福岡県太宰府市の私立筑紫台高校3年の男子生徒(当時18)が自殺したのはいじめが原因として、高校を運営する学校法人・筑紫台学園に慰謝料など約2600万円を遺族に支払うよう命じた福岡地裁判決について、学園側が福岡高裁に控訴した。これを受け、遺族も5日、控訴する方針を明らかにした。 判決は、教諭が実際に生徒がいじめられている現場を確認していたのに、生徒への安全配慮義務を果たさなかったとして学校側の責任を認めた。学園の代理人弁護士は取材に「いじめがあったことは争わず、判決は重く受け止める。ただ、学校がどこまで責任を負うのかについては上級審の判断を仰ぎたい」と話した。学園側の控訴は4日付。 亡くなった生徒の父親は「学校側の責任を明確に認め、息子に一切の落ち度はなかったとした一審判決を受け入れていただけず、反省のない学校には残念な思いです」とするコメントを発表した。(山野健太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死亡生徒の両親、管理会社など提訴 逗子の土砂崩れ1年
神奈川県逗子市池子2丁目のマンション敷地の斜面が崩れ、下の市道を歩いていた県立高校の女子生徒(当時18)が死亡した事故から5日で1年。女子生徒の両親らがこの日、マンションの区分所有者と管理組合、管理業務の委託を受けた管理会社を相手に、約1億2千万円の損害賠償などを求めて横浜地裁に提訴した。 この日、現場には知人や近くの人たちが次々に献花に訪れた。 「元気でやってるか?」 高校の同級生という男性は、花を手向けて手を合わせ、語りかけたという。「こんな状況だけど、こっちは元気で頑張ってるよ」 亡くなった女子生徒は明るくて人望があり、事故直前には校内で「元気?」と話しかけてくれた。「その一言に受験期の自分はエールをもらった。みんなを元気にしようとしてくれる人だった」と話した。 訴状によると、女子生徒は教師になるのが夢で、事故直前に大学進学が決まったばかり。当日は友人と出かけるため、午前7時40分ごろ家を出た。同55分ごろ、後から車で家を出た家族と路上で手を振り合った。その3分後、突然崩落した約66トンの土砂の下敷きになり、死亡した。 原告側の主張では、現場は1960年ごろに市道建設のため地山が切り土され、斜面に擁壁が作られた。斜面の上は68年ごろに造成され、2003年のマンション建設に先立ち地質調査が行われた。調査は、「風化により強度低下」が進んでおり、落石防護などが望ましいと指摘したが、対策は取られなかった。 崩落前日にはマンション管理人が斜面上部に亀裂を発見し、管理会社に報告したが、通行止めなどの措置も取られなかった。 これらから原告側は、大雨や地震などがないのに崩落するほど危険な斜面で、亀裂も発見しており、危険を認識して対策を取ることができたと主張した。 管理会社の親会社、オリックスグループの担当者は「提訴があった事実が確認できていない」とした。(林瞬、土屋香乃子、神宮司実玲) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪の理念どこへ…森氏辞任求めネット署名、広がる反発
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)の女性蔑視発言とその後の対応への反発が広がっている。森会長は発言を撤回、謝罪したが、個人を尊重し、差別を許さない五輪憲章に共感し、大会に関わってきた人たちからの批判はやまず、辞任を求める声も出ている。 「大会を通じて五輪憲章が掲げる男女平等な社会を進めるべきなのに。目指す理想とかけ離れてしまう」 東京五輪・パラリンピックでブルガリアのホストタウンになった山形県村山市で、スポーツ国際交流員として働く同国の新体操元代表のアントアネタ・ヴィターレさん(44)は発言に驚いた。「母国ではこんな狭い考え方の発言は絶対出てこない。性差別が許されない21世紀にこんな発言が出るなんて」 両国の架け橋になろうと2019年8月の来日後、経験を生かして子どもたちに新体操を教えたり、家庭料理の作り方を紹介するウェブ動画を配信したりしてきた。「今回の発言に惑わされることなく、この夏、選手団を受け入れる準備を進めていく。女性として立ち上がって目標に突き進むことで、こうした発言をなくしていきたい」 福岡県飯塚市は、パラ選手と交… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「陰謀論」レッテル貼りに危惧 日本でも過去に流行
昨年の米大統領選をめぐり、投票不正を訴える陰謀論集団「Qアノン」が注目を集めた。日本でもネットには同調者があふれる。「世界の陰謀論を読み解く」(講談社現代新書)の著者で宗教学者の辻隆太朗さんは、「陰謀論は一種の異議申し立て。その動機には向き合わないといけない」と話す。 拡大する陰謀論 溶けゆくファクト⑦グラフィック・米沢章憲 ――陰謀論とは、どんなものでしょうか。 陰謀論は、現実と、世の中はこうあるべきだという認識とのギャップや隙間を、自分で理解するのに都合のいいように埋めるような解釈体系の一つです。 まず、公式に言われているような説明に納得できず、拒絶する。自分のせいではなくて、世界が間違っていると考えます。そして、その背景にある陰謀ですべてを説明しようとする。そうした理論や考え方について、取るにたらない主張だと否定的なニュアンスを込めて「陰謀論」と呼ばれます。 ――陰謀論が広がりやすい社会の条件はありますか。 既存の社会秩序、こうなっているのが当たり前だと信じられる構造が共有されなくなることです。 ただ、既存のものと違う考え方を一人で信じていても維持できない。「君の言う通り陰謀があるんだな」「今の社会ってやっぱり間違ってるんだ」と、賛同してくれる人がいて初めて続くものです。 近代化の中で、政治や科学、医学など、社会を支えるそれぞれの分野の専門性が高まっていく。一般の人には、そうした専門知識が社会を動かしているようだということはわかっても、具体的なことはわからず、社会全体を見通すことができなくなっている。主観的に取り残されるような状況になる。そうすると、説明を求めて陰謀論を求める人が増えると言えます。 ――日本でも過去に陰謀論は流行したのでしょうか。 第2次世界大戦中、そして高度… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「江戸時代のような話」森会長発言、知事から辞任要求も
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の発言をめぐり、辞任を求める声やボランティアを辞退する動きが出てきた。 秋田県の佐竹敬久知事は5日、「女性蔑視の考え方は国際的に悪い印象を与える。(会長を)思い切って代えるべきだ」と述べた。 佐竹知事は「江戸時代のような話で、日本のイメージを悪くする。オリンピック精神に反する」と苦言を呈した。会長を辞任するのが適当だとの考えを示したうえで、続投した場合は「開催そのものがおかしくなってくる。ボイコットする国も出てくるのではないか」と話した。 都には批判の電話200件以上 開催都市の東京都には、発言を… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「店名公表で客激減」感染者利用のラーメン店、県提訴
新型コロナウイルスの感染者が利用した飲食店として、徳島県が店側の同意のないまま店名を公表したのは違法などとして、ラーメン店「王王軒(わんわんけん)」本店(徳島県藍住町)など経営する運営会社2社が5日、県を相手に計1100万円の損害賠償請求訴訟を徳島地裁に起こした。代理人弁護士によると、新型コロナに関連した店名公表をめぐる訴訟は異例という。 訴状などによると、徳島保健所の担当者が昨年7月30日、感染者が同26日に同店で飲食していたと店側に連絡し、店名公表の可能性を伝えた。店側は公表に強く抗議したにもかかわらず公表されたという。 翌31日、公表について、飯泉嘉門知事は、会見で店側から同意を得た上だったとし、8月12日の会見では店側から「(公表は)『やむを得ない』との回答を得ていた」とも説明した。 店側は「『やむを得ない』と発言したことはなく、同意もしていない」と主張。信用を侵害され、客が激減したなどと訴える。 県によれば、国が昨年7月に示した、飲食店などでのクラスター(感染者集団)発生を防止する指針では「感染経路の追跡が困難な場合、同意なしで店名を公表できる」としており、担当課は「国の基準に準じた」と説明する。 本店運営会社の近藤純社長(48)は「店でクラスターは起きておらず、客も立ち寄っただけで店名を公表したのは疑問」と話す。 県の仁井谷興史・保健福祉部長は「訴状が届いておらず、コメントは控える」との談話を出した。 王王軒は1998年5月にオープン。濃厚スープと自家製麺で地元で人気を集めていた。2019年には大手コンビニエンスストアのローソンと提携し、王王軒監修の商品を中四国地方で販売したこともある。(松尾俊二、雨宮徹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ギョーザ購入額 宮崎市は初の年間首位になったのか
総務省の家計調査によるギョーザの2020年購入額(1世帯あたり)が5日、発表された。年間1位になったのは、上半期(1~6月)に首位だった宮崎市か、それとも「2強」とされる浜松市か宇都宮市か――。 この日、「焼き餃子協会」(東京)の小野寺力(ちから)代表理事(44)によるオンラインでの結果発表があった。1世帯あたり(2人以上)のギョーザ年間購入額(外食、冷凍食品を除く)は宮崎市が3670円。直近10年間の最高額を記録した。だが、1位の浜松(3766円)とは96円差、2位の宇都宮(3693円)とは23円差で、初めての首位はかなわなかった。 宮崎市は100世帯あたりの年間購入頻度では全国1位(930回)といい、「良しあしはあるが(宮崎のギョーザは)安いということ」と指摘された。 昨年9月に結成し、年間首位をめざして購入促進を図ってきた宮崎市ぎょうざ協議会。市役所で結果発表を見守った渡辺愛香会長(39)は「(首位になり)『ギョーザ3強時代』と声を大にして言いたかった」と心境を吐露。2、3月にもイベントを予定しており、「今年は1位に食い込めるように頑張る」と意気込んだ。 戸敷正市長は「中身をボリュームアップするなどして高額にすれば日本一もあるのではないか」と感想を語り、協議会に「宮崎の食材を使った『宮崎特産のギョーザ』を推し進めて」と要望した。(高橋健人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「大人の心わからない」 第五福竜丸乗員宛て、子の手紙
1954年3月に米国の水爆実験によって被曝(ひばく)し、その後亡くなったマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員に宛てた手紙60通余りを展示する企画展が、東京都江東区夢の島2丁目の「都立第五福竜丸展示館」で開かれている。書いたのは当時の小学生や中学生ら。子どもながらに感じる科学の矛盾や再軍備への戸惑いが表現されている。3月14日まで。 手紙は、無線長だった久保山愛吉さんと家族に宛てたもの。当時、久保山さんら23人の乗組員の被曝は大々的に報じられた。入院していた久保山さんは半年後の9月に亡くなった。40歳だった。妻と幼い3人の娘が残され、お見舞いや励ましなどの手紙約3千通が全国から届いた。その半数が子どもたちからだった。 「長崎、広島の原爆で何十万という犠牲者を出し、今でもあらゆる所に戦争のなまなましいあとが残って居ます」「またもや日本人がアメリカ水爆実験のため放射能をうけて苦しんでいらっしゃるのを知り私は何ともいえない気持です」 「戦争で父なくした」少女の怒りも 東京の女子中学年は悔しさをに… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
富士そば、労組幹部2人懲戒解雇 未払い残業代巡り対立
立ち食いそば店「名代富士そば」を展開するダイタングループの店舗運営会社が、未払い残業代の支払いなどを求めて会社側と対立している「富士そば労働組合」の委員長と書記長の幹部2人を1月29日付で懲戒解雇したことがわかった。労組側は「処分理由は事実無根」と反発し、解雇無効を訴えて争うとしている。 懲戒解雇されたのは富士そば労組の安部茂人委員長ら。2人とも店舗運営会社「ダイタンディッシュ」の係長だった。処分理由の通知書では、①未払い残業代請求の労働審判を有利にするため、業務報告書などの勤務記録を事後的に改ざん・捏造(ねつぞう)した②労働審判で会社側の反証を困難にするため、店長らの勤怠データがある会社のシステムを改ざんした、などとされた。 安部委員長らは取材に対して、処分理由での指摘を全面的に否定。「どの項目も事実無根の言いがかりで、組合つぶしを狙った不当なもの。解雇無効を労働審判で争う」としている。 一方、グループを統括するダイタンホールディングスは「弁明の機会を与えても両氏は不合理に否認するばかりで、やむなく懲戒解雇した。証拠関係については強い自信を持っている」と説明している。 富士そば労組は、会社側の指示… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4年前話せなかった日本語、今は モンゴル出身少年の夢
飛行機は初めてだった。モンゴルから中国を経由し、日本に来た。あれから4年。日本語を話せなかった少年は、日本語能力試験でもっとも難しい「N1」に合格するまでになった。 「モンゴルで日本語を教えてみたい」。小学6年生のエンフタイワン・エンフツォルモン君(12)は、たくさんあるという夢の一つを教えてくれた。4年前に日本に来たときはほとんど話せなかった日本語を、今度は教える立場になりたいという。 2016年12月、モンゴルから両親と広島市内に引っ越してきた。小学校の転入あいさつを日本語で覚えてきたのに、頭から飛んだ。「宿題のやり方も分からない。テストの点数もやばかった」。最初の1年間はつらかった。 それでも必死で勉強した。今では「国語」が得意科目だ。どうしてそれだけ上達したの? 「環境もある。自分の努力もあ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル