14年前、生まれた干支(えと)にかえり、人生の新たな始まりを意味する「還暦」に、体と自認する性が異なるトランスジェンダーだと公表した。岐阜県各務原市の雪斎(せっさい)さん(74)は、毎日ミニスカート姿で街に出る。振り返ってジロジロと見られることもあるが構わない。「自分が自分でいられる社会に」。そんな決意の上でのミニだから。 「違和感」は小学3年のころ。かわいい服を見ると「自分も着たいな」と憧れの気持ちが芽生えた。恋愛とは違う感情で周りの女の子に興味を持ったが「口に出せるような空気は当時の社会にはなかった」。 中学2年の夏休み、男性から性… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「戦没者を冒瀆」 辺野古、遺骨眠る土砂使用にハンスト
沖縄県名護市辺野古の基地建設をめぐり、埋め立ての土砂の調達先に沖縄本島南部が含まれていることについて、現地で遺骨収集を続けてきた市民団体「ガマフヤー」代表の具志堅隆松(たかまつ)さん(67)らが1日、反対を訴えるハンガーストライキを那覇市で始めた。 本島南部では、沖縄戦で米軍に追いつめられた日本兵や民間人らが犠牲になった。40年近く遺骨収集を続ける具志堅さんは、南部にはまだ調査が手つかずのガマ(自然洞窟)などがあり、このままでは遺骨が土砂と共に運び出されることを指摘。沖縄防衛局に土砂採取計画の断念を求めている。 具志堅さんは多くの人にこの問題を知ってもらおうと、人通りのある県庁前でのハンガーストライキを決意。「辺野古の基地建設に反対・賛成以前の問題で、本土の遺族にもこの戦没者への冒瀆(ぼうとく)を知ってほしい。遺骨が眠る土砂を軍事施設に使うことは許されない」と語った。 防衛省は昨年4月、辺野古の海で軟弱地盤が見つかったことを受け、設計変更申請書を県に提出。申請書では、県内で調達できる土砂のうち7割にあたる約3160万立方メートルを、本島南部の糸満市と八重瀬町内で調達可能としている。 具志堅さんや賛同して参加する有志は、体調を見ながらハンガーストライキを6日まで続ける予定だ。(国吉美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
昔はラジオ、今は ポッドキャストがつなぐ若手農家の声
インターネットで音声を配信する「ポッドキャスト」を使い、農家が仕事の裏話やうんちくなどを発信する「農系ポッドキャスト」が、全国的な広がりを見せている。畑仕事の「相棒」といえば以前はラジオだったが、スマホの普及で若手農家の間ではポッドキャストを聞きながらの農作業が広まり、普及を加速させているようだ。 拡大するポッドキャスト番組「おみそしるラジオ」を配信する3人。右から堀田健一さん、阿部俊樹さん、住田良平さん=2021年2月12日、三重県四日市市 実感した「肉声の力」 金曜日の夕方、三重県四日市市の郊外にある農家の倉庫に、3人の男性が集まった。箱の上に板を敷いたテーブルの上には、マイクとパソコン。午後6時半、ポッドキャスト番組「おみそしるラジオ」の収録が始まった。 キュウリ農家を営む「しなやん」こと阿部俊樹さん(39)が、近所でナスなどを栽培している「ナスケン」こと堀田健一さん(34)と、友人の会社員「すみへい」こと住田良平さん(33)に声をかけ、2019年1月から始めた。 阿部さんは実家が兼業農家だった。しかし、「田舎くさい」などと、農業に良い印象を持っていなかった。 阿部さんたちがポッドキャストの世界に入るきっかけになった番組「ノウカノタネ」を配信する鶴田祐一郎さんが、朝日新聞ポッドキャストに出演してくださいました。 朝日新聞ポッドキャストは Apple Podcasts や Spotify では毎日配信しています。音声プレーヤー右上にある「i」の右にあるボタン(購読)でリンクが表示されます。 それが、名古屋市でエステ関係… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
くじ引きの方が民主的?震災にコロナ、問われる民主主義
震災とコロナ。ふたつの緊急事態を結んで見えるのは民主主義の代表制の欠陥だ、と若手憲法学者のエース、江藤祥平さんは言う。解決のキーワードは「くじ」だという真意を聞いた。 ――コロナ禍で緊急事態宣言が出される中、東日本大震災から10年という節目が近づいています。 「この国では、もう一つの緊急事態宣言が続いています。そのことを忘れている人も少なくないのではないでしょうか。震災当日、東京電力福島第一原発の事故を受けて発令された原子力緊急事態宣言のことです。原発から20キロ圏内に避難指示が出され、住民は強制避難を余儀なくされました。それから10年、放射能汚染の危険が残っている地域もあり、宣言は解除されず、故郷に戻れない人たちがいます。住み慣れた土地を今も奪われているのです。しかし、福島から遠くに住む『我々』は、まるで緊急事態などないかのような錯覚に陥っているように思えます」 「災害では、社会的に弱い立場にある人ほど大きな影響を受けやすい。ソーシャルメディアで『頑張ろう』と呼びかけている人々は、まだ恵まれた環境にいます。本当に苦しい立場にある人々は、声を上げることすらできず、社会からも見えない。声なき声が、福島を忘れて原発事故の教訓を風化させている現状を告発しています」 「汚染水や廃炉などの問題が山積した福島という『異空間』が、圧倒的な現実として、私たちの社会のあり方、統治の仕組みはこれでよいのかと迫ってきているのです」 ――どういうことでしょうか。 「原発が超長期的に利用できる… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ある日突然こっち側 ハッシュタグ「コロナ陽性」が救う
コロナ禍で人とのリアルな接触が減り、ますます存在感を増しているのがSNSの世界だ。「第3波」の感染拡大では、どのようなやりとりが交わされているのか。ツイッターの世界を探っていると、あるハッシュタグが目についた。 「#コロナ陽性」――。新型コロナウイルスに感染した人が、自分の症状や療養の経過をこのハッシュタグを付けて発信しているようだった。アカウント名には「コロナ患者」「ホテル療養中」「コロナ記録」など、ストレートな名前が並ぶ。こうした投稿が、昨年11月ごろから急増していた。 SNS分析ツール「ブランドウォッチ」を使って調べてみると、表示名やプロフィルにコロナ感染を明示しているアカウントは、2月26日現在で400件以上確認できた。 拡大する【グラフ】新型コロナ感染者、投稿を始めたのはいつ? なぜ、感染者であることを明かして発信しているのだろう。《コロナ陽性でした》《まさか自分が》。そんな言葉で始まるつぶやきをたどって、ツイートの当事者に思いを聞いた。 ◇ はじまりは、「風邪になる手前」くらいの、のどの軽い違和感だった。 昨年12月初旬の朝。東京都新宿区でネイルサロンを営む女性(41)は「風邪かな」と思い、大事を取って仕事を休んだ。だがのどの痛みは翌日も続いた。ただの風邪と信じていたが、念のため近くの医療機関でインフルエンザと新型コロナの検査を受けた。インフルエンザは陰性だった。 その夜、39度台の熱が出た。翌日、コロナのPCR検査結果が陽性だったと知らされた。 マスクや手洗い、消毒を毎日欠かさず、接客はアクリル板越し。感染対策は徹底していたはずだった。繁華街のすぐ近くでの一人暮らし。日常茶飯事だった外食も、感染を警戒して秋以降は1人か2人で、頻度も減らしていた。 当時、新型コロナの国内の感染… 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル