栃木県足利市の両崖山(りょうがいさん)周辺で21日から続いている山火事は、5日目となった25日夜になっても燃え続けている。焼失面積は約100ヘクタールに広がり、市の避難勧告の対象も周辺の207世帯に増えた。現場近くを走る北関東自動車道に火が迫り、足利IC―太田桐生IC(群馬県)は24日夜から通行止めになっている。 足利市は3カ所に避難所を設置。市職員が避難勧告地域をまわり、健康状況を聞き取った。栃木県は25日、同市に災害救助法の適用を決めた。早朝から自衛隊や栃木県などのヘリ12機が上空から消火し、地上からも群馬県などから消防の応援を得て168人態勢で消火活動に当たった。 足利市の和泉聡市長はこの日の会見で「当分の間、雨も見込めず、鎮火のめどは立たない」と話した。(根岸敦生、平賀拓史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飲酒して過密航路を2キロ逆航の疑い 船長を書類送検
酒気帯び状態で貨物船を操船して東京湾の浦賀水道航路を逆航したとして、横須賀海上保安部は25日、貨物船「菱幸(りょうこう)丸」(総トン数749トン、5人乗り組み)の60代の男性船長を、内航海運業法違反(安全管理規定等)と海上交通安全法違反(浦賀水道航路の航法)の疑いで書類送検し、発表した。船主の石峰海運(愛媛県西予市)も内航海運業法違反で送検した。 海保によると、船長は昨年12月7日午後4時ごろ、呼気1リットルあたり0・65ミリグラムの酒気を帯びた状態で菱幸丸を操船。狭い海域に多くの船舶が航行するため北行きと南行きで航路がわかれている浦賀水道で、約2キロにわたって航路を逆航した疑いが持たれている。 菱幸丸はこの日、午後2時ごろに千葉県の袖ケ浦港を出港。海保の管制機関が逆航に気づいて無線で変針を求めたが応じず、巡視艇が汽笛を鳴らしながら約5分間にわたって並走。非番の船員が汽笛に気づき、正しい航路に戻したという。船長は出港前、船長室で焼酎約0・6リットルを飲んだと説明しているという。 浦賀水道は、大型のLNG船やケミカルタンカーなど1日500隻前後が往来する日本有数の航路。海保は「無線や汽笛にも気づかず、道路交通法でいえば酒酔い運転にあたる状態。可燃物を積んだ船に衝突したら大惨事になりかねなかった」としている。(佐々木康之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性暴行死、第三者委の再調査否定 佐賀県警の新本部長
佐賀県警の新しい本部長に松下徹氏(50)が着任し、25日、記者会見に臨んだ。福岡県太宰府市での女性暴行死事件に絡んだ一連の対応を「最も重要な案件」としつつ、「申し出の内容から、ただちに女性に危害が及ぶ可能性があるとは認められなかった」とするこれまでの県警の見解を踏襲。遺族が求める、県公安委員会による第三者委員会を設置しての再調査については否定した。 事件は2019年秋に起きた。女性の遺族は事件前、佐賀県警鳥栖署へ何度も相談したが、県警は事件化しなかった。また、遺族が被害届提出を希望していたのに、県警の内部文書「相談等取扱票」には提出の意思は「なし」と事実と異なる記載をしていたことも明らかになった。 松下本部長は会見で、まず遺族に対しお悔やみの言葉を述べ、女性が亡くなったことについては「治安の最高責任者として重く受け止めている」とした。 着任会見に続いて行われた県警… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大きなリバウンド「絶対避けねば」 尾身会長が対策提言
政府が新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言を首都圏を除く6府県で解除する方針であることなどを受け、コロナ対策の分科会は25日、解除後に感染再拡大(リバウンド)を生じさせないための防止策を提言した。その柱は、①日常生活のあり方②再拡大の予兆を探知③予兆を捉えたら迅速に対応――の3項目だ。 「大きなリバウンドの発生は絶対に避けなければ。その予兆を早期に探知し、迅速に対応するためには、社会全体が、大きな犠牲を払ってこれまで学んだ教訓を実践することが一番求められている」。分科会の尾身茂会長は同日記者会見し、そう強調した。 提言に詳しく盛り込まれたのが、リバウンドの予兆を素早く捉えるための検査態勢の構築だ。感染が下げ止まった都府県では、水面下に隠れた感染源を早期に見つけるための「深掘(ふかぼり)積極的疫学調査」を行うよう求めた。具体的には都心部などで感染者数が下がりきらないような場合に、保健所による感染者の聞き取りやPCR検査などを徹底的に行って、感染源を突き止めることなどを想定している。 また、解除地域で感染リスクが… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不漁のサンマ、漁獲枠4割減へ 北太平洋委員会で合意
不漁が続く北太平洋のサンマ漁をめぐり、関係する国・地域でつくる北太平洋漁業委員会(NPFC)の年次会合が25日まで開かれ、漁獲枠を今より4割減らすことで合意した。乱獲への歯止めに向けて一歩前進した形だが、国・地域ごとの漁獲枠割り当てが見送られるなど、資源管理の実効性に課題を残した。 NPFCに参加しているのは、日本、台湾、中国、韓国、バヌアツ、ロシア、米国、カナダの8カ国・地域。今回の会合では、全体の漁獲枠を2020年の55万6250トンから33万3750トンに減らすことで合意した。このうち、台湾や中国などが操業する公海での漁獲枠は33万トンから19万8千トンに抑える。21年と22年の漁期に適用する。 昨年の日本のサンマ水揚げ量は2万9566トンで、記録が残る1960年以降で最低になるなど、不漁が続く。20年には国際的な漁獲枠が導入されたが、参加国・地域全体の漁獲量19万1千トン(19年)を大幅に上回っており、日本は資源管理の強化を主張していた。 これまでは、近年漁獲量が急増… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
住民自ら除染、連帯感と不和「原発事故さえなかったら」
福島県田村市の移(うつし)地区では、東京電力福島第一原発事故後の除染を住民自らが担った。住民団体「移再生プロジェクトチーム」には4年間で26億5千万円が支払われたが予算は余り、日当は当初の9500円から3万5千円に増えた。 「通常の感覚の3倍超。にわかに信じがたい」。環境省の関係者は額の大きさに驚く。震災復興と五輪関連の工事による人手不足で、作業員の日当は右肩上がりで上昇。当時、国や市は震災前の1・5倍の約1万5千円と計算して除染を発注した。通常はそこから会社の経費などを引き、支払われる日当は1万円程度が相場だったという。 移地区の除染は2012年11月に始まった。当時、経理を担った住民団体の財務部長の男性(69)は「こんなに利益が出るのか」と驚いた。家の除染では屋根や外壁の洗浄、除草、庭の砂利の入れ替えなどを行う。国とほぼ同じ県の基準で工程ごとに一律の単価が決められ、さらに5割程度の事務経費を上乗せした金額で発注されていた。 地域にもたらされた巨額の除染マネー。その功罪を伝える3回の連載です。 チームの内部資料によると、民… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国公立大の2次試験始まる コロナを考慮、一部で中止も
国公立大学の個別試験(2次試験)が25日、始まった。新型コロナウイルスの感染拡大は収束せず、首都圏などは緊急事態宣言下にあるが、大半の大学は予定通り実施した。一方で感染リスクを理由に急きょ中止を決める大学もあり、直前まで混乱した。 文部科学省によると、25日からの前期日程では169大学582学部に23万5403人が志願した。倍率は2・9倍で、昨年より0・1ポイント低くなった。今後は3月8日から中期日程、3月12日から後期日程が控える。 今期の大学入試は、コロナ禍に翻弄(ほんろう)された。25日に東京大を受験した新潟県上越市の県立高3年の男子生徒(18)は「年明けから感染者が増え、入試がどうなるか不安だった。無事に今日を迎えられて、ほっとした」と語った。 25日に大阪大を受験した熊本市の公立高3年の男子生徒(18)は、感染予防のため、1月の大学入学共通テスト以降は自宅と学校の行き帰り以外、外出しないようにしたという。私立大の併願もしておらず、「万全の体調で受けたかった。無事、当日を迎えられてよかった」と話した。 大阪大理学部を受けた愛知県の公立高3年の男子生徒(18)は、新型コロナの影響で、例年より模試を受ける回数が少なかったという。「受験生の中で自分がどれくらいの位置にいるのか、不安が残った」 文科省は個別試験に先立つ大学入学共通テストのコロナ対応を徹底し、新たに第2日程や特例追試験を設定して実施にこぎつけた。だが、個別試験については各大学の足並みが乱れた。志望校まで長距離移動する受験生が多く、移動中の感染リスクへの懸念がぬぐえないためだ。 横浜国立大はこのリスクを重くみて、昨年7月に個別試験の中止を決定。神奈川県外からの受験生が3分の2を占め、遠方から受ける志願者も多い点を考慮したという。土壇場で取りやめる動きも出た。緊急事態宣言の対象区域に入っていた栃木県の宇都宮大が1月21日に急きょ中止を発表したほか、信州大も人文学部と経法学部で中止を決めた。 個別試験をしない大学は原則、共通テストの成績で合否を決めるが、国公立大の受験生の多くは個別試験がある前提で勉強をしている。文科省は1月22日、選抜方法の大きな変更は受験生に多大な不利益を与えるおそれがあるとして、各校に慎重な検討を求めた。 駿台教育研究所の石原賢一進学情報事業部長は、今後、コロナ禍が長引いたとしても、共通テストだけでの選抜は広がらないとみる。難関大や医学部を受験する志願者の多くは共通テストで高得点をとり、差がつきにくいためだ。「感染症が広がりやすい冬場の一斉試験だけでなく、推薦入試の拡大など幅広い選抜に本腰を入れていくべきではないか」と話す。(土屋亮、山田健悟) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
郵便局員をかんぽ出向へ 最大1万人規模、不正防ぐ狙い
かんぽ生命保険で不正販売が多数発覚した問題に関連して、日本郵政グループが保険営業に携わる郵便局員をかんぽに出向させる方針を固めたことがわかった。来年春にも最大で1万人規模が対象となる見通し。保険会社による営業社員への指導や監督を徹底させ、不正を防ぐ狙いだ。 「かんぽ生命が直接的に支援し、(社員に)高い専門性やノウハウを習得いただくよう、業務出向を検討している」。25日夕、日本郵政と日本郵便の両社長から現場の郵便局に届いたメッセージにはそう書かれていた。 複数の関係者によると、出向対象となるのは、郵便局で保険営業に携わる金融渉外社員が中心。渉外社員は保険以外の担当も含めて1万数千人いる。出向しても職場は変わらないが、かんぽ側の指示などが日本郵便の本支社を経由せずに出せるようになり、社員の指導や監督がしやすくなると判断したとみられる。 かんぽでは一昨年以降、不正販売が大量に発覚。昨年までに本支社幹部を含めて2千人超を処分した。昨年10月には謝罪が中心の営業活動を再開させたが、保険勧誘を本格的に再開するには至っていない。 外部弁護士でつくる特別調査委… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪都構想の代わりの一元化条例、大阪府が議会に提出
大阪府は25日開会の2月定例議会に、広域行政の一元化条例案を提出した。まちづくりや交通基盤整備をめぐる市の事務を府に委託する仕組みで、住民投票で否決された大阪都構想の簡易版ともいえる。独自の修正案を示す公明党と、折り合えるかどうかが焦点だ。 提出したのは「大阪府及び大阪市における一体的な行政運営の推進に関する条例」。吉村洋文知事は府議会本会議で「府市合わせ(不幸せ)と揶揄(やゆ)された、二重行政の時代に戻してはならないという強い信念のもと、大阪の成長、まちづくりを強力に推進する」と説明した。 大阪維新の会が過半数を占める府議会では成立する見通し。過半数を持っていない大阪市議会では、公明の賛同が必要になるため、修正協議に入る予定だ。公明は府に委託する事業範囲の明確化など5項目の修正案を提示している。 市議会には同じ条例案を3月4日に提出する。維新は3月中の両議会での成立を目指している。 府と市が2月20日まで行った… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京入管局で外国人ら61人が感染 外部との面会中止に
出入国在留管理庁は25日、在留資格のない外国人を収容している東京出入国在留管理局(東京都港区)で、外国人の男性55人と職員6人の計61人が新型コロナウイルスに感染していることを発表した。みなと保健所(同区)も「クラスター(感染者集団)を把握している」という。 同局は感染した外国人を専用の区域に分離するなど対応に追われている。 同局によると、男女約130人が生活する収容場で今月15日に外国人男性4人と男性職員1人の感染が判明した。以降、収容者と看守職員のPCR検査を実施し、感染が広がっている状況だ。感染経路は不明だが、現時点で重症者はいないという。 同局は感染対策として、収容者が居室を出られる時間を制限し、外部からの面会も期間未定で中止している。収容中の中国人女性は電話で「同室者とも距離をあけてと言われているが、外には出られないので、感染が怖い」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル