新型コロナウイルスについて名古屋市が30日、緊急記者会見を開き、5月2日にも市内の病床が満床になる恐れがあると警鐘を鳴らした。「第3波」を超えるペースで感染拡大しており、変異株の影響ではないかと市はみている。 市の担当者は「変異株感染者のウイルス排出量は従来の100~1千倍という海外の論文もある」と説明。それだけ感染力が増しているとみられる。例えば、仕事場での打ち合わせで互いにマスクをしていたのに感染したとみられる事例も市内で起きているという。 市の7日間平均の新規感染者数は4月19日以降、「第3波」の2・4倍のペースで増加。このままでは5月4日に「第3波」の最大値136人を超えるという。入院者数も約2倍の増加率で、実際に使える市内の234床を5月2日に超える恐れがある。 目立つのが20~50代の感染の多さで4月19~25日は市内全体の75%を占めた。40~50代で急激に悪化し入院するケースが増えており、なかには基礎疾患がない30歳がECMO(エクモ、体外式膜型人工肺)を使うほど重症化した例もある。重症者は19人で重症病床38床の半分が埋まったという。4月28日ごろから入院調整や救急搬送に時間がかかる事態になっており、市は愛知県と調整して病床確保の準備を進めている。市幹部は「400床確保したいが、一般の治療に影響するのも問題。感染状況に応じて各医療機関と交渉するしかない」と話す。 山田隆行・新型コロナウイルス感染症対策監は、大阪と似た状況だとし「軽い風邪ぐらいで終わるだろうというのは大きな間違い。全然ステージが違う。感染力が強く、1人かかれば家族全員陽性になる事例も枚挙にいとまがない」と若い世代に注意を呼びかける。高校生や大学生では部活動後の仲間内での飲食や友人とのカラオケ、20~30代では同僚や友人との会食で感染が広がっているという。市担当者は「屋外でも昼間でも飛沫(ひまつ)が飛ぶので感染リスクは変わらない」と、大型連休中の家族以外とのバーベキューや会食、公園飲み、帰省などは控えてと呼びかけている。(堀川勝元) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
失明した手術のカルテ改ざん 東京女子医大に賠償命令
東京女子医大東医療センター(東京都荒川区)で、白内障の手術を受けて失明した男性が病院側に約2900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、東京地裁であった。桃崎剛裁判長は、手術のリスクを事前に十分説明しなかったうえ、カルテを改ざんしたと認定し、約1千万円の支払いを命じた。 原告の坪井昇さん(88)は2013年11~12月、両目の白内障手術を3回受けた後に左目を失明した。 判決は担当医師について、手術は高いリスクを伴うが必ずしも視力の改善は保証されず、手術しなくてもすぐに失明することはないという事前説明をしなかったと認定。「説明義務を果たしていれば原告は手術に同意せず、手術は実施されず失明することはなかった」と指摘した。 さらに手術記録や看護記録と照合し、カルテの改ざんも認めた。目の一部組織が元々断裂していたなどという記載は事実と違う内容を追記したもので、術後の眼圧についても後で上からなぞって正常値に近い数値に修正したと指摘。「改ざんが発覚しなければ医師の責任が否定されたかもしれず、悪質だ」と批判した。 坪井さんは判決後の会見で「目が見えなくなったのは悲劇。私のような人がこれ以上出ないようにしてほしい」と語った。 見えなくなった悲劇 「医者を信用できなくなった」 「家族にリスクは説明したと… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
紀州のドン・ファンと元妻、死亡前の約4時間2人きりに
和歌山県田辺市で2018年5月、「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家の野崎幸助さん(当時77)が急性覚醒剤中毒で死亡した事件で、野崎さんが死亡直前、4時間前後にわたって元妻の須藤早貴(さき)容疑者(25)=殺人と覚醒剤取締法違反容疑で逮捕=と自宅で2人きりだったことが、捜査関係者への取材でわかった。2人は夕食も一緒にとったとみられる。県警は須藤容疑者がその時間帯に致死量の覚醒剤を摂取させた疑いがあるとみている。 捜査関係者らによると、事件当日の5月24日、野崎さん宅には野崎さんと須藤容疑者、野崎さんの身の回りの手伝いをしていた女性の3人がいた。手伝いの女性はこの日、夕食用に鍋料理を作った後、午後3~4時ごろに外出した。 女性が午後7~8時ごろに野崎さん宅に戻ったとき、2人はすでに夕食を済ませ、野崎さんは2階の寝室、須藤容疑者は1階の居間にいたという。 午後10時半ごろに野崎さんが寝室で倒れているのを須藤容疑者が見つけ、女性に知らせた。解剖の結果、野崎さんの胃の内容物から致死量を超す覚醒剤成分が検出され、死亡したのは午後9時ごろと推定された。 県警が薬物中毒の専門家に意見を求めたところ、致死量の覚醒剤を口から摂取した場合、死に至るまで3時間ほどかかったとしても矛盾はないとの助言を得た。逆算すると2人が夕食をとったとみられる時間帯と重なる。 当時は手伝いの女性が外出し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
児相へ銃弾や火炎瓶 脅迫容疑などで男4人を逮捕 千葉
2021年4月30日 17時21分 千葉県柏児童相談所(柏市)で昨年8~9月、敷地外から投げ込まれたとみられる火炎瓶が発見される事件や、銃弾が送りつけられる事件などが相次ぎ、男4人が脅迫の疑いなどで逮捕、起訴されていたことが捜査関係者への取材でわかった。 県警や県によると、昨年8月12日夜、同児相敷地内で割れた火炎瓶を警備員が発見。翌13日に柏児相から県警柏署に「物が投げ込まれた」と通報があった。建物に被害はなかったという。同月18日には児相の公用車の窓ガラスが割られ、座席に火をつけられた痕跡が見つかった。さらに9月4日、児相の建物の外壁にスプレーで職員の名前が書かれ、窓ガラスが割られていたのが見つかった。同月8日には銃弾が届いた。 これらの事件が起きる直前、同県野田市の40代の男と児相の間で、男の息子の一時保護をめぐってトラブルが起きていたという。男は、柏児相の職員に対して昨年8月12日、携帯電話での会話のなかで「ぶち殺すぞ」などと脅したとして、脅迫罪で起訴されている。 この男の知人が、火炎瓶などの事件で逮捕、起訴された4人のなかに含まれているといい、県警は、男と一連の事件との関連について慎重に調べている。 県や県警などは、柏児相の被害などを一切公表していなかった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
検事VS東大教授 書類放り投げる激論、法廷で5時間
「(質問の)趣旨が分かりません」。法廷でいら立ちを見せた東大教授は、持っていた書類を証言台に放り投げた。問い詰めていたのは、教授が在籍する東大出身の検察官。日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(67)の元側近の裁判で、5時間にわたって交わされた激論のテーマは「5文字」をめぐる法解釈だった。 4月22日の東京地裁。海外逃亡を続けるゴーン元会長のいない被告人席には、昨年秋の初公判以降、共犯として起訴された元代表取締役グレッグ・ケリー被告(64)が座る。 検察側が証明しようとする起訴内容は「ゴーン元会長の報酬は2010~17年度の8年間で計約170億円だったのに、有価証券報告書(有報)には各年度に実際に支払われた約79億円だけを記載し、退任後に後払いすることにした残りの約91億円(=未払い報酬)は書かなかった」というもの。罪名は金融商品取引法違反(虚偽記載)で、10年以下の懲役や1千万円以下の罰金の刑事罰が規定されている。 この日は、無罪を主張するケリー元役員側が申請した東大の田中亘教授が証人として出廷した。会社法などが専門で、解説書や論文を執筆している。 「東大の田中教授」 ゴーン元会長、レバノンで唐突に この事件で田中教授の名前を初めて公の場で口にしたのはゴーン元会長だった。20年1月、逃走先のレバノンで会見した際、「私はまだ支払われていない報酬のために逮捕された。多くの国で刑事事件にならない話だ」と述べた後、唐突に「東大の田中教授」の名前を挙げてこう言った。 「彼は『日本がこれでゴーンさんを逮捕したのは恥ずかしいことだ』と言っている」。逃亡直前、元会長の当時の弁護団が田中教授に接触し、見解を求めた時のやり取りを引用したものだった。 証人尋問では、最初にケリー元役員の弁護人が質問した。田中教授はまず、罪に問われている有報の「虚偽記載」が、金商法では「不記載」と区別されていることを解説した。 この後、「虚偽記載ではない」とする東大教授と、逆襲する検察側の5時間に及ぶ攻防を詳しく紹介します。 「重要な事項について虚偽の… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2421文字/全文:3252文字 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佳子さま、ろうあ連盟非常勤職員に 関心あり就職を希望
杉浦達朗2021年4月30日 17時37分 宮内庁は、秋篠宮家の次女佳子さま(26)が、5月6日付で全日本ろうあ連盟の非常勤嘱託職員に就任すると発表した。週3日程度、連盟の事務の仕事をする予定だが、当面は新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークで勤務する。雇用契約は来年3月31日までで更新もできるという。 同庁によると、佳子さまは手話を通じた公務を続けており、「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」にも第1回から出席している。以前からろうあ連盟の仕事に関心があり、就職を希望したという。すでに2月末から連盟でインターンとして働いており、5月6日から正式に職員となる。(杉浦達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
河井元法相に懲役4年求刑 「犯罪史上突出して悪質」
2019年7月の参院選広島選挙区をめぐり、100人に計約2900万円を配ったとして公職選挙法違反(加重買収など)の罪に問われた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)の論告求刑公判が30日、東京地裁であった。検察側は「我が国の犯罪史上、突出して悪質な公選法違反事件だ」と指摘し、懲役4年、追徴金150万円の実刑判決を求めた。弁護側の最終弁論は5月18日に行われる。 検察、3時間かけて論告書面を読み上げ 午前10時に開廷した公判で検察側は、巨額の選挙買収をめぐり、論告内容を記した50枚超の書面を約2時間にわたって読み上げた。 検察側は論告で、陣営スタッフらの証言から、克行被告が選挙運動を取り仕切る「総括主宰者」だったと指摘。動機については、自民党本部は妻の案里氏(47)を公認候補としたが、反発した党広島県連が支援を見送るなど厳しい選挙情勢のなか、「投票のとりまとめや選挙運動の報酬のために現金を配った」と説明した。 さらに、夫妻の自宅などから押収された克行被告作成の「買収リスト」は、案里氏が配った現金も含めて買収実態を正確に表しており、夫妻の共謀を示す証拠だとした。 一方、弁護側は論告に先立ち、克行被告が「贖罪(しょくざい)」として児童養護施設を支援する財団に700万円を寄付したことを明かした。 克行被告は昨年8月の初公判で、渡した現金は「陣中見舞いや当選祝い」などと無罪を主張。だが、今年3月の被告人質問で主張を一転し、「妻の(案里氏の)当選を得たいという思いがあったのは否定しない」と買収行為の大半を認めた。衆院議員も辞職した。 現金を配った理由は、広島県で影響力が強い自民党の伝統派閥「宏池(こうち)会」に所属しなかったことをふまえ、「長年ひとりぼっちで地元政界に仲間が欲しかった」と述べた。 ただ、案里氏との共謀による買収は一貫して否定。検察側が共謀の証拠とする「買収リスト」は、「頭の整理をしたもの」で買収の実態は示していないとした。 法廷での克行被告は、感情をあらわにする場面も目立った。裁判官が「広島に戻ることは考えているか」と尋ねると、「私にとってただ一つのふるさと。政治家、河井克行を育てていただいた広島の皆さまに、必ずおわびを言って歩かなければいけない」と言葉を詰まらせながら話した。 案里氏は今年2月、克行被告と共謀して県議4人に計160万円を配ったとして懲役1年4カ月執行猶予5年の有罪判決が確定し、参院議員を失職している。(新屋絵理、戸田和敬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
児童養護施設など離れた若者、3割が生活費・学費に不安
児童虐待や貧困などにより家族と離れ、児童養護施設や里親家庭で育った若者を対象とした初の全国実態調査の結果が30日、厚生労働省から公表された。回答者の3人に1人が生活費や学費で悩み、「貯金がもう底つきそうで死にそう」との声も寄せられた。 施設や里親など社会的養護を経験した若者は、自立後も親からの生活費や住居の支援が乏しく、生活が不安定になると指摘されている。今回の調査は、こうした若者が何を求めているかを把握し、支援を充実させる目的で初めて行われた。 対象は2015年4月~20年3月に、中卒以上で施設などを離れた人全員(2万690人)。就労・就学や家計の状況、健康状態について昨年11月30日~今年1月31日にアンケートを実施し、2980人から回答を得た。回答者の主な年齢層は18歳~23歳で、施設などを離れた時点の年齢は18歳が最多の60・0%、次いで19歳10・4%、15歳7・4%だった。 「現在の暮らしの中で、困っていることや不安なこと、心配なこと」(複数回答)は「生活費や学費のこと」が33・6%で最多。「将来のこと」31・5%、「仕事のこと」26・6%などが続いた。「借金のこと」は9・1%だった。 月々の収支が黒字と答えたのは全体の26・8%で、同じくらいが31・4%、赤字が22・9%だった。同居人の状況別でみると、「子どもあり」の40・0%が赤字となっていた。 「教育を受ける機会から大変遠ざけられている」 また「過去1年間に病院や歯… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:855文字/全文:1489文字 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「広島が大変」 駆け巡った緊急連絡 衆院選へ募る焦り
河井案里氏の当選無効に伴う参院広島選挙区の再選挙は25日に投開票され、野党系候補が自民候補らを破って幕を閉じた。いずれも自民を離党した案里氏や夫で元法相の克行被告による買収事件に端を発し、「政治とカネ」への不信がうねりとなった今回の選挙。保守王国・広島で起こった「乱流」のワケを各党の動きから探る。 自民候補が野党系候補の背中を僅差(きんさ)で追いかける展開となった選挙戦最終週。公明党、そして支持母体・創価学会はあせっていた。 広島から遠く800キロ離れた東京・信濃町の創価学会総本部。22日、水面下の動きを幹部が明かした。 「今日、原田稔会長が『もうひと頑張りしてほしい』とのサインを発した」 すでに地元組織は「異例の中の異例」とされる総力戦で臨んでいた。次期衆院選で初めて公認候補を立てる広島3区で、自民からの見返りがほしいという思惑からだ。 それでも新聞各紙は19日朝刊で「横一線」「野党系候補やや先行」と報道。与党が同時期に行った情勢調査でも、自民候補の支持はいまだに伸び悩んでいた。 県内の学会員は19、22の両日、地区ごとに互いの集票数を確認し合い、最終盤のさらなる奮闘を励まし合う会合を開いた。地元学会員はこう言い聞かせた。 「自民の選挙じゃない。これは自分たちの選挙だ」 拡大する自民党候補の支援を呼びかける機関紙「公明新聞」の記事。再選挙期間中、全国版1面に計6回掲載した そうしたタイミングで出された創価学会トップの「伝令」だった。それはまたたくまに全国を駆け巡った。 翌23日、関西地方の婦人部で活動する女性の携帯に一通のラインメッセージが届いた。冒頭こう始まる。 「緊急連絡」 25日に投開票された参院広島選挙区の再選挙では、37万票を獲得した野党系で諸派新顔の宮口治子氏(45)が、自民新顔の西田(にした)英範氏(39)を3万3千票差で破り、初当選を果たした。投票率は33・61%で、2019年参院選の44・67%を大きく下回った。 在住する府県の学会幹部から… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
万博協会、女性理事を大幅増員へ ジェンダー平等へ是正
2025年の大阪・関西万博の運営主体となる日本国際博覧会協会(万博協会)が、男性中心の理事の構成を見直し、女性理事を大幅に増やすことが分かった。女性比率は現在15%だが、40%以上に引き上げる方向で調整している。東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言を受け、ジェンダー平等への姿勢が問われるなかで是正を迫られた形だ。 現在の理事は、男性16人に対して女性3人。男性理事の全員に会長(中西宏明・経団連会長)、事務総長(石毛博行・前ジェトロ理事長)、副会長などの役職がついている。一方、女性には役職はついていない。 大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」。ジェンダー平等を含むSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献すると掲げているにもかかわらず、協会での女性登用が不十分だった。 複数の協会関係者によると、協会は定款を変更して理事の定員を増員したうえ、女性を10人ほど増やす方針。現状の4倍程度になる。近く正式に決める。 今後は男性理事に偏っている… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル