佐賀市交通公園で6日、使用済みの信号機の入札会があった。信号機が売られるのは珍しいといい、ファンやその家族ら約10人が集まった。落札者がガッツポーズする場面もあった。 売られたのは車両用(縦約40センチ、横125センチ、重さ36キロ)四つと、歩行者用(縦約70センチ、横38センチ、重さ26キロ)八つ。子どもたちに交通ルールやマナーを学んでもらおうと約30年前に公園に設置された。老朽化に伴い昨年9月に撤去されたが、市民から譲ってほしいという要望が出ていた。 入札会では参加者が希望金額を紙に書いて職員に渡し、職員は最高金額の人を読み上げていった。この日の最高は車両用の6万円で、最低は歩行者用の3千円だった。 車両用一つ、歩行者用二つを計約5万円で落札したのは小学5年生の男の子(11)。3歳のころ、信号機の表示デザインの違いに興味を持って調べるうち、信号機の世界にのめり込んだ。父親とお金をためて参加したが、予定より二つも多く落札してしまったという。「置く場所がなく、お母さんに怒られる。おじいちゃんの家に隠したい」と話していた。 歩行者用を3万円で落札したパートの神崎拓さん(23)は全国の信号機を撮り歩いていて、集めた写真は6千枚以上という。「信号機を買うのは初めてで、心に残る時間だった」と感慨深げだった。家で眺めるという。 信号機は廃棄に5万円ほどかかるが、競売で約24万円が市に入る。市の担当者は「人が来るかどうか不安だったが、こんなに来ていただいてうれしい。インテリアとして使われるのではないか」と話していた。(松岡大将) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夢の教員、息子は合格の矢先に もう一度声が聞きたくて
ピッピッピッ……。ちょうど10回。リビングに置いた遺影のそばで、白い腕時計は今日も午後9時に鳴った。 「はいはい、待ってや」 京都府精華(せいか)町の鍋島すみれさん(60)が声をあげる。「おかん、ここにおるで!」。あの子に呼ばれているようで、すぐ反応してしまう。 おととしのクリスマス。すみれ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「一家支えるのは俺かも…」 涙こらえた小6の自分へ
拝啓 10年前の私に伝えたいことがあります――。東日本大震災で大切な人を亡くしたり故郷を失ったりした人たちが、あの日の自分に手紙を書いた。壮絶な出来事が待ち受けていること、後悔と悲しみ、それでも信じ歩いてきたこと。過去にあてた伝言は「永訣(えいけつ)」という題で、新曜社(東京)から本になった。 宮城県石巻市雄勝町出身の牧野大輔さん(21)は、母まり子さん(当時40)が津波の犠牲になった。自宅も生まれ育ったまちも、流された。 当時は小学6年生。遺体と対面した時、公務員の父輝義さん(52)の安否もわかっていなかった。一家をこれから支えるのは、長男の俺かもしれない。そう思い、ぐっと涙をこらえた。 故郷を離れて家を再建。母のい… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
42年前航海、父の手づくり帆船に輝き再び 兵庫・芦屋
42年前、ある男性が手づくりした小さな帆船が、最初で最後の航海に成功した。帆船はその後、兵庫・芦屋の小学校に展示されたが、長い年月とともに傷みが進んでいた。父の宝物を再び輝かせたい――。修復を申し出たのは、あのときの航海に同乗していた次男坊だった。 3本のマストを備えた真っ白な「天女丸」(全長・高さともに約5・5メートル、幅約1・3メートル、重さ約450キロ)。1977年、芦屋市の会社員だった故・細川美晴(よしはる)さんが46歳の時に作り上げた。 淡路島出身で、海運業の家に育った美晴さん。自作した船での航海を夢見ていたという。 この年の5月、天女丸の進水式を控えた美晴さんを朝日新聞が紹介していた。記事には「材料はふつうの木材店から買ってきた」「こつこつと六年間。休日の気分のよいときに集中的につくった」とある。 そして2年後の79年4月4日、初航海に臨んだ。 当時の朝日新聞の記事によると… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ほろ酔い吉田類さんとリモート乾杯 心は密に高知を応援
コロナ禍にあえぐ高知県内の酒蔵を応援しようと、県出身の酒場詩人吉田類さんと一緒にオンラインで地酒を味わうイベントが6日にあり、全国各地から参加した約70人が楽しいひとときを過ごした。 東京・銀座の県アンテナショップ「まるごと高知」が企画。参加料を払うと県内の地酒2本が事前に送られてくる仕組みだ。 都内の自宅とみられる場所から画面に登場した吉田さんは既にほろ酔い加減。「リモート飲み会の楽しみ方は?」との参加者の質問に、「最初に時間を決めること。でないと延々飲んじゃう」と回答。酒場の魅力を問われ、「人と密になるのが最大の魅力。コロナ禍でも魂や心で密になりましょう」と答えると、参加者は「さんせーい!」「最高です」などと書き込んだ。 さらに「二日酔いはしたことがない」と司会者を驚かせながら、対策として「迎え酒しかない」と即答し、爆笑を誘っていた。(清野貴幸) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
わがバーもパンデミックのどん詰まり… 店主の決断
「わがバーもパンデミックのどん詰まりここらあたりが岐路かもしれぬ」 マスターの山下敦さん(63)の一首が、昨年12月17日付の朝日新聞北海道版「歌壇」に載った。コロナ禍のさなか、閉店は熟考の末の決断だった。 農業や酪農が盛んな北海道十勝平野の中心、帯広市。帯広駅前のビジネスホテル街の一角、すし店などの飲食店が入る小さな建物の2階にそのバーはある。 ドアを開けると、ジャズの調べ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
特殊詐欺、狙われる固定電話 AIで対抗、診断アプリも
自宅の固定電話が詐欺被害の入り口になるケースが後を絶たない。高齢者がよく使っていることや、固定電話の名簿が詐欺グループに出回っているとみられることが背景にあるようだ。被害を防ごうと、電話会社やメーカーも知恵をしぼっている。 AI(人工知能)が通話内容を解析し、詐欺かどうかを見抜く――。NTT西日本と東日本は昨年11月、「特殊詐欺対策サービス」を始めた。 固定電話に専用のアダプターをつけると、通話内容がNTT側のクラウドに転送され、AIが解析する。疑わしければ、本人や親族らに「犯罪の疑いがあります」などと音声やメールを届ける。 NTTは警察庁と協力し、実際… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
稲垣吾郎さん、僕の話しの聞き方 テクニックより自然体
最近はラジオパーソナリティーやAbema TVの番組、雑誌の連載で、ゲストにお話を伺う機会が増えました。話を聞いたり話したりって、僕らの業界だけじゃなく社会人としてすごい大切なポイントになってくる。僕はインタビューされる側でもする側でもあるので、両方知っているのは面白いですよね。 事前にお相手の最低限のことは調べます。僕もインタビューされていると、「あ、この人、調べてないな」ってわかるので、そこだけは気をつけようと思う。全部が全部は無理だし、僕だってインタビューしてくださる方に、「俺のこと全部知っとけよ」なんて全く思わない。でも、相手のことを知っていると、こちらも楽しいですよね。 これを言わせたいからこれを聞く、っていうのは嫌なんです。それって相手も絶対にわかる。プロのインタビュアーならテクニックとして必要なときもあると思うけど、僕はいらないかな。媒体ってみんなで作るものだから、時には、こういうことを言った方がいいかなと思って言うこともありますけどね。 お話ししていて、相手が少し心… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手作りチョコの材料が余ったなら……パスタの隠し味にも
感染が拡大する中で迎える今年のバレンタインデー。手作りのチョコを渡す人は減るかもしれませんが、自分や家族で楽しむために作る人も多いのではないでしょうか。朝日新聞が連日掲載している「料理メモ」から、手早くおいしくできるチョコのレシピをご紹介します。 手作りをすると材料のチョコは余りがちですが、そんな時のために、チョコを隠し味に使って作るミートソースパスタのレシピもあります。 マロンチョコ 【主な材料(4人前)】 ・栗の甘露煮150グラム ・チョコレート50グラム ・牛乳小さじ2 ・バター10グラム ・ブランデー小さじ1 ・ココア適量 【作り方】 栗は熱湯をかけて蜜を落とし、乾かして、粗く砕きます。 チョコレートは細かく刻んで、牛乳を加え、湯煎で溶かします。バターをクリーム状にねり、ブランデーを加え、溶かしたチョコレートを少しずつ混ぜ、栗を合わせ、12個に小さく丸めます。チョコレートがしっかり固まるまで置き、仕上げにココアをまぶします。 (約30分) 1人前約18キロカロリー、塩分0グラム (料理研究家・検見﨑聡美) チョコが隠し味のミートソースパスタ 【主な材料(1人前)】 ・ブラックチョコレート20グラム ・合いびき肉250グラム ・タマネギ半個 ・ニンジン60グラム ・セロリ35グラム ・ニンニク1かけ ・赤ワイン100cc ・トマト水煮缶200グラム ・スパゲティ70グラム ・ロリエ1枚 ・ナツメグ少々 ・オリーブ油大さじ2 【作り方】 ミートソースは3食分の量なので、残った分は冷凍保存します。 ひき肉に塩小さじ3分の1、コショウ少々をもみこみます。タマネギ、ニンジン、セロリはみじん切りに。ニンニク、トマトはつぶします。 オリーブ油、ニンニクを弱火で炒め、タマネギ、ニンジン、セロリを加え、炒めます。ひき肉も加えます。赤ワインを入れ強火で煮詰め、トマト、水100cc、チョコ、ロリエ、塩小さじ3分の1、ナツメグを加え、約15分煮ます。 塩少々を加えた湯でゆでたスパゲティに、ミートソースを3分の1ほどあえます。 チョコを入れることで、コクが増します。 (約30分) 1人前約625キロカロリー、塩分2.7グラム (料理研究家・牧野直子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ONE PIECEの声優指導 視覚障害の生徒が朗読劇
視覚障害のある中高生らがアニメ「ONE PIECE」や「AKIRA」の有名声優の指導を受け、豊かな表現力を身につける「声の力」プロジェクトに、12月と1月、筑波大付属視覚特別支援学校(東京都文京区)などの生徒らが参加した。仕上げの朗読劇をリモートで収録した生徒らは、「力を出し切れた」「プロに発声や表現を指導してもらう経験ができてよかった」と完成の喜びを語った。 文化庁補助事業の「声の力」は2019年にスタート。「日本の未来を語ろう」をコンセプトに、様々なコミュニティーを作って「対話」をメディアで発信するプロジェクト「朝日新聞DIALOG」の主催だ。19年度は生徒らがラジオドラマを制作し文化放送「青山二丁目劇場」でオンエアした。20年度は11月から筑波のほか神奈川県立平塚盲学校などで開催し、コロナウイルス感染拡大の影響で延期した授業もあるが、オンラインに切り替えるなどして進めている。 昨年12月19日に東京・築地で開催された特別出張授業には、筑波大付属視覚特別支援学校高等部の11人が参加。「ONE PIECE」エース役、「ドラゴンボール」シリーズのピッコロ役などで知られるベテラン古川登志夫さんが講師を務めた。 声優志望者に講義する機会も多い古川さんは冗談を交えつつ、基礎となる呼吸法や発声、喜怒哀楽の表現を指導。「一番難しいのは『笑い』。コツがあって『はっはっは』の前に『あー』をつけて『あーっはっはっは!』と笑うと勢いのいい笑いになります。さあ皆さん、やってみて」 生徒らは透明なついたてで仕切られマスクをつけたままだったが、マイクに向かって力強く声を張り上げた。 1月中旬に東京都内で予定していた「合宿」は、オンライン会議システム「Zoom」に切り替え30、31日に開催した。同校高等部と筑波大付属高校(文京区)から、視覚障害のある5人と障害のない5人が参加。「AKIRA」の主人公・金田役で知られる岩田光央さんが講師を務めた。 テキストは内田健さん作「シリウスくんの不思議かいけつ日記」。生徒らは2チームに分かれ、擬人化された星のキャラクターや語り手を分担して演じた。顔を合わせての朗読ではないが、岩田さんは「リモートの画面でお互い見られています。自分の番じゃない時も役の気持ちのまま、お客さんに見られているという意識でいて下さい」と指導した。 「遠くの相手に大声で呼びかけるのか、すぐ近くの相手にささやくのか、自分でイメージして」「そこは『困ってるんだな、助けてあげたいな』という気持ちを強く出して」。岩田さんの指示で声の演技が表情豊かになっていき、最後の録音に臨んだ。 終了後、筑波大付属視覚特別支援学校高等部2年の田中紫音さんは、「みんながどんどん上手になっていくのを感じ、ワクワクしながら自分のセリフを読んでいた」。筑波大付属高校2年の谷澤優香里さんは「コロナの影響で人と会う機会が減る中で、リアルな声で気持ちを伝える大切さを実感した」と話した。 2チームによる朗読劇は3月中旬ごろ、「声の力」プロジェクト特設ページ(https://www.asahi.com/dialog/voice-power/)で公開する予定。(小原篤) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル