生まれたばかりの赤ちゃんを撮影する「ニューボーンフォト」。柴田久子さん(50)の出張撮影サービス「Photo Boo(フォトブー)」(大阪市城東区)は昨年、開業4周年を迎えた。撮ることだけにとどまらず、母親が落ち着ける時間を作りたいと話す背景には、子育てに悩んだ自らの経験がある。 45歳で婦人科系の病気を患い、「命に関わるかも」と宣告された。「たぶん、ここが人生の分岐点だ」。振り返れば家族がいて、趣味を極め、憧れだった教師にもなった。そこで、ふと気づいた。「わたし、もう一つやってみたい仕事があった」 高校時代から父の影響で一眼レフに親しみ、大手メーカーのコンテストなどで入賞を重ねてきた。2人の娘の成長を撮ってきたから、モデルは子ども。特に生後2、3週間の新生児がいいと思った。 拡大する柴田久子さん。出張撮影サービス「Photo Boo」の代表を務める=大阪市城東区、滝沢美穂子撮影 父は公務員、母は自営業の家に… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クラスターとなった和太鼓集団 後にできた原点回帰の丘
時折、小雪も舞い散る気温零下の世界。凜(りん)とした空気が張り詰める中、腹にズシンと響く太鼓の音が、三味線や琴の音と重なり、遥(はる)か彼方(かなた)の山脈(やまなみ)にぶつかってこだました。 阿蘇くじゅう国立公園内の大分県竹田市。同市を拠点に、世界的に活躍する和太鼓集団「DRUM TAO」の男女16人が、ファッションデザイナー・コシノジュンコさんがデザインした衣装を身にまとい、勇壮に、あでやかに演奏した。 〈DRUM TAO=ドラム・タオ〉 1993年、愛知県小牧市を拠点に7人で結成。24時間練習できる環境を求め、95年に大分県竹田市に拠点を移す。2004年に世界最大級の芸術祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」で25日間、全公演完売を達成。 「TAOの丘」と名付けられた舞台は、2020年9月にオープンしたばかりの野外ステージだ。12月中旬、平日にもかかわらず訪れた約100人のファンは、検温を済ませると、間隔を十分に取って座った。 「TAOの丘は、5年ほど前から計画されていたが、結果として救世主になった」。演出家でTAO代表の藤高(ふじたか)郁夫さん(61)はしみじみと語った。 メンバーは約50人。竹田市の「TAOの里」で共同生活を送る。演奏に一体感を出すため、家族のように暮らすのだという。 20年4月、新型コロナウイルスの感染拡大が、その「家族」を襲った。発熱したメンバーが、検査の結果、陽性となった。その後、計7人のメンバーの感染がわかり、クラスター(感染者集団)となった。 閉ざされた公演の機会 米国での公演から帰国したメンバーもいて、はっきりした感染経路は分からない。事務所の電話は鳴り続けた。「子どもに感染したらどうするんだ」「大分の恥だ」。苦情の声がやまなかった。 感染したメンバーは入院し、隔離された。残されたメンバーも約2カ月、医師や保健所からの指導で、汗をかく練習はできなくなった。これまで一緒だった食事も時間をずらすようにした。もちろん国内、海外公演はすべて延期・中止に。東京五輪・パラリンピックを見据えて始まった東京での常設公演「万華響(まんげきょう)」も開催できなくなった。 TAOは1千人規模の客席を備えるホールでの公演を中心にしてきた。日本古来の太鼓の演奏に、一流の音響や照明を加えることでエンターテインメント化した。それが世界で受け入れられた要因だった。26カ国で演奏し、観客動員数は800万人を超える。 そんなTAOの芸術の根幹をなす、世界中のホールをコロナが閉鎖に追いやった。結成から27年。これまでやってきたすべてができなくなった――。 「ずっと走り続けてきたTAOのあり方をじっくり考える機会になった」。藤高さんは振り返る。そのタイミングでオープンしたのがTAOの丘だった。 芝生席も含め約800席を備えるステージの周りには、壮大な景色が広がる。野太い太鼓の鼓動が景色と合わさり、観客の心を揺さぶる。太鼓演奏は元来、屋外で演奏することが多かった。「ある意味、原点回帰です」と藤高さんは話す。 避けていたライブ配信、背中押したファンへの思い 「野外」とは反対の領域にも挑み始めた。 体で鼓動を感じてもらうことに… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自宅や屋外などの死者、計122人がコロナ感染 警察庁
自宅や屋外などで人が亡くなった際に警察が対応した事案で、新型コロナウイルスへの感染が確認された死者が昨年12月までに計122人いたことが警察庁への取材でわかった。このうち56人は12月に亡くなっていた。ただ、直接の死因が新型コロナかわかっていない人も含まれるという。 医師にかかっていた患者が病死した場合などを除き、人が亡くなった際には事件性の確認などのために警察が出動し、対応にあたっている。 警察庁によると、感染が確認された122人を年代別に見ると、70代の39人が最多だった。60代は23人、80代は22人、50代は20人。それより若い世代では40代が6人、30代2人で、20代以下はいなかった。 都道府県別では東京が36人で約3割を占め、大阪(25人)、兵庫(11人)、神奈川(9人)、埼玉(7人)と続いた。 月ごとの推移を見ると、死者21人の感染が確認された4月を除けば11月までは10人以下で推移していたが、12月に入って56人と急増。このうち、自宅や高齢者施設、宿泊施設などで死亡した人は50人、路上など外出先で亡くなったのは6人だった。死亡する前に感染が確認されていた人は18人、コロナ感染の疑いがあるとして死後にPCR検査を受けた結果、感染が判明した人は38人いた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
DASH村、再興の日は来るか 土地貸した元町議の願い
【福島】「あの土地を復興のシンボルとして使ってくれるなら、無償提供したいと思っているんだ」 浪江町津島地区の元町議、三瓶宝次さん(84)は取材に語った。 「あの土地」とは、日本テレビ系列の番組で、アイドルグループ「TOKIO」が農作業を体験した「DASH村」があった場所だ。親類が開拓した土地を買い取り、三瓶さんが管理してきた。 「まさか、あんなに有名になるとは思わなかった」 ある日、福島出身のディレクターがやってきて、「ロケ地に使いたいので貸してほしい」と頼まれ、自宅から約2キロ離れた約4ヘクタールの山林や田畑を貸した。 ディレクターが語る番組名も、TOKIOというアイドルグループも、聞いたことはなかった。番組に出て、農作業を指導してほしいと頼まれたが、当時町議だった三瓶さんが出演するとロケ地がばれてしまう。番組では「DASH村」の場所は秘密だった。 三瓶さんは裏方に徹し、番組には妻や知人を登場させて、TOKIOのメンバーに農作業を教え込んだ。 「彼らはいつもハキハキとしていて、一生懸命農作業に取り組んでくれた」 古民家を舞台に、アイドル自らが田植えや炭焼きを体験し、自給自足の生活を送る。そんな農作業の風景が、高齢者には懐かしく、都会の若者の目には新鮮に映った。TOKIOは「農業アイドル」として有名になり、若者の間に田舎暮らしのブームが起きた。 しかし、2011年の原発事故で津島は帰還困難区域になり、「DASH村」にも入れなくなった。それでも、いつか「村」が再開される日が来ると信じて、草刈りなどの管理を続けてきた。 「TOKIOにも色々と事情があるのは報道で知っている」と三瓶さんは言う。「でも、『DASH村』は今も多くの人の心に生き続けている。撮影は無理でも、ファンが当時使われていた古民家を訪れたり、若者が実際に農作業を体験したりできる、そんな津島地区の復興の足掛かりにできないだろうか」(三浦英之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ガリガリ君の偽当たり棒で景品詐取未遂の疑い 男を逮捕
アイスキャンディー「ガリガリ君」の偽物の当たり棒を製造元の赤城乳業(本社・埼玉県深谷市)に送り、キャンペーンの景品をだましとろうとしたとして、埼玉県警は6日、秋田県鹿角市の会社員の男(43)を詐欺未遂の疑いで逮捕し発表した。 深谷署によると、逮捕容疑は昨年11月上旬ごろ、赤城乳業宛てに、偽物の当たり棒が1本ずつ入った封筒計25通を送り、キャンペーンの当選景品のポケモンカードをだましとろうとしたというもの。同社から「同一人物から大量に当たり棒が届いている」との相談があり捜査を進めていた。 キャンペーンは昨年6月から7月末まで販売されていたガリガリ君の商品が対象。景品のポケモンカードは昨年末公開のポケモン映画とのコラボで、非売品だという。 同社はHPで「当社商品をご愛顧いただいておりますお客様をはじめ、流通の皆様、および社会の皆様におわび申し上げます」とのコメントを出した。担当者によると、偽物の当たり棒がインターネット上で売買されている可能性があるといい、購入しないよう呼びかけている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
成人式は車の中で…静岡・焼津市「ドライブイン方式」に
静岡県焼津市は5日、10日に予定していた成人式の会場を焼津新港城之腰岸壁に変更し、新成人が駐車した車の中から参加する「ドライブイン」方式で実施する、と発表した。中野弘道市長は「ウェブ開催だと晴れ舞台がなくなってしまう。接触を極力避けながら、集まれる方法を模索した」と話した。 式典は新成人が500人前後になるよう、市内を3地区に分け、開始時刻をずらし、各回30分程度行う。市長のあいさつや新成人の誓いを屋外スピーカーや音声配信で流す。晴れ着姿の新成人らは車内で配信を聞き、終了後に車から出て記念撮影をする。市内にもフォトスポットを複数もうけ、新成人が密にならないよう誘導するという。 市は新成人に対し、式典2週間前までの帰省と、健康チェックシートの記入、提出を求めてきた。年末年始、市内でも県外が感染経路の陽性者を確認したことから、式典内容の変更を決めたという。首都圏への緊急事態宣言を控え、新成人には「5日以降の帰省」「式典終了後の懇親会」の自粛を求める。(阿久沢悦子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
78歳運転の車が高速逆走か 衝突され会社員の男性死亡
6日午前0時40分ごろ、奈良県大和郡山市池沢町の西名阪自動車道上り線で、乗用車と軽乗用車がぶつかり、軽乗用車を運転していた男性が死亡した。県警は乗用車が自動車道を逆走していたとみて調べている。 県警高速隊によると、死亡したのは、大阪府八尾市陽光園2丁目の会社員、置田和也さん(35)。乗用車を運転していたのは、奈良県斑鳩町の男性(78)とみられ、事故当時、現場付近を走っていた他の車の運転手らから「逆走している車がある」などと110番通報があった。 この事故で、上り線の法隆寺―郡山インターチェンジ間が約2時間半、通行止めになった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
テレワーク週3日・社員の6割以上 都が緊急強化月間
政府が1都3県への緊急事態宣言発出を検討していると表明したことを受け、東京都が、新たな新型コロナウイルス感染対策を打ち出している。最大の狙いは「人の流れを徹底的に抑える」ことだ。飲食店を対象とした営業時間の短縮要請を大きな柱に据えたほか、テレワークの徹底やイベント後の会食禁止の呼びかけなどにも力を入れる。 「命を守ることを最優先の柱に据えて、これまでも対策を講じてきた。それは経済の命を守ることにもつながる」。小池百合子知事は、感染拡大防止に向けた新たな対策「緊急事態行動」を公表した4日の記者会見で強調した。 都は今月末までの飲食店への時短要請に加え、都民に午後8時以降の不要不急の外出を控えるよう呼びかける。3密を避けて通院や、生活に欠かせない買い物などもできるだけ短い時間で済ませ、都外への移動を控えることを求める。 テレワークの普及にも力を入れる。今月を「テレワーク緊急強化月間」と定め、「週3日・社員の6割以上」を目標に掲げる。ホテルなどをオフィスとして活用する企業などを支援するほか、多摩地域の宿泊施設をサテライトオフィスとして都が提供する。 イベントの開催は延期やオンラ… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「説得」7時間 自立センターの寮、意識遠のき搬送され
千葉県の住宅街にある一軒家。朝、女性(36)が2階にある自室のベッドでまどろんでいると、突然ドアが開き、知らない男たちが入ってきた。 男の1人に告げられた。「私たちと一緒にきてもらいます」 続けて、こうも問われた。「将来のこととか、ちゃんと考えてるの」 拡大する「引き出し」ビジネス② グラフィック・米澤章憲 男たちとともにドアを開けた母は、すぐに姿を消した。2017年10月のことだった。 夕方まで、7時間にわたる「説得」が始まった。 女性はその2年前から自室にひきこもり、たまにコンビニに出かけるのがやっとの状態だった。母との仲も険悪で、父は別居中だった。 「自立センターの相談員」。母の依頼で来たという男はそう名乗った。「役所の福祉関係の人なのかな」と思ったが、公務員にしては雰囲気が粗暴に感じられた。 「引き出し屋」と呼ばれる業者の実態をルポする連載の2回目では、部屋から連れ出された娘や息子がその体験を語る。 自分は下着もつけず、部屋着姿… 【1/25まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タクシー運転手、衝突前に意識失う? 北九州の死亡事故
北九州市戸畑区で昨年12月、タクシーが電柱に衝突し、男性運転手(当時74)と乗客の男性(同72)が死亡する事故があり、心臓に持病がある運転手が衝突前に意識を失っていたとみられることが、捜査関係者への取材でわかった。福岡県警は、運転手を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の疑いで容疑者死亡のまま書類送検する。 戸畑署によると、事故があったのは17日午後8時50分ごろで、戸畑区福柳木1丁目の市道でタクシーが電柱に衝突。男性運転手と後部座席に乗っていた近くの会社役員の男性が死亡した。同乗していた70代の妻は手首などを骨折する重傷で、40代の娘は首にけが。現場は緩い左カーブで、タクシーは道路右脇の電柱に正面からぶつかった。 捜査関係者によると、担当医への事情聴取で、運転手には心疾患の持病があったことが判明。さらに運転手の死亡を確認した医師が「衝突前、心不全で意識を失った可能性がある」と診断していたこともわかった。現場にはブレーキ痕がなく、県警は持病の悪化が事故につながった可能性が高いとみている。 運転手が勤めていた北九州市のタクシー会社の社長によると、会社は持病を把握しておらず、事故当日の点呼でも運転手は「健康に異常はない」と答えていたという。例年9月に実施する健康診断は新型コロナウイルスの影響で延期していた。(板倉大地) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル