避難指示が遅れたため被曝(ひばく)した――。2011年3月の東京電力福島第一原発事故をめぐり、福島県飯舘村の住民29人が5日、国と東電に計約2億円の賠償を求め東京地裁に提訴した。 福島第一原発の事故後、原発20キロ圏内の住民には避難指示が出たが、20キロ圏外の飯舘村は対象外だった。同村には事故直後の風向きなどの影響で多くの放射性物質が運ばれたが、政府は事故1カ月後の4月まで同村に避難方針を打ち出さなかった。 原告らは訴状で「高線量だと正しく知らされていれば、早期に避難でき被曝しなかった」と指摘し、国や東電の対応不備を訴えている。 この日の会見で、飯舘村から福島市に移り住んだ原告の菅野哲(ひろし)さん(72)は「健康不安をずっと持っている」としたうえで、「けじめをつけないと死んでも死にきれない。福島の現状を広く国民にわかってほしくて東京地裁に提訴した」と話した。国は「コメントは控える」。東電は「真摯(しんし)に対応する」とした。 原告を含む約3千人は2014年、被曝への慰謝料などを求めて国の原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)に申し立てたが、東電が和解を拒否し打ち切りになっている。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
餓死した男児の母、聴取後に携帯を壊す 「知人の指示」
福岡県篠栗(ささぐり)町のマンションで昨年4月、5歳の男児が餓死した事件で、母親が県警の任意聴取を受けた後、自分の携帯電話を破壊していたことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は捜査を気にした知人の女が母親とともに証拠隠滅を図ったとみている。 県警は、母親の碇(いかり)利恵容疑者(39)と知人の赤堀恵美子容疑者(48)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。2019年8月ごろから碇容疑者の三男翔士郎(しょうじろう)ちゃんの食事を制限し、昨年4月18日に餓死させた疑いがある。碇容疑者は容疑を認め、赤堀容疑者は「一切やっていない」と否認しているという。 捜査関係者によると、両容疑者は翔士郎ちゃんの死の前後に携帯電話で連絡を取り合っていた。翔士郎ちゃんの死後、警察の聴取を受けた碇容疑者は自分の携帯電話1台を破壊。「赤堀容疑者の指示だった」と供述しているという。携帯電話には翔士郎ちゃんら3人の子どもの写真が入っており、関係者に「壊したくなかった。じっくりと写真を眺めてから壊した」と話しているという。 碇容疑者は「警察に元夫の浮気については話すな」「葬儀に親族を呼ぶな」と赤堀容疑者に指示されたとも供述。碇容疑者は赤堀容疑者から「夫が浮気をしている」と聞かされ、一昨年5月に離婚したが、県警は元夫が浮気をした事実はないことを確認している。 また、翔士郎ちゃんの死後、碇容疑者はもう1台の携帯電話で毎朝「おはよう」とメッセージを送るよう求められたという。赤堀容疑者は「あなたは母親だから逮捕される」と話し、毎朝のメッセージは碇容疑者が警察に逮捕されたかを知るためのものだと説明したという。(板倉大地、川辺真改) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東北新社疑惑、総務省確認せず 識者「認可取り消しを」
接待問題で揺れる総務省に新たな疑惑が浮上した。菅義偉首相の長男が勤める放送関連会社「東北新社」がBS4K放送の認定を受けた後、放送法の外資規制に違反していたことが5日、国会審議で明らかになった。総務省はなぜ認定を取り消さなかったのか。 「違法だったと認めた事実は重い。これからどう対応するのか、全く想像がつかない」。総務省の中堅職員はこう語った。東北新社がBS4K放送の認定後に違法状態にあったことが明らかになったことで、省内には動揺が広がった。 問題となった「外資比率」とは、事業者の発行株式のうち、外国の法人・個人の保有量に基づく議決権の割合のことだ。この割合が20%以上の事業者は、BS4K放送の認定を受けられない。 総務省によると、東北新社が認定を申請した直前の2016年9月当時、外資比率は19・96%だった。結果的に外資規制に違反していなかったが、申請時は同社に外資比率を示す書類の提出を求めるなどのチェックはしていなかった。 東北新社の外資比率は17年1月に認定された2カ月後、21・23%に上昇し、放送法違反の状態となった。公開されている同社の有価証券報告書で確認できるが、総務省は気づかなかったという。放送法施行規則は、外資比率が20%以上となった場合、事業者に報告を義務づけているが、総務省は「報告があったかは確認中」とした。 17年9月には、東北新社から100%子会社へのBS4K事業の承継が申請された。総務省が今回確認したところ、当時の外資比率は22・21%。ただ、承継時にチェックされるのは、承継先の事業者の外資比率だけだ。東北新社のケースでも、チェックを受けたのは子会社だったため、問題視されなかった。武田良太総務相は5日の参院予算委で「ルールにのっとって必要な対応をとっていきたい」と述べた。 東北新社は違法状態を認識していたのか。 朝日新聞は5日、取材を申し込… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JAL、会員情報92万件流出 管理会社へサイバー攻撃
日本航空は5日、スイスのデータ管理会社「SITA」がサイバー攻撃を受けたことで、「JALマイレージバンク」の会員情報約92万件が外部に漏れたと発表した。 日航によると、漏れたのは日航が加盟する航空連合「ワンワールド」の上位会員の会員情報。アルファベット表記の名前、会員番号、会員ステータスで、生年月日や住所、クレジットカード情報などは漏れていないという。日航は、会員にメールやホームページで知らせている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
無修正AVアップロード容疑 「FC2」に4250本か
無修正のアダルトビデオ(AV)をインターネット上にアップロードしたとして、警視庁は、AVの自主製作会社の社長ら3人をわいせつ電磁的記録等送信頒布の疑いで逮捕し、5日発表した。2月までの約2年5カ月に、少なくとも4250本をアップロードした可能性があるという。 保安課によると、逮捕されたのは社長の島田洋一郎(40)=東京都台東区松が谷2丁目=、役員の鈴木友加里(40)=同区西浅草2丁目=、「ふかにゃん」の名称でAVに出演していた深沢忠将(38)=同区松が谷2丁目=の3容疑者。 逮捕容疑は、昨年12月9日に共謀し、ネット上の動画販売サイト「FC2コンテンツマーケットアダルト」に、自作の無修正のAVをアップロードしたというもの。調べに対し、鈴木容疑者は黙秘し、ほかの2人は容疑を認めているという。 島田容疑者らはAV1本につき1千円~1万円ほどで販売していた。同課は、これまでに約6億6千万円を売り上げたとみて調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国で1149人感染、東京は増加傾向 変異株も各地で
新型コロナウイルスの国内感染者は、5日午後8時現在で新たに1149人が確認され、死者は55人増えた。1日あたりの感染者が1千人を超えるのは3日連続。全国最多となる301人の感染が判明した東京都は、同日までの1週間平均が273・6人となり、前週比102・1%と増加に転じた。 緊急事態宣言の再延長が決まった4都県の新規感染者は千葉県の137人、神奈川県の131人、埼玉県の90人と合わせて計659人となり、全体の6割近くを占めた。死者も埼玉県が過去最多に並ぶ13人、東京都が12人など計37人だった。 一方、厚生労働省は5日、英国やブラジル、南アフリカで報告された新型コロナウイルスの変異ウイルスが、1府7県の計17人から確認されたと発表した。石川県での確認は初めて。 埼玉県の1人を除いて海外への渡航歴はないという。変異株の感染は、国内20都府県と空港検疫を合わせ、計251人になった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
濱口監督が役者に脚本を「何度も無感情に」読ませる意味
第71回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門で濱口竜介監督のオムニバス作品「偶然と想像」が、最高賞に次ぐ審査員大賞(銀熊賞)に選ばれた。「短編に大きな可能性を感じていた」という監督が、初めて「短編集」という形で製作し、「40代通じての仕事としたい」とも語る作品。受賞結果の発表前、濱口監督に作品に込めた思いやベルリン映画祭への出品、独自の演出法について聞いた。 ――ベルリン映画祭のコンペに入ったことについてどう受け止め、どんな点が評価されたと思いますか。 どんな点が評価されたかはよく聞かれるんですけど、分からないということに尽きますね。向こうが選ぶ基準なので。ただ、選んでいただいたことは本当にうれしいと思っています。映画祭のコンペというのは映画祭の顔でもあるので。3大映画祭と言われるベルリンのラインアップに加えてもらえたことは、とてもうれしいと思っています。 ――ベルリン映画祭への参加は初めてですが、昨年からディレクターを務めているのは、「ハッピーアワー」が受賞した時にロカルノ国際映画祭ディレクターだったカルロ・シャトリアン氏ですね。 影響しているかどうかは分かりませんが、カルロだったらこの作品のよさを分かってくれるんじゃないか、という気持ちでエントリーはしました。すごくささいなことを取り扱っていて、形式も内容もすべて目立ったところはない映画ではあるので。ただ彼は「ハッピーアワー」をロカルノのコンペに入れてくれたというのがあったので。実際カルロもとても気に入ってくれているようで、よかったです。 ――今までも短編は作っていますが、3話からなる「短編集」という形にしたのは初めてですね。 短編は昔から作るのは結構好きで、長編とは全く違う心持ちで作れる。役者さんとすごく濃密に向き合うことができる可能性があるんだと短編に関しては思っていた。ただ、日本においては短編は「出口」の問題がある。少なくとも劇場ではすごくかかりづらい。それは何とか解決したい。劇場で見てもらえることは僕にとって、とても大事なので。どうやったらそうできるか考えたときに、ごく自然と三つほど短編を連ねれば長編サイズの映画ができるので、そういうふうにして見てもらおう、と。ただ単に三つ並べただけでは何のことかわからなくなるので、テーマを作って一つの流れをつくって提示をしようと思っていました。 ――「偶然」と「想像」というテーマを選んだ理由を教えてください。 テーマとして「偶然」は、とりわけ今回というわけではなく、ずっと扱ってきました。ただ、偶然の取り扱いというのは非常に難しくて、長編で物語を進める形で出てきてしまうとご都合主義になってしまうし、一方で物語と関係ない偶然というのは現実への目配せ程度にしかならない。偶然を効果的に使うのは作劇上難しいことなんですけど、今回は偶然を取り扱います、とタイトルで大々的にいうと、偶然が出てきても観客はこれを扱っているんだな、と受け止めてくれるんじゃないかという期待のもとにやってみました。偶然というものは非常にささいなもの。日常を過ごしていて、あれ?ちょっと今までとは違う、というところが偶然によって起きる。その時にあまりにそれがわずかなこと、日常にほんの少しの変化を加えるようなことなので、偶然がある世界とない世界というのが想像される。あの時会わなかったらこうなってはない、あの時あれを見つけてなかったらどうなっていただろう……そういう想像力が引き起こされる。想像力にまつわる話を必然的に扱っているという気がして、こういうシリーズになっていった感じです。 ――社会的なテーマも取り入れていますが、映画における現代性についてはどう考えますか。 そうですね、時事的なことというのはあまり興味がないというのが、すごく正直なところです。現代的なもの、時事的なものというのは基本的にはいつか古びるものなので、あまり映っていないほうがいいだろうと思っています。ただ、どうしたって現代を生きているし、現在を映さざるを得ない。まず現在の風景というのは入ってこざるを得ない。現実を変えるということはできないので、現実を撮るということから始めなきゃいけないし、現実というものをうまく物語の中に取り入れていかないといけないところがある。あと、僕自身もこの時代の中に生きているので、ムードというか、感じていることは当然あるわけです。そういうものは反映されざるを得ない。 ――第3話は、コンピューターウイルスでインターネットが使えなくなる設定ですが、これはどこから出てきたものですか。 第1、2話は2019年のうちに撮っていて、コロナの影響を受けていません。第3話はコロナの影響でタイミングが後ろ倒しになって、本当は春ぐらいに撮りたかったんですけれども緊急事態宣言が出ていたということもあって、脚本や大まかな流れは出来ている状況で、それこそ先ほどの気分の問題でこのコロナというものがない世界で撮ることはできるけれど、なんか気持ちが悪いという気がした。物語自体は気に入っているし変えたくもないけれど、自分の座りの悪さを解消するために、この人たちはこういう困難なことに遭っています、という設定を入れた。ただやってみたらこっちの世界の方がずっといいなあっていう気がしました。自分の肌感覚でしっくりくる方向になんとか変えていく感じでした。 ――会話劇ともいえる今作では、哲学的なせりふもとても印象的でした。どうやって思いつくのですか。 最初はアイデアの種みたいなものが日常に転がっているものとしてあって、それから非現実的な物語構造を考えて、僕自身の好みとして、ある程度現実的な会話というものから一体どうやって非現実的な物語構造を実現できるかということを、構造とキャラクターを戦わせながら話させるというか。そういう感じです。 ――「偶然と想像」は7話のシリーズを予定されていて、「このシリーズを自分の40代通じての仕事としたい」とコメントされていました。 これは本当に長い時間をかけてやろうと思っていて、残り4話のタネだけあるという感じです。これだけをやっていくというわけではないのですが、リズムをつくっていくのにすごくいいな、とやっていて思った。1話1話かなり時間をかけてとっているので、その時その時に自分が考えている課題とか、こういうことを試してみたいとか、そういうものを入れ込んでいくということになる。結果的にそれは長編との間のリズム、というところになっていくと思うんですけど、そういう風にリズムをつくっていくものとして、改めて発見し直したという形です。 ――「本読み」と呼ばれる独特の演出方法は今回も取り入れているのでしょうか。 それはずっとやっています。どちらかというとこの方法を確かめ、メンテナンスをする、そういう感じで、本読みをすることがありきの3話だったと思います。本読みをするために脚本自体書かれているところがあって、自分の技術というか、そういうものをチェックする、そういうためにもやっています。 ――改めてその方法と魅力を教… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
三宅島で酒気帯び運転容疑 早大サークル員を書類送検
酒気を帯びた状態で車を運転し、同乗の友人6人に重軽傷を負わせたとして、警視庁が、学習院女子大3年の女子学生(20)=東京都江戸川区=を自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致傷)容疑で書類送検したことが5日、同庁への取材でわかった。車に乗っていた早稲田大の学生ら19~22歳の男女7人も道路交通法違反(酒気帯び運転の同乗)容疑で書類送検した。 送検はいずれも2月8日付。同庁によると、運転していた女子学生は昨年9月18日昼前、東京都三宅村の都道で、酒に酔った状態でワンボックスタイプの乗用車を運転。道路脇の電柱にぶつかり、同乗していた友人6人に骨折などの重軽傷を負わせた疑いがある。 8人は早大のスキューバダイビングサークルの一員で、この日は民宿で朝から酒を飲んでいたという。運転していた女子学生は調べに対し、「お酒を飲んでいない人に運転を代わってもらえばよかった」などと供述したという。 一方、警視庁はこの日、学生らに違法に車を貸したとして、この民宿を経営する男(62)を道路運送法違反容疑で書類送検し、発表した。無許可で30年近くレンタカー業を営んでいた疑いがあるという。男は調べに「許可が必要と知らなかった」などと話しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
裁判所の呼び出し無視容疑、書類送検 財産開示手続きで
債務者を裁判所に出頭させて所有財産の説明をさせる「財産開示手続き」の呼び出しを無視したとして、警視庁は5日、東京都狛江市のアルバイトの男(34)を民事執行法違反(陳述等拒絶)容疑で書類送検し、発表した。この規定をめぐっては、昨年4月の改正法施行で刑事罰が新設された。同庁がこれを適用して摘発するのは初めて。 調布署によると、男は昨年9月、東京地裁立川支部から、財産開示のために出頭を求められたのに、正当な理由なく無視した疑いがある。2015~17年に自宅アパートの家賃の一部を滞納。保証会社の申し立てで東京簡裁から約17万3千円の支払いを命じられたが、従わないため財産開示の手続きに進んでいた。 改正法で呼び出しを無視した場合、6カ月以下の懲役か50万円以下の罰金が科されることになった。以前は刑事罰がなく、30万円以下の過料だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
静岡放送社長が辞任へ 女性アナウンサーと私的関係報道
静岡放送(SBS)は5日、写真週刊誌に女性アナウンサーとの私的な関係を報じられた大石剛社長(51)が辞任する意向であることを明らかにした。取締役は続ける見込みで、兼務する静岡新聞社の社長職については進退を明らかにしていない。 静岡放送のホームページ上で明らかにした。大石社長は同日発売された写真週刊誌「フライデー」に、同社の女性アナウンサーとの不適切な交際を疑わせる記事と写真を掲載されていた。 静岡放送は「報道された不適切な関係は一切ありません」とする一方で、「視聴者、県民の皆様、関係者の皆様に、ご心配やご迷惑をおかけしまして、誠に申し訳ございませんでした」とする大石社長のコメントを発表した。 同社は「社としてはご批判を厳粛に受け止め、今後このようなことが二度と発生しないよう、一丸となって取り組んでまいります」としている。 社長の退任は8日にも正式決定するという。(宮川純一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル