コロナ禍が広がり、全国の学校が一斉に臨時休校した1年前。宮城県石巻市の中学1年、佐藤珠莉(じゅり)さん(13)は物語を書いた。 中学生の「莉子」の前に、白い花を持った妖精が現れる筋書きだ。 「この花は魔法のお花なの。あなたの願いを叶(かな)えてくれるわ。ただし、願いが叶うのは3回だけ」 特集「生きる、未来へ 東日本大震災10年」 3月11日、発生から10年となる東日本大震災。愛する人を失った悲しみ、住み慣れた土地に戻れない苦しさ……。さまざまな思いを抱え、歩んできた3家族を通して、被災地のこれまでを振り返る。 莉子は3歳のとき、6歳の姉を病気で亡くした。「姉と会いたい」。一つ目の願いごとをすると、両親からは見えないパジャマ姿の姉が現れた――。 「莉子」は、珠莉さん自身だ。ただ、三つ上の姉の愛梨さんが亡くなったのは病気ではない。東日本大震災で、揺れの後に幼稚園の送迎バスに乗り、海寄りの門脇町で津波にのまれて、火災に遭った。母の美香さん(46)が3日後、黒こげのバスの脇で見つけた。 《最大の被災地だった石巻市では4千人近くが犠牲になった》 大好きな姉だった。津波の前日… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
漂う香りに包まれて 兵庫の綾部山梅林が満開に
「ひと目2万本」といわれ、梅の名所として知られる綾部山梅林(兵庫県たつの市御津町)で梅の花が見頃を迎えている。3月中旬まで。 播磨灘をのぞむ丘陵約24ヘクタールに白やピンクの花が広がり、訪れた人が散策を楽しんでいた。 梅林を管理する黒崎梅園組合によると、今年は新型コロナウイルス感染防止のため消毒液を売店などに設置しているほか、屋外での催しも中止した。 入園料は高校生以上500円、小中学生400円。問い合わせは同組合(079・322・3551)。(西岡臣) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
結婚後の姓、ネットで決めた 彼の両親は猛反対でも
彼は「田村」、彼女は「石川」。どちらの名字にするか、それをどんな方法で決めるのか――。結婚を決意した都内の26歳カップルは、悩んでいた。 中高時代の同級生で、何でも本音で言い合えるフラットな関係。男だからデートプランを考えるとか、女だから細かいところまで掃除をするとか、そういう「男女の性別役割を押しつけないこと」が以前から2人の明確なルールだ。 日本では結婚するとき、夫または妻の氏を選び、同じ名字を名乗らなければならない。「どちらかがたとえば『道明寺』とか誰もがうらやむようなかっこいい名字だったら話は早かったんですけど。どちらもありふれた名字で、2人ともできれば自分の名字を変えたくなかった」 さて、どう決めたらいいのか。 1971年2月14日の朝日新聞朝刊の連載「男と女」にも、同じように悩み、クジ引きで決めたという京都在住の30歳の夫婦が登場。勝った妻のこんな言葉が紹介されている。 ジェンダーをめぐる状況は何が変わり、何が変わらずにきたのでしょうか。50年前の新聞と、今とを行き来しながら考える連載です。 「男女平等のようでいて、どっ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
松島の空に描いた五輪秘話 「練習でも経験ない」悪環境
聖火到着の式典で、航空自衛隊のブルーインパルス(ブルー)が空に五輪シンボルを描いてから間もなく1年。「練習でも経験したことない、操縦が困難なほどの強風だった」。パイロットとして参加した佐藤貴宏さん(35)が、当時の舞台裏を明かした。 【動画】ブルーインパルスのコックピットから見える景色=長島一浩、関田航撮影 聖火は2020年3月20日、ギリシャから、ブルーの拠点である航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)に運ばれた。 当日の松島基地周辺は、式典の参加者がまっすぐ立っているのに苦労するほどの強風だった。佐藤さんによると、「地上よりも上空はさらに風が強く、練習でも経験したことがないほどだった」という。 特集企画「生きる、未来へ」 3月11日、発生から10年となる東日本大震災。愛する人を失った悲しみ、住み慣れた土地に戻れない苦しさ……。さまざまな思いを抱え、歩んできた3家族を通して、被災地のこれまでを振り返る。 佐藤さんの担当は、スモークで黄色の輪をつくること。30秒ほどの旋回で、直径約1200メートルのゆがみのない円を描かなければならない。それだけでも難しいのに、さらに他の4色と、旋回やスモークを出すタイミングをカチッと合わせられなければ、失敗になる。経験のないほどの強風の中で成功させるハードルは高かった。 それでも、1964年東京大会以来の歴史に残る挑戦に、ミスは許されない。「プレッシャーを非常に感じて。一生懸命イメージトレーニングして、舞い上がらないようマインドコントロールしました」 結果、スモークは強風ですぐに流されてしまったものの、飛行のタイミングや形は成功。ほんの一瞬ではあったが、空に五輪を焼きつけることに成功した。 2カ月後の5月29日には、コロナ禍下の東京上空をフライトすることで医療従事者らに感謝を伝えた。 フェニックスという「く」の字のような隊形を組み、まっすぐ進む飛行で、「五輪シンボルに比べれば比較的容易なうえ、風も無かったので、成功のプレッシャーはそれほどでもなかった」という。 ただ、自衛隊機が都心上空を飛ぶ機会は普段はほぼないため、「スカイツリーや東京タワーが目に入ったときは、多くの人が見ているんだなと意識してしまい、少し緊張しました」と振り返った。(伊藤嘉孝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ALSOKが削除した除菌商品のリリース「販売控える」
警備大手の綜合警備保障(ALSOK(アルソック))と大木製薬が提携し、「50万個」という目標を掲げていた空間除菌用品の販売計画が中止になった。コロナ禍で「売れ筋」となる空間除菌用品だが、宣伝方法や法的・技術的な問題点は以前から指摘されていた。 2月26日、ALSOKと空間除菌用品「ウイルオフ」シリーズを製造・販売する大木製薬の公式サイトから、ひっそりとあるリリースが削除された。 タイトルは「感染対策が“セキュリティ”の一つになる時代 ALSOKと大木製薬が携帯用空間除菌用品の法人向け販売を強化」。 2月9日付で発表された内容は… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ロマンスカーミュージアム、4月19日に開館
小田急線海老名駅(神奈川県海老名市)の隣接地に整備中の「ロマンスカーミュージアム」が、4月19日に開業することが決まった。小田急電鉄が8日、発表した。 施設は鉄骨2階建てで、延べ床面積は約4400平方メートル。「“子ども”も“大人”も楽しめる鉄道ミュージアム」をコンセプトに、特急「ロマンスカー」の歴代車両と1927年の小田急線開業時の通勤車両「モハ1」の計6車種11両の実物を展示する。併設のカフェ「ロマンスカーミュージアムクラブハウス」では、沿線の食材やロマンスカーにちなんだメニューを提供するという。 感染症対策で当面は入館を事前予約制にし、詳細は今後、公式サイト(https://www.odakyu.jp/romancecarmuseum/)などで公表する。料金は大人(中学生以上)900円、子ども(小学生)400円、幼児(3歳以上)100円。(豊平森) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
転覆漁船から11人を全員救助 船団を横風と高波が襲う
8日午後6時20分ごろ、島根県浜田市の馬島灯台から北北西に21キロの沖合で、「第1吉勝丸が転覆した」と漁船団の灯船の船長から118番通報があった。乗組員11人は僚船が全員救助した。1人が病院へ搬送されたが、浜田海上保安部によると、大けがをした人はいないという。 同保安部によると、第1吉勝丸は吉勝漁業所有の中型船(19トン)。乗組員11人全員が海に投げ出されたという。僚船の船長らによると、午後4時半ごろに船団を組んで出港したが、目的の漁場に着く前に強い横風と高波に襲われたという。午後6時ごろ、第1吉勝丸から僚船に救助を求める無線が入ったが、すでに傾いた状態で転覆しており、僚船2隻で11人を救助したという。 救助された男性(43)は「横風が強くて、波も高くだいぶしけていた。投げ出されたときはもうダメかと思った」と話した。 島根県水産課によると、第1吉勝丸はイワシやアジなどを取る巻き網船という。(水田道雄、榊原織和) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性暴力の根絶へ刑法改正を 国際女性デー、フラワーデモ
国連が定める国際女性デーの8日、東京・霞が関の法務省前で、性暴力の根絶を訴える「フラワーデモ」が行われた。参加者は法務省の有識者会議での刑法改正議論を見据え、「性暴力被害の実態に即した刑法改正を」と訴えた。 「同意のない性交を性犯罪に」「地位を利用した性犯罪に罰則規定を」 8日昼過ぎ、こんなプラカードや花を持った人たちが声を上げた。フラワーデモの呼びかけ人で、作家の北原みのりさんは「フラワーデモで2年間聞いてきた被害者の声から、必要な刑法改正だと思っている。きちんと私たちの声を届けられるように頑張りたい」。 参加した神奈川県の森沢法子さん(49)は14歳から数年間、実父から性被害を受けた。「暴行や脅迫がなければ罪に問うことができないなんておかしい。不同意の性交や性的行為は必ず罰せられるべきです」と訴えた。 現行の刑法は2017年、性暴力被害者の告訴がなくても罪に問えるなどに改正。さらなる改正の是非を、同省がもうけた有識者検討会が昨年6月から議論しており、この日も13回目の会議があった。検討会の議論を踏まえて法相が法制審議会に改正の是非を諮問するか判断するが、結論が出る時期は決まっていない。 被害者や専門家らが問題視する… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
知花くららさん、聖火ランナーを辞退 「妊娠のため」
東京五輪の聖火リレーで沖縄県内を走る予定だったモデルの知花くららさん(38)が、ランナーの辞退を県に申し出た。所属事務所から県に対し「第2子妊娠のため、苦渋の決断で辞退する」との連絡があったという。 県内のランナーでは、俳優の玉城ティナさん(23)が2月17日に県に辞退を申し出ている。 県によると、知花さんは5月1、2日に沖縄県で予定されている聖火リレーで、1日に出身地の那覇市を走る予定だった。参加に向けて調整を続けていたが、今月5日に辞退の連絡が県側にあったという。知花さんは同日、インスタグラムで妊娠を公表した。 仕事の都合を理由にすでに辞退している玉城さんとあわせ、後任のランナーは県提出のリストをもとに、大会組織委員会が調整しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不快な生理にピリオドを 吸水ショーツを販売する27歳
生理中に使える吸水ショーツを作って販売する寺尾彩加さん(27)。偶然知った米国製のショーツを使ってみたら快適さに驚き、日本で作ってみようと決意。「おしゃれでかわいく」作った最初の製品はクラウドファンディングで資金を募って販売した。大手メーカーも参入するが「吸水ショーツに光があたるのは大歓迎」と意気軒高だ。 月一回やってくる生理の時に使える吸水ショーツを企画、販売している。ナプキン代わりに使う人も増えている。 東京出身。新卒で動画制作会社に就職し、女性向けアプリのPR画像などを担当していた。ネットで偶然、米国で吸水ショーツ製造・販売の創業者のインタビューを読んだ。「こんなのがあるんだ」と驚いて即注文。使ってみたら快適で、日本で同様なものを探したが見当たらない。 「ならば自分で作ろう」と調べ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル