長時間労働が原因で自殺したとして昨年末に労災認定された東芝のグループ会社のシステムエンジニア、安部真生(しんは)さん(当時30)は2019年6月以降、介護に関するシステムの構築に従事し、忙しい日々を送っていた。15年に入社し、健康保険のシステムの運用・保守を担当。19年4月に川崎市の本社に異動するまでシステム開発の経験はなかったが、システム構築の中心的な役割を任されていた。 遺族側によると、社員十数人のチームで担当するプロジェクトだったが、システムの基盤構築の業務については、亡くなった19年11月16日の直前まで安部さん中心に任されていた。11月になってようやく、安部さんの業務を数人で分担する措置がとられた。11月に入ってからは午前0時過ぎに帰宅して早朝に出勤する日が続き、同居していた弟も顔を合わせないことが増えた。弟によると、眠れていなさそうだったという。 亡くなる前1カ月間の時間外労… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に 広がる賛同
東日本大震災が起きた3月11日を「防災教育と災害伝承の日」に制定しようという大学教授らの呼びかけに、賛同が広がっている。13日までの1カ月間に、インターネットで862の団体や個人が登録した。政府に来年の3・11までに制定してもらうよう求める。 呼びかけ人は、東北大教授で同大災害科学国際研究所の今村文彦所長のほか、防災教育の専門家ら計6人。事務局によると、震災の教訓の伝承が重要だとして、2月13日から呼びかけを始めた。防災教育にかかわる研究者や教員らが賛同者になったという。 阪神・淡路大震災の1・17は「防災とボランティアの日」、江戸時代に津波が起きた11・5は「津波防災の日」などとされている。 呼びかけ人共同代表の今村所長は「防災を議論する日にしたい。全国の多くの方に賛同いただきたい」と訴える。(井上充昌) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
面会制限に「愛だけでは」 同性婚訴訟、17日に初判断
同性婚が認められないのは婚姻の自由を保障した憲法に反するとして、北海道内の同性カップル3組が国を訴えた訴訟の判決が17日、札幌地裁で言い渡される。全国5地裁で進む同種訴訟で初の司法判断となる。原告らが求め続けてきたのは、愛する人と家族として共に人生を歩む権利だ。 帯広市で一緒に暮らす公立学校教諭の国見亮佑さんと会社員のたかしさん(いずれも40代、仮名)は交際を始めて18年。たかしさんが得意な料理を受け持ち、ほかの家事は分担する。 大切な写真がある。両手でピースサインを作る国見さんの傍らで、たかしさんが少し歯を見せて笑う。たかしさんの両親と姉夫婦らが和やかな表情で囲む。 2018年の家族旅行で訪れた温泉旅館の前で、スタッフに撮ってもらった。スマホの画像を確認したスタッフから「良い写真ですよ」といわれ、「家族と認められてうれしかった」とたかしさん。写真は同性カップルの生活を示す証拠として、裁判で提出された。 国見さんは小学4年の時、男子に好意を持った。はじめは友情だと思っていたが、中3で同性愛を自覚した。大学生になってからは性的少数者のことを知ってもらう活動にかかわるように。卒業後、母親に「話がある」と手紙を出した。 実家に戻ると、母は察していた。「手紙を見て泣いた。同性愛だろう。心配しないで大丈夫だからね」。たかしさんと交際するようになってから、母親同士は電話をかけ合う仲だ。 だが、不安は尽きない。コロナ禍のいま、病院では親族以外の面会が制限されるようになった。「互いに何かがあったら」との思いがよぎる。国見さんは「死ぬまで一緒と腹をすえたとき、愛だけでは乗り越えられないと悟った。婚姻を認めてほしい」と話す。国の「憲法は同性婚を想定していない」との主張に対し、2人は言う。「私たちは確かにここにいる。現実を見て」 認めてもらえないまま続けた交際、母は手紙で… 札幌市の20代の女性は高校生のころ、同性を好きになる人が集まるインターネットの掲示板で、今のパートナーの30代の女性と出会った。「初めて仲間に巡り合えた。またひとりになるのが怖くて、告白した」 そんなころ、別の女性と交わし… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
そして夫は「大河の一滴」に戻った 私の朗読と歌を心に
それぞれの最終楽章・読者から(1) 斉藤泰子さん(東京都町田市・80歳) 私の夫は膵臓(すいぞう)がんで1年8カ月の闘病の末、79歳で亡くなりました。その間検査入院を除き、一度も入院することなく、住み慣れたわが家で最期を迎えました。 2018年11月、がん発覚時に既にステージ4Bで手術不能。「このまま何もしなければ、余命3~4カ月」との宣告を受けました。「これから行う治療はすべて延命のためのもので、完治は望めない」とのことでした。 通院による抗がん剤治療が即始まり、多くの副作用に苦しみながらもよく耐えて、1年5カ月が経過しました。先生方も「何か特別なことをしているのですか?」と言ってくださいました。 しかし20年3月、恐れていた… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手配の男を世田谷区で発見、逮捕 台東区の男性刺殺容疑
東京都台東区のビジネスホテルで13日、男性が殺害された事件で、警視庁は14日、無職渡部栄治容疑者(55)を殺人容疑で逮捕し、発表した。2人は昨年からこのホテルの同じフロアの別の部屋で暮らしていたという。渡部容疑者は事件後に行方不明になり、同庁が公開指名手配して捜していた。同日夜に東京都世田谷区内で発見したという。 捜査1課によると、逮捕容疑は、13日午前5時50分ごろ、台東区清川2丁目のホテルで、無職の荻原渉さん(28)を刃物で刺して殺害したというもの。調べに容疑を認め、「『足音がうるさい』と男性に迫られたので、かたをつけてやろうと思った」などと供述しているという。 荻原さんは刺された直後、ホテル2階の廊下で血だらけの状態で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は背中を刺されたことによる失血死で、顔や腹にも刃物による傷があった。一方、ホテルの防犯カメラには渡部容疑者と荻原さんが言い争う様子が映っていた。渡部容疑者が使っていた部屋からは、凶器とみられる血のついた包丁が見つかった。 こうした状況から、同課は渡部容疑者が荻原さんを殺害し、逃走したと判断。顔写真や似顔絵を公開して行方を追っていた。14日午後6時10分ごろ、世田谷区で「似ている男がいる」といった110番通報があり、かけつけた警察官が付近で発見したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
双葉町民向けの埼玉の施設が閉鎖 煮物味わった最後の日
東京電力福島第一原発の事故で福島県双葉町などから埼玉県加須市内に避難した人たちの交流施設「加須ふれあいセンター」(加須市正能)が、先月末に閉鎖した。運営するNPO法人も今月17日に解散する。県内では高齢化やコロナ禍の影響で避難者同士の交流の場が減っており、支援者らは「交流施設の維持が重要」と訴える。 センターで2月26日正午前、お別れの会が始まった。冒頭、代表理事の富沢トシ子さん(75)が「双葉町と加須市の皆さんのおかげで活動を続けられた。感謝の気持ちでいっぱいです」とあいさつ。集まった約40人がおふかしや煮物などを味わい、マスク着用や換気など新型コロナウイルスの感染予防策をとりながら、午後4時ごろまで思い思いの時間を過ごした。 センターは東日本大震災以前から地元の加須でボランティア活動をしていた富沢さんが2012年7月に立ち上げた。当初は旧県立騎西高校で避難生活を送った双葉町民が作る着物の販売などをしていたが、しばらくして「温かいご飯が食べたい」という避難者の声を聞き、手作りの定食を300円で提供し始めた。以来約8年余り、休日を除き毎日避難者に昼食を振る舞い、双葉町を回るツアーや他県に住む避難者との交流会も定期的に開催した。 だが、この1年は新型コロナの影響で1日約15人だった利用者が10人ほどに減少。売り上げに補助金などを足しても家賃などの運営費用を賄えなくなっていた。富沢さんも活動を支えてくれた夫を昨年1月に亡くして自分の生活との両立が困難となり、閉鎖を決断したという。 お別れの会に参加した避難者の… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長野・乗鞍岳で雪崩 登山者が巻き込まれ、男性1人死亡
14日午前10時ごろ、長野県松本市の乗鞍岳位ケ原(くらいがはら)付近(標高約2400メートル)で雪崩が発生した。長野県警松本署によると、登山をしていた男性5人が巻き込まれたという。近くにいた人たちが救助したが、1人が心肺停止の状態で発見され、その後死亡が確認された。ほかの4人は命に別条はないという。現場に居合わせた人によると、この5人以外にも自力で脱出した人が複数いたという。 松本署によると、死亡したのは滋賀県野洲市の自営業戸田尚哉さん(49)。また救助された4人のうち2人が軽傷で、ともに40代の滋賀県の男性という。 雪崩が起きたのは、松本市安曇の位ケ原山荘付近。スキー場からさらに標高の高い山中で、幅約200メートル、長さ約300メートルにわたり崩れたという。同署は救助された4人から当時の状況を聞いている。 長野地方気象台によると、現場付近一帯では12日から13日にかけてまとまった降雪があり、雪崩注意報が発令されていた。積雪上部の雪の層が、下層の雪の上を滑り落ちる「表層雪崩」の可能性が高いという。 ◇ 岐阜県高山市の飛驒乗鞍観光協会のホームページによると、乗鞍岳は北アルプスの南端に位置し、標高3026メートルの剣ケ峰など23の峰が連なる日本百名山の一つ。夏場は2702メートル地点までバスが通っているため、初心者から上級者まで登山を楽しめる山として人気を集めている。11月から5月中旬までは、道路が閉鎖されている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手配の男を世田谷で発見、逮捕へ 東京・台東の男性刺殺
東京都台東区のビジネスホテルで男性が殺害された事件で、警視庁は14日夜、公開指名手配していた無職の渡部栄治容疑者(55)を東京都世田谷区内で発見した。同日中にも殺人容疑で逮捕する方針。捜査関係者への取材でわかった。 捜査1課によると、渡部容疑者は13日午前5時50分ごろ、台東区清川2丁目のビジネスホテルで、無職の荻原渉さん(28)の顔や腹、背中に刃物で切りつけ、失血死させた疑いがある。ホテルの関係者がこの直後、2階の廊下で、血を流してうつぶせで倒れている荻原さんを発見したという。荻原さんは搬送先の病院で死亡が確認された。 2人は昨年からこのホテルを簡易宿泊所として利用し、同じフロアの別の部屋で暮らしていた。ホテルの防犯カメラには荻原さんと渡部容疑者が言い争う様子が記録されており、渡部容疑者が使っていた部屋からは凶器とみられる血のついた包丁が見つかった。同課は2人が何らかの原因でトラブルになったとみて、事件後に行方不明になった渡部容疑者の行方を捜していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
流れ星新幹線、出発進行!777の願い乗せ…窓からは光
新幹線に願いを――。JR九州は14日夜、九州新幹線の全線開通10年を記念した「流れ星新幹線」を特別運行した。車内にLED照明を積み込み、窓から光を放つ仕掛けを施したほか、公募で外装や車内のポスターに採用された777点の願いごとを乗せて走った。 6両編成の流れ星新幹線は午後6時35分、乗客を乗せずに鹿児島中央を出発した。進行方向の左側の全ての窓から7色の光を放った。河川敷など見晴らしの良い区間では一時減速しながら博多へ向かった。 福岡県筑後市の筑後広域公園では、ビューイングイベントが開かれた。公園前で一時停車した新幹線の車窓からは、音楽に合わせてサーチライトが放たれ、夜空には花火も打ち上げられた。会場には大型のスクリーンが設置され、住民が飛ばしたランタンや灯籠(とうろう)など、沿線の映像も映し出された。 願いごとはLINEで公募。全国から計8350点が集まった。「次の10年、今よりずっと強い心で走り抜けたい」「みんなのこころがつながりますように」「九州の新郎新婦みーんなみんな最高に幸せになって!」といった願いごとが採用された。 九州新幹線は2011年3月12日、全線開通した。前日には東日本大震災が発生し、JR九州は各地で予定していた式典を中止。16年の熊本地震では列車が脱線した。現在はコロナ禍で乗客が激減するなど、幾多の試練に直面してきた。 JR九州の青柳俊彦社長は記者会見で「10年、九州のみなさんに利用いただき、うれしく思う。いろんな経験を重ね、安定した運行ができるようになった」と振り返った。 流れ星新幹線は15日から5月28日までは光はともさずに、ラッピング列車として走行する。(松本真弥) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「1人いない…」 巻き込まれた男性が語る、雪崩の瞬間
長野県松本市の乗鞍岳位ケ原(くらいがはら)付近(標高約2400メートル)で14日午前10時ごろに雪崩が発生した。長野県警松本署によると、1人が心肺停止の状態で発見された。現場にいた男性が、当時の様子を語った。 「雪崩だー」。現場の斜面を登っていた40代の男性登山者は、上の方で危険を知らせるそんな声を聞いた。 その瞬間、自分が立っている足元がそのまま崩れ、まるで雪の上を滑っていくような感覚に陥った。横を見ると、太い木があり、すかさず飛びついた。あっという間の出来事だった。気がつくと腰まで雪に埋まっていた。 男性がふもとの登山口を出発したのは午前6時ごろ。雪質がいつもより柔らかく、足をとられながらの登山で、予想より時間がかかった。ほかの登山者も同じで、男性を含めて8人が自然と縦一列に並ぶようになっていた。午前10時ごろ、その列を雪崩が襲った。 雪から抜け出し、「誰かいないか」と叫ぶと、「助けてくれ」と声が聞こえた。見渡すと数人が雪に埋まり、腕や顔だけが雪の上に出ている状態だった。木と雪の間に挟まっている人もいた。「苦しい」と訴える人たちを、1人ずつ雪から掘り起こした。前を歩いていた2人は20メートルほど下まで流されたが、自力で抜け出すのが見えた。 男性によると、雪崩が収まったあと、現場には木が密集した場所を境に大小の二つの雪の流れができていた。5人が大きな流れの方に巻き込まれたが、自身も含めいずれも10分ほどで外に出ることができた。 「1人いない」。グループで登っていたうちの1人がなかなか見つからなかった。長野県警のヘリコプターが上空を旋回するのが見えたが、降りられない様子だった。「俺たちで見つけるしかない」と周辺の登山者ら30人が集まり、雪に棒を刺しながら、埋もれた遭難者を捜していった。 最後の1人が見つかったのは、雪崩発生から約1時間40分が経ったころ。二つの雪の流れのうち、小さな流れの中だったという。雪下約50センチから見つかった。医師でもある男性は「奇跡が起きてほしい」と祈りながら心臓マッサージをしたという。 男性はその後、自力で下山。登山をよくしており、雪崩に対する知識もあったが、「まさか自分が巻き込まれるとは思わなかった」と語り、その恐ろしさを振り返った。(田中奏子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル