「見たことのない動物の姿を子どもたちへ」。そんな思いで海を越えて集められた大型哺乳類の標本が語りかけてくる場所がある。 拡大するヨシモトコレクションの一部。哺乳類の剝製(はくせい)が展示されている「大地を駆ける生命」=東京都台東区 東京・上野公園の一角にある国立科学博物館。恐竜や岩石、機械など多くの展示がある中で、地球館3階では、100点以上並んだ大型哺乳類の標本が目をひく。生きていた時の姿を復元した剝製(はくせい)からは、見学者を警戒するうなり声までが聞こえてきそうだ。 その多くを占めるのが、ハワイの日系2世だった故ワトソン・T・ヨシモト氏(1909~2004)から寄贈された「ヨシモトコレクション」。総数約400点のうち約80点がここで見られる。アフリカのサバンナにすむインパラやイランドといった草食獣は特に充実しており、生命の多様性を感じられる。体格差や様々な角の造形は、撮影してじっくり眺める価値がある。傍らにはライオンなど肉食獣の姿も見え、食うか食われるかの関係でつながる生態系を意識することもできる。 拡大する国立科学博物館の「大地を駆ける生命」に展示されているシフゾウ(手前)の剝製(はくせい)=2021年2月25日、東京都台東区、瀬戸口翼撮影 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。 ヨシモト氏は建設業界で活躍し… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
刑事事件の証拠開示「紙でなくデータで」 弁護士ら要望
刑事事件の弁護に必要な証拠資料の開示が紙のコピーに限られるのは負担が大きく裁判準備に支障があるとして、弁護士や学者でつくる「証拠開示のデジタル化を実現する会」が、電子データで開示するよう求める要望書をデジタル政策を担う河野太郎行政改革相や上川陽子法相らに送った。昨年11月に署名を呼びかけ、12日までに約1万3千人の賛同を得たという。 捜査報告書など証拠書類は現在、すべて紙のコピーで開示され、コピー代に600万円以上かかった事例もある。国選弁護人が担当する事件だとコピー代の多くが税金で賄われ、私選弁護人が扱う事件は被告の自腹。同会は要望書で「税金の無駄」「経済的理由で証拠入手をあきらめさせ、被告人の防御を困難にしている」と指摘し、「電子データを入れた記録媒体を渡す方法にすれば全て解決する」と改革を求めた。 同会の調査によると、米英や台湾、シンガポールなどでは、電子データを保存したフォルダーへのアクセス権を弁護側に与えたり記録媒体で渡したりするデジタル化が進んでいる。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自転車2人乗り、就学前ならOK 三重県が規制緩和
6歳の幼稚園児を2人乗りで自転車に乗せて運転したら違反――。そんな三重県の規則が改正され、4月から自転車用のチャイルドシートに乗れる年齢制限が「6歳未満」から「小学校入学まで」に緩和される。 今回改正されたのは「県道路交通法施行細則」。改正前の規則では、16歳以上が運転する自転車の幼児用座席に乗車できるのは「6歳未満」としている。一方、幼稚園などに在籍中の児童が6歳の誕生日を迎えれば、年度途中であっても2人乗りは禁止されていた。 県警交通企画課によると、「自転車で幼稚園への送迎ができなくなる」などの声が保護者から上がっていたという。今回の改正では、6歳になった児童でも卒園まで幼児用座席で2人乗りができる。交通企画課の担当者は「実情に見合った変更で保護者らの利便性につながる」と話す。(村井隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
それぞれの「3・11」 私はここから思い続ける
東日本大震災の揺れと津波に、日本の各地に住む人がショックを受け、自分にできることを考えた。あれから10年。それぞれの「3・11」について、朝日新聞に思いを寄せてくれた人たちに聞いた。(小林太一、木村浩之、寺尾佳恵) 忘れられない誕生日 「寄り添い続けたい」 大阪府吹田市の海道(かいどう)松子さん(71)は、3月11日が誕生日だ。10年前の1日は、特に忘れられない日になった。 あの日は、近くの長男宅で長男の妻や長女と孫を囲み、リビングでおしゃべりを楽しんでいた。生まれて半年の初孫が会話の中心。たわいもないやりとりで、穏やかな午後だった。 長男から電話があった。「すぐにテレビを見て」。黒い大津波が、600キロ以上先の沿岸部を襲っている。みなでテレビ画面を見つめた。現実味を感じられず、どこかで「遠い場所の話」という意識があった。 61回目の誕生日のこの日、夜には家族でお祝いする予定になっていた。せっかくだからと、市内の高層ビル内にある中華料理店に夫や長男、長女の各夫妻と集まり、食事をした。遠くで、消防車とみられる車列が見えた。被災地に向かうのだろうか。胸が痛んだ。 震災の被害は、予想以上に甚大だった。孫を失った同世代の被災者の思いを伝える報道で、自らのつらい経験を思い出した。 23歳のとき。初めての妊娠で、流産を経験した。周囲は慰めてくれたが、「本当のつらさは当事者しか分からない」と思った。でも、若い女性看護師はベッドで泣く自分の背中をずっとさすってくれた。同じ気持ちになろうとしてくれたと思い、うれしかった。 今年も、この日がやってきた。この10年でさらに3人の孫に恵まれた。あの日の食事会はいまもうしろめたさが残るが、忘れることのできない大事な日だ。「あのときの看護師さんのように、私も被災者のみなさんの思いを知り、寄り添い続けていきたい」 注目されない被災地のもどかしさ 経験仕事に生かす 東京都北区の宮本由(ゆき)さん(28)は転職後のいまの仕事で、地図を通して子どもたちに災害を伝える機会を得た。 10年前は高校3年生。あの日は国立大学の後期試験の前日で、茨城県ひたちなか市の自宅で勉強していた。トイレで揺れを感じ、慌てて出た。 記事の後半では、妊娠中にあの大きな揺れを経験した千葉県の女性、被災地支援に行けなかったことを悔い続けた、神奈川県のがんと闘病中の男性を紹介しています。 約30分後、茨城県沖を震源とする震度6の揺れが再び襲った。「1回目はぼうぜんとして動けなかった。2回目の方が怖かった」と振り返る。 食器が割れ、洋服だんすが倒れた。近所には屋根瓦が落ちた家もたくさんあった。古い自宅が傾くのではないかと、夜は母や姉らと近くの高校に避難した。 うとうとしたかと思うと携帯電… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京のホテルで男性死亡、殺人事件か 直後に男が逃走
13日午前5時50分ごろ、東京都台東区清川2丁目のビジネスホテルで「人が刺された」と、ホテルの関係者から110番通報があった。駆けつけた警察官が2階の廊下で男性が血を流してうつぶせで倒れているのを発見、まもなく死亡が確認された。警視庁は殺人事件とみて捜査。事件直後に逃走した50代くらいの男が事情を知っているとみて行方を追っている。 浅草署やホテル関係者によると、死亡した男性は20~30代くらい。男性と逃げた男は、それぞれ2階の客室で生活していたとみられ、男の客室からは血が付いた刃物が見つかった。現場の廊下付近の防犯カメラに2人が言い争う様子が映っていたという。逃走した男は、身長165センチくらいで、上下とも黒色の服という。 現場はJR南千住駅から約500メートル南の住宅やホテルが密集する地域。 従業員によると、簡易宿泊所としての利用者が多く「2人ともに、ここで生活していた。顔見知りだと思う。びっくりしている」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「目ぱっちり」 白浜の赤ちゃんパンダ、やっとお披露目
和歌山県白浜町のアドベンチャーワールドで昨秋生まれたジャイアントパンダの赤ちゃんが12日、一般に公開された。 昨年11月22日に体重157グラムで生まれたメスの赤ちゃんはこの日で6145グラムに成長し、飼育スタッフに抱かれて登場。7日に歩き始めたばかりだが、用意されたマットレスをはみ出して歩き回るなど元気な様子を見せた。 従来は生後2週間から1カ月程度で一般公開していたが、新型コロナウイルス感染防止対策が十分に取れないとして公開を遅らせていた。飼育スタッフの品川友花さんは「ぱっちりと目が開き、乳歯も生えてきた。一番可愛い時期の姿を、ようやく見ていただけるようになって大変うれしい」と話した。 今回は公式サイトでの事前抽選などで観覧整理券を発行。約20人を1グループとして屋内運動場へ入れ、1組の観覧時間を約4分間に制限している。 千葉県から友人と訪れた金島明日加さん(29)は2014年に生まれた桃浜(トウヒン)と桜浜(オウヒン)の双子以来毎回見に来ており、「これまでの子たちよりだいぶ大きくなってたけど、ちっちゃくて可愛かった」と話した。 約11万件の応募があった名前は「光浜(コウヒン)」「咲浜(ショウヒン)」「楓浜(フウヒン)」の3候補に絞って11日まで投票を実施した。最多得票を集めた名前を18日に発表する。(大野宏) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌市長も被害者に謝罪 28年前の教員わいせつ問題
札幌市立中学校に勤務していた男性教諭が28年前、当時教え子だった女子生徒にわいせつ行為を行ったとして1月に懲戒免職になった問題で、札幌市の秋元克広市長が元教え子の石田郁子さん(43)=東京都在住=に電話で謝罪をしていたことが11日、分かった。 秋元市長は8日、石田さんに電話をした。教諭によるわいせつ行為や、市教委が石田さんに寄り添った対応ができていなかったことなどを謝罪したという。 また、石田さんは1月の秋元市長の会見で、市長から石田さんが傷つく発言があったとして謝罪を強く求めていた。秋元市長からはこれについても釈明と謝罪があったという。石田さんは「直接謝ってもらったことはよかったと思う。今後、市教委の改革などについてはできる限り協力していきたい」と話している。(芳垣文子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京の繁華街いまや「昼の街」 人出データが示す変化
新型コロナウイルスの影響で、東京の繁華街では夜の人出が激減し、昼の人出のほうが多くなっている。そんな実態が、東京都医学総合研究所の分析でわかった。 携帯電話の位置情報をもとに、東京大発のベンチャー企業「ロケーションマインド」が集めたデータを同研究所が分析。都内の7カ所の繁華街(歌舞伎町、六本木、渋谷、銀座、上野、池袋、新宿2丁目)の特定の地点を選び、500メートル四方の人出を調べた。 行動パターンから通勤者や居住者とみられる人たちを除き、飲食など「レジャー」目的で来ている人だけを、分析対象とした。 昨年1月以降の1週間ごとの時間帯別(2時間単位)の人出をみると、感染者数が少なかった3月下旬までは、年始の週を除き、午後6時~8時が最も多かった。 この時間帯では、7カ所の繁華… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関西の夕方といえば…の名物番組に幕 社会の変化が影響
「ぷいぷい」の愛称で親しまれたMBSの情報番組「ちちんぷいぷい」(月~金、午後1時55分~3時49分)が12日、最後の放送を迎えた。ほのぼのとした雰囲気と地域密着の姿勢で、22年にわたり愛されたローカル番組。終わるに至った背景とは。 番組が始まったのは1999年。それまで、90年代に同局が制作した午後のワイドショーは、前番組の「おかえりワイド」(98年10月~99年9月)をはじめどれも1~2年ほどで終わっていた。 状況を打開しようと起用したのが、同局のラジオパーソナリティーとして人気だった角(すみ)淳一アナ(現フリー)だ。 「当初はニュースをやりたがらなかった」と振り返るのは、スタート時から制作に携わる同局チーフプロデューサーの佐川昌裕さん。96年に脳梗塞(こうそく)で倒れ、闘病生活を送った角アナは「病室で見るワイドショーはしんどい」と言っていたという。「視聴者とおしゃべりを共有して、心の持ちようを変えてくれる番組にしよう、と思っていました」 最終週には人気企画が復活 奇抜な番組タイトルも、角アナのアイデアだ。「病気も番組もよくなれ、と願い、おまじないをかけるように『ちちんぷいぷい』にしようと提案したんです」と、2009年の朝日新聞の取材に語っている。 光を当てたのは関西の街であり… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
1億人運んだ九州新幹線、いまは鮮魚を… 全通10周年
九州新幹線は12日、博多―鹿児島中央間の全線で開業して10年を迎えた。全通以来これまでに1億2千万人を運んだが、いまは新型コロナウイルスの影響で乗客は激減。この日は新たな収益源と見込む貨客混載事業の一環で、鹿児島から鮮魚を運んだ。 午前9時25分、博多駅のホームに鹿児島中央発のつばめが入線した。乗客とともに到着したのは、鹿児島で朝取れたブリやカンパチ、タイなどが入った段ボール約30箱。車内から下ろされると、そのまま駅ビル10階の飲食店に届けられた。 新幹線の利用は前年より6割減っており、JR九州は5月から佐川急便と連携し、本格的に輸送事業に取り組む考えだ。 13、14の両日は博多駅前広場で10周年の記念イベントが開かれる。新幹線で運ばれた魚や、鹿児島と熊本の駅弁が販売される予定。(松本真弥) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル