仙台空港(宮城県名取市)の1階ロビーに19日、所々に傷を負った1台のグランドピアノが置かれた。東日本大震災で津波をかぶり、がれきの中からよみがえった「復興空港ピアノ」だ。震災のことを思い出すきっかけにしてほしいと、誰でも自由に弾くことができる。3月12日まで。 持ち主は塩釜市のピアノ講師桜井由美さん(56)。震災当時、ピアノは七ケ浜町の実家2階で被災した。傷だらけになって外に置かれていたのを、復興支援に訪れたシンガー・ソングライターが目に留め、縁がつながって専門家が修復。故・西城秀樹さんの曲「傷だらけのローラ」から愛称「ローラ」と呼ばれ、同町内で保管されてきた。 今回、仙台国際空港会社が震災10年のメモリアル行事の一環で、ストリートピアノとして借り受けた。ここもまた津波に襲われた国内唯一の空港だ。19日のお披露目では、岡崎克彦・航空営業部長が「10年がたった今、コロナ禍という目に見えない静かな津波によって利用客が大幅に減っている。冬の終わりと春到来を祈りながら、多くの方に弾いていただきたい」とあいさつ。桜井さんは「ここからローラの第2のステージが始まる」と話した。(石橋英昭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本人が語る「日本」は理想論 アトキンソン氏の違和感
日本人には決定的に欠けているものがある――。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の有識者懇談会メンバーとして、大会コンセプト作りなどに関わった小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長(55)は、そう感じてきたという。組織委にみた日本の問題とは何かを聞いた。 組織委で大会コンセプトを作っているときに、一番難しかったのは、日本人が考える「日本」はほとんど理想論だったことです。こうあってほしい、という願望に近い。日本のベストだけみればそうかもしれないということを、一般化しようとする。 「多様性と調和」というコンセプトについて、会議では「日本は世界一寛容な国」という人がいた。日本はどんな文化でも取り入れて、日本は多神教で海外は一神教だとか。 これは学問的には正しくない俗説です。 寛容な面もたくさんありますが、夫婦別姓も認めないし、移民にかなり厳しいし、難民は受け入れない。「寛容」と言えるのだろうか、と議論になりました。 日本は、いろんな人の意見を排… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「政治は男のものでない」 女性の政治参加ポスター展
【神奈川】五輪精神に反する女性蔑視発言が改めて、日本の男女格差に光を当てる中、女性の政治参加をテーマにした世界のポスター展が横浜市青葉区で開かれている。その中の1枚、フランスのポスターは言う。「政治は男のものではない」。衆院の任期満了が8カ月後に迫る今、国内の政治状況も見つめてみては。 会場に並ぶのは、元東京都議で女性政策研究家の三井マリ子さん(72)が集めた各国のポスターのうち10枚。三井さんによる解説も付いていてわかりやすい。 そのうち、比例代表制をとるノルウェーのポスターには、男女56人ずつによる会議の様子が描かれている。三井さんによると、メンバーには失業者2人、学生6人、移民13人、性的少数者6人、妊娠した女性1人が含まれ、解説の見出しは「これぞ民意の反映」。 一方、アフガニスタンのポスターには、20歳の時に女性人権団体「アフガニスタン女性革命協会」(RAWA)を設立し、10年後の1987年に暗殺された女性ミーナの旗を背に、拳を突き上げる女性たちの姿が。ミーナは、旧ソ連の介入とイスラム原理主義を命がけで批判した。彼女が作ったとされる詩の一節を、三井さんはこう訳した。 「隷従者の苦しみを解消するために 私は目覚めた女 私は歩む道を見つけた 後戻りのない道を」 この「叫ぶ芸術 ポスター展」は、女性会議県本部(横浜市中区)とNPO法人スペースナナ(青葉区)の共催。同県本部の芝崎麻紀子事務局次長は「日本のジェンダー平等の現状が国内外に知られた今、社会の空気を変えるのに少しでもつながれば」と話す。世界経済フォーラムによる2019年の「男女格差報告書」で、日本の順位は過去最低の121位だった。 ポスター展は22日までの午前11時~午後5時(22日は午後4時まで)、青葉区あざみ野1丁目のスペースナナで。入場無料。会場では、三井さんのポスターコレクションのカタログ(69点のポスターと解説付き)も販売している。問い合わせはスペースナナ(045・482・6717)へ。(茂木克信) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Masahiro Tanaka roughed up in spring debut with Eagles
Kin, Okinawa Pref. – Masahiro Tanaka surrendered three runs over two innings on Saturday in his first action since returning to the Tohoku Rakuten Eagles from the major leagues this year. Tanaka, who in January opted to return to his first pro club in Japan after going 78-46 over seven […]
MLB has 13 positive COVID-19 tests ahead of first workouts
New York – Nine players and four staffers tested positive for COVID-19 during intake screening before MLB begins full-squad preseason workouts, the league and the players union said Friday. The first set of results under the MLB COVID-19 health and test plan found 13 positives spread over 11 clubs from […]
川に落ちた猫、ウーバーイーツ配達員が救助 拍手と歓声
東京都文京区の江戸川公園そばの神田川で20日午後、猫が護岸に取り残された。消防も出動して大勢の人たちが見守るなか、通りかかった若者の機転が猫を救い出した。 ウーバーイーツの配達を終えた帰り道、自転車を走らせていた水谷俊貴さん(21)=東京都千代田区=は、消防車と人だかりに遭遇した。 よく晴れた土曜日の午後1時半すぎ。公園で遊んでいた家族連れや通行人たち数十人はみな、柵に寄りかかって川の中を心配そうにのぞき込んでいる。目を向けると、10メートルほど下の水面から数十センチ上の護岸のわずかに生える木の上で、1匹の茶色い小さな猫がぽつんと取り残されていた。護岸はほぼ垂直ではい上がれないようだ。 集まった10人ほどの消防隊員が、長いはしごを準備していた。猫は水に弱く、体が冷えやすいと聞いたことがあった。不安な気持ちで、救出活動を見守った。 隊員たちは猫がいる場所の真上に近い位置からはしごをゆっくりと水面近くまで下ろした。すると、猫ははしごに飛び移ることに成功した。 集まった人たちが、祈るように作業を見つめる。隊員の1人が慎重にはしごを下りていく。しかし、隊員の足が猫のいるところまでたどり着くと、猫はおびえてしまったのか、逃げるように跳び上がり、川に落ちてしまった。 沈まないように必死で川を泳ぎ、何度か岸壁にはい上がろうとするが、すぐに落ちて再び流される猫。数十メートル下流まで流されたところには、ちょうど人が下りていくことのできる手すり状のはしごがあった。猫はそれにしがみつき、なんとかはい上がった。 この瞬間、なんとかしたいと思いながら作業を20分ほど見守っていた水谷さんは、「今なら救出活動の邪魔にならない」ととっさに判断。柵を乗り越えて手すり状のはしごをするすると下りていった。高校時代の3年間は野球に打ち込み、体力には自信があった。 素早く猫のいる水面近くまでたどりつくと、川底に両足をひたしながら猫を「優しく、優しく」と注意しながら抱きかかえようとした。だが、警戒心が強い猫は逃げるように動き回り、「かなり焦った」。 左腕の内側を猫にひっかかれ、数本の傷がついた。それでも、再び猫を冷たい水の中に落とすことは何としても避けたかった。「何が何でも離さないように強く抱きしめました」。次第におとなしくなった猫を抱えながら、片手ではしごを上った。 無事に猫をおろすと、集まった人たちから拍手と歓声が上がった。通りかかった女性からハンカチを手渡された。「足元も水につかってぬれていたので、ありがたかったです。行動を起こして良かったです」と照れくさそうに笑った。(川村貴大) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
孔子廟に土地を無償提供、政教分離違反?最高裁が判断へ
儒教の祖・孔子を祭る「孔子廟(びょう)」の敷地を那覇市が無償提供しているのは、政教分離を定めた憲法に違反するか。この点が問われた裁判で、最高裁大法廷が24日に判決を言い渡す。政教分離をめぐる大法廷の判断は神社に関連するものが戦後5例あるが、儒教の施設が審理対象となるのは初めて。孔子廟は各地にあり、その運営への影響も注目される。 朱色の建物に赤い瓦。「久米至聖廟(くめしせいびょう)」は、那覇市中心部の公園内にある。孔子の霊を迎える年に1度の祭礼の時だけ、孔子像のある大成殿(たいせいでん)に続く門扉の中央が開き、14世紀以降に中国から渡来した「久米三十六姓」の子孫らが酒を供えたり線香を上げたりする。 施設は一般社団法人「久米崇聖会(そうせいかい)」が2013年に建設し、管理している。市は論語の講座を開くスペースもあることなどから「体験学習施設」にあたると公益性を認め、年576万円の使用料を無償にした。 「歴史文化を知らしめるという目的は名ばかりで、実態は儒教を普及させるものではないか」。中国に反発する市民運動家の女性が使用料免除は政教分離に反すると主張し、市を訴えたのが今回の裁判だ。 争点は、施設の運営に宗教性がどれほどあるかだ。北海道砂川市が神社に市有地を無償で使わせた行為が問題となった「空知太(そらちぶと)神社訴訟」では、10年の大法廷判決が「施設の性格や無償提供の経緯、一般人の評価などを考慮し、社会通念に照らして総合的に判断する」との基準を示した。 18年の那覇地裁判決はこの判例を踏まえ、違憲と判断した。孔子の霊を迎えるため供物を並べたり、祭礼日だけ門扉の中央を開いたりする宗教的儀式をしているほか、会の正会員を久米三十六姓の子孫に限る閉鎖性があると指摘。「儒教が宗教に当たるかにかかわらず宗教的性格の色濃い施設だ」と述べ、使用料免除は憲法が禁じる「宗教的活動」で全額を徴収しないと違法だとした。 福岡高裁那覇支部も違憲と認めた。ただ、徴収すべき額は市に裁量があるとして示さなかったため、女性と市の双方が上告した。最高裁の弁論で原告は全額の徴収を求め、市は「儒教は哲学で運営に宗教性はない」と反論している。 他の施設への影響は? 哲学や道徳と認識される儒教の施設は全国に点在するが、運営の形態は異なり、影響は不透明だ。 東京都文京区の湯島聖堂。江戸時代の1690年、儒学者・林羅山(らざん)の私塾が孔子廟とともに上野から移り、のちに幕府直轄の学校として昌平坂学問所も併設された。「近代教育発祥の地」といわれる。 国の史跡に指定され、土地も建物も国の所有だ。公益財団法人「斯文会(しぶんかい)」が管理し、ここで論語や書道の講座を開いている。孔子祭も催すが、国民に論語に触れてもらうことが主眼という。平正路(まさじ)事務局長は「政教分離の問題を指摘されたことはない」と話す。 栃木県足利市にある史跡足利学校には日本最古の孔子廟があり、佐賀県多久市の孔子廟は国の重要文化財に指定されている。いずれも自治体の所有で孔子を祭る儀式も行う一方で、歴史的遺跡としても知られる。 多久市の担当者は「創建目的も地域の根付き方も沖縄のケースと違う。判決次第でどんな影響があるのだろうか」と関心を寄せる。 ■専門家は「不毛… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京浜東北線などワンマン運転検討 安全確保へ懸念の声も
JR東日本が京浜東北線などの首都圏の路線で、長編成の列車のワンマン運転を検討していることが、関係者への取材で分かった。2024年度以降、必要な機能を車両に導入していく方向で、具体的な開始時期は今後詰める。人手不足への対応などが理由で、安全の確保が課題となる。 JR東関係者によると、24年度以降、ワンマン運転に対応する機能を付けた車両を、京浜東北線(10両編成)と横浜線(8両編成)に導入する方向性を社内に周知した。 さらに、首都圏以外でも、宮城県内を走る仙石線をはじめ、長野県松本市や甲府市、群馬県高崎市のそれぞれ周辺などでも、3~6両編成のワンマン運転に必要な機能を車両に備える考えを伝えた。 具体的には、運転席からモニターで乗降客を確認できるシステムや、列車の発車から停車までを自動制御する「自動列車運転装置(ATO)」の配備を進める方針。新型コロナウイルスの感染拡大で乗客減が長引いている影響もあり、車両の導入時期などは変わる可能性がある。 JR東によると、同社管内のワンマン運転は、国鉄時代末期の1986年ごろから広まった。宮城県の仙台空港アクセス線(最大6両編成)を除き、1~2両編成の地方ローカル線への導入が進められてきたが、20年3月のダイヤ改定で、5両編成でのワンマン運転が東北線黒磯―新白河間で始まった。 現在は在来線66路線中、東北や北陸を中心に36路線でワンマンが導入されている。21年3月には茨城県などを走る水戸線でも5両編成でワンマンが始まる予定だ。 ワンマン運転を拡大している理由として、JR東は人口減少を背景とした現場の人員の減少や、ワンマンを可能にする情報処理技術の発達を挙げている。 同社の資料によると、55歳以上が全社員の2割以上を占め、社員数も年々減少している。2012年からの6年間だけを見ても、運転士と車掌の人数は約5%減っている。 安全面や負担増で懸念の声 JR東のワンマン運転が従来、… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
逆境の先に何かがあるから ネパール人妻と営むカレー屋
思い通りに行かなくたって人生を楽しめる。 派遣会社をクビになり、妻とも別れた宮崎幸二さん(57)が再婚相手に選んだのは、ネパール人のパンデイ・ヘマさん(36)だった。2015年、かつて青年海外協力隊員として過ごしたネパールを20年ぶりに訪れた。翌々日にマグニチュード7・8の大地震。ずっと気づかってくれたのがヘマさんだった。 ところが、いざ日本で届けを出そうとすると、弁護士に「そのままじゃ結婚できないよ」と言われた。児童婚を禁止するネパールの法律で、20歳以上年の離れた2人は結婚できないのだという。そんなばかな。 でも宮崎さんはへこたれなかった。ティカイツァ。なんとかなるよ、大丈夫さ、という意味のネパール語だ。「ティカイツァ?」と調子を尋ね、「ティカイツァ!」と答えを返す。 実際、現地に飛んで、法律に詳しい人に尋ねると「ネパールだからなんとかなるよ」と言われた。そのうち、唯一の解決策はヘマさんに結婚を求めて訴えられることだと分かった。 形式的に被告になり、裁判所へ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
同姓同名の別人口座を差し押さえ 区役所、国保料滞納で
大阪市天王寺区役所は19日、国民健康保険料の滞納者の銀行口座を誤って差し押さえたと発表した。まったく同じ氏名と生年月日の別人女性の口座と間違えたという。区役所は差し押さえた女性に謝罪。差し押さえの履歴が残らないようにする手続きをとった。 区によると、市役所本庁舎の職員が差し押さえに向けて口座の調査をした際、天王寺区に住む滞納者の住所と、口座の登録住所が異なることが判明した。住所は大阪府外だったという。ところが、区役所の担当職員は住所が異なっていても、本庁舎の職員が滞納者の転居をすでに確認していると思い込み、10日に差し押さえの手続きをした。 18日になって府外に住む女性から、見覚えのない差し押さえで口座の残高が減っているようだという連絡があり、問題が発覚したという。同区の窓口サービス課は「当事者の方や関係者に多大なるご迷惑をおかけし、市民の信頼を損ねることになったことを深くおわび申し上げる」としている。(瀬戸口和秀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル