原子力災害を想定し、住民避難の対応をはじめとする警備計画を43都道府県警が策定していることが警察庁への取材でわかった。10年前の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故をふまえ、原発立地やその周辺の地域以外を管轄する警察でも策定が進んだ。事故に備えた装備資機材や原子力施設を狙うテロに対処する部隊なども強化が図られてきたという。 警察庁によると、福島第一原発事故の前は、原発や関連施設が立地するなどの23道府県警が警備計画を作っていた。ただ、内容は比較的大まかだった。 事故を受け国は、避難に備えておく防災対策重点区域を従来の原発から8~10キロ圏から、30キロ圏に拡大する新たな原子力災害対策指針を策定。これをふまえ国家公安委員会・警察庁は2013年1月に防災業務計画を修正し、警備計画を作る警察の範囲を拡大するとともに、内容をより詳細にするよう定めた。 経済産業省によると、原発立地の13道県には、建設中や廃炉決定済みなどを含め60基の原発がある。 警備計画策定の対象となったのは、原発が立地する13道県警と30キロ圏を管轄する8府県警、関連施設が立地する3府県警。この24道府県警はもとの計画を改定したり、新たに策定したりした。各警察本部と約100の警察署で計画をそれぞれ定めている。また、ほかの19都県警も独自に策定してきた。 各警察の今の警備計画は、住民の避難誘導や屋内退避の呼びかけ、交通規制や緊急輸送支援、犯罪予防、警察職員の被曝(ひばく)防止などについて規定。特に避難では、高齢者や障害者、入院患者など援護が必要な人たちについて避難経路や避難先、搬送手段を具体的に定めるようになった。 警備計画がまだない山形、群馬、広島、宮崎の4県警でも策定にむけ作業を進めているという。 一方、警察は原発事故時の被災… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「もめそうなところに僕」 川淵氏、抵抗者に迫った逸話
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)=元首相=が辞意を固め、後任として就任を要請したのは川淵三郎氏(84)=大会組織委評議員、元日本サッカー協会会長=だった。 スポーツ界における川淵氏の功績を一言で表せば“改革屋”である。 サッカーでは、チーム名から企業名を外し、地域密着を理念とするプロのJリーグを誕生させた。 プロ野球に代表された企業の広… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
脱毛に呼吸困難…「ずっと後遺症」大学院生、貯金も尽き
新型コロナウイルスに感染した後、強いだるさや熱、呼吸苦などの症状に、長い間苦しむ人がいる。いわゆる「コロナ後遺症」だ。医療機関が対応を始めている。 発熱当時にPCR検査を受けられず、患者と認められなかった人の中にも「後遺症」で苦しむ人がいる。 東京都内に住む女性(29)は毎朝、目が覚めると枕元に何十本もの毛が落ちているのに気づく。全身がだるく、少し外出しただけで息が上がる。数日ごとに微熱が出て、1日のほとんどを寝て過ごす日もある。「7カ月間、ずっとこの生活の繰り返し。もう慣れてすらきた」と自嘲気味に話す。 最初に異変があったのは昨年の7月下旬だった。動悸(どうき)やめまいを感じ、38度台の熱が出た。数日前に訪れた病院で集団感染が発覚。「感染したんだ」と直感した。 当時暮らしていた京都府内の保… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「次のコレエダ」、ベルリンの頂点うかがう濱口竜介監督
第71回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門に濱口竜介監督の「偶然と想像」が選ばれた。濱口監督は、コレエダ、クロサワ(黒沢清)に続く才能として海外からも注目されている一人だ。世界中から応募があるなか、厳選された作品(今回は15本)で競うコンペ部門は映画祭の華。世界3大映画祭での初受賞にも期待がかかる。 「偶然と想像」は、短編3話から成るオムニバス映画。タイトルにもある“偶然”と“想像”をテーマに、モデルの芽衣子(古川琴音)や、大学教授の瀬川(渋川清彦)らの姿を描いていく。 濱口監督にとって、ベルリン映画祭への出品は初めてとなるが、すでに欧州を中心にその名前は広く知られている。2015年のロカルノ国際映画祭で「ハッピーアワー」が最優秀女優賞を獲得。「寝ても覚めても」は初の商業映画ながら、18年のカンヌ国際映画祭で、いきなりコンペ入りを果たした。 ベネチア監督賞「スパイの妻」では脚本担当 昨年のベネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を獲得した黒沢清監督の「スパイの妻」でも、野原位(ただし)とともに脚本を手がけている。東京芸術大大学院の映像研究科で指導教員だった黒沢監督も濱口映画にほれ込み、その手腕を評価している。 海外の名匠も注目している。昨年4月のこと。朝日新聞の企画で濱口監督に、ベルギーのジャンピエール&リュック・ダルデンヌ監督と鼎談(ていだん)してもらった際には、カンヌ映画祭で最高賞を2度受けている兄弟から「『寝ても覚めても』は美しい作品だ」「公開時に見て、俳優の演技に感銘を受けた」と賛辞が送られていた。「君の映画のファンになった。新作を早く見せてくれ」とせかされてもいた。 今回、ベルリンのコンペ入りが実現した要因には、そうした突出した才能や華々しい実績のほかに、「ロカルノ人脈」があったとも言えるだろう。 昨年の第70回を機にベルリン… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ホストタウン市長「変化できない日本の『弱さ』が出た」
東京五輪・パラリンピックでは、全国各地の市町村がホストタウンに登録され、各国と交流したり、キャンプや合宿を誘致したりしている。 「誰も置き去りにしない」まちづくりを掲げる兵庫県明石市もホストタウンの一つ。森氏が発言した当初、「辞職では足りない」と話していた泉房穂市長は、辞意表明を受け、「発言をその場で誰も注意せず、笑いが起き、自民党の二階俊博幹事長らからも森氏を擁護する発言が飛び出した。なんとか持ちこたえられるんじゃないか、と考えたような対応だった」と取材に話した。 発言から辞意表明までの流れについて、「なぜいまだに開き直りを許す社会なのかが問われている」と言う。「古い価値観のまま立ちゆかなくなっているのが日本。変化できないという『弱さ』は、意思決定の過程に多様性がないことにある。性は多様性の一つ。今回あらわになった問題は、一人ひとりが我がごととして受けとめる必要がある。私も我がごととして、市の意思決定の場で女性の割合を高めることを検討し始めている」 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
5千万円に疑惑、問題発言…誰もいなくなったTOKYO
2013年9月、「トーキョー」のかけ声とともに東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの招致が決まってから、7年以上の月日が過ぎた。大会組織委員会の森喜朗会長(83)が11日、辞意を固め、ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会で歓喜した招致の立役者たちは本番前に誰もいなくなった。 1枚の写真がある。 20年夏季五輪の招致をめざす東京の招致委員会が13年8月23日、東京都庁で開いた出陣式。最前列で気勢を上げたのは、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長、猪瀬直樹都知事、安倍晋三首相、森喜朗元首相(いずれも当時)だ。 半月後、20年大会を勝ち取るが、歓喜の輪はすぐに崩れることになる。 「徳洲会、猪瀬氏側に5000万円」 出陣式の3カ月後の13年11… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関西アンサンブルコン、7団体が全国へ 市立尼崎高など
第47回関西アンサンブルコンテスト(関西吹奏楽連盟、朝日新聞社など主催)が11日、京都コンサートホール(京都市左京区)であり、小学生から社会人までの5部門に近畿2府4県の60団体が出場した。 金賞を受賞した団体のうち7団体が、関西代表として3月20日に「メディキット県民文化センター」(宮崎市)である全国大会に出場する。 代表に選ばれたのは、中学の部が、いずれも兵庫県加古川市の浜の宮中(木管八重奏)と中部中(金管八重奏)。高校の部も、兵庫の淳心学院中高(打楽器八重奏)と市立尼崎高(同)が代表に決まった。 大学の部は、京都の龍谷大(クラリネット四重奏)、職場・一般の部は、京都の龍谷シンフォニックバンド(クラリネット五重奏)と兵庫のアルペジオ吹奏楽団(金管八重奏)が選ばれた。(山崎琢也、紙谷あかり) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旧正月を前に東京タワーに「希望」の文字
12日からの旧正月を前に東京タワー(東京都港区)で11日、タワーを赤くライトアップするイベント「東京タワー レッドライトアップ」があり、展望台に「希望」の文字が浮かび上がった。 日中友好関係の促進を目指し、今年で3回目。新型コロナウイルスの感染終息と大規模なイベントを控える都民へのエールを込めた。展望台の南側にLEDのパネルを141枚敷き詰め、静かに旧正月の訪れを待った。(上田幸一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今晩の宿は開通前のトンネル 大分で3夜限定で「開館」
道路のトンネルが日本一多い大分県で、開通前のトンネルをホテルに見立てたイベント「耶馬渓トンネルホテル」が11日始まった。 28日に開通する同県中津市の「鹿熊(かぐま)ふるさとトンネル」(全長2986メートル)を含む耶馬渓道路を使った、3夜限定の企画。 トンネル内には、耶馬渓の木材で造った長さ40メートルの巨大なテーブルが置かれている。テーブルの周りは防寒対策でビニールで囲われ、チェックインした12組44人の参加者は「密」を避けながら地元産食材の料理を味わった。トンネル前には、寝室代わりのキャンピングカーが14台並び、開通前の道路上から夜空を眺め、景勝地での「異空間」を楽しんだ。 2012年に耶馬渓に移住したデザイナー福田まやさん(35)が「耶馬渓ファンを増やしたい」と発案。地元有志らと実行委員会を組織し、運営にあたっている。福田さんは「道路上に宿泊する日本初のイベントをすることで、耶馬渓の魅力を知って欲しい」と話す。 使用した木材などは保存し、様々な体験プログラムに利用していくという。(金子淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
藤井二冠、聖火走者辞退は昨秋に決断 「状況変わった」
藤井聡太二冠(18)は11日、優勝した第14回朝日杯将棋オープン戦の表彰式後に報道陣の取材に応じ、愛知県瀬戸市で走る予定だった東京五輪の聖火ランナーを辞退したことについて、「以前お受けした時とはオリンピックを巡る状況も、(タイトルを取って)自分の状況も変わってきたため」と話した。 時期については「昨年の秋ごろに(日本将棋連盟経由で)意向を聞かれたので、その時に決めた」と答えた。 伊藤保徳・瀬戸市長は11日、「無理強いできることでない。皆さんの前で走ることはかなわなかったが、市は別の形で応援を続けていきたい」と話した。伊藤市長によると、昨年10月ごろ、辞退について市の窓口に藤井二冠側から説明があった。理由は「二つのタイトルをとり、多忙のため時間をとるのが難しい」という趣旨だったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル