【山形】テレビドラマ「おしん」の撮影にも使われたというつり橋の「大平(たいへい)橋」が来年度、撤去される。最上川にかかり、白鷹、朝日両町を結んでいるが、1964(昭和39)年の完成から60年近くが過ぎ、近くに新しい大平橋もできて、2013年からは通行止めになっていた。 橋は白鷹町の大瀬地区と朝日町の今平地区を結んでいることから命名された。全長約110メートル、幅約2メートル、500枚以上の渡り板が張られているという。橋の上からはスリル感と共に、美しい峡谷の風景を眺められ、人気スポットだった。2010年には二車線ある現在の大平橋が開通した。 「おしん」では、主人公おしんが少女時代を思い起こすシーンでの撮影に使われたという。 両町はこれまでに住民説明会などを開催し、撤去の方針を説明してきた。撤去費には計1億3500万円ほどかかる見込みで、両町が半分ずつ負担するという。白鷹町の佐藤誠七町長は「今後どうするか長く議論してきたが、改修、維持していく経費が出せない。新しい橋ができ、人口減も進んでいく中、将来を考えて撤去することとした」と話した。(石井力) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夫に続き息子まで…舞った石綿、救済求める妻の自問自答
建設現場で舞ったアスベスト(石綿)が、夫と息子を奪った――。消えることのない悔しさを抱える妻が25日、最高裁の法廷に立つ。国と建材メーカーの責任が問われる一連の訴訟の弁論で、原告の一人として抜本的救済を求める。 埼玉県川越市の大坂春子さん(77)は毎日、朝と晩に二つの遺影に語りかける。「裁判が終わるまで、お迎えには来ないでね。見守っていてね」 大工歴48年の夫金雄(かねお)さんが異変を訴えたのは、2002年9月だった。犬の散歩から帰ると、「今日はすごく疲れる」と玄関にへたり込んだ。病院でX線写真を撮ると、たまった水で肺が白く映っていた。応急処置をしたが、弱音を吐かない夫が「苦しい、苦しい」と漏らすようになった。 ともに大工をしてきた春子さんと長男誠さんには、心当たりがあった。加入する労働組合が作った「静かな時限爆弾」というタイトルのDVD。建設資材に含まれる石綿の粉じんを吸うと肺に刺さり、数十年後、がんを発症させることを伝えていた。詳しい検査を受けさせることにした。 「アスベストによる中皮腫です」。03年1月、医師が告げた検査結果は思った通りだった。ただ、「あと何カ月ももたない」と余命を知らされるとは思わなかった。「きちんと聞きたい」と同席していた夫は、顔をしかめた。 入院中の夫は痛み止めシートを… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無人の店、並ぶコルク板「興味あれば電話を」 何の店?
【秋田】紅葉や雪だるまなど、季節ごとのイラストや文字が入った小さなコルク板を何枚も棚に並べて飾る店が、秋田市中通6丁目の南大通り沿いにある。ガラス張りの店内に人の姿はなく、「興味のある方はお電話ください」と記されている。店の前に横断歩道があり、信号待ちの人が不思議そうにのぞき込んでいる。何のお店だろう。 電話してみると、店主の田中史さん(50)が出た。「コップ敷きのコースターを売る店なんです。お客さんから頼まれたデザインを表面に焼き付けて、贈り物や記念品にと考えたんですが、宣伝もしていないし、正直あまり売れていません」と、きまり悪そうに教えてくれた。 本業は、歓楽街の川反などに車で飲みに来た酔客を自宅に送り届ける運転代行業。副業でコースターを扱う店「ブラッシュ」を始めたのは昨年4月のことだった。 店はJR秋田駅の南西約500メートルの位置にあり、以前は金券ショップだった。随伴車両を3、4台稼働させていた5年ほど前、事務所用に借りたが、その後、台数を減らして必要性が薄れ、物置として使っていた。 昨春、新型コロナウイルスの感染拡大とともに居酒屋やスナックに来る客が減ると、運転代行の需要もプツンと途切れた。「これはやばい。何か新しいことに挑戦しないとダメだ」と焦り始めたとき思いついたのが、元々好きだった、ものづくりの仕事だった。 高校卒業後、専門学校でコンピューター制御のNC旋盤や、刃物を回転させて平面や曲線を削るフライス盤の操作を覚えた。10年近く前まで金属加工の工場で働いていた。図面を確かめながら手を動かし、自動車部品などを仕上げるのが得意だった。 実は2年前、店の2階にパソコンで制作した画像などをレーザー加工できる機械を持ち込み、趣味でコースターを作り始めていた。仕事で世話になっている飲食店の開店記念日に、店のロゴを入れて贈ると、店主が思いのほか喜んでくれて、温かい気持ちになった。 元々はそんなサービスの一環だったが、少しでも稼ぎの足しになればと1枚300円で注文販売を始めた。コロナ禍で外食産業に客足が戻る時期は見通せない一方で、自宅で酒を飲む人が増えている。「酒器にこだわる人がいるように、自分だけのコースターを用意して、お酒をもっとおいしく飲みたいという人がいるのでは」 昨秋、地元のラジオで紹介されてから、ポツポツと関心をもって電話してくれる人が現れ始めた。ただ、生活のために別のアルバイトも始めることになり、常駐は難しい。そこで無人店舗として続けている。 「コースター作りは気楽にやっていきたい仕事。でも、お客さんに『こういうものを』と言われたら、何とかそれに近づけたい、と職人魂が燃えてきます。じっくり時間をかけて、完成度の高いものを作りたいですね」(佐藤仁彦) ◇ たなか・ふみと 1970年、秋田市生まれ。運転代行の仕事が夜から未明まであるため、午前中は貴重な睡眠時間。コースターに関する問い合わせは、午後1~6時、電話(080・9634・8641)で受ける。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
朝礼中、突然ふらつき呼吸なし 同僚を救った連携プレー
職場で心肺停止に陥った男性を同僚3人がとっさの連係で助けたとして、宮崎市は12日、IT企業「フェニックスシステム研究所」(本社・宮崎市佐土原町)に感謝状を贈った。 同社によると、昨年11月17日午前9時ごろ、同市橘通西1丁目にある同社コールセンターで起きた。社員5人が参加した朝礼の時、50代の男性社員が突然ふらついて床に崩れ落ちた。顔は青白く呼吸はなかった。 「たとえ使わなくてもAEDは必要」。目の前で見ていた40代の男性社員はそう考え、すぐに隣の事務室までAEDを取りに走った。事態があった部屋にいた40代の女性社員は119番通報した。 AEDを持って戻ってきた男性社員は倒れた男性に電極パッドを装着。電気ショックを施し、20回ほど胸骨圧迫をした。その後に気道を確保したとき、呼吸が再開したのがわかったという。別の40代の女性社員は横たわった男性のそばで名前を呼び続けたという。 男性が意識を取り戻したのは救助開始から約5分後。一時入院していたが、現在は後遺症もなく、3月から仕事に復帰予定という。 救助を率先した男性社員は前の… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本語学校が危機 コロナで学生来日できず「閉校も…」
新型コロナウイルス対策の入国制限で、留学生を受け入れる日本語学校の経営が厳しい状況にある。今年度の留学予定者が来日できないままの学校が多く、新年度の入学希望者も急減。政府の肝いりで新設が相次いだ日本語学校が、岐路に立たされている。(玉置太郎) 大阪市生野区の日本語学校「海風(うみかぜ)日本語学舎」では今年度、入学予定だった56人のうち28人しか入国できていない。留学とりやめはすでに4人。コロナ対策の入国制限のためだ。 バングラデシュから来日したサイドラジャイ・ラッビさん(24)は入学できた28人のひとり。入学は昨年4月のはずだった。来日できるかどうか不安を抱えて半年間、母国で待つことを余儀なくされたが、昨年秋から始まった政府の緩和策によって入国することができた。「日本の大学で勉強するという目標があるので、我慢できた。無事に来日できてほっとしている」 だが1月14日に再び全面的な入国制限が始まった。コロナ禍の収束が見えない中、同校の今年4月の入学希望者は11人と例年の半分以下。教師12人の人件費や85室ある寮の維持費が重くのしかかる。保育士でもある辻本慶子理事長(69)は「留学生と地域の交流をつくりたい」と29年前に留学生寮を始め、15年前に念願の学校を開いた。経営は常に赤字ギリギリだったが、「コロナ禍が収まらず、秋入学も少ないままだと、いよいよ厳しい」と言う。 行き着く先は、外国人材の不足? 業界大手の「ヒューマンアカデ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神社の「キツネ」盗んだ疑い 魚釣れず、さい銭も盗めず
北九州市門司区の和布刈(めかり)神社の稲荷社に奉納されたキツネの置物を盗んだとして、福岡県警門司署は作業員の男(63)=同市小倉南区=を窃盗容疑で17日に小倉区検に書類送検した。男は近くで釣りをしたが何も釣れず、帰りに神社に立ち寄り、さい銭を盗もうとしたものの、断念。「(キツネを)持ち帰って自宅に飾りたいと思った」と容疑を認めているという。 捜査関係者によると、男は2020年11月10日午後9時ごろ、和布刈神社の境内にある稲荷社に飾られた陶器のキツネ4個(計約6800円相当)を盗んだ疑いがある。稲荷社に飾られた2対(計8個)のキツネの置物のうち1対を自宅に持ち帰ったという。 盗難に気付いた神主が境内の防犯カメラを確認すると、これまでも繰り返し神社を訪れていた男の姿が映っていた。盗難から2週間半後の11月28日、再び神社に現れた男を神主が見つけて問い詰めた。男が窃盗を認めたため通報した。盗まれたキツネの置物は後日、警察を通じて無事に神社に返された。 神主によると置物は稲荷社に足しげく通う参拝者からの奉納品という。神主は「大事な思いが寄せられたもの。盗んだことを十分に反省してほしい」と話した。 稲荷社は拝殿の脇にたたずむ小さな朱色のほこら。地元の人らが毎月掃除をして守っている。参拝者の間では「戻ってきてよかった」との声が聞かれるという。(加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マスク姿のはだか祭り 密にならない福男の選び方は?
日本三大奇祭の一つで「はだか祭り」として知られる「西大寺(さいだいじ)会陽(えよう)」が20日夜、岡山市東区の金陵山西大寺であった。まわし姿の男衆が福を呼ぶ「宝木(しんぎ)」を奪い合う宝木争奪戦は512回目の今回、新型コロナウイルスの影響で大きく変わった。「福男」はどう選ばれたのか。 20日午後9時過ぎ、地元の女性グループの太鼓の音色が響いた。平成以降に「宝木」を手にした福男141人のうち、98人が締め込みにそろいのマスク姿で続々と境内に現れた。 例年は「わっしょいわっしょい」とかけ声が響く場面だが、今年は感染防止でほぼ無言。男衆は本堂で手を合わせたり、「垢離取場(こりとりば)」で清めの水浴びをしたり。境内を練り歩いた後、本堂を取り囲むように整列した。 午後10時。本堂の御福窓(ごふくまど)からお札が巻かれた2本の宝木が投下された。いつもは、この宝木を求め、体から湯気を発する男衆が激しく体をぶつけ合い、境内には裸の渦ができる。今年は、この日の最古参である1991年の福男となった男性が代表して本堂へ。受け取った宝木は、整列した参加者たちの間を順々に手渡されていった。 宝木が本堂に戻ると、いよいよ福男を決めるための「定めの儀」に。98人の名前が書かれた札からまず11枚が引かれ、さらにそこから西大寺の坪井綾広(りょうこう)住職(44)が2枚を引く。今年の福男の名前が決まり読み上げられると、会場は大きな拍手に包まれた。 福男に選ばれたのは、医師の藤… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
謎の類人猿、ヒバゴンを追え 騒動50周年に動画ツアー
広島県庄原市の西城町観光協会が、1970年代に町内を中心に目撃が相次いだ謎の類人猿「ヒバゴン」の目撃地点を巡るオンラインツアーの動画を作った。当時の「騒動」を知る人がそれぞれの地点でエピソードを紹介する内容で、ユーチューブ(https://youtu.be/EvVhchwyp-k)で公開している。 「全身毛だらけで、身長160センチくらいだったと……」。町内の山道で恵木(えぎ)剋行さん(77)がビデオカメラに語る。合併前の旧西城町で「類人猿相談係」を務めた恵木さんは当時、町に押しかけたマスコミの対応にも当たった。ヒバゴンを目撃した人(故人)について「私もよく存じていて、うそをつくような人ではありません」と明言する。 動画のタイトルは「ヒバゴン50周年記念オンラインツアー」。ヒバゴンが初めて目撃されてから昨年7月で半世紀となった。これを機に観光協会が制作を始め、今年2月に完成した。恵木さんが案内人を務め、3カ所の目撃地点を巡る。ヒバゴンの「足形」を保管する庄原署も訪ね、当時を追体験してもらおうという内容だ。 このほか、古事記に登場するイ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内で新たに1032人感染 100人超は首都圏3都県
新型コロナウイルスの国内感染者は21日午後8時現在で、新たに1032人が確認された。死者は50人だった。厚生労働省によると、重症者は前日より15人減って511人(20日時点)だった。 新規感染者数が100人を超えたのは東京都272人と、千葉県163人、神奈川県100人の3都県。一方、緊急事態宣言下の関西3府県では大阪府60人、兵庫県27人、京都府9人で、計100人を下回った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「過度の社会防衛、ハンセン病と同じ過ち」感染症法改正
新型コロナウイルスの感染拡大を背景に感染症法が今月改正され、13日に施行された。入院措置や保健所の疫学調査の拒否などは過料の対象となった。当初の改正案にあった懲役刑など刑事罰は削除されたが、ハンセン病違憲国家賠償訴訟全国原告団協議会事務局長の竪山勲さん(72)=鹿児島県鹿屋市=は今回の改正に強く異議を唱えている。理由や思いを聞いた。 ――法改正は与党と一部野党が刑事罰をなくす修正案で合意し、成立しました まず患者の懲役や刑事罰として… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル