名古屋市名東区の公園で、死んだ野良猫が相次いで発見された。何者かに殺された可能性があり、愛知県警名東署が動物愛護法違反の疑いも視野に調べている。 捜査関係者によると、同区猪高町の猪高緑地の池で6日、死んだ猫が3匹浮いているのが見つかった。この池と同緑地内で11日までに計11匹の死骸が確認された。目立った外傷はなく、近くには猫のえさの空袋などがあったという。 9日に現場を訪れた名古屋市の動物愛護センターの担当者は「池に浮いたり沈んだりした2匹を見つけた」と話す。猫の世話をしているボランティアらによると、付近では約30匹の猫がいたが、現在は数匹しか見かけなくなったという。ボランティアの女性は「避妊や去勢手術をして面倒をみてきたのに、たくさん死んでしまって悔しい思いです」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自然物の美しさ、ありのままに表現 イッセイミヤケ
イッセイミヤケが2021年秋冬コレクションを映像で発表した。「生まれたままで」をテーマに、石や貝殻、卵といった自然物の美しさを表現した。 デザイナーの近藤悟史は、うずらの卵を撮った写真集を見て「まるで宇宙のようで、生々しい強さを感じた。静かだけれど内面が強い、タイムレスな服を作りたいと思った」と話す。ひとえに卵といっても、白いものもあれば、黄や茶色がかったものもある。そうした自然のありのままの色や形をとり入れたいと、無染色のウールのコートやオーガニックコットンを使ったセットアップなどを提案した。 京都の職人による「墨流し」の技で石を表現したシャツやワンピースもある。水面に染料をたらし、丸く広がった模様をうつしとった。また、プリーツが曲線になったトップスやパンツは、水の波紋のようにも見える。 近藤は「これまでは海外や美術館などに出かけることで様々なインスピレーションを受けてきたが、コロナ下で職場や家族と向き合う時間が多かった。自然や生地、洋服の1着1着と対話し、今回は抽象的なムードよりもリアリティーを追求した」と言う。(神宮桃子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
10年目、よみがえってきた母との思い出 18歳の誓い
新型コロナウイルスの感染防止対策で一般の参列者の入場が制限され、がらんとしたホールに、高校3年生の声が響く。「家にはお母さんがそろえてくれた机や家具があります。家にはお母さんの思いがいっぱいあり、僕たちはその中で毎日を生きています。それだけで、安心します」 福島県南相馬市の三浦光(ひかり)さん(18)は11日、市の追悼式で遺族代表として、母の浩美さん(当時36)への思いを語った。 震災が起きたときは小学2年生だった。内陸部の学校は大きな揺れに襲われ、悲鳴が飛び交った。当時の記憶は、おぼろげだ。それでも、父の良幸さん(63)や3歳年上の兄と帰宅したとき、浩美さんの姿がなかったことは覚えている。 浩美さんは曽祖父らを避難させ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沿岸163キロ、春まだ遠く コロナで苦境の三陸鉄道
10年前の津波で破壊され、橋脚だけが残った岩手県宮古市の閉伊(へい)川にかかる橋で1分間、三陸鉄道の「感謝のリレー列車」が止まった。 11日の午後2時46分。ポワーン、と警笛が4秒ほど響く。立ち上がった30人弱の乗客は海側に向かって、頭を下げた。 あの日から8年を経てつながった岩手県沿岸163キロのリアス線を、4時間半かけて走る特別列車。「大切な人に想いを寄せて」と書かれた列車内では、駅長ら5人の社員が交代で当時を語った。堤防や防潮堤に遮られながら、車窓の向こうには濃い青い海と雲一つない水色の空が広がる。 中村一郎社長も「全国の皆さんの支援、つながりでここまで復興することができました。改めて多くの皆さんとのつながりをこれからも大事にしながら、この鉄道、三陸地域に少しでも貢献できるように頑張ってまいりたい」とあいさつした。 客の半数以上は県外から。毎年… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
午後2時46分、列島で祈り 「後世まで」と誓う遺族
日本社会を揺さぶった東日本大震災から11日、10年がたった。関連死を含め死者・行方不明者は2万2192人。東京電力福島第一原発の廃炉作業は遅れ、4万1241人がいまも避難生活を送る。地震のあった午後2時46分、全国で犠牲者への追悼の祈りが捧げられた。 震災は、日本の人口が減少に転じた後、初めての巨大災害だった。約32兆円が投じられたが結果的にインフラ偏重となり、なりわいやコミュニティーの再生といったソフト面に課題を残した。震災後も全国で激甚災害が相次ぎ、新型コロナウイルス感染症も猛威を振るう。財源が限られる中、首都直下地震や南海トラフ地震といった次の大災害に備え平時から持続可能な地域の将来像を考えておく必要性が増している。 今年で最後となる政府主催の追悼式は11日、東京都千代田区の国立劇場で開かれた。新型コロナの影響で2年ぶりの開催となり、例年より招待者数が絞られた。劇場には、「東日本大震災犠牲者之(の)霊」と書かれた標柱と献花台が設けられ、岩手、宮城、福島3県の花々で彩られた。天皇、皇后両陛下、菅義偉首相、遺族代表ら計約210人が参列し、震災が起きた午後2時46分に合わせて黙禱(もくとう)した。 菅首相は式辞で、犠牲者に哀悼の意を表し、「災害に強い国づくりを進めていく」と誓った。天皇陛下は、復興を実感する一方、被災地には様々な課題が残っているとして、「誰一人取り残されることなく、一日でも早く平穏な日常の暮らしを取り戻すことができるように、復興の歩みが着実に実を結んでいくよう、これからも私たち皆が心を合わせて、被災した地域の人々に末永く寄り添っていくことが大切」と述べた。 被災3県の遺族代表もそれぞれの思いを語った。 両親を含め11人の親族が津波で犠牲になった岩手県の佐藤省次さん(71)は、震災からの10年間を、「色々な思いが交錯する長いようでまた短いような複雑な思いが駆け巡る歳月」と振り返った。 宮城県の荒川航(こう)さん(16)は震災の記憶が薄れてきているものの、「若い世代ができることは、風化し始めている東日本大震災の記憶を改めて呼び起こし、後世までその事実をつないでいくこと」と誓った。 福島県の斎藤誠さん(50)は、津波で当時5歳だった次男翔太くんを失い、原発事故による避難も強いられ、「原発は一度暴れると人間の手に負えなくなり、復旧に時間がかかり、ふるさとに戻れない人を作り出すことを忘れないでほしい」と語った。 被災者代表として、岩手県宮古市の旅館女将近江智春(ちはる)さん(40)は、「悲しみは決して癒えることはありませんが、私たちの手で大好きなまちを守り、未来に向けて進んでいきたい」と誓った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元十両力士を逮捕 池袋駅で乾燥大麻を所持した疑い
大麻を所持したとして、警視庁が大相撲の十両力士だった元若麒麟(わかきりん)、鈴川真一容疑者(37)を大麻取締法違反(所持)容疑で現行犯逮捕したことが11日、池袋署への取材でわかった。同庁は認否を明らかにしていない。 池袋署によると、鈴川容疑者は8日、東京都豊島区のJR池袋駅構内で、微量の乾燥大麻を所持した疑いがある。警察官の職務質問を受け、その際に「自分のものではない」と床に投げ捨てた器具に乾燥大麻が残っていた。器具は大麻を砕くためのものだったとみられるという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
私立幼稚園連合会の前会長らを刑事告訴 不正な出金問題
全日本私立幼稚園連合会(東京都千代田区)の基金など約4億円が不正に出金された問題で、香川敬前会長らが関与した疑いがあるとして、同連合会が11日、業務上横領容疑などで警視庁に告訴状を提出したことが関係者への取材でわかった。前会長は連合会の内部調査に私的流用を否定する一方、通帳偽造への関与を認めたという。 同連合会は約7500の私立幼稚園で構成され、各都道府県の団体を通じて会費を集めている。連合会によると、2017年度からの3年間で災害対策や国際交流の名目で積み立てられていた計約3億2千万円が、理事会の承認なく不正に引き出されたり、宿泊費やタクシー代として支出されたりしていた。このほか20年度にも約8千万円の不正出金が確認されたという。 9日に取材に応じた同連合会の田中雅道会長代行によると、香川前会長は昨年11月に辞任。内部調査に対して偽造した通帳を示して発覚を逃れようとしたという。私的流用は否定する一方、監督責任をとって1億5千万円を弁済した。田中氏は「香川氏が横領した」として法的対応を検討していることを明らかにしていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
工藤会トップ公判が結審、8月24日判決へ 福岡地裁
四つの市民襲撃事件で殺人罪などに問われた特定危険指定暴力団・工藤会(北九州市)のトップで総裁の野村悟被告(74)とナンバー2で会長の田上不美夫被告(64)の公判が11日、福岡地裁(足立勉裁判長)であり、弁護側が最終弁論で改めて無罪を訴え、結審した。判決は8月24日に言い渡される。 両被告は市民4人が殺傷された4事件で殺人や組織犯罪処罰法違反(組織的な殺人未遂)などの罪に問われた。検察側は、両被告が事件に直接関与した証拠がないなか、1月の論告で「両被告には襲撃の動機があり、犯行状況から工藤会の組織的な犯行が明らか」として、野村被告に死刑、田上被告に無期懲役、罰金2千万円を求刑した。 最終弁論で弁護側は「間接証拠の評価が極めて恣意(しい)的で、強引に両被告と結びつけるために他の合理的な仮説を考慮せず、独善的な推認に終始している」と検察側の主張を批判した。 1998年2月に北九州市で起きた元漁協組合長射殺事件では、田上被告が一度不起訴になったことや、無罪が確定した男性を共犯者として検察側が起訴内容に盛り込んだことから、弁護側は「無謀な起訴」と批判した。 さらに、実行役が事件前に野村被告の関与をうかがわせる発言をしたとの証言を検察側が重視している点についても「事件前にわざわざ言う必要はなく、不合理で不自然」と指摘。田上被告が組員に事件に関する話を禁じたことを「口止め」と検察側が指摘した点にも「うわさ話が広がれば疑心暗鬼を生む。幹部として当然のことで口止めではない」とした。 このほか、2012年4月に北九州市であった元福岡県警警部銃撃事件、13年1月に福岡市であった看護師刺傷事件、14年5月に北九州市であった歯科医師刺傷事件についても両被告が事件に関与したことをうかがわせる証言は「信用できない」と主張した。 両被告はこの日、黒っぽいスーツにマスク姿で一礼して入廷した。最終意見陳述で、野村被告は「どの事件も一切関与はない。私は無罪です」。田上被告は「少しでも私が関与したことはありません。あまりにずさんな裁判です」と述べた。 検察側は組織トップの了解なしに事件を起こすことはあり得ないとして、野村被告らが事件を主導したと主張している。これに対し弁護側は公判後の取材に「下の者が勝手にやる場合もある。そういった反対の仮説を考えないのは問題だ」と述べた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国で1319人感染 東京・埼玉・千葉が増加に転じる
新型コロナウイルスの国内の感染者は11日午後8時半現在で、新たに1319人が確認された。また、全国で計45人の死亡が発表された。 緊急事態宣言が再延長された4都県のうち、東京都は新たに335人の感染を確認。11日までの1週間平均の感染者は273・1人となり、前週比は101・5%と再び増加に転じた。ほかの3県のうち埼玉県では126人、千葉県では122人の感染者が新たにわかり、いずれも1週間前よりも増えた。 沖縄県は、県内で初めて変異ウイルスの感染者8人を確認したと発表した。うち2人は感染力が強まったおそれのある「N501Y」だという。残る6人は、国立感染症研究所が新規変異株として発表し、ワクチンの効果が弱まる可能性が指摘されている「E484K」だという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子の誕生日にメール 存在確かめるよう…親たちの10年
これほど穏やかな青空の3月11日はめずらしい。 午後3時、宮城県石巻市を流れる北上川の川べり。青木恭子さん(62)は、3メートルほどに育った桜の木をなでて、つぼみのついた枝を見上げた。 息子の謙治さん(当時31)は10年前のこの時刻、ぎりぎりまでここで避難誘導にあたったはずだ。2年ほど前に桜を植え、名前を刻んだ石板を置いた。 私(57)が青木さんの取材を、3月のこの日にするのは初めてだった。 私が「手を合わせないんですね」と言うと、「息子が確かに生きていた場所だから」と。遺体が見つかった沼に寄って花を置き、帰途についた。 青木さんには同じ境遇の仲間か… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル