伊藤和也2021年5月21日 19時13分 昨年1年間に在留資格を取り消された外国人は1210人で、過去最多だった前年よりさらに217人(21・9%)増加した。出入国在留管理庁が21日発表した。取り消された資格は「技能実習」と「留学」で9割近くを占め、実習先から失踪した技能実習生や学校を除籍された留学生が就労した例が目立つという。 入管庁によると、在留資格別で最も多かったのは技能実習の561人で、全体の46・4%に上り、次いで留学が524人で43・3%だった。それぞれ前年より225人、97人増えた。 国籍・地域別では、ベトナムが最多の711人で全体の58・8%。続いて中国の162人が13・4%だった。両国は昨年末時点の在留外国人数の上位2カ国で、ベトナム人は技能実習の55・2%、中国人は留学の44・6%を占め、それぞれの資格で最も多かった。 在留資格を取り消されると、退去命令に応じて自ら出国するか、強制退去手続きで退去処分が決まれば送還される。(伊藤和也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
GPSで迫った「民意の偽造」 リコール事件、責任は
2月以降、愛知県警の捜査員たちが佐賀に飛んだ。 「どこの自治体のものを書いたか思い出せますか」 「豊田という地名だったような……」 昨年10月に署名を書き写したアルバイトらは、愛知の土地勘がない。別の捜査員が署名簿の束から、豊田市分を抜き出す。「あなたの字ですね」。同じような筆跡が並んだ署名簿を示し、事情を聴いた。 署名簿に残った見えない指紋。そして手のひらの「掌紋(しょうもん)」。県警はそれらを鑑定し、アルバイトらの供述を裏付けた。名前が記された有権者本人に当たり、署名も代筆依頼もしていないことを確認した。 650キロ離れた佐賀と愛知で、「書いた側」と「書かれた側」がつながった。 ◇ 県警が押収した署名簿は数万枚あり、すべて精査するには「数カ月、1年とかかる」(捜査関係者)とみられていた。リコールは請求代表者だけで37人いて、大勢のボランティアも手伝った。出所不明のうわさや、供述の食い違いも目立った。 そうした中、県警は佐賀のア… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原発が消える可能性も 「活断層」問題に揺れる城下町
拡大する敦賀原発2号機の断層問題を調査した原子力規制委員会の島崎邦彦委員長代理(当時、写真左)ら=2012年12月1日、福井県敦賀市 これまで長く動かないとされてきた断層が動くかもしれない――。この前提に立ち、国は東日本大震災の後、原発の断層評価をやり直した。その注目を集めたのが、日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県敦賀市)だった。 2012年4月、当時の原子力安全・保安院が現地を調査した。敦賀原発の敷地内に活断層「浦底断層」が走っていることはすでに分かっていた。専門家らは2号機の原子炉建屋直下の断層を調べ、言及した。「(浦底断層が)地震を起こした場合、引きずられて動く可能性がある」 国のルールでは、原発は重要施設の直下に活断層があると動かせない。「2号機、廃炉の可能性」。ニュースが駆けめぐった。 … Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「時短で負債20億」 グローバルダイニング社長が陳述
村上友里2021年5月21日 19時20分 新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づく営業時間の短縮命令は「営業の自由を保障した憲法に違反する」などとして、飲食チェーン「グローバルダイニング」(東京)が東京都に賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、東京地裁であった。都側は違憲ではないとした上で「要請や命令は感染拡大の抑止や医療ひっぱく回避のため十分に必要だ」と反論し、請求の棄却を求めた。 都は3月18日、営業を午後8時までとする要請に応じなかった27店に全国で初めて時短命令を出した。このうち26店が同社が経営する店舗だった。 都側は答弁書で、近隣に食料品店がなく住民の生活維持が困難になったり、コロナの重要な研究会を開催したりするなど通常営業を続ける正当な理由が同社側になかったとした。 命令を受ける前に要請に応じない旨をネット発信したことで「狙い撃ちにされた」とする同社側の主張については、「影響力が大きい上場企業が協力しないと積極的に公表することは、他業者の不協力を助長する」と指摘。「要請や命令には合理性があり適法だ」と訴えた。 同社の長谷川耕造社長はこの日の法廷で、コロナ禍による借り入れなどで20億円の負債を抱えたとし、「納得のできない理不尽な命令によって、経営が脅かされることは絶対あってはならない」と述べた。原告側弁護士は、今回の時短要請について「飲食業を狙いうちにした事実上の休業要請だ」と陳述した。 原告側は賠償請求が主目的の提訴でないとし、請求額は104円としている。(村上友里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関ジャニの安田章大さんら4人、聖火ランナー辞退
武田遼、高井里佳子2021年5月21日 19時38分 兵庫県内で23、24日に実施される東京五輪の聖火リレーの代替イベントについて、県は21日、アイドルグループ関ジャニ∞(エイト)の安田章大(しょうた)さんと柔道男子シドニー五輪銀メダリストの篠原信一さん、タレントで東京海洋大学名誉博士のさかなクンの3人が参加を辞退した、と発表した。 県によると、3人は当初24日に走る予定だった。尼崎市育ちの安田さんは「尼崎市での走行がなくなったため」と辞退理由を説明。篠原さんとさかなクンは、緊急事態宣言下での開催となったことを辞退の理由に挙げた。 また、京都府でも聖火ランナーを務める予定だった俳優の吉岡里帆さんが辞退していたことがわかった。吉岡さんは京都出身。当初、茶飲料のCMに起用していた日本コカ・コーラのスポンサー枠で宇治市内を走る予定だった。(武田遼、高井里佳子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性犯罪の成立要件、広がるか 法務省が法改正検討へ
伊藤和也2021年5月21日 20時01分 法務省の「性犯罪に関する刑事法検討会」が21日、刑法などの規定のあり方について議論してきた内容を報告書にまとめ、上川陽子法相に提出した。性交罪が成立する要件や公訴時効などで見直しを含む課題を整理したもので、法務省は法改正に向けた検討に入る。 報告書は、「性犯罪の処罰規定の本質は同意のない性行為にある」としつつ、被害者の不同意のみを要件とする性交罪の新設には処罰の範囲に「課題が残る」と指摘した。そのうえで、強制性交罪と準強制性交罪が成立する要件に、「威迫」を用いたり「睡眠」や「酩酊(めいてい)」につけ込んだりする行為を追加して例示する意見を盛り込んだ。 性犯罪は被害の認識や申告に時間がかかるとして、公訴時効の成立を遅らせる検討も今後の課題に挙げた。また、判断能力がまだ未熟な中高生らの特性に応じた対処の必要性を指摘。「暴行、脅迫」がなくても強制性交罪が成立する年齢を13歳未満から引き上げるなど、処罰規定の具体的なあり方に言及した。 この日の検討会後、座長の井田良(まこと)・中央大教授から報告書を受け取った上川法相は「性被害は大変重要な問題。しっかりと検討に役立てたい」と語った。(伊藤和也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
IOCコーツ副会長「緊急事態宣言下でも五輪開ける」
前田大輔2021年5月21日 21時22分 開幕まで約2カ月となった東京オリンピック(五輪)・パラリンピックについて、国際オリンピック委員会(IOC)で東京大会の準備状況を監督するジョン・コーツ副会長は21日、「緊急事態宣言下であってもなくても、安全かつ安心な大会が開催できるアドバイスを(世界保健機関などから)頂いている」と述べ、緊急事態宣言が出ていても大会は開催できるとの認識を示した。この日、3日間の日程を終えたIOC調整委員会の総括会見で話した。 大会時の医療態勢について、大会組織委員会の幹部によると、想定していた1万人程度から約3割減らせるという。組織委の橋本聖子会長は、医師は1日あたり最大230人程度、看護師は同310人程度を想定しているとしたうえで「全体の8割程度は見通しが立っている」と述べた。医師は各競技団体を通じて確保したスポーツドクターが主体。看護師は現在業務から離れている人を中心に依頼しており「地域医療に支障を生じない形で人材を確保していきたい」と述べた。 大会で来日する予定の人数は選手1万5千人、大会関係者7万8千人。大会関係者の内訳は、五輪で5万9千人(各国・地域のオリンピック委員会の関係者2万3千人、放送関係者1万7千人、プレス関係者6千人)、パラリンピックは1万9千人(各国・地域のパラリンピック委員会の関係者9千人、放送関係者4千人、プレス関係者2千人)。IOCなどは関係者をさらに削減する方針だ。 橋本会長は会見で「来日人数削減の徹底」「行動管理、健康管理の徹底」「医療体制見直しの徹底」の「三つの徹底。『三徹』を掲げる」と述べた。(前田大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
税関職員を閉じ込め「死のう」 現場検証中、男2人逮捕
古畑航希2021年5月21日 22時35分 現場検証に来た税関職員の職務を妨害したとして、福岡県警東署は20日、ともに中国籍の男2人を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕し、発表した。 逮捕されたのは貿易会社長王啓鵬(ワンチーポン)(35)=福岡市東区舞松原4丁目=と、同社の関連会社員劉楠(リュウナン)(39)=同県志免町別府北2丁目=の両容疑者。 署によると、劉容疑者は20日午後5時5分ごろ、福岡市東区蒲田3丁目の貿易会社の事務所内で、門司税関の職員4人のうち、男性(49)に体当たりするなどの暴行を加え、王容疑者はその1分後、事務所の出入り口を内側から施錠して職員4人を閉じ込め、「ここから誰も出さない。みんなここで死のう」と脅し、ともに職務を妨害した疑いがある。 劉容疑者は「職員からぶつかってきた」、王容疑者は「怖がらせる言葉は言っていない」と容疑を否認しているという。 税関によると、職員たちは当時、関税法違反の疑いで、事務所の隣の倉庫で現場検証をしていた。職員が110番通報し、警察官が午後5時10分ごろに駆けつけた。(古畑航希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「パレスチナの現状知ってほしい」 原爆ドーム前で訴え
三宅梨紗子2021年5月21日 23時52分 イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザ地区の武装勢力との軍事衝突をめぐり、広島市中区の原爆ドーム前で21日夜、約30人の市民が街頭に立ち、「パレスチナに平和を!」などと訴えた。双方は同日、停戦に入ったが、主催者は「停戦に安堵(あんど)するのではなく、今こそ真の平和を」と話す。 参加したのは、市内外から集まった大学・高校生、社会人のほか、パレスチナ自治区やシリア出身者ら。1948年、パレスチナの地にイスラエルが建国されて今年で73年となることから、73分間のスタンディングを続けた。「パレスチナに自由を」や「ガザに公正を」などと日本語や英語、アラビア語で声をあげた。 呼びかけ人で広島市立大学国際学部の田浪亜央江(あおえ)准教授は「今、世界の向こうで人生の展望ももつことができず、ただ死なないように生きている人がいる。イスラエルやパレスチナに少しでも関心をもってもらうきっかけにしたい」と話した。 この日、現地時間午前2時(日本時間午前8時)にイスラエルとガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスが停戦に入ったが、田浪さんは「停戦に安堵するのではなく、今こそ真の平和がもたらされるように黙認する国際社会が変わるべきだ」と訴えた。 在日パレスチナ人の参加者もいた。ヨルダン川西岸ラマラ出身で、広島大に留学後、東京都内で働いているサブリ・モタズさん(35)はガザ地区に多くの友人が住んでいる。インターネットが遮断されて、友人からの連絡が途絶えていたが、2日前にメッセージが届いて安心したという。「現地の状況を聞くと悲しい気持ちになる。パレスチナの現状を少しでも多くの人に知ってほしい。日本にいる自分ができることをしたい」と話した。(三宅梨紗子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸屋レストランに乗用車突っ込む 客の女性が大けが
2021年5月21日 20時04分 21日午後2時50分ごろ、兵庫県西宮市甲子園三保町の「神戸屋レストラン甲子園店」で、「人身事故で入り口のガラスが割れた。車の下に足が見える」と店員から110番通報があった。県警によると、乗用車が店に突っ込み、店から出てきた客の女性(53)が足首骨折の大けがを負った。 甲子園署によると、店の前にある県道交差点で、右折中の乗用車と直進の乗用車が衝突。弾みで右折車が店に突っ込んだという。双方の運転手にけがはなかった。 同署は、右折した車を運転していたパート従業員の女(52)=西宮市=を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕。「相手の車に気づかなかった」と供述しているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル