結婚して、海のそばで暮らすようになった。一生過ごすつもりだった。だが、突然自宅を失い、内陸での仮住まいは10年に及んだ。やっと「我が家」に移り住む。でも、そこに住もうと言ってくれた夫はもういない。 盛岡市の団地に住む金野ツエ子さん(73)は今月11日を待ちわびている。住まいから約8キロの場所に整備された「南青山アパート」への入居が始まる。2011年3月の東日本大震災で自宅を失い、自力で再建するのが難しい世帯のための災害公営住宅。被災地を中心に建設が進み、昨年12月、津波被災者向けとして最後に完成した。 夫の一太郎さんや息子夫婦の4人で住んでいた一軒家は、盛岡から約70キロ離れた沿岸部の岩手県宮古市にあった。10年前のあの日、大地震が引き起こした津波に流された。 約30年暮らした街を離れ、一家は行政が被災者向けに用意した今の団地に身を寄せた。「みなし仮設住宅」と呼ばれ、民間の賃貸物件に無料で住むことができた。しばらくして夫婦2人で暮らすようになった。 ただ、夫の口癖は「ここは仮住… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Trevor Bauer decides to sign with Dodgers
Los Angeles – The top pitcher on the free-agent market is heading to the defending World Series champions. Reigning National League Cy Young Award winner Trevor Bauer announced that he’s signing with the Los Angeles Dodgers in a YouTube video posted on Friday. “This season is about making sure history […]
半沢直樹も見た整備のプライド 池井戸潤がJALに迫る
池井戸潤が撮る 日本の工場 「半沢直樹」シリーズなどで人気の作家・池井戸潤さんが仕事の現場に迫る企画が、朝日新聞土曜別刷り「be」で連載中です。第4回は東京・羽田空港にある日本航空の整備工場。空の安全を守る現場を自ら撮影し、その本質を描き出します。デジタル版では池井戸さんが撮影した写真をたっぷりご覧いただけます。 空の安全を守るこの整備工場は、世の航空機ファン垂涎(すいぜん)の聖地である。 7年ぶりの訪問であった。以前お邪魔したのは『半沢直樹 銀翼のイカロス』を雑誌連載していた頃。小説を読まれたJALの広報担当者さんから、取材にいらっしゃいませんか、とお声がけをいただいたのがきっかけだ。物語の終盤、半沢直樹がここに来る場面が書けたのはそのときの取材のおかげである。 ハンガーと呼ばれるふたつの作業エリアでは格納された航空機が整備の真っ最中だった。機体をすっぽり覆うように足場が組まれた現場では、操縦席の窓を保護するフィルムを装着する作業をしている。なんとこの窓、一枚数百万円以上もするらしい。貧乏性の私など、いったい何枚あるのか数えてしまう。 この日の案内役は、広報担当の吉田達央さん。整備士出身という変わり種だ。 機体ごとの特長、エンジンの構造や安全面への配慮など、説明の節々に航空機への愛情と情熱を感じる。好きなことを仕事にしている人の充実感がみなぎっていた。 途中、ボーイング787が非常用風力発電機(ラムエア・タービン。以下RAT)をテスト稼働させる準備をしていた。 「あっ、あれが動くところはめったに見られないんです」 整備士たちに話をきいて戻って… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
荒牧慶彦さん、好奇心のススメ 芝居や活動の原動力に
刀を擬人化した大人気ゲーム「刀剣乱舞」の舞台で名刀「山姥切国広(やまんばぎりくにひろ)」を演じている荒牧慶彦さん。3カ月のロングラン公演の合間を縫って「古代エジプト展」の朗読会を開くなど、オファーが引きも切りません。漫画やアニメなどを原作とする「2.5次元舞台」の枠を超えて活躍する荒牧さんに、コロナ禍の中でのファンへの思いや、大切にしているものを聞きました。 「古代エジプト展」で音声ガイドナレーター 「創世神話がどんなものだったか、みせてやろう」 暗転した舞台に浮かび上がったのは、古代エジプトのミイラ作りの神「アヌビス」のアニメーション。アヌビスが大きな身ぶりとよく通る声で、観客を神々の国へといざなう。現在開催中の「古代エジプト展 天地創造の神話」(江戸東京博物館、4月4日まで)では、音声ガイドナレーターに加え、会場で流れるアヌビスのアニメのモーションキャプチャーも荒牧さんが務める。荒牧さんの体の動きが、アヌビスの動きに連動しているので、ファンが見ると荒牧さんの身のこなしだとわかるそうだ。SNSに「動きが荒牧くんそのまま」と書き込むファンも。 特別企画の朗読会「オシリス・セト・ホルス~イシスの愛と執念~」では、古代エジプトの神々や案内人など、一人八役を40分間にわたり演じた。女性神も含め全ての声色を使い分けてよどみなく語る姿に、さぞや練習を重ねたことだろうと、終演後に尋ねると「そのとき湧き起こる感情を大切にしたいので、あまり読み込みはしないんです。今回は一度通しで読んで、読みづらいところに書き込みをしたくらい」とさらりと答えた。お気に入りの神は邪悪な「セト」。「正義が正義たりうるのは、悪がいてこそ、ですよね。セトはエジプト神話を盛り上げるうえで、欠かせない登場人物だと思います」。この日は数少ない舞台の休演日だった。「働き過ぎだとファンの方にも言われるけれど、僕はこれが楽しいんです」 取材のテーマである「大切にしている物や事」について聞くと、「あまり物欲がなくて。物には執着がないんです」と最初にひと言。代わりに教えてくれた「私のThe Best!」は「好奇心」だ。「子どもの頃から好奇心が強く、自分の原動力になっている。この世界に入ったのも、好奇心のおかげ」と話す。 学生時代、友人が俳優をやって… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
僕らは被災地を「応援」する サンドウィッチマンと東北
東日本大震災は、当たり前と思っていた日常の光景や生活を一変させました。そして、あの日をきっかけに新たな歩みを始めた人がいます。仙台出身のお笑いコンビ「サンドウィッチマン」の伊達みきおさんと富澤たけしさんに10年間の道程を聞きました。 〈サンドウィッチマン〉だて・きみお、とみざわ・たけし ともに1974年生まれ、仙台市出身。仙台商業高のラグビー部で出会い、98年にコンビ結成。2007年に「M-1グランプリ」優勝。東北放送「サンドのぼんやり~ぬTV」収録中に気仙沼市で被災した。 《「東北魂」を掲げ、被災地に通い続けてきた2人。あの日、地元テレビ局の番組のロケで宮城県気仙沼市にいた。逃げた山から、街が津波にのみ込まれる瞬間を目の当たりにした》 伊達 震災直後、気仙沼に行くと「おかえり」と言われてびっくりしました。「(同じ被災者として)迎えられている。何とかしないと」という気持ちになりました。毎年3月11日は気仙沼に行っています。街も復活し、観光客を迎えられる態勢になっています。 富澤 行きすぎて、「また来たの」って言われます(笑)。 《「笑い」で元気づけられないか。悩みつつ、漫才を披露した時期もあった》 富澤 身内が亡くなったり、行方不明になったりしている方々はお笑いを望んでいないです。「何が何でもお笑いやるぞ」ではないと行ってみてわかりました。逆にテレビを見ている人は、重い話ばかりだと引いてしまうこともある。ふざけながら伝えられるほうがいいかなと感じました。 伊達 たとえば、バラエティー番組などでおいしいものについて話す時、東北の何かを紹介するとか。 富澤 「いいもの」先行でその後に被災地でのストーリーがわかればいいのかなと思いますね。「ああ、そういう場所のものなんだ」と。 伊達さんが、はっと気づいた 《全国ネットの番組で司会を務める傍ら、地元局の番組のために月1、2回は沿岸部に通い続ける》 伊達 できるだけ寄り添うとい… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「黙っていないで」各国大使館中心に投稿 森氏に反応?
「#DontBeSilent(黙っていないで)」「#GenderEquality(男女平等)」。5日午後からツイッター上で、こうしたハッシュタグをつけた投稿が広がっている。東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言に反応したものとみられ、欧州の在日大使館が中心となって発信している。 ドイツ大使館の公式アカウントが5日午後1時、十数人の職員らが左手を挙げたポーズで並ぶ写真にハッシュタグ(#)を添えて投稿。フィンランドやスウェーデン、アイルランド、ポルトガルなどの大使館や欧州連合(EU)代表部がこれに賛同し、ツイッターのほかインスタグラムやフェイスブックなどのSNSにも次々と投稿した。 国連広報センター(東京)も同日夜、ハッシュタグを添え、「女性に敬意を」「沈黙を打ち破ろう。誰かが一線を越えたら、声を上げよう。父長制への無言の迎合は、受け入れてはいけません」などと書き込んだ。 各国大使館の投稿へのリツイートは6日昼までに、1万を超えたものもある。投稿を見た人たちから、「涙が出た」「勇気をありがとう」「黙ってのみ込むしかないと思ってた。でもこの先はもうそうじゃないんだと、会ったこともない人に言われた気がした」などの反応が広がっている。(伊木緑) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
父はなぜルーツ隠したか 安田菜津紀さんに託された役割
おやじのせなか:フォトジャーナリスト・安田菜津紀さん 著名人が父のことを語る連載「おやじのせなか」。今回はデジタル版限定のロングバージョンです。 父は東京・新橋でうなぎ料理屋を構えていました。うなぎを焼く煙とタレの匂い、そしてその向こう側にうっすらと見える父。それがたぶん一番最初の記憶です。 口数が少なく穏やかな人でしたね。夜遅くまで働いた翌日の朝。小さかった私が「お父さん起きて!」と言って体に乗っかっても、振り払ったり怒ったりすることはありませんでした。 幼稚園の頃にはっきり覚えている場面があります。母は月に300冊の絵本を読み聞かせてくれる人でしたが、その日は父が珍しく早く帰り、代わりに読んでくれました。私をひざの上に乗せてページをめくるのですが、すらすら読めず、つっかえます。私は「もういい!」と言って立ち上がり、こう言いました。 「お父さん、日本人じゃないみ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ベトナム実習生2人→100人ロッジに 行き場失った末
昨年夏、日本海を望む新潟県内のロッジに、2人のベトナム人が助けを求めてやってきた。“仲間”はどんどん増え、年明けまでに100人を超えた。ここにも、新型コロナウイルスの影響が及んでいた。(杉山歩) 「助けてやろうよ」無償で食事 1月初め、雪が積もる同県長岡市寺泊地域のレストランで、数人のベトナム人女性が料理をしていた。店員ではない。隣のロッジで滞在中にお世話になった人たちへ振る舞うためだ。 ベトナム風お好み焼きを巻いたボリューム満点の生春巻き。それを眺めながら、「気持ちが伝わる。いつか戻ってきてもらいたい」と、ロッジとレストランを経営する諸橋康裕さんは言った。 話は、昨年夏ごろにさかのぼる。 中部地方の別の県で働いていた… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島で予定の70万人PCR検査 陽性なら…揺れる市民
新型コロナウイルス対策として、広島県が広島市中心部で計画する大規模な無料PCR検査。無症状の人を見つけ感染を抑え込みたい考えだが、対象となる住民はどう受け止めているのか。街で聞いてみた。 「安心したいので受けたい」。日ごろから感染対策に気を使う広島市西区の主婦(67)は、日課だったジム通いを昨年春からやめ、外出はスーパーでの買い物くらいにしている。「無症状でも重症化すると聞く。無料なのはうれしい」 2月中旬から予定される検査は中、南、西、東区の住民と就業者の計約70万人が対象となる。事業費は約10億円。湯崎英彦知事は「どこにいるか分からない無症状の陽性者からの感染を断ち、中長期で感染者を減らせる」と強調する。 東区の高校1年の女子生徒も「無症状のまま他人にうつすかもしれないのが怖い」と検査には前向きだ。一方で「感染者は落ち着いてきた。今することじゃない感じもする」。広島市の直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は5日時点で4人。ピークだった昨年12月26日時点の44・2人から大幅に減っている。 無症状で陽性と判明した場合は原則、ホテルで隔離療養となる。これを理由に検査をためらう人は少なくない。 「受けたくないですね。良くないことなんでしょうが……」。 中区の40代の女性会社員は先月、小学5年の長男が一時体調を崩したが、悩んだ末に病院には連れて行かなかったという。「もし検査して陽性だったら仕事に行けなくなる」 中区で食材店を営む店主(52)も「陽性だと店を休まないといけないし、食べ物を扱う店としての信用にも響く。受けない」と言い切る。売り上げは前年の2~3割に落ち込み、休業は死活問題という。「パートさんも家族に迷惑をかけるから受けたくないと言っている」 西区の保育園で働く30代の女性保育士は、職場では常時マスクをつけ、食事も同僚と距離を取って話さずに食べている。「感染の不安はない」としつつ、「陽性だと休園となり、保護者にも迷惑をかける。できれば受けたくない」。 ■企業からは肯定的な… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
海辺で生まれた陽気な磯野家 ルーツの旅でございま~す
独特な髪形でおなじみのサザエさん。「ふるさと」とされる福岡市には、磯野家のみんなに出会える通りがある。 福岡市の学生街・西新(にしじん)。最寄りの駅を出てすぐの一角で、あの国民的キャラクターに出会った。 拡大するサザエさん通り終点の百道の海岸にならぶシルエット像=2021年1月19日、福岡市早良区、長沢幹城撮影 サザエさんと妹のワカメちゃん。アルミ板のシルエット像になって案内板を指さす。地図では、この付近から約1・6キロ先の海岸までの市道を「サザエさん通り」と紹介している。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。 作者の長谷川町子さんが暮らし、物語の舞台になったのは東京都世田谷区の桜新町。実は、福岡市はサザエさんたち磯野家の「誕生の地」なのだ。 拡大するサザエさんの顔型にくりぬかれた看板=2021年1月19日、福岡市早良区、長沢幹城撮影 長谷川さんは幼少期と戦中・戦… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル