堺市で1月、40代の夫婦が乗った車に「あおり運転」をしたとして、堺区検は2日、同市南区の無職谷慎二容疑者(45)を道路交通法違反(妨害運転)罪で2月26日に略式起訴したと明らかにした。堺簡裁は同日、罰金50万円の略式命令を出し、即日納付された。 夫婦があおり運転の様子をスマートフォンで撮影し、動画の提供を受けた大阪府警が2月8日に谷容疑者を逮捕していた。捜査関係者によると、谷容疑者は「運転する直前まで自宅で酒を飲んでいた。あおり運転を始めたきっかけは覚えていない」と話したという。ただ、供述以外の証拠を得られず、飲酒運転での立件は見送られた。 起訴状によると、谷容疑者は1月27日午後9時55分ごろ、同市南区から中区の路上を軽自動車で運転中、時速40~60キロ台で走行する夫婦の車に対し、車間距離を後ろから約2・6メートルに詰めたり、約2・6~3・3メートル前方に割り込んだりするなど、危険を生じさせる恐れのある運転をしたとされる。 一方、大阪地検堺支部は、被害女性に腰椎(ようつい)ねんざを負わせたとされる自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致傷)の逮捕容疑については不起訴処分(嫌疑不十分)とした。理由は明らかにしていない。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ウシとフクロウ合体させた作家 道行く車に訴えたいこと
福岡県宮若市の鉄造形作家、石橋鉄心さん(76)が干支(えと)の丑(うし)にちなんだ新作を制作した。「コロナ禍で困難な時代に牛のように一歩一歩前へ進もう」との思いを込めて、主宰する「鉄の美術館」の入り口に置いている。 新作がモチーフにしたのは牛の頭と、福岡県福津市の宮地嶽神社に伝わる縁起物のモマ(フクロウ)で、両者を一体化させた。高さ140センチ、重さ65キロ。直径6ミリの丸い鉄棒を溶接して造形、目玉の部分には鉄パイプの廃材をはめ込んだ。 石橋さんは2006年に子ども3人が犠牲になった福岡市の飲酒運転事故を機に、翌07年の分から干支シリーズの制作を開始。のぼりを添えるなどして道行く車に飲酒運転撲滅を訴えてきた。今後はフクロウと干支の動物の組み合わせに取り組むという。(遠山武) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
お別れ前に、会いに来て 休止の水族館に「推し」ずらり
3月末で営業を休止する志摩マリンランド(三重県志摩市)で1日、特別展が始まった。来館者の思い出に残ることを意識し、8人の飼育員によるおすすめの生き物を並べ、手作りのパネルも添えられている。 最後となる特別展で展示されているのは魚類を中心に58種類、計約180点。企画した飼育員の杉山弘樹さん(32)にとって、選んだ生き物たちは、どれも深い思い入れがあるものだ。 房総半島以南に生息するベニツケガニは、「泳ぐカニ」として知られている。実際に泳ぐ姿を目の当たりにした杉山さんは「衝撃のあまり、のけぞりそうになった」と振り返る。 ウミウシの仲間にも深い愛を注いできた。捕食したクラゲの毒針を使い、自らの身を守るために役立てる種類もいるという。杉山さんは「そのタフさには圧倒される」と話す。 最初に任されたマンボウは… 館長を務める里中知之さん(54)の思いが向けられる生き物は、この水族館のシンボル的な存在のマンボウだ。日本大学で水産学を学んだ後、研究員として1989年に入社した。「最初に任されたマンボウは、見ているだけで癒やされる愛らしい表情をしていた」と語る。 そんな里中さんは、89年生まれの杉山さんにとってあこがれの存在だ。奈良県出身の杉山さんが小学校4年で初めて志摩マリンランドを訪れたとき、バックヤードを案内してくれたのが里中さんだった。 初めてマンボウを見た杉山さんは当時、「ゲームのキャラクターみたいで、空想上の生き物かと思った」と驚いた。水族館の飼育員になることが将来の目標になり、魅力的な伊勢志摩の生き物が集まっている志摩マリンランドで働くことを夢見るようになった。 生き物のかわいさや面白さ、多様さを間近で見てきたからこそ、杉山さんは最後の特別展を「限られた時間ではあるが、改めて生き物たちの魅力や特徴を伝えることで、多くの人の思い出に残るものにしたい」と考えている。 志摩マリンランドは70年に開館した。1月に営業休止が発表されると、県内外から名残を惜しむ多くのファンらが訪れている。120台分の駐車場が満車になることもある。3月の土日と20日以降は閉館時間を1時間延長して対応する。 問い合わせは志摩マリンランド(0599・43・1225)。(安田琢典) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
写真か動画か…NMB南波陽向の結論は 緊張の最終回
今年から始まった大学入試改革では、思考力や表現力がより重視されるようになりました。改革の先行きが不透明な中、どう勉強すればよいのか。NMB48のメンバーが書いた小論文を大手予備校・河合塾の講師に添削してもらい、ヒントを探ります。南波陽向(なんばひなた)さん(19)がお題を読んで挑戦しました。 今回は3回シリーズの最終回。過去2回の小論文と講評は、以下のリンクからご覧ください。 ■今回のお題 「思い出に残すなら写真か動画、あなたはどちらが良いと思いますか。その理由も書いてください」(200字以内) ■「写真がいい」その理由は? 南波陽向さんの小論文 写真がいい。とは言え、写真は光景を瞬間的に決めて撮れるが、情報量が少なく、動画は臨場感があるが印刷して飾れない。このように両者ともに一長一短あるが、それでも写真がいいと思うのは、情報量が少ないという写真の短所はある意味長所になるからだ。写真は思い出の一瞬しか写せないが、その一瞬の情景で様々なことを思い出せる。友達と笑っている写真でも当時の会話や笑い声、人によって思い出すものが違うのも魅力だろう。 ■「改善点は…」 河合塾・加賀健司講師の講評 出題と添削を担当するのは河合塾で小論文を指導する加賀健司講師です。 ◇ 読み応えのある文章です。写真と動画の魅力を考え抜いた上で、「思い出」として残すなら、メディアが限定的で見る人に遊びの余地がある写真の方が面白くなる、と考えを深めたことがよく伝わります。この自分から離れた大きな視点がある一方、「友だちと笑っている写真」という表現で「自分の視点」にも引きつけた。両方の視点があることでこの文章がさらに説得力あるものになりました。 ここまで濃密な内容が書けるようになったら、もう200字では足りないでしょう。さらに欲張って文章の構成を整理して、表現を補ってみましょう。 改善点は前半部分。「とは言え」から始まる文は、両方のメディアの長所と短所を端的に示していますが、構成としてちょっと回りくどい印象があります。また、ここで挙げた動画の長所と短所を後半で受け止めていません。さらに、写真についてこの短い小論文の中で「情報量が少ない」という言葉を2度使っている。ここを整理しましょう。 例えば「動画にはこんなメリッ… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
10病院が受け入れ拒否、弟は逝った 兄が伝えたいこと
名古屋市で1月24日、元会社員の男性(当時65)が10カ所の病院に救急搬送を断られ、途中で心肺停止状態になり、搬送先の病院で死亡した。突然、死を知らされた男性の兄(68)が「これは日本中で起きうる話。二度と同じことが起きないよう、弟に何が起きたか伝えたい」と、朝日新聞の取材に応じた。 「2日前から腰が痛くて寝られない。運動で散歩せないかん」 1月24日、男性は午前中から以前の勤務先の元同僚ら3人と会い、体の不調を口にしていた。月1回、男性と元同僚らは4、5人で集まって食事をすることがあった。だが、この日は食事をせずに帰ると言うので元同僚が午後6時40分ごろ、家の近くまで車で送った。 男性自身が119番通報したのは、その直後だったとみられる。名古屋市の発表によると、午後7時ごろ通報があり、救急隊が13分後に到着。搬送する病院を探し、市内の病院10カ所に計11回受け入れを依頼したが「ベッドが満床」などの理由で断られた。いずれの病院も、新型コロナウイルス感染者の入院を受け入れている病院だった。 11カ所目で市外の病院への搬送が決まった。出動指令からすでに43分。向かう途中で心肺停止状態になった。結局、病院到着までに計1時間6分かかった。 市では、通報から病院到着に要した時間は2019年で平均約30分で、倍以上の時間がかかったことになる。市によると、搬送に時間がかかって心肺停止になった例は初めてという。 男性の死因は、急性心不全による低酸素脳症。死亡診断書に心不全が起きた原因は書かれていないが、持病の糖尿病やがんなどが影響したとある。 男性は、周りに親族の連絡先を知る人がなく身寄りがないと思われていた。「亡くなった」と病院から連絡を受けたのも以前の勤務先と、直前まで一緒にいた元同僚だ。男性が入社時に提出した資料にあった兄の連絡先は電話がつながらなかった。25日、男性の遺体は葬儀場に移されたが、葬儀日程を決められないまま何日も過ぎた。 元同僚は、男性の死亡が確認された病院がある自治体から「友人葬」をする意向があるか確認された。葬儀場から見積もりを取り、カンパを募って準備を進めたが「なんとか家族を見つけてあげたい」と思った。電話は通じなかったが、兄の名前と住所を手がかりに電話番号案内「104」で今の電話番号を探し当てた。 弟に何が起こったのか 真実が知りたい 2月1日、ようやく兄に連絡がついた。 兄は、突然の知らせに「なぜ警… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛知リコール署名、事務局の幹部を任意聴取 愛知県警
大村秀章・愛知県知事へのリコール署名の偽造事件で、愛知県警がリコール運動事務局の男性幹部を任意で事情聴取したことがわかった。県警は地方自治法違反(署名偽造)容疑で捜査している。事務局側の不正への関与について説明を求めたとみられる。 任意聴取を受けたのは、37人いるリコールの請求代表者の1人。積極的に街頭演説をするなど中心的な立場だったという。男性幹部は2日、報道陣の取材に「警察の事情聴取は受けたが、内容は言えない」といい、不正への関与について「関与したかも含めて一切お話ししない。時が来たらしっかり話す」と答えた。 この事件で県警はリコール署名全約43万5千筆を市区町村の選挙管理委員会から押収した。事務局幹部から「代筆のための人を集めて」と発注を受けたとされる名古屋市の広告関連会社の幹部から任意で事情聴取。事務局幹部名の発注書の提出を受け、捜査を進めてきた。今回聴取を受けたのは、発注書に署名のあった幹部とは別の幹部。 知事へのリコールは、国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」をめぐり、美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが呼びかけ、名古屋市の河村たかし市長らが支援した。愛知県選挙管理委員会は集まった署名の約83%にあたる約36万2千筆に無効の疑いがあるとして、先月15日、県警に刑事告発した。(小松万希子、山下寛久) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ぎゅっと寄り添う「密」トリオ 大人の心奪うカワウソ達
「ほら見て。赤ちゃんだって! 3頭いるらしい」 見物客がじっと水槽をのぞき込む。 奥の四角い穴で、白い何かが動く。息をのんでカメラを構えていた男性(27)が姿をとらえた――。記者に画像を見せてくれたが、「ああ……ぶれてた。もう少し、粘ってみます」。 癒やしを求めて、皆が会いたがっていたのは、サンシャイン水族館(豊島区)のコツメカワウソの赤ちゃんだ。1日、生後1カ月を迎えた。3頭ともメスで、名前はまだない。 カメラを構えた男性は、同館が発信した写真をツイッターで見つけ、心を奪われた。タオルの上に、ふんわりとした毛並みの三つの頭が並び、小さな目を閉じている。「こんな時期でも関係なく、ギュッと『密』になっている。どうしても直接目にしたくなって」 飼育員の芦刈治将さんによると、この写真は、生後19日目、2度目の体重測定の場面。実際にこんな場面を見るのは難しく、コロナ禍でも来てくれた客をガッカリさせまいと、水槽の横で誕生からこれまでの動画を繰り返し流している。 小動物と触れ合うカフェも含め、国内に約300頭いるとされるコツメカワウソ。珍しくはないものの、目が開いたばかりの3頭の「3密」が見られるのはコロナ禍の今しかない。(川口敦子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ゴーン氏に「共感」 元グリーンベレーが狙った関空の穴
日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(66)の海外逃亡を助けた容疑で米国から日本に移送されることになった米軍の特殊部隊「グリーンベレー」元隊員のマイケル・テイラー容疑者(60)は、2020年7月の米バニティフェア誌で、一連の経緯を詳細に語っていた。 同誌によると、マイケル容疑者は19年春、知人のレバノンの実業家から電話を受け、ゴーン元会長の逃亡計画を知らされた。実業家を介して元会長の妻キャロル氏と首都ベイルートで会い、元会長の日本での勾留について「捕虜のように扱われた」と聞かされた。自身も米国の刑務所に収容された経験があることから、「彼は被害者だと考え、共感した」といい、計画への参加を決めたという。 マイケル容疑者は海上作戦、空… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
部下を蹴り殴打 消防署でパワハラ、発覚後「見張り」も
消防署内で部下へのパワハラ行為があったとして、神奈川県海老名市は1日、消防職員計12人を処分し、発表した。うち5人は懲戒処分。上司によるパワハラの黙認や、市の調査への妨害行為もあったとされ、事態を重くみた市は全庁的な再発防止策に乗り出す。 懲戒処分の内容は、消防本部消防署第3警備課救助係長(48)が停職1カ月、同課主任主事(36)が減給10分の1(3カ月)。監督責任を問われ、同課本署担当課長(57)が減給10分の1(1カ月)、消防本部副署長兼同課長(59)と消防本部消防次長兼消防署長(55)が戒告となった。 このほか、消防長ら7人が文書訓告や文書注意の処分を受けた。 市や市消防本部によると、停職となった救助係長は昨年5~6月、部下の男性(20)に、職場で本人の承諾なく前髪を切る▽救命ボート室外機の点検作業中にミスをしたとして顔面をバインダーで殴打▽訓練中のミスに対し、足を数回蹴ったうえ腕立て伏せをさせる――といったパワハラ行為をした。勤務時間外に私的な買い物もさせていたという。 さらに9月下旬、パワハラ行為をめぐって市ハラスメント苦情相談対応委員会の会合が開かれる予定だった市役所の玄関付近で部下2人に見張りをさせ、委員会への情報提供者を特定しようとしたとされる。委員会側が動きを察知し会合は延期された。市は、調査への妨害行為で、情報提供者の保護を困難にしかねない悪質な行為だと判断した。 また、減給となった主任主事は… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
足利の山火事、鎮圧までの8日間 「戦場のようだった」
栃木県足利市の山火事に「鎮圧宣言」が出た。和泉聡市長は1日夕の会見で「午後4時に『鎮圧』と決めた。305世帯に出していた避難勧告も解除する」と述べた。鎮火までには、あと数日かかる見通しだ。 和泉市長は「鎮圧できたのは市民の協力があってのこと」と強調。応援に駆けつけた県内外の消防職員や消防団、自衛隊員らに「勇敢さと、市民に安心を与えてくれたことに感謝したい」と繰り返した。 この24時間で白煙が3カ所から上がったが、すぐに消し止められた。1日、足利市消防本部の大美賀裕消防長から鎮圧の上申を受けた和泉市長は、東京消防庁のヘリで現場上空から状況を確認した。今後は鎮火に向けて、佐野、栃木両市と群馬県太田、館林、伊勢崎各市の応援を得て、残り火を消す作業を続ける。 広がった三つの要因 今回、ここまで山火事が拡大したのには、いくつかの要因が考えられる。 一つ目は、今年に入って現場となった両崖山などでボヤが起きていた。労災の経験則「ハインリッヒの法則」では「1回の重大事故の前には29回の軽微な事故がある」とされる。今回も火の取り扱いについて、もっと山に入る人たちに注意喚起すべきだった。 二つ目には山林火災への備えだ。この時季、両毛地域は「赤城おろし」と呼ぶ北西の季節風が吹く。今回も2月23、24日に強風が吹いた。一時はヘリからの散水もできなかった。強風時の対応策も必要だった。 三つ目は「魔の13時間」と呼ぶ夜間対応だ。ヘリは夜間飛行できず、地上からの消火活動も困難。今回は夜を徹して消防隊員が警戒に当たった。 県南部や両毛地域は広域で森林が多い。鎮火までの丁寧な対応と同時に、今回教訓をどう生かすか、残された課題は多い。(根岸敦生) 土日も「ぱちぱち」と音が 避難勧告が解除された両崖山に接した足利市西宮町。「助かってよかったです」。栗田恵美子さん(57)はほっとした表情を見せた。目の前で山の斜面が燃えさかり、一時は白煙が自宅周辺を包んでいたという。 21日夕、数十人の消防隊員が… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル