ふぞろいな野菜や果物だけを取り扱う小さな八百屋が、福岡市中央区のオフィス街にできた。農家が市場に出荷できないサイズや見た目がバラバラな品が並ぶ。取り扱うのは旬のものだけで、品ぞろえも十分とは言えない。起業した社長自らが表現する「不便な八百屋」とは――。 西鉄天神大牟田線薬院駅から徒歩3分の所に、「美味伊都(うまいと)」はある。昔ながらの八百屋とはひと味違うポップな内装の7坪ほどの店内には、福岡・糸島半島産のキャベツやニンジン、トマト、大根などが並ぶ。店名は、魏志倭人伝に「伊都国」として伝わる糸島地区の古称と「美味い」を掛けたもの。福岡弁で「うまいと」は「おいしいよ」「おいしいもの」の意味になる。 開業したのは前川健太さん(42)。警察官を15年務めた後、2015年の福岡市議選に立候補したが落選。高校時代にハンドボール部だった経験を生かし、隣の糸島市を本拠とする社会人ハンドボールチームの設立に関わった。 「農業とハンドボール」をコンセプトに掲げ、就農を条件に選手を募った。農業の担い手不足と、選手の引退後のセカンドキャリアを見据えたものだった。その縁で、糸島の農家と農産物に出会った。 19年にチームから身を引いて別の会社に勤めた。しかし、糸島の農産物の魅力が頭から離れない。「これを福岡のオフィス街で売ったらビジネスとして成り立つのではないか」との考えを温め続けていた。 出荷できない「ふぞろい品」があることを知った。形や見た目が悪くても味はいいので、前川さんは「規格外品」とは呼ばない。安く売るのではなく、「適正な価格」で仕入れて販売することにした。農家の後継者不足を目の当たりにし、農業を守るために生産者の立場を大事にしようとの考えからだった。 フードロスを減らすためにキッチンを併設した。鮮度が落ちる前に、弁当や総菜、スイーツに調理する。近くには企業のオフィスが立ち並んでおり、ランチ需要はあると踏んだ。 農産物は付き合いのある糸島の農家15軒ほどを回って仕入れる。どれだけ形が悪くても、買い手が付かないものでも取り扱う。前川さんが考える、糸島の農産物の魅力はバリエーションの豊富さ。有名な特産品があるわけではないが、西洋野菜から伝統野菜まで多種多様な野菜が作られている。人口約160万人の福岡市に隣接する糸島は産地と消費地が近いため、旬のものを仕入れることができるという。 オープンから1カ月半。客足は上々という。「うちはその時に仕入れられるものしか置いていない不便な八百屋だけど、その時に一番おいしく食べられるものをそろえている。糸島のうまいとば食べてみんしゃい(おいしいものを食べてみてください)」(山野健太郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ひきこもり、善意でも「問題外」な支援とは 失敗もとに
社会福祉法人一麦会(和歌山市岩橋)の理事長・山本耕平さん(66)が「ひきこもりソーシャルワーク」を出版した。「ひきこもり」は「解決」すべき問題なのか。その視点から支援のあり方を、根底から問う。 和歌山市の精神衛生相談員を2003年まで務めたあと、いろいろな大学で教えて今は佛教大学教授の山本さんは、ひきこもりを「ひとつの生き方」と定義する。「社会に適応するひとつの形」だから、無理やり引っぱりだしたり就職させたりすることは、ひきこもりを生きる人の生存権の侵害であり尊厳の毀損(きそん)となる。 ひきこもりを選ばせたものを、山本さんは「競争を強いる社会」と指摘する。この社会は、「勝者」と「敗者」をつくって後者を学校・職場・地域から排除することで成り立っている、と著書で説く。それは、いずれは人間すべてを排除する社会でもある。 したがって、この無残な社会を拒んだ生き方へのソーシャルワークには、「その人が選んだ人生をどう支えるか」「彼らを大切にし、彼らの人生を大切にする」という哲学が欠かせない。たとえ「善意」であっても「こんな人生を歩みなさい」と迫ることは問題外なのだ、と訴える。 ソーシャルワーク たくさんの失敗もとに 本書のウリは第5章「ひきこもりソーシャルワークの方法」。たくさんの失敗をしてきたと振りかえる山本さんが、長年の実践から紡ぎだした「方法」をていねいに案内している。ここでのキーワードは「協同的関係性」。支える側と支えられる側ではなく、ともに社会や人生を変えて築いていこうという関係を指す。 誰も他人の人生を背負うことはできない以上、どこかで割り切らなければ「支える側」はつぶれかねないのではないか――。こうした疑問に、山本さんは「協同的関係性は割り切れない」と答える。「適切な距離の取り方」を教える福祉教育も「薄っぺらい」と批判する。 「ソーシャルワークで大事なことは『ゆらぎ』です。自分が何に苦しんでいるのか、自分のやり方はよかったのかを職場でどれだけ民主的な議論ができるか。徹底的な議論がソーシャルワークの質を高めていく」 目ざす社会を「マイノリティを脱落させない、誰もが緩やかに生きることが可能となる社会」と書いて山本さんは本書の筆をおく。 「ひきこもりソーシャルワーク―生きる場と関係の創出」(かもがわ出版)は税込み2420円。(下地毅) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
聖徳太子の遺訓、1400年の時を超え 法隆寺で法要
今年は聖徳太子(厩戸皇子(うまやどのおうじ)、574~622)の1400回忌にあたる。100年に1度の節目、奈良の世界遺産・法隆寺では4月3、4、5日の日程で遠忌(おんき)法要が始まった。実は100年前の大正時代には、実業家の渋沢栄一(1840~1931)が1300年遠忌法要の実現に尽力していた。(岡田匠) 朝日新聞デジタルでは4月3~5日の法要の様子を、動画でライブ配信します。(電波の状況などにより、画像が乱れたり、配信が一時停止したりすることがあります。ご了承ください) 法隆寺は明治初期、政府が出した上知令で領地を没収され、寺を維持するのに苦労していた。1878(明治11)年に宝物を皇室に献納し、下賜(かし)された1万円で伽藍(がらん)や寺宝を守ってきた。1300年遠忌法要の実現には、財政支援が必要だった。そこで渋沢栄一が立ち上がった。今年のNHK大河ドラマの主人公でもある実業家だ。新1万円札の顔になることも決まっている。 渋沢は法要の3年前の1918(大正7)年、奉賛会をつくると、今の上皇さまの祖父の久邇宮(くにのみや)邦彦(くによし)を総裁に、紀伊徳川家15代当主の徳川頼倫(よりみち)を会長にたて、渋沢は副会長に就いた。18年5月17日付の東京朝日新聞には「聖徳太子千三百年遠忌 奉賛会設立さる」の記事が載り、徳川や渋沢の名前もある。 太子をたたえる歌も作られた。奉賛会は19年2月28日付の紙面に「聖徳太子讃歌懸賞募集」の広告も掲載。20年1月27日付の記事で「讃仰(さんぎょう)唱歌決定 来(きたる)三十日発表」と報じられている。 共に1万円札の肖像となる太子と渋沢 その縁とは 法隆寺の法要や、太子の墓がある叡福寺(えいふくじ)(大阪府太子町)の法要などの予算計45万円は寄付でまかなうことにした。21年4月2日付の紙面には「太子御遠忌に御下賜金(ごかしきん) 東宮殿下より」の記事も見える。当時は皇太子だった昭和天皇が法隆寺と奉賛会にそれぞれ500円を寄付したと伝えている。 法要は4月11~17日の1週間にわたった。皇室をはじめ、当時の原敬首相も参列した。参拝者は約26万人に上ったという。東京朝日新聞にエッセー「法隆寺詣で」が掲載され、「汽車の混雑には殆(ほと)んど閉口」「早旦(そうたん)五時に名古屋を出る汽車が忽(たちま)ち満員」「奈良に向(むか)う人の繁(しげ)さ」と描かれた。 奈良大学の東野(とうの)治之(はるゆき)名誉教授によると、国を挙げての法要になったのは、明治になって天皇中心の国づくりが進んだことが影響している。太子は外国の文化を採り入れるだけでなく、日本の文化も大事にし、天皇中心の政治を打ち立てたと当時は考えられた。 「太子が豪族ではなく、皇室の人物であることも大きい。信仰の対象としての太子から、歴史上の偉大な指導者として評価されるようになった」という。 渋沢もこうした流れの中にあった。太子は江戸時代、日本古来の神道を軽んじ、海外から伝わった仏教を重んじたと国学者や儒学者に非難された。渋沢も同じような考えだったようだが、その後、親交のある歴史学者や美術行政家に説得され、太子を慕うようになったという。 法隆寺にも1300年遠忌の機運に乗り、寺を興隆させたいという思いがあった。法要後の34(昭和9)年には、当時の文部省が法隆寺を国として守っていく法隆寺国宝保存事業部を設けた。 東野名誉教授は「1300年遠忌をきっかけに法隆寺はより一層、特別な寺になった。貴重な文化財があり、太子が建てた寺として、格別なあつかいを受けるようになった」と話す。 聖徳太子とは…仏教中心の国づくりと超人的な伝説 574年、奈良・飛鳥にある厩戸(うまやど)の前で生まれたとされる。蘇我馬子とともに推古天皇を支え、仏教中心の国づくりを進めた。十七条憲法を定め、法隆寺を建てた。仏教の経典を講義し、内容を解説した法華義疏(ほっけぎしょ)などを著した。622年2月22日に亡くなったと伝わる。その生涯は諸説ある。死後、聖徳太子を観音の化身と仰ぐ太子信仰が広まり、10人の話を一度に聞き分けたなど超人的な伝説も多く残る。旧1万円札の肖像画にも使われた。 100年前が国を挙げての法要なら、聖徳太子1400年遠忌の今年はコロナ禍での法要となる。法隆寺執事長の大野正法(しょうぼう)さん(68)は「多くの人にお参りに来てもらいたいが、大勢が集まれば密になる。しかも新型コロナの状況は先が見えず、翻弄(ほんろう)されてきた」と明かす。 今回の初日となる4月3日の旧暦が太子の命日の2月22日にあたることから、大野玄妙(げんみょう)・前管長が日程を決めた。だが、大野前管長は2019年10月に肺がんで急死。今の古谷正覚(しょうかく)管長が中心になって準備を進めたが、20年に入ると新型コロナウイルスが広まった。 コロナ禍の遠忌法要「僧侶たちの使命感」 法要の延期や参拝者を入れずに僧侶だけで営むことも考えた。一時、感染状況が落ち着いた昨年秋ごろ、予定通り実施することを決めた。「法隆寺の僧侶はみな、太子をたたえる法要をしっかりとやるんだという使命感を持っている」と話す。 法要では、7歳の太子の姿とされる太子七歳像と、南無仏舎利(なむぶっしゃり)をまつる。南無仏舎利は2歳の太子が東を向いて手を合わせ、南無仏と唱えると手のひらからこぼれ落ちた仏舎利(釈迦(しゃか)の遺骨)と伝わる。 3日に東院伽藍(がらん)から行列が出発し、太子七歳像と南無仏舎利を大講堂へ運ぶ。期間中には太子ゆかりの寺や、東大寺や興福寺など奈良の大寺院の僧侶がお経を唱え、舞台では舞楽の奉納がある。コロナ対策として行列の規模を縮小するほか、参拝者の状況によっては入場を制限することもあるという。 大野さんは、今に生きる太子の教えとして、「和をもって貴しとなし」で始まる十七条憲法の和の精神を挙げる。「一人ひとりの存在を認め、差別もなく、争いのない平和な世界をつくる。そのためには自分のことだけでなく、相手の気持ちを尊重し、下の者の意見を聞き入れ、よく話し合う。太子の和の精神が今の世の中にも大切になる」と話す。 太子ゆかりの寺なども法要を予定している。 叡福寺は4月10日から5月11日に大法会を営む。「日本仏教の祖」「和国の教主」と称される太子をたたえ、華厳宗の東大寺、天台宗の延暦寺、高野山真言宗の金剛峯寺、浄土宗の知恩院、浄土真宗の西本願寺・東本願寺、日蓮宗など各宗派の僧侶が読経する。 太子の創建と伝わる四天王寺(大阪市)は2021年秋から来春にかけて遠忌法要を予定する。太子ゆかりの斑鳩寺(兵庫県太子町)は22年に営むという。 奈良県や斑鳩町など太子ゆかりの自治体は観光客を呼び込みたい考えだが、コロナ禍のため頭を悩ます。斑鳩町は3~4月に予定していたイベントの延期を決めた。県は21年度予算案に7350万円を計上し、リレー講座やウォークイベントを予定するが、積極的なPRができない。県文化資源活用課の酒元健司課長は「現場にきて本物に触れてもらいたいが、コロナ禍で難しい。悩みながら進めている」と話す。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
48歳と19歳、民家に消火器まいた容疑 仲間割れか
民家に消火器をまいたなどとして、警視庁は2日、横浜市中区寿町3丁目の職業不詳、水野雅也容疑者(48)と、住所不定の無職少年(19)を邸宅侵入と器物損壊の疑いで逮捕したと発表した。2人は特殊詐欺グループのメンバーで、民家には仲間の少年(17)が住んでいたという。同庁は仲間割れが原因とみている。 逮捕は3月21日付。多摩中央署によると、水野容疑者ら2人は同月20日夜、共謀し、東京都稲城市のアパートの敷地に侵入。被害少年宅の玄関の郵便受けから消火器を噴射し、室内の靴などを汚した疑いがある。いずれも容疑を認めているという。被害少年の家族が通報し、駆けつけた警察官が2人を取り押さえた。 水野容疑者らは被害少年と面識がなかったが、同じ人物から指示を受ける特殊詐欺グループのメンバーだった。被害少年がグループの金を持ち逃げしたとして金を取り戻すよう指示を受けていたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高速道路に巨大ドリルの落とし物 千葉北の料金所付近
1日午前10時10分ごろ、東関東道の千葉北料金所(千葉市稲毛区)付近に「落下物がある」と、千葉県警高速隊に連絡があった。隊員が、料金所出口手前の道路脇に直径70~80センチ、長さ5~6メートルのドリルが落ちているのを発見。約2時間後に回収された。けが人はいなかった。 高速隊によると、現場にいたトラックの運転手は荷台から落下したと話しているという。通行への影響はなかった。(藤谷和広) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
昭和な店内でおすすめ焼肉定食 90歳が営むドライブイン
茨城県の水戸市街から笠間市方面へ、国道50号を車で走る。平日もにぎわうイオンモールを通り過ぎて約3分、左手に「食堂」「焼肉・生姜焼」などと書かれた立て看板と平屋の建物が見えた。 薄暗い店に入ると、陶器や古そうな電化製品が並んでいた。クレーンゲームは動いておらず、ガラス扉は全開だ。「どれも100円」「ゲームで取るよりず~とお得」とぬいぐるみが売られていた。昔通った駄菓子屋に似た、どこか懐かしい匂い。お昼時を過ぎたからか店内に客や従業員は見当たらず、国道を走る車の音が響いてくる。 奥には4人掛けの木製テーブルと、壁に貼られた手書きの食事メニューがずらりと並んでいる。まるで昭和に戻ったよう。 厨房(ちゅうぼう)から出てきたのは、店主の箱田富司さん(90)。おすすめの焼肉定食を注文すると、大きな豚肉4枚がキャベツに載って運ばれてきた。甘辛いタレが食欲をそそり、白飯が進む。 箱田さんは旧友部町(現笠間市)出身。大学費用を稼ぐために22歳で商店を始めた。1980年ごろには電器屋を開店したが、安価な輸入製品の台頭で、約7千万円を損失。1年で店を閉め、ドライブインを始めた。 「お客さんの食べ終わったお皿がきれいになっているのがうれしい」 店には食事や土産物のほかに、ゲーム機や売れ残った電化製品を置いた。偕楽園の観梅シーズンは、1日100万円以上を売り上げたこともあった。 午後3時ごろ、作業着風の中年男性2人が来店した。「生姜焼定食」と「そばとカレーライスセット」を慣れた様子で注文し、パチンコ台に座った。 2人は、茨城―山梨間を行き来するトラック運転手という。店外からは開店しているかの判断が付かずに通り過ぎていたが、数カ月前に初来店した。店の味を気に入り、今は「全メニュー制覇」がひそかな楽しみらしい。2人は80年代発売のドライヤーを手に取って、「懐かしい」と顔を見合わせていた。箱田さんは男性2人が出て行くと「いつもありがとうございます」と深々と頭を下げた。 商業施設の開業などにより、客足は減少し、現在は1日10人前後だ。後継ぎはいない。それでも「お客さんの食べ終わったお皿がきれいになっているのがうれしい」から続けてきた。 目立つことなく懸命に店を続ける箱田さんの姿と、店を包むどこか懐かしい昭和の雰囲気がある。箱田さんは「今の時代にもうかる仕事じゃないが、100歳までは続けるつもりでいます」と照れくさそうに笑った。(小島弘之) ◇ フジヤドライブイン 水戸市杉崎町1755。常磐道水戸インターチェンジから車で10分。営業時間は午前10時~午後9時(日によって変更あり)。年中無休。問い合わせは同店(029・259・5382)へ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
酔って抵抗できない女性に性交の疑い 警察官を書類送検
福岡県警監察官室は2日、酔って抵抗ができない女性に性交したとして、小倉北署の男性巡査部長(40)を準強制性交等の疑いで書類送検し、停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。巡査部長は同日付で依願退職した。 県警によると、巡査部長は昨年10月29日の深夜、北九州市戸畑区の自宅で、酔って抵抗できない状態の県内の30代女性に性交した疑い。女性とはその日、夕方から3時間半ほど2人で飲食していたという。 巡査部長が11月、女性とトラブルになっていることを上司に報告して発覚。12月に女性が告訴したが、その後示談が成立し、今年3月に女性は告訴を取り下げた。巡査部長は「性的な欲求から行為に及んでしまった。被害者に申し訳ないことをした」と話したという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「まん防」って言わないで 海沿いのあの市、報道に要請
「まん防」って言わないで――。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府が宮城県に適用を決めた「まん延防止等重点措置」の略称に、同県気仙沼市が気をもんでいる。2011年の東日本大震災で全壊し、10年をかけてやっと再建した市内の道の駅のトレードマークが「マンボウ」のためだ。「マイナスイメージが付きかねない」として、慎重な使用を呼びかけている。 同市南部の道の駅「大谷海岸」は3月28日にオープンしたばかり。建物のロゴなどがマンボウで、施設の目玉はプロジェクションマッピングで泳ぐマンボウだ。市は「南の玄関口」と位置づけ、観光拠点として大きな期待を寄せている。 市は3月31日付で報道機関に要請書を提出。「道の駅だけではなく、可愛いお魚として人気のあるマンボウにとっても(まん防の略称が)良からぬイメージを与えかねない」としている。(星乃勇介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
玉串料訴訟の記録「廃棄済み」→「あった」 地裁が一転
政教分離に関する司法判断で違憲判決という画期的な足跡を残した「愛媛玉串料訴訟」。松山地裁は2日、その事件記録の発見を公表し、原則的に永久保存となる特別保存の対象とする方針を明らかにした。 段ボール2箱に21冊分 愛媛玉串料訴訟は、愛媛県が靖国神社に納めた玉串料などを公費負担したことについて、最高裁大法廷が1997年4月、憲法の政教分離原則に違反するとし、二審判決を破棄して原告住民側の逆転判決を言い渡した。目的が宗教的意義を持ち、効果が宗教に対する援助、促進または圧迫、干渉になるとの基準に沿って憲法20条に違反するなどとし、政教分離をめぐるその後の各地の動きに影響を与えた。 地裁によると、2008年11月7日の日付で「廃棄済み」と記録された事件簿があり、報道機関などの照会には、これをもとに「廃棄済み」と回答していたという。今年3月19日、記録庫を整理していた民事部職員が、段ボール2箱に21冊分の事件記録を発見。最高裁や高裁の記録も含まれるが、全ての記録かどうかは確認中としている。 地裁の千葉和則所長は「発見された記録は速やかに特別保存の手続きを進めたい」とコメント。地裁は今回の記録について、史料的価値があるとみており、永久的に保存される対応をとるとしている。 原則5年で廃棄だったが 民事訴訟の事件記録は原則5年で廃棄するが、大法廷がこれまでに違憲判決を下した二十数例などの記録は近年、保存の必要性が指摘されていた。最高裁は一昨年11月、現存する記録の廃棄を当面見合わせるように全国の裁判所に指示するなど新たな対応を模索している。 高裁と最高裁で原告弁護団長だった西嶋吉光弁護士は「政教分離の原則を厳格に解釈した画期的な最高裁判決になった訴訟。廃棄と聞いた時は極めて残念に思っていた。永久的な保存は歴史的、学術的に意味があり、今後に活用されることを望みます」と話した。(亀岡龍太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
文春の五輪内部資料報道、橋本会長「業務妨害」と批判
東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会の橋本聖子会長は2日、開閉会式の演出内容を明らかにした週刊文春の記事について、発行元の文芸春秋に書面で厳重抗議をしたことを明らかにした。この日の定例会見では、「報道の自由を制限するということでは全くない。ただ今回は280ページに及ぶ内部資料が(文春側に)入手されており、組織委の秘密情報を意図的に拡散し、業務を妨害したと判断した」と話した。 組織委が今回抗議したのは、4月1日発売の週刊文春と3月31日配信の「文春オンライン」の記事。演出チームの元メンバーだった振付師のMIKIKOさんが国際オリンピック委員会(IOC)にプレゼンした内部資料を入手して報じたもので、演出内容や画像が掲載されていた。 抗議の文書は1日に橋本会長名で文芸春秋に出した。橋本会長は「文芸春秋から、まだ(抗議に対する文春側からの)文書が届いていないものですから、届いたなかで、また改めてしっかりと組織委として対応を考えていきたい」とした。 組織委は抗議文のなかで、演出内容が機密性の高い情報で、「検討段階の内容でも開会式演出の価値は大きく毀損(きそん)される」と指摘。内部資料が写真で掲載されて販売されたことについて「著作権侵害」とみて、雑誌の回収やオンライン記事の削除、資料の廃棄を求めている。 東京大会の開閉会式演出を巡っ… 【5/11まで】デジタルコース(月額3,800円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル