香川、徳島県境の山の頂にある雲辺寺(うんぺんじ)では五百羅漢像(ごひゃくらかんぞう)がお遍路さんを出迎える。山はいまスマホを手にした若者らでにぎわう。 心地よい日差しと風を感じながら、思いっきり木のブランコをこいでみた。標高約920メートル。眼下には、穏やかな讃岐の田園風景と島々が浮かぶ瀬戸内海が広がる。空も近く、まるで雲まで手が届きそうに感じた。 拡大する家族連れやカップルが絶景をバックに撮影を楽しんでいた=2021年2月7日午後1時21分、香川県観音寺市 香川県観音寺市と徳島県三好市にまたがる雲辺寺(うんぺんじ)山(927メートル)。山頂付近の徳島側の木立に囲まれた雲辺寺は四国遍路の66番札所だ。八十八カ所霊場で最も標高が高い屈指の難所で、「遍路ころがし」ともいわれる。 ただ、1987年開業のロープウェーで香川側の山麓(さんろく)駅から山頂駅まで7分ほどで一気に上がることもできる。 拡大する雲辺寺境内に置かれた五百羅漢像=2021年2月7日午前9時28分、徳島県三好市、西岡臣撮影 長年お遍路さんに親しまれる山はいま、インスタ映えの写真を撮りに訪れる若者や家族連れが後を絶たない。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。 雲辺寺山頂公園にブランコが設… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄の米兵、酒気帯び運転の疑い 基準値の約4倍を検出
沖縄県警は20日、米海兵隊キャンプ瑞慶覧(ずけらん)(北谷(ちゃたん)町など)所属の上等兵、アニエル・ヘスス・エスピノーザアルカラ容疑者(21)を道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。「ビールは飲んだが、歩いていただけ」と容疑を否認しているという。 発表によると、エスピノーザアルカラ容疑者は、19日午後11時50分ごろ、北谷町北谷2丁目の町道で、酒気を帯びた状態で乗用車を運転した疑いがある。無灯火で走行していたため、沖縄署員が職務質問とともに呼気検査をしたところ、基準値(1リットルあたり0・15ミリグラム)の約4倍のアルコールが検出された。 県内では昨年10月末から、米軍関係者が逮捕される事件が相次いでいる。今月11日には海兵隊員が強制わいせつ容疑で逮捕され、県が米軍や政府に抗議したばかりだった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クローゼットを仕事場に 玄関前に洗面台 変わる住空間
自分の空間がほしい、ウイルスをいれたくない――。コロナ禍で広がるテレワークや衛生意識の高まりを背景に、住空間に求める人々の要望が変わってきた。新たな需要を取り込もうと企業も動く。 プロダクトデザイナー冨岡陽一郎さん(37)は、東京都江東区の分譲マンションに妻、長男(6)、次男(4)の4人で暮らす。 広さは55平方メートルで1LDK。冨岡さんは昨年4月の緊急事態宣言で在宅勤務となり、家族との時間が増えて良かった半面、距離の近さに悩むようになった。海外にいる相手と夜に会議をすることも多く、子どもが騒々しいリビングでは、仕事に集中できないでいた。 拡大するクローゼットをワークスペース仕様に。棚を机にして、キャンプ用のランタンを電灯に使っている=冨岡さん提供 「ここしかない」とウォークインクローゼットに目をつけた。中の服や本を処分し、キャンプ用のランタンと椅子を持ち込んでワークスペースを確保。机の代わりに棚を利用している。冨岡さんは「働く環境はベストとは言えない。試行錯誤の毎日です」と話す。 拡大するクローゼットを急きょ、ワークスペースに変更した。椅子を持ち込んで棚を机にした=冨岡さん提供 ミサワホーム総合研究所(東京)が昨年6月、20~69歳の男女824人に在宅勤務での困りごとをウェブアンケートで聞いたところ、「仕事に適した部屋がない」が最も多かった。 「コロナ対応」はリノベーション(大規模改修)にも影響を与えている。沖縄県の看護師女性(33)は中古物件を購入し、1200万円かけて改修した。玄関を少し広くとり、入ってすぐに洗面台を設置した。 6歳、3歳、0歳の子どもがいる。女性は「子どもが家に帰ってあちこち触る前に手を洗い、できるだけウイルスを持ち込まないようにしたかった」と話す。来客時も助かる。「洗面所に案内をしなくてもいいので、お互い気を使わない」 改修を担当したリノベーションサービス「リノベる。」(東京)によると、玄関前の洗面台や、ワークスペースをつくりたいという要望が、コロナ前と比べて増えているという。 拡大するリクシルが販売する「どこでも手洗」。玄関先につければ、外からかえってすぐに手洗いをすませられる=同社提供 住宅設備大手LIXIL(リクシル・東京)の小型洗面「どこでも手洗」。昨年3月から販売しているが、担当者は「玄関につけ、洗面所に行くまでに手を洗いたいというニーズがでてきた。当初計画していた出荷台数を上回っている」と話す。 住宅情報サイト「SUUMO」の池本洋一編集長は「今の一般的な間取りでは、今後も広がるだろう『職住融合』に対応できていない。テレワークと感染抑止の観点から住まいの選び方は変わる」とみる。2畳でも個別空間がある間取りの希望が増え、換気の良さなども重視する動きがあるという。 場所も「密」を避ける傾向がみられる。郊外の戸建てがよく売れるといい、商業施設などが集積している人気の駅の隣駅で物件を探す人が増えているという。 新築では、ワークスペースや換気の良さ、非接触で利用できる宅配ボックスなどを売りにした物件が相次いでいる。 三井不動産レジデンシャルなど… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
弾圧に屈せず女性のために 伊藤野枝に光「今こそ必要」
婦人解放に取り組み、関東大震災の混乱のさなかに28歳で憲兵に虐殺された女性活動家、伊藤野枝(のえ)に、光があてられている。弾圧や批判に屈せず女性のために論陣を張ったが、奔放な生き様に偏って見られることもあった。森喜朗氏の女性蔑視発言が議論を呼ぶなか、今こそ野枝のような存在が必要という声が上がっている。 伊藤野枝(1895~1923)は福岡県今宿村(現在の福岡市・今宿)に生を受け、苦学のすえ上野高等女学校に進学。後に平塚らいてうから引き継ぐ雑誌「青鞜」では「新しき女の道」などの文書を発表した。青鞜休刊後も「娘たちは男の妻として準備される教育から解放されなければならない」などと女中、女郎、女工の解放を訴えて活動した。米国のアナーキストでフェミニストのエマ・ゴールドマンの著作の翻訳にも取り組んだ。 震災の約2週間後、夫で思想家の大杉栄とおいで6歳の橘宗一とともに、甘粕正彦ら憲兵隊に虐殺され井戸に葬られた。思想が政府に害をなすと見なされた。国に盾突いたとして死後も冷遇され、業績に比べ複数の男性と離縁したことなどが注目されがちだった。 野枝を題材にした小説「風よあらしよ」(集英社)を2020年9月に出版したのは、直木賞作家の村山由佳さん。「理想とする社会のため自分の幸せを振り捨ててでも行動したところに女性として励まされた」と話す。 「取材し連載を書いて本が出る3年ほどの間に、政府のあり方やまわりの思考停止が野枝が生きた100年前にぐっと近づいてしまった」。虐殺された当時、甘粕を正当化する声が出るなど野枝が世間に冷遇されたことに触れ「今でもそのままなのはかわいそう。権力者に物が言いにくくなっている今こそ、時代が野枝や大杉を必要としているのではないか」と話す。 「今の時代に野枝がいたらたたかれまくったと思いますよ。それでも動じず世の中を引っかき回し、考えるための話題を作ってくれる野枝みたいな人が出てきてほしい」 福岡市在住の自営業、古瀬かな… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
行き場失った「おみやげ」救済作戦 詰め合わせ通販好調
有数の観光地、岐阜県飛驒地方の土産物が行き場を失っている。県内は新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言の対象地域。観光客が戻らないまま、土産物の賞味期限が迫る。特産品のネット販売を手がける企業には、地域の製造元から土産物の買い取りを求める問い合わせが相次いでいる。 2月上旬、飛驒地方の特産品をネット販売する「ヒダカラ」(飛驒市)の倉庫には、土産物の詰まった段ボールが山積みになっていた。飛驒牛のカレー、まんじゅう、漬物など約20社から買い取った。市内だけでなく、同じ飛驒地方の高山市、下呂市の会社も含まれる。社長の舩坂康祐さん(33)は「一度は店頭に並び、賞味期限が迫った商品が増えている」と話す。 拡大するヒダカラの倉庫に積み上げられた土産物の段ボール=2021年2月8日、岐阜県飛驒市古川町、山下周平撮影 ヒダカラは2020年5月、コ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
浪江の新聞舗が問う「復興」 三浦記者の同行取材、再び
凍りついた路面に、赤や青の警告灯のギラギラした光が乱反射している。 1月中旬の午前2時。運転する車に表示された外気温は零下1度だ。 東京電力福島第一原発から北へ約8キロ。原発事故に伴い、福島県浪江(なみえ)町に出されていた避難指示が一部で解除されてから間もなく4年になる。放射線量が高いとして町域の8割は今も帰還困難区域で、立ち入りが厳しく規制されている。 記者が歩く 東日本大震災10年 東日本大震災から間もなく10年。余震はいまも続き、13日夜にも最大震度6強の揺れが襲った。復興に向けた人々の歩みは、前に進んだのか。被災地を記者が歩き、考えました。 そんな復興途上の町で私(46)が向かう先は「鈴木新聞舗」。避難指示が解除された直後、町に戻ってきた人たちのために所長の鈴木裕次郎さん(37)が1人で配達を再開した。約80年の歴史を持つ老舗新聞販売所の3代目だ。 拡大する配達前の新聞を整理する鈴木裕次郎さん=2021年1月13日午前2時12分、福島県浪江町、三浦英之撮影 私は3年前、新聞配達を手伝いながら、彼が奮闘する姿を朝日新聞の連載記事に書いた。あれから町はどう変わったのか。当時と同じ視線で原発被災地の変化を確かめてみたい。 刷り上がったばかりの朝刊を抱… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元早大サッカー部GK、キッチンカーでスイーツ販売
「見習いパティシエの学生工房」。こんな看板を掲げたキッチンカーが、東京都内で営業を始めた。手がけるのは現役の早大生たち。卒業までの限定でパティシエを務めるのは、1月まで体育会「ア式蹴球部」(サッカー部)のGKだった谷口智洋さん(22)だ。 メニューはすべてグルテンフリー シュークリーム、フォンダンショコラ、チーズテリーヌ。青色に塗装されたキッチンカーに備えられたメニューには、3種類のスイーツが並ぶ。食物アレルギーがある人にも食べてほしいと、小麦粉を使わないグルテンフリーだ。数時間で売り切れるため、夕方には店じまいすることも多い。 運営するのは高瀬司代表(22)や谷口さんら商学部の4人。1月末に引退した谷口さんは、卒業旅行に行きたかったがコロナ禍で断念。そんな時、高瀬さんに誘われた。では、なぜ谷口さんに声がかかったのか。 谷口さんは和歌山県出身。料理… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
現金受領100人中94人、違法性を認識 克行被告公判
100人に計2900万円が配られた巨額買収事件。公職選挙法違反(加重買収)の罪に問われた元法相で衆院議員・河井克行被告(57)の東京地裁での公判は、19日で100人全員の調べを終えた。これまでに94人が現金提供に違法性を感じたと認めており、一貫して無罪主張の克行議員自らが説明する3月からの被告人質問が注目される。 2019年7月の参院選広島選挙区をめぐり、買収された側として起訴内容に記された計100人は、地元議員や後援会関係者たちだ。50人が法廷で証言し、残り50人は弁護側が同意したため供述調書が読み上げられた。 無罪を主張する克行議員は昨年8月の初公判で、現金は「(地方選の)当選祝い」などとして違法性はないと説明した。これに対し現金受領を認めた99人のうち94人は、検察の主張にほぼ沿った形で、克行議員の妻の案里氏(47)を当選させるための投票とりまとめの趣旨だったなどと認めた。自民党公認候補だった案里氏は、党広島県連の支援を受けられず厳しい情勢だった。案里氏は今月5日、買収罪で有罪が確定し参院議員を失職した。 受け取った議員ら「断れば角が立つ」 100人のうち40人は、受領当時に現職の議員や首長だった。違法性を認めたのはこのうち35人で、5人が買収の趣旨を否定した。 証言をまとめると、克行議員が現金を渡す際は、人目に付かない場所で封筒を差し出したり、相手のポケットにねじこんだりした。拒まれても「まあまあ」とかわして足早に去り、政治資金収支報告書の記載に必要な領収書のやりとりもなかった。「最後までよろしく」など支援を求められることが多く、「安倍総理から」と言われたケースもあった。 金額は30万~50万円が多く、200万円(元県議会議長)や150万円(前三原市長)もあった。 こうした授受の状況から、議員らは「票をまとめる対価」「表に出せない金」と感じたという。 現金を受け取った理由としては、「(国会議員からの)申し出を断ると角が立つ」との趣旨の説明が多かった。大半がパチンコや孫との買い物、背広の購入などとして使い、手を付けなかったのは数人だった。 100人のうち60人は後援会… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
写真盗用した産経記者を懲戒休職 新潟日報から無断転載
産経新聞記者による写真盗用問題で、産経新聞社は担当した大阪本社文化部の30代の記者=同本社編集局付=を懲戒休職2カ月にしたと19日付朝刊で明らかにした。処分は18日付。監督責任を問い、島田耕・大阪本社編集局長を減給、大阪総局長を譴責(けんせき)とした。 産経新聞社によると、昨年11~12月に朝刊関西広域面とウェブサイト「産経ニュース」に掲載した記事に、新潟日報社のニュースサイト「新潟日報モア」の写真を無断で掲載し同社の著作権を侵害した。 産経新聞社は、記者が新潟日報社の著作物にあたる写真を許諾を得ず使用し、紙面やウェブサイトに対する信頼を著しく傷つけたとしている。同社広報部は「調査の結果、新潟日報モアの写真を無断転載したものと判断し、処分しました。新潟日報社ならびに読者の皆さまに改めて深くおわびするとともに、再発防止に努めます」とコメントした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
島根知事、政府に直接説明へ 五輪聖火リレー中止検討
東京都や政府が新型コロナウイルス対策を適切に行っていないとして、島根県内の東京五輪聖火リレーの中止を検討すると表明した同県の丸山達也知事は19日、政府や地元選出の国会議員に直接会って意図を説明し、コロナ対策の強化や地元への経済支援を要望する考えを明らかにした。 19日の定例会見で述べた。17日に中止検討を表明した丸山知事は、この日の会見で改めて、「私は聖火リレーの実施が感染拡大を招くと思って中止を検討しているわけではない。おおもとの五輪の開催に問題があるというのが理由だ。聖火リレー自体を問題視しているわけではない」と説明。コロナ対策の要望について、「総合調整権がある政府に対し、直接お願いにあがりたい」と話した。 東京都に対しては直接訪問したり、文書を送付したりして要望はしないという。「私は都として都民のために当然やるべきではないかと申し上げただけだ」と述べた。 島根県スポーツ振興課によると、丸山知事の聖火リレーの中止検討表明を巡って、17日から19日午前11時までに同課に全国から345件の電話があった。7割が賛同、3割が批判する意見だったという。 自民・竹下氏の発言「取り立てて気にしていない」 賛同の内容は、「五輪開催で感… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル