夫婦2人が死亡した住宅火災の原因は、スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」が充電中に発火したためだとして、遺族が輸入元のアップル・ジャパン(東京)を相手取り、約1億4千万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。 訴状や代理人弁護士らによると、この火災は愛知県で2019年秋に発生。2階建ての住宅が全焼し、就寝中の夫婦が亡くなった。消防などの調査によると、火元とみられる1階リビングの中央のこたつテーブルの下に、純正の充電器につながれたiPhoneがあった。消防の調査報告書は出火原因について「特定に至らず不明」としつつ、「携帯電話機からの出火の可能性が考えられる」と指摘した。 原告側は火災の原因はiPhoneの欠陥による発火で、同社に製造物責任法(PL法)に基づく賠償責任があると主張している。同社は「出火原因ではない」と原告側に説明したという。 原告は夫婦と同居の家族で、取材に「新しいiPhoneで、たくさん写真を撮ろうと話していた。悔しい。原因をはっきりさせ、同じことが二度と起きないようにしてほしい」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
栃木の山火事続く 北関東道一部通行止め、休校広がる
栃木県足利市で21日に出火した山火事は、5日目となった25日も両崖(りょうがい)山周辺の各所から白煙が立ち上っている。休校も広がり、周辺の高校3校、中学1校が同日休校になった。現場近くを通る北関東自動車道の足利IC―太田桐生IC(群馬県)間も、延焼や煙の影響で24日午後10時20分から通行止めになっている。 25日も早朝から、自衛隊や栃木県などのヘリ7機の態勢で上空から消火活動を始めた。地上からも群馬県などから消防の応援を得て168人態勢で消火活動に当たっている。ただ水利の悪い箇所も多く、調整池や水槽も利用して消火活動に当たる方針。上水道への影響も予想されるため給水車も準備しているという。 栃木県は25日、足利市に災害救助法の適用を決めた。適用は23日付。(根岸敦生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
都道府県警ヘリ、広域運用を強化 災害時指揮権を明確に
災害への対応力を上げるため、警察庁は都道府県警のヘリコプターの広域的運用を強化する方針を決めた。運用について定めた国家公安委員会規則の改正が25日決まり、任務に災害などの警備を明記。各警察の地域部門に属している航空隊を来年度中をめどに警備部門へ移し、同庁による指揮権限も明確化する。 大規模な災害が起きると、警察ヘリが各地から被災地に派遣され、上空から被災状況の確認や被災者の救出救助にあたってきた。 警察庁によると、10年前の東日本大震災では35都道府県警が延べ834機を現地に派遣。その後、派遣の広域的運用が進んだ。延べ機数でみると、2014~15年が102機、16~17年が309機、18~19年が676機と増加している。 警察ヘリは1991年までに全都道府県警に配備。現在計89機あり、来年度は20人程度を輸送できる大型3機を含む4機が新たに配備される。以前はパトロールや遭難者の捜索、逃走する容疑者の追跡などが任務の中心だったため、航空隊は都道府県警の地域部や生活安全部に置かれてきた。 改正規則では、任務に災害時などの警備を加え、機動隊や他部門との連携を明記。災害時などに警察庁長官が現地警察に対し、派遣について指揮監督する具体的な手続きを定めた。 東日本大震災後、警察ヘリは装備面の強化が図られてきた。夜間や悪天候下でも撮影可能な赤外線カメラや可搬型の超高感度カメラ、操縦士の視覚を補う暗視システムなどを導入。来年度からは、有視界飛行ができない時に計器を見ながら飛行する訓練を国費で全国規模で行うという。(編集委員・吉田伸八) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
留学生支援の財団で280万円着服容疑 元職員の女逮捕
留学生の支援事業などを手がける公益財団法人「三井物産貿易奨励会」(東京都中央区)の預金口座から現金約280万円を着服したとして、警視庁は、元職員の松本恭子容疑者(47)=千葉県市川市=を業務上横領容疑で逮捕し、25日発表した。調べに対し、「生活費や海外旅行などに使った」と供述しているという。 久松署によると、松本容疑者は奨励会で留学生向けの奨学金や職員の退職金の管理を担当していた2020年4月、預金口座から5回にわたって現金計約280万円を引き出し、横領した疑いがある。残高証明書を改ざんし、発覚を免れていたという。署は、松本容疑者が2019年~20年4月の間に計約2千万円を着服したとみて調べている。 20年6月、松本容疑者が管理していた口座から預金がほぼすべて引き出されていることや、約10人の留学生に奨学金が一時的に支給されていないことが発覚。奨励会が警視庁に相談していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教科担任制、茨城県が全小学校に導入へ 5・6年生対象
茨城県教育委員会は、県内全ての公立小学校など469校で、中学校のように各教科を専門の教師が教える「教科担任制」を4月から導入する方針を決めた。対象となる学年は小学5、6年生。県教委によると、県内全ての公立小で導入するのは全国初という。 各学校に配置(派遣)する教員数は計266人。内訳は理科が84人、英語77人、算数75人、音楽や社会などその他の教科が30人(19日現在)。中学校教諭の免許を持ち、小学校での勤務経験がある教員や、再任用教員を配置し、各教員は1学級につき週2~5時間の授業を担当する。拠点の学校から近隣の学校に派遣することもあるという。 教科担任制をめぐっては、文部科学相の諮問機関・中央教育審議会(中教審)が1月に、2022年度から本格導入することを提言した。県は11年度から一部で導入を開始。各市町村につきモデル校を1校設置し、翌年度から教科と学校数を拡充してきた。 20年度は県内の小学校で希望… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
植栽に異物大量混入チップ、建築廃材か 奈良・国栖の杜
奈良県吉野町が工事を発注した、集会やキャンプなどに使える交流拠点「国栖(くず)の杜(もり)」を整備する事業で、建築廃材とみられる異物が大量に混入したチップ製品が、植栽工事に使われていたことが判明した。町は建設会社などに工事のやり直しを求め、完工が遅れている。地元の住民からは困惑の声も上がる。 町によると、「国栖の杜」整備事業は、同町窪垣内(くぼがいと)の旧国栖小学校と隣接の旧国栖幼稚園の跡地を活用するもの。住民らによる国栖地区自治協議会が2016年度に発足し、事業計画を主導して進めてきた。 計画では、幼稚園舎は協議会事務所などに、学校体育館は避難所としても利用し、それぞれ耐震化。小学校舎は取り壊し、運動場とあわせて計約5千平方メートルになだらかな起伏をつけ、植樹する。植栽は最後の工事で、町の総事業費は3億4600万円という。 植栽を請け負った建設会社は昨年、指名競争入札で1430万円(税込み)で落札。仕様書では、土壌保護のため「枝や葉を細かくチップ化したもの」(約80立方メートル)を敷き、低木250本を植栽することになっていた。 昨年7月末~12月25日に施工されたが、町の完工検査で、古い木材片にガラスや金属片、ビニールなどが混入していることが判明した。町は今年3月25日までに仕様書通りに工事をやり直すよう、建設会社と、施工管理を委託する大阪のコンサルタント会社に請求しているという。町総合政策課の吉村直樹課長は「安全性にも問題があり、やり直してもらわないと工事は完了しない」と話す。 一方、建設会社の役員の一人は「チップの品質の確認ができていなかった問題はあるが、営利目的の手抜き工事はしていない。地元に迷惑をかけられないので、いい方法を検討したい」と取材に答えた。 国栖地区自治協議会は4~5月… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タイマイの甲羅を密輸の疑い べっこう販売業の男ら逮捕
ウミガメの一種・タイマイの甲羅を密輸入したとして、警視庁と東京税関は、べっこう卸販売業の斉藤秀明(61)=東京都練馬区平和台1丁目=と元輸入業の梁瀬久(82)=長崎市風頭町=の両容疑者を外為法違反(無承認輸入)と関税法違反(無許可輸入未遂など)の疑いで逮捕し、25日発表した。調べに対し、斉藤容疑者は容疑を一部否認し、梁瀬容疑者は認めているという。 警視庁生活環境課によると、2人は2019年9月、共謀し、ワシントン条約が1994年に国際取引を禁じたタイマイの甲羅約7キロを、ハイチから国際郵便で輸入した疑いがある。品目欄に「牛の角加工品」と記載していたが、東京税関が虚偽申告に気づいた。 タイマイの甲羅はべっこう細工の原料で、メガネのフレームやくしに使われてきた。警視庁は2人が甲羅を加工業者などに売ろうとしたとみている。 「日本ではステータス」根強い需要 事件の背景にあるのはべっこう… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旭川医大学長の解任請求 教授ら署名提出
旭川医科大学(北海道旭川市)の吉田晃敏学長が、新型コロナ患者の受け入れをめぐる不適切発言や滝川市立病院からの高額報酬などを指摘されている問題で、学内の教授らによる「旭川医科大学の正常化を求める会」は24日、同大の学長選考会議に吉田学長の解任を求める署名を提出した。また、一連の問題をめぐる吉田学長の処分を協議している同会議の委員4人が辞任していたことが判明した。 「正常化を求める会」によると、22日までに、全教職員約2千人のうち921人分の署名が集まった。同大の規定によると、専任の教員や事務部門の幹部など「意向聴取対象者」に指定された教職員の過半数の請求があれば、学長選考会議に学長の解任請求ができる。意向聴取対象者は約400人おり、会によると、提出した921人分の署名には意向聴取対象者207人分の署名が含まれ、請求に必要な数に達しているという。 大学側が署名に不備がないかを確認したうえで、学長選考会議が解任について審査する。規定では審査にあたり、同会議は学内の「経営協議会」と「教育研究評議会」の意見を聴く必要がある。また、学長から求めがあれば弁明の機会を設けなければならない。 解任が妥当と判断した場合は、同会議は文部科学相に吉田学長の解任を申し出る。文科相が解任手続きをする。文科省国立大学法人支援課は「手続きに瑕疵(かし)がないかといった確認はするが、会議の決定は尊重される」としている。 学生が手紙「原因をつくった学長の辞任必要」 1月中旬から吉田学長の解任を… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
接待問題は贈収賄の罪になる? 法律的にはアウトでも…
菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」から接待されていた総務省幹部らが、一斉に処分された。野党3党の要求で、7万4千円を超す高額の接待を受けていた山田真貴子・内閣広報官が25日の衆院予算委員会に出席して説明することが決まった。 接待問題が刑事事件に発展する可能性はあるのか。 総務省側は「行政がゆがめられた事実は確認されていない」と強調するが、刑法の贈収賄罪は公務員が便宜を図っていなくても、職務に関係のある業者から接待を受ければ成り立つ。行政がゆがめられた場合は、より法定刑が重い加重収賄罪が適用される。 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は今回のケースについて「理屈上は贈収賄罪が成立する」と指摘する。だが検察が起訴するかどうかは別問題だ。 実務上、賄賂の総額が50万円以上だと起訴するべきだと判断するといい、「今回明らかになった金額では足りない印象だ」と話す。 一方、「時代によってその金額は変わる。捜査で新たな接待や現金授受が判明する可能性もある」として、事件に発展することもあり得るとの見方も示す。 さらに、検察が無視できないのが検察審査会だ。若狭氏は「検察は国民の目線を意識して捜査を尽くすはずだ」。別の検察OBも「首相の親族が絡み、世間の注目は高い。検察は軽く扱えないだろう」と語る。弁護士らでつくる市民団体「税金私物化を許さない市民の会」は近く、総務省幹部や菅首相の長男らをそれぞれ収賄容疑と贈賄容疑で東京地検に告発する準備を進めている。(酒本友紀子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元に戻れなくても 悲しみ、絵本で寄り添う 池田小遺族
2001年に大阪教育大付属池田小の児童殺傷事件で長女の優希(ゆき)さん(当時7)を失った本郷由美子さん(55)が、東京都台東区に様々な喪失に触れた絵本や本を集めたグリーフ(悲嘆)ケアのためのライブラリー「ひこばえ」を開設した。本郷さんが事件後に絵本に支えられた経験がきっかけとなった。 白やパステルカラーを基調とした柔らかな雰囲気の部屋に、約650冊の絵本や本、漫画が並び、かわいらしいぬいぐるみたちも出迎えてくれる。ひこばえは昨年11月、台東区にある光照院の別棟「こども極楽堂」の2階につくられた。 拡大するグリーフケアライブラリー「ひこばえ」を開設した本郷由美子さん=東京都台東区 読めなかった絵本 「事件から2年ほどが経った頃から、このような場を作りたいと思っていました」と本郷さん。本郷さん自身、事件直後に友人から絵本を贈られることが多かったが、その気持ちがうれしい半面、当初は「とても読む気になれなかった」。1ページめくる。でも先に進めない。その繰り返しだったが、次第に絵本の絵や色彩をぼんやり見ているだけで、気持ちが和らいでいくのを感じるようになった。 付属小の子どもたちとの交流で… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル