新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を受け、営業時間の短縮要請に応じた飲食店に支払う協力金の申請受け付けが始まった。1日につき6万円。兵庫県は定休日を支給対象から外すが、隣の大阪府は定休日も含めて支給する。感染防止と営業補償のための協力金だが、府県によって飲食店数や感染状況が異なり、対応が分かれた。 2度目の緊急事態宣言を受け、県は1月14日以降、飲食店の営業時間を午後8時までに短縮するよう要請。店が時短営業や休業に応じれば、協力金として日数に応じて1日6万円を支給する。ただ、店の定休日は対象としていない。 県は、協力金を「時短営業や休業で減った売り上げの補塡(ほてん)」(担当者)と位置づける。そのため、もともと売り上げのない定休日は支給対象外とした。 同じく緊急事態宣言の対象の京都府も、飲食店の定休日は協力金の支給対象外とする。府の担当者は「あくまでも協力に応じた日数に支払う。店の定休日は、店内外の表示などで確認する」と話す。 一方、大阪府の対応は少し異なる。 大阪府では店の定休日も含め、時短営業の要請期間の日数に6万円を乗じた定額を一律支給する。そのため支給額は、1月14日~2月7日の計150万円(25日間分)か、準備期間を考慮した1月18日~2月7日の計126万円(21日間分)のいずれか。ただ、期間中に時短営業しなかった日が1日でもあれば、支給しない。 なぜ、定休日を対象としたのか。大阪府の担当者は「府下には最大約10万9千軒の飲食店があり、審査の手間を省き迅速支給するためにも一律の支給額にした」と説明する。大阪府の感染者数は約4万6千人を超え、全国で2番目に多い。「感染拡大防止の観点では、定休日は休業と同じ」とする。 国の内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室は、「協力金は各自治体が主体となって取り組み、国が交付金で支援するもの。定休日も支給するかどうかは判断が分かれるが、各自治体が感染状況などを踏まえて決めること」と話す。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
軽自動車が田んぼに転落、高校生2人死亡 岐阜の国道
21日午前4時50分ごろ、岐阜県大垣市枝郷5丁目の国道417号で、男女4人の乗った軽自動車が田んぼに転落、後部座席に乗っていた2人が頭や胸を強く打つなどし、搬送先の病院で死亡した。 県警大垣署によると、亡くなったのはいずれも同県岐南町の高校生の高木彩那さん(18)と、池田智成さん(17)。運転していたとび職の少年(18)と助手席の少女(17)もけがをしたが、意識はあるという。 現場は右カーブで、車は沿道のガードパイプを突き破り、2メートル下の田んぼに転落。「夜景を見た帰りだった」と説明しているという。署が詳しい事故原因を調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
暗闇の石巻、助けを待っている人が 医師は腹をくくった
東日本大震災で甚大な被害に遭った宮城県石巻市。石巻赤十字病院の第一外科部長だった石井正さん(57)は、地域住民22万人の救護活動を統括しました。いくつもの教訓が後の災害に生かされ、人材育成にもつながっています。「震災はなかったほうがよかった。でも経験値にするしかない」と当時を振り返ります。 いしい・ただし 1963年東京生まれ。2002年、石巻赤十字病院第一外科部長。11年2月、宮城県から災害医療コーディネーターを委嘱された。 ――300カ所の避難所にいた約5万人のニーズを把握し、救護したことが語り継がれています。 2011年3月17日の夜、警察署へ向かう車窓から見た石巻の町を今でもよくおぼえています。停電のため真っ暗。シーンとしていた。まさに町中の何万人もの人が息を潜め、じっと助けを待っていると感じました。 「いや、これは大変なことだ」「どうにかしなくちゃいけない」と思ったんです。 「便りがないのは良い便り」じゃない。「便りがないのは悪い便り」ということなんです。 拡大するスタッフと議論する石井正さん(左から3人目)ら=2011年3月、宮城県石巻市、本人提供 「情報がないから何もできません」は通用しない。「向こうから発信できないのではないか」と疑ってかかるべきです。 連絡がとれないのはやばい。情報はとりにいくことから始めよう、と調査を始めました。 「情報は自らとりにいけ」。今でも研修会でそう教えています。 ――それぞれの避難所にいる病人や高齢者の数、水や電気、トイレ、食料の状況など医療に限らず幅広い調査をしました。 当時、市役所も保健所も大きな被害を受けていました。津波に遭わず、対応できる僕たちができることをすれば、具合が悪い人は減る。そういう思いでした。 「避難所ごとの状況把握をしよう」と言うと、支援に入っていた医師が「石井ちゃん、海外の難民キャンプでは、こんな調査票で調べているよ」とエクセルで表を作ってくれました。さらに評価をわかりやすくしよう、と◎○△×と記号を書く欄も作りました。 できるまでに時間がかかって亡… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カップルが万引き? 追跡すること4施設、遂につかんだ
商業施設4カ所にわたり不審な人物を追跡し、万引きの現場をおさえて現行犯で常人逮捕した男性に、福岡県警中央署が8日、感謝状を贈った。男性は昨年3月に警察官を退職し、百貨店で働いていたが、パトロールの経験が生きた。 岩田屋本店(福岡市中央区)で顧客サービスを担当する黒岩俊哉さん(61)は1日正午すぎ、岩田屋内の店員から連絡を受けた。「1年ほど前から万引きを繰り返していると思われる男女が現れた」。20代の若いカップル風。ブランド物に身を包み、女は大きなトートバッグを持っていた。黒岩さんは追跡を始めた。 2人は岩田屋を出ると、別の商業施設へ。2カ所を回ったが、万引きしたかは分からなかった。2人はその後、追跡に気づいたのか地下街の駐車場へ。黒岩さんがしばらく出入り口の隅に身を潜めていると、2人は駐車場から出てきて、今度は家電量販店に入った。 売り場の前に2人でしゃがみこみ、見本品の電気シェーバーを男が上着の右ポケットにしのばせた。2人はそのまま店を出た。 「こんにちは。精算されていない品物、右ポケットにありますよね」と声をかけた。男はシェーバーを取り出し、「私のです」と否定した。が、「サンプル」と書かれたシールが貼ってあった。 「窃盗容疑で現行犯逮捕するけんな」。男の腕をつかみ、110番通報した。その後の調べで2人は容疑を認め、ほかでも万引きをしていたことを明かした。 黒岩さんは県警の自動車警ら隊… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中国公船2隻が領海侵入 尖閣諸島沖、日本漁船に接近
21日午前4時50分ごろ、沖縄・尖閣諸島の久場島沖で、中国海警局所属の公船「海警」2隻が領海に侵入した。海上保安庁によると、領海内を航行していた日本漁船(9・7トン、乗員3人)に近づく動きをみせたという。海保の巡視船が間に入り退去警告をしている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京メトロ17000系、運行開始 床面は6センチ低く
東京メトロ有楽町線・副都心線で21日、新型車両「17000系」が運行開始した。同日朝、有楽町線新木場駅(東京都江東区)から最初の10両編成の列車が出発した。 17000系は、有楽町線の路線カラーであるゴールドと、副都心線のブラウンの2色のラインが前面と側面に入る。ヘッドライトは、現在運行する「7000系」などと同様に丸いデザインだ。 座席幅は7000系よりも3センチ広い46センチ。床面の高さを7000系から6センチ低くし、乗車ドアの床の部分をわずかにホーム側に傾斜させるなど、車いすやベビーカーが乗り降りしやすい構造となっている。各車両に、車いすの人や大きな手荷物を持った人向けのフリースペースもある。 東京メトロは2022年度までに、17000系を21編成180両導入し、1974年から運行している7000系と置き換える予定。(一條優太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佐渡金山にリアル過ぎる人形 65体のモデルはあの人
地底の金鉱石を手作業で掘る金穿(かなほり)大工、わき出る水をくみ出す水替人足……。江戸時代の採掘の様子を再現した佐渡金山の観光坑道。そこで働く65体の人形たちの表情が妙に生々しい。彼らの顔のモデルとなったのは、金山と関わりのある実在する人びとだった。(古西洋) 1月末、佐渡金山の宗太夫(そうだゆう)坑。気温10度の坑道では天井の岩盤を支える坑木の交換作業が行われていた。国の史跡に指定されているため、作業は「山留普請(やまどめふしん)」と呼ばれた江戸時代と同じ工法が採られ、すべて人力だ。 延長約280メートルの坑道では、11カ所で江戸時代の採掘風景が再現されている。狭い木製の足場で鉱脈に向かってたがねを打ち込む者、鉱脈の位置を測量術を使って調べる者、採掘の安全を祈願する者。等身大で当時の服装のまま働く彼らはすべて人形だ。暗い地中で無理な姿勢のまま石粉にまみれた当時の重労働がしのばれる。 観光客らが近づくと、センサーが感知し、人形が動き、しゃべり出す。休憩所で休む者はつぶやく。「早く外へ出て酒が飲みてぇ」 マネキンの外国人顔、不評で 佐渡金山の管理運営会社「ゴールデン佐渡」によると、人形が設置されたのは1970年という。だが、当初は既製品のマネキン人形を置いたところ、不評だったため、頭の部分を作り直した。改修時期は特定できない。 「リアルさを出すために当社や… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
70代夫妻が2千万円寄付 町の苦難を基金設けて打破へ
人口減少にあえぐ北海道東部の置戸町で起業や移住をする人にそれぞれ100万円を支援しようと、元町議で食品店経営の細川昭夫さん(78)とカツエさん(77)夫妻が、町に2千万円を寄付した。町はこれを原資に「元気だすべぇ基金」を設けて、4月から事業を始める。 細川さん夫妻は50年余りにわたり町内で鮮魚店や食料品店を営んできた。「地元を盛りあげよう」とイベントを次々と手がけてきた。人が丸太を積んだそりをひいて競う夏祭りの目玉「人間ばん馬大会」や「置戸山神太鼓」、「全町下の句かるた大会」――。しかし、急速に進む人口減で運営が難しくなってきた。かるた大会は途絶え、太鼓も休止している。かつてにぎわった囲碁クラブは今はない。地元の窮状を基金による支援で打開したいと細川さん夫妻は考えた。 支援条件は、①町内で新規起業して商工会に加入②地元の木工芸品ブランド「オケクラフト」作りの研修生が独立工房を建設③家族で移住して住宅購入で、それぞれ100万円を支援する計画だ。 15日に深川正美町長に寄付の… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
終戦の日に墜落、零戦操縦士の墓? 75年間大切に管理
終戦の日の1945年8月15日に連合軍機と戦って墜落したとみられ、今年1月に千葉県大多喜町泉水でエンジンなどが掘り出された旧海軍の戦闘機零戦をめぐり、操縦士とみられる墓の存在が20日、同町で確認された。住民の手で手厚く葬られ、現在まで75年間、墓の由来がわからなくなってからも大切に管理されていた。 房総半島中部の日本軍機の墜落場所を探し、慰霊する活動を続けている同県睦沢町立歴史民俗資料館の学芸員久野一郎さん(64)と同町文化財審議会委員の幸治(こうじ)昌秀さん(77)によると、終戦の日に現在の同県茂原市にあった海軍茂原航空基地から零戦で飛び立ち、戦死した5人の名前と、墜落場所5カ所が分かっている。 零戦のエンジンと20ミリ機関銃が掘り出された、との報道後、「縁のある人のお墓ではないか」と久野さんに連絡があり、久野さんが墓を確認した。 お墓は大多喜町紺屋の「紺屋区観音寺墓地」(山形幸平・管理委員長)の片隅にあり、高さ約1メートルの墓碑の表に「故海軍一等兵曹 茂原航空基地 一勇士之(の)墓」、右側面に「昭和二十年八月十五日 於大多喜泉水戦死」、左側面に「昭和二十一年八月十五日建立」として地元の2人の人の名前が彫られていた。 現在、このお墓を管理している地元の人たちの話では、この墓が建てられたいわれなどは全く分からなくなっていたが、地元の人の墓と同様に、75年間、掃除を続け、大事にまつってきたという。久野さんは「戦死した日や場所が一致することから、エンジンなどが掘り出された零戦の操縦士のお墓に間違いない。まるで見知らぬ人であったであろう操縦士を、手厚く埋葬した大多喜町の人たちの心の優しさに、涙が出そうになる」と話した。 2014年から調査を続け、う… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
震災で傷だらけの「ローラ」、空港のストリートピアノに
仙台空港(宮城県名取市)の1階ロビーに19日、所々に傷を負った1台のグランドピアノが置かれた。東日本大震災で津波をかぶり、がれきの中からよみがえった「復興空港ピアノ」だ。震災のことを思い出すきっかけにしてほしいと、誰でも自由に弾くことができる。3月12日まで。 持ち主は塩釜市のピアノ講師桜井由美さん(56)。震災当時、ピアノは七ケ浜町の実家2階で被災した。傷だらけになって外に置かれていたのを、復興支援に訪れたシンガー・ソングライターが目に留め、縁がつながって専門家が修復。故・西城秀樹さんの曲「傷だらけのローラ」から愛称「ローラ」と呼ばれ、同町内で保管されてきた。 今回、仙台国際空港会社が震災10年のメモリアル行事の一環で、ストリートピアノとして借り受けた。ここもまた津波に襲われた国内唯一の空港だ。19日のお披露目では、岡崎克彦・航空営業部長が「10年がたった今、コロナ禍という目に見えない静かな津波によって利用客が大幅に減っている。冬の終わりと春到来を祈りながら、多くの方に弾いていただきたい」とあいさつ。桜井さんは「ここからローラの第2のステージが始まる」と話した。(石橋英昭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル