欧州季評 ブレイディみかこ 英国では、ウェブサイトやテレビのニュース番組で示される「本日のコロナ情報」が1月から少し変わった。新規感染者や死者の数に、「ワクチン接種者数」が加わったのだ。 わが家でも、がんを患ったことのある配偶者は「基礎疾患を有する者」のカテゴリーに入っているので、2月に1度目のワクチン接種を受けてきた。通知は配偶者のスマホにSMSメッセージで来た。メッセージには自分で日時を予約するためのリンクが貼られていて、NHS(国民保健サービス)の予約サイトに飛ぶようになっていた。 息子が通う中学校ではPCR検査が始まった。3月8日からの学校での授業再開に向け、その前週に生徒たちが定められた時間に学校へ行って、仮設の施設で検査を受けた。息子が検査を受けることに対する保護者のコンセント・フォーム(同意書)も、NHSのサイトに行ってオンラインで提出した。全3回の検査を受けた後、生徒たちは毎回、渡されたQRコードを自分のスマホで読み取り、やはりNHSのサイトに飛んで住所や氏名やメールアドレスを登録する。結果もメールで送られてくる。 「これ、家にWiFiがない生徒はどうやってNHSのサイトにアクセスするんだろうね。スマホを持ってない人とか……」 素朴な疑問を漏らすと息子が答えた。 「さあ、どうするんだろ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長野・駒ケ根でなだれ、男性が巻き込まれる 自力で下山
14日午前8時55分ごろ、長野県駒ケ根市の中央アルプス・千畳敷八丁坂近く(標高約2680メートル)で雪崩が起き、愛知県日進市の40代男性が巻き込まれた。近くにいた登山仲間が通報した。 駒ケ根署によると、男性に目立ったけがはなく、自力でロープウェーの駅まで下山しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京で桜開花、昨年と並ぶ史上最速 1週間ほどで満開に
東京管区気象台は14日、東京都心の桜の開花を発表した。気象台職員が午後2時、靖国神社(千代田区)のソメイヨシノの標本木で、5輪咲いているのを目視で確認した。1953年の統計開始以降、昨年に並ぶ史上最速の開花となった。1週間ほどで満開となる見込みだ。 平年と比べると12日早い。今年は広島市と福岡市でいずれも史上最速の開花が発表されている。 日本気象協会によると、昨夏にできた花芽が一度休眠し、冬の寒さで目覚める「休眠打破」と呼ばれる現象が、昨年末以降の寒波で順調に進行。さらに冬の後半は暖かい日が多く、記録的な早さの開花となっているという。同協会は13日発表した開花予想で、大阪市は19日、名古屋市で17日としている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋吉久美子さん問う絆 震災から10年、まだ疑問だらけ
俳優の秋吉久美子さんは、小学生から高校生までを福島県いわき市で過ごしました。東日本大震災がおこった直後から東北を支援、応援しています。 震災から10年、秋吉さんは言います。 「この国に、絆はありますか?」 ◇ 2011年3月11日。大震災がおこったとき、私は東京都内で、スタッフと打ち合わせをしていました。外を見ました。電柱が、ゴムでできているかのようにグニャグニャしていました。でも、大ごとになっているとは思わず、打ち合わせ再開です。 夜。テレビを見て驚きました。津波で東北がたいへんなことになっているなんて。そして、福島第一原発が爆発しました。放射能がどうなっているのか分かりません。東京にいる私でさえ、静岡にいる親戚のところに避難したほどです。 インタビュー特集「東日本大震災を語る」はこちら 東日本大震災から3月11日で10年となります。被災地の復興や支援、福島第1原発事故への対応など、様々な分野で思いを寄せる人たちにインタビューしました。 震災の経験は私たちに何を残したのでしょうか。 高校時代の友だちのことが気になりました。教室で私の前の席だったのですが、心臓が弱かったんです。いわきにいる彼女に電話しました。「大丈夫?」と聞くと、「ぜんぜん大丈夫じゃない」。自分は心臓に問題があるし、透析をしている妹と胃ろうしている母親を抱えている、動けない、と言うのです。 私には、そんな話を聞くことし… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熊本で震度4を観測 M4.4、けが人の情報なし
14日午前9時22分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震があり、熊本市南区、宇城市、宇土市、美里町で震度4を観測した。気象庁によると、震源の深さは約10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは4・4と推定される。熊本県警によると、けが人の情報は入っていないという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ禍を新たなチャンスに オンラインの牧場見学開始
「畑ガイド」による農場ツアーや、食育の出前授業を行っている「いただきますカンパニー」(北海道帯広市)が、オンラインによる牧場見学授業を始めた。コロナ禍をきっかけに昨年から始めたオンラインツアーを、教材として発展させた。従来は防疫上の理由から、多人数の訪問のハードルが高かった牧場見学だが、オンラインで逆手に取った形だ。十勝の農業を全国の子供たちに伝えたいと意気込んでいる。 「あ、かわいい」。2月22日、帯広市立明星小学校で開かれたオンライン授業。教室のパソコン画面にワラに寝そべる子牛の姿が現れると、子どもたちから歓声があがった。 この日は3年2組の29人が2グループに分かれ、「酪農家のお仕事」をテーマに授業を受けた。十勝地方の牧場とネットでつなぎ、いただきますカンパニーの井田芙美子社長と、食育事業担当の岡野香子さん、牧場の代表者が、牛の大きさやその暮らし、酪農家の一日のスケジュールなどを説明した。 時折、「牛が1日に出すミルク… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東芝系SEが過労自殺 開発遅れ長時間労働、労災認定
電機大手、東芝グループの中核事業会社の一つ、東芝デジタルソリューションズ(本社・川崎市)に勤務していたシステムエンジニア(SE)の男性社員(当時30)が2019年11月に自殺したのは長時間の過重労働が原因だったとして、労災が認められたことがわかった。働き方改革関連法が19年4月に施行され、大企業の残業時間について罰則付き上限規制が適用されたにもかかわらず、大企業で長時間労働による社員の過労自殺が明らかになった。 亡くなったのは、入社5年目だった安部真生(しんは)さん。19年11月16日、横浜市内の自宅マンションで自ら命を絶った。交際相手に「仕事が大変だ」などと漏らしていた。川崎南労働基準監督署(川崎市)が昨年12月17日付で労災認定した。 東芝側が遺族側に示した報告書は、システムの開発に遅れが生じたため、19年10月以降に安部さんに作業が集中し、過重な負担がかかったとしている。 遺族側代理人によると、亡くなる直前の1カ月(10月17日~11月15日)の時間外労働は103時間56分にのぼった。3、4、6カ月前の各月でも過労死ラインの80時間を超えていた。大企業の残業時間には、19年4月以降、休日労働を含めて「月100時間」の上限が設けられた。 安部さんは東大大学院農学生命科学研究科を修了後、15年4月に東芝ソリューション(現東芝デジタルソリューションズ)に入社。19年6月ごろから厚生労働省老健局が発注した介護に関するシステムの開発に従事していた。 東芝は17年に純粋持ち株会社に移行し、東芝デジタルソリューションズなど100%出資の4社を中核事業会社として傘下に置いた。東芝デジタルソリューションズの社長は現在、東芝本体の執行役上席常務が兼務している。東芝側は労災認定の事実を認め、「極めて重く受け止めており、故人のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に誠心誠意対応する。社員の心身の健康維持増進に一層努めていく」などとするコメントを出した。 遺族側代理人の弁護士は、東芝側が開示した安部さんの業務上のメールや関係資料を調べた結果、東芝側に労務管理上の問題があっただけでなく、安部さんが発注元の厚労省との協議の場などで精神的ストレスを受けていたことがうかがえるとして、厚労省からも話を聞く方針だ。(専門記者・木村裕明) ◇ 東芝デジタルソリューションズのコメント 当社として、今回の件について極めて重く受け止めており、改めまして故人のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の皆さまに対して誠心誠意対応していく所存です。 当社はこれまでご遺族の労災申請にあたって可能な限りご協力をさせていただき、行政官庁(労働基準監督署)の調査にも真摯(しんし)に対応してまいりました。また、ご遺族対応を継続して行っているところであるため、詳細についてはお答えしかねますが、今回の事態を受け、安全健康に関するトップメッセージを繰り返し発信するとともに、働きすぎ防止、職場内でのコミュニケーション活性化などの施策に加え、社員個人のセルフケア向上施策にも取り組んでおり、社員の心身の健康維持増進に一層努めてまいります。 ◇ ・悩んでいる人は、こころの健康相談統一ダイヤル(0570・064・556)へ。 ・労働問題に関するご意見や情報をkeizai@asahi.comまでお寄せ下さい。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
87歳母がなぜ保険料6千万円 「違法」な勧誘の実態
物忘れが進んだ母の持ち物を整理していたとき、高額な外貨建て保険の契約書類が見つかった。為替変動によっては損失が出る保険を、80歳を超える母が本当に契約したのか。家族で起こした裁判から浮かんだのは、「違法」な勧誘の実態だった。 長女にあたる女性(54)らが貸金庫に保管されていた保険証券を確認したのは、2016年秋のことだ。母(87)は15~16年にかけ、外資系の保険会社と二つの外貨建て保険を契約し、計約6千万円を支払っていた。そろばんで家計簿をつけ、クレジットカードすら持たない堅実な母。おかしい。どうして加入したんだろう。 円で保険料を支払って外貨で保険金を受け取る外貨建て保険は、為替の動き次第で元本割れ(支払った代金を下回る)して損失を出す可能性がある。契約を担当した保険会社の男性社員に問い合わせると、「会社がもうからない究極の保険です」と説明した。「契約の証拠」として、約款などを持つ母の写真まで送ってきた。疑念はますます膨らんだ。 保険会社反論「意向に沿った」 母は、希望に沿わない保険に加入させられたのではないか――。そう考え、保険会社に損害賠償を求める訴えを18年に起こした。 保険会社は裁判で、「契約は(公的年金とは別の私的)年金を継続的に受け取りたいという本人の意向に沿っていた」と反論。為替リスクは「誰もが簡単に理解できる」と主張した。 だが、東京地裁は昨年11月の判決で、80代という契約時の年齢を踏まえ、今後20年以上にわたって年金を受け取れる保険に「興味があったとは言いがたい」と指摘。継続的に年金を受けたい希望をかなえるとしても、「リスクのある外貨建て保険にする必要性は全くない。勧誘がなければ加入していなかったといえる」とした。 その上で、顧客の目的に合うよう商品を提案することを求めた金融商品取引法上の「適合性の原則」から著しく逸脱したとして、勧誘方法の違法性を認定。損失分など約656万円の支払いを保険会社に命じた。ただ、契約時に発症していたとみられる認知症による影響はないとされた。 女性は、男性社員が契約までの間に母との食事を何度も繰り返したり、遺言作成を提案して自ら証人になったりしたことについて「やりすぎではないか。高齢者なのだから、丁寧に意向を確認するべきだ」と訴える。 女性の母の代理人弁護士は、東京地裁の判決を「高齢者への勧誘の仕方次第で契約が違法になる可能性を示した」と評価。違法な勧誘の抑止につながるとも話す。保険会社と女性側は控訴している。(新屋絵理) ■外貨建て保険めぐる相談、5年… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「定番」を好んだ自分 髪失ったいま、ウィッグも外した
もとの自分に戻りたい。 お気に入りの白いレースのワンピースを着て、30万円もかけたウィッグをつけ、田巻佑子さん(35)は鏡の前に立った。2年前のことだ。少しでも自然に見えるように毛先を切ったり、巻いてみたり。帽子をかぶってみたりもした。十数年前にアパレル会社へ就職した時に始めたボブヘア。そっくりにつくったウィッグを、家族や友人は「前と全く同じ」と言ってくれた。 「違う」 まるで自分の偽者が立っているみたいだった。 乳がんが分かったのは、その年の3月。抗がん剤治療で髪はすっかり抜けた。吐き気やだるさと闘い、放射線治療を経て、主治医から「もとの生活に戻っていい」と同じ年の冬に言われた。だが髪はないままだった。3年以内に再発するおそれは高いとも言われた。 どうしてこんなことになってしまったのかと嘆き、食生活のせいにしたり、家族につらく当たったりした。でも、この先ずっと、何かのせいにして生きていくのは寂しいと思い至り、初めて自分自身を見つめ直した。 昔から自分に自信がなく引っ込み思案で、だから「定番」を好んだ。 大好きなおしゃれでも、じつは… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋田県に20年ぶりの新駅が誕生 「ずっと楽しみに」
秋田駅―土崎駅間に完成した新駅「泉外旭川駅」(秋田市泉菅野2丁目)が13日、開業した。記念式典には穂積志市長や佐竹敬久知事、JR東日本の関係者ら約80人が出席し、新駅の誕生を祝った。秋田県内の新駅開設は2001年の岩城みなと駅(由利本荘市)以来20年ぶりとなる。 新駅は地元の要望を受けた、秋田市の請願駅。1985年に設置要望があり、19年6月に工事が始まった。今月に完成し、総事業費は約20億7千万円。 臨時列車を除き、奥羽線と男鹿線の普通列車と快速列車が上下計76本停車する。秋田、土崎の両駅まではいずれも4分ほどで着き、片道190円。秋田市の試算では、1日当たり約2千人の利用を見込む。線路を挟んだ駅の両側には、駐輪場やバス乗り場がある。駐車場はない。 式典で穂積市長は「この駅が(外旭川地区で予定されている)卸売市場の改築、スタジアムの建設、民間によるさまざまな開発の起点となれるような、未来の見えるまちづくりの出発点となることを祈念する」とあいさつ。この日の朝、実際に列車に乗って秋田駅との間を往復したといい、「中心市街地と非常に近くなった」と述べた。 開業したばかりの駅を見にきた市民も多く、さっそく切符を買ってホームに来る列車の撮影を楽しんでいる人もいた。近くに住む会社員の男性(62)は「工事の間ずっと楽しみにしていた。これまで秋田駅前に行くのは車を使っていたが、今後は列車を利用したい」と話した。(高橋杏璃) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル