服でたむろする少年を補導する方針を決め、取材に行った先。ドラマや漫画で見てきた「不良」が脳裏をよぎる。もしかしてボコボコにされるのでは。 拡大する卒業式の日、友人への思いを刺繡した卒ラン姿の女子中学生=2019年3月13日午後3時54分、岡山市北区、華野優気撮影 学生服の背や胸に刺繡(ししゅう)があった。《卒業 最愛のダチに送ります》《育ててくれてありがとう》。親や教師への感謝の言葉の数々。ん? おそるおそる話を聞いた子は皆、「服を借りるお金は母から借りました。働いて返します」「友達と好きな格好で写真を撮りたくて」と礼儀正しい。彼らは私が思った「不良」とは全然違った。 拡大する卒業式の日、卒ランに身を包んだ男子中学生=2019年3月13日午後3時58分、岡山市北区、華野優気撮影 標準型から形を崩した「変形」制服が過去にあったことは知っていた。が、大阪で過ごした学生時代に見たことはない。ここは学生服の生産シェア日本一を誇る岡山。変形文化は独自の進化を遂げ、今も残っているのかもしれない――。 「ヤンキー界の重鎮」に聞く変形の変遷。そして、当時の学生服を前に思い出をしみじみ語る大人たち。最後には不思議な気持ちになります。 まずは変形の歴史をおさらい。… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北陸道で1千台超が立ち往生 2県が自衛隊に派遣要請
中日本高速道路金沢支社によると、北陸地方で降り続く大雪の影響で、福井県内の福井市と坂井市にかけての北陸自動車道で10日午前8時現在、上下線の4区間で約1030台が立ち往生している。富山県内の東海北陸自動車道では、約200台が動けなくなっているという。福井・富山両県は陸上自衛隊に災害派遣を要請した。 北陸自動車道で滞留している台数が最も多いのは、下り線の福井北―福井インターチェンジ(IC)間の約540台。下り線は丸岡―福井北IC間でも約200台が動けなくなっている。上り線も福井北―丸岡IC間で約70台、丸岡―金津IC間で約220台が動けなくなっているという。約200人の自衛隊員らが除雪作業や食料の配布にあたっているという。 福井県内を走る中部縦貫自動車道では、福井北ジャンクション(JCT)―大野ICの上下線で通行止めとなり、10日午前5時現在、約15台が立ち往生。国道8号では同日午前5時現在、福井市内の3カ所の交差点で集中的な除雪をするため通行止めを行い、計約2キロの渋滞が発生しているという。 富山県内の東海北陸自動車道では、10日午前7時現在、福光IC―小矢部砺波JCT上り線で、209台が立ち往生している。同区間は上下線ともに9日午後7時から通行止めになっていて、50人の自衛隊員らが除雪作業などにあたっている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富山で記録的大雪、帰宅困難者も コンビニ品薄で休業へ
北陸は9日も断続的に雪が降り続いた。なかでも記録的な大雪に見舞われている富山市では、除雪作業に出た男性が亡くなったほか、コンビニのおにぎりなどが品薄になり、市民生活に影響が出ている。北陸新幹線も9日夜、開業以来初めて、雪のため運休した。 気象庁によると、午後10時の積雪は富山で126センチとなったほか、氷見96センチ、魚津77センチ。富山市中心部で100センチを超えるのは、1986年に117センチを記録して以来、35年ぶり。金沢53センチ、福井104センチだった。 富山県警や県によると、富山市善名(ぜんな)の用水路で8日夜、近くの山口健一さん(81)が死亡しているのが見つかった。「除雪をする」と昼すぎに出かけたまま行方がわからなくなっていた。このほか除雪機で歩道の雪を取り除いていた男性(24)が手に重傷を負うなど、8日以降、4人がけがをした。 JR富山駅近くのコンビニには、8日夜の帰宅を諦めてホテルに泊まった人が頻繁に訪れ、おにぎりや菓子パンなどがなくなった。冷凍食品やカップラーメンなどは残っているが、新たに商品が届く見通しはなく、10日午前0時から休業予定という。店員は「状況によっては11日も休むことになるかもしれない」と嘆いた。別の店の店長も「商品入荷の見込みはたっていない」と話した。 市中心部にある喜代多(きよた… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自粛警察は自発性の副作用か 強権的政策を求めない世論
新型コロナウイルスの感染拡大の影響は、世相や人間関係にも――。朝日新聞社が実施した世論調査(郵送)で、こうした不安の広がりが浮き彫りになった。 新型コロナ問題で「世の中がギスギスする不安を感じる」人は84%に達した。内訳は「とてもあてはまる」32%、「やや」52%。男女別では男性81%に対し、女性が85%とやや高い。特に、30代と40代女性の4割以上が「とてもあてはまる」と答えた。 政府や自治体が呼びかける「自粛」についても尋ねた。帰省や旅行は控えた方がいいのか、こうした自粛を巡る「意見の食い違いで周りの人との関係がギクシャクするのが心配」な人は45%(「とてもあてはまる」9%、「やや」36%)だった。 家族との意見の食い違いが気になるケースもあるようだ。「ギクシャクが心配」は世帯人数が1~2人だと43%だが、3人だと46%、4人では51%に。また、18歳未満の子どもがいる人も51%と高かった。 「罰金」より「自粛」 新型コロナの感染抑制に実効性を高めるため、政府は、休業要請に応じない飲食店への罰則の導入などを検討している。朝日新聞社が昨年11~12月に行った世論調査(郵送)の結果からは、強制的な対策には慎重な姿勢がうかがえた。 今より強制的な感染対策がとられれば、「意見の違いでギクシャク」したり、「世間がギスギス」したりしている場合ではなくなるかもしれない――。専門家の分析を交えて解説します。 強制か自粛か、どちらの考えに… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル