【動画】コロナ禍から島民の命を守る集団接種が、4月27~28日にかけて鹿児島県の離島・十島村の有人7島で行われた=KKB鹿児島放送撮影 鹿児島県十島村の有人7島で4月下旬、フェリーの定期航路を組み替え、3泊4日の日程で島民にワクチンの集団接種をする。そんな「前例の無い計画」に同行取材した。 拡大する「フェリーとしま2」の前に立つ白石昌幸記者=2021年4月28日、鹿児島県十島村小宝島 26日午後11時に鹿児島港を出港した。台風2号のうねりが残り、フェリーは揺れに揺れた。翌27日早朝に最初の寄港地・悪石(あくせき)島にワクチンを搬出する際、カメラを回すテレビ局の記者には船酔いで顔面蒼白(そうはく)になっていた人も。感染拡大防止のため船外での行動は制限され、3泊とも船中泊というなかなかの苦行だった。 そんな中、派遣された医師や看護師、保健師、十島村職員は、接種会場の設営や段取りの確認、島民の誘導など忙しく動き回った。2月から準備を始めた保健師は、ほぼ無休で働きづめだった。「無医島」で感染者を出さない、出たとしても重症化させないというスタッフの「熱量」は取材する記者たちにも伝わった。 拡大するワクチンが入ったクーラーボックスを運ぶ看護師(右)=2021年4月28日午前11時1分、鹿児島県十島村小宝島、白石昌幸撮影 初日の接種を終えた27日夜、翌日の取材予定を確認していた自分のところに村の担当課長が「お願いがある」とやってきた。 「医師や看護師がクローズアップされるが、準備を積み上げてきた保健師がいたから接種がスムーズに運んだ。保健師の努力に光を当ててくれないか」 各社の記者に根回しし、保健師の囲み取材を設定。カメラの前で緊張しながら取材に応じる保健師を見て、心が温かくなった。ワクチンの供給遅れや効果への疑念、接種をめぐるトラブルなど国や自治体の対応に課題は多々あるが、島民の「命と健康」を守るために必死に働く人々に敬意を抱いた同行取材だった。(白石昌幸) 拡大する鹿児島県十島村の有人7島でワクチンの巡回集団接種を終えた医療チームと村役場職員=2021年4月28日午後4時40分、鹿児島県十島村宝島、白石昌幸撮影 コロナ禍は、離島の暮らしも直撃しました。厳しい医療提供体制、失われたにぎわい……。島の人たちはいま、何を思うのでしょうか。 島唯一の医療機関が語る現状 新型コロナウイルスから島民の命を守る集団接種が、4月27~28日に鹿児島県内の離島・十島(としま)村の有人7島で行われた。島をめぐる医療チームに同行した。 27日午前9時40分過ぎ。「フェリーとしま2」が諏訪之瀬(すわのせ)島に接岸した。 拡大する島への唯一の交通手段「フェリーとしま2」=2021年4月28日午前8時53分、鹿児島県十島村平島、白石昌幸撮影 周囲約27キロのこの島には85人の島民が暮らす。村の中で2番目に大きな島。御岳(おたけ)(799メートル)はいまも火山活動が続く。春には群生するマルバサツキがピンク色の花を一面に咲かせる美しい島だ。 接種会場は島の小中学校体育館。赤ちゃん連れの夫婦や民宿の経営者ら49人が接種を受けに集まった。検温や予診票のチェックを受け、来島した医師の待つブース前で呼び込まれるのを待つ。医師が「しびれは無いですか」などと声をかけながら、1人あたり1分足らずで接種が終了。島民は副反応の経過観察を経て、自宅に戻っていった。 拡大するワクチンの接種を受ける悪石島の島民=2021年4月27日午前7時45分、鹿児島県十島村、白石昌幸撮影 島唯一の医療機関は「諏訪之瀬島へき地診療所」。出発前、診療所の勤務歴15年の伊東千香子看護師長(48)にテレビ会議システムで話を聞いた。 拡大する諏訪之瀬島へき地診療所=2021年4月27日午前10時53分、鹿児島県十島村諏訪之瀬島、白石昌幸撮影 「昨年4月、夕方4時過ぎだったと思います。診療所に『高熱が出た』という電話が入りました。『どうしよう』と思ったのを覚えています」 「心からホッとしました」 高熱を出したのは県外から訪… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
部活も勉強も中ぶらりん 高校時代の後悔、大学生の今も
大学4年生です。僕は高校野球をしていましたが、苦い思い出があります。中学卒業後、進学校に入学し、野球部に入りました。途中までは楽しく全力で野球をやっていましたが、高校2年の冬、腰に大きなけがをしました。 その頃から受験勉強が本格化し、勉強面で焦りを感じ始めました。治療や野球に費やす時間が無駄に思え、辞めたいと思うようになったのです。「今、全力で打ち込んだところで、自分が試合に出られるかわからないし、甲子園に行けるわけでもない、いや、甲子園に行けたとしても何になるんだろう。勉強して、よりレベルの高い大学に入りたい」と考えたのです。 そんな気持ちで野球を続けてもチームに迷惑がかかると思い辞めました。しかし、全く勉強に身が入りませんでした。耐えられず、頭を下げてチームに戻りました。野球がやりたいという理由ではなく、モヤモヤしてしまうからという理由でチームに戻ったので、中ぶらりんの心のまま、時間が過ぎました。 最後の大会も思うような結果が残せず終わりました。涙は出ませんでした。大学も、第一志望には届きませんでした。そんな過去を思い出し、いまだに自己嫌悪に陥ることがあります。非常に後悔しています。どのようにこの過去と付き合っていけばいいでしょうか。アドバイスをいただきたいです。 回答者 歌手・俳優 美輪明宏さん お若いのでご存じないでしょうが、森田公一とトップギャランの歌で「青春時代」という曲があります。一度お聴きになってほしいですね。 野球を辞めたのも、また戻ったのも、すべてご自分の意思で決めています。勉強に身が入らない。それも自分が選んだ道。袋小路のようですが、青春時代というのは、みんなそういうものなのです。 他人に言われて辞めさせられ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:809文字/全文:1557文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Shohei Ohtani drives in two runs as Angels beat A’s
Oakland, California – Shohei Ohtani drove in a pair of runs and starter Alex Cobb dominated over seven innings Saturday as the Los Angeles Angels blanked the Oakland Athletics 4-0. A day after taking his first loss of the season as a pitcher, two-way star Ohtani returned to the lineup […]
うどんに「腕組み」させてみたら… うーやん誕生秘話
拡大する「うどんのうーやん」(ブロンズ新社) 人手が足りないうどん屋さん。よし、それならと、うどんがみずから出前に出かけて……。岡田よしたかさん作の「うどんのうーやん」は、シュールな設定と、目鼻がないのに表情豊かな主人公が子どもたちに大受けしています。奇想天外な物語が生まれたいきさつを、岡田さんに語ってもらいました。 「うどんのうーやん」(ブロンズ新社、2012年、累計12万部) 自分で出前に出かけたうどんのうーやん。道を走っていると、からからのメザシやふにゃふにゃの絹ごしどうふと出会います。やさしくてふとっぱらなうーやんは、どんどん自分のどんぶりに乗っけて……。 タコをくねらせ出てきた「人格」 話を考えるときに、読み手のことは考えてないんです。自分がおもしろいと思うのが大前提で、同じように感じてくれた人がいたらな、くらい。もちろん、笑かすつもりで描いてるから、子どもたちに受けたのは、まあ狙い通りかな。ただ、「分かってくれる人はおるとしても、そんなにはおらんやろ」と思っていたから、こない広く受け入れられて、こそばゆいようなところはあります。 拡大するおかだ・よしたか 1956年、大阪府生まれ。愛知県立芸術大学で油絵を専攻。保育所に勤めながら画家として活動し、絵本作家としては2001年に「おーいペンギンさーん」(福音館書店)でデビュー。写真はブロンズ新社提供 もともと絵描きをしていて、食べ物を描くようになったのは2005年ごろです。 一つひとつのモチーフは写実… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛媛の貨物船沈没、乗組員1人の遺体発見
2021年5月30日 12時30分 愛媛県今治市沖の来島(くるしま)海峡付近で27日深夜、神戸市の海運会社プリンス海運が運航する大型貨物船「白虎(びゃっこ)」(1万1454トン、12人乗り組み)が外国船と衝突して沈没し、乗組員3人が行方不明になっている事故で、今治海上保安部は30日、船内から男性1人を発見したと発表した。2等機関士の上畠隆寛さん(22)=鹿児島県枕崎市=で、死亡が確認されたという。 潜水捜索を続けていた海上保安庁の特殊救難隊員が、水深約60メートルの海底に沈んでいる白虎の船尾付近の操舵(そうだ)機室で上畠さんを見つけたという。 海保はまだ行方が分かっていない船長の佐藤保さん(66)=山形県鶴岡市=と、1等機関士の小川有樹さん(27)=北海道北斗市=の捜索を続けている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自死した娘、直前の会話を後悔する母 立ち上げたNPO
10年前、長女(当時25)は自ら命を絶った。母親は助けてあげられなかった後悔を胸に、自殺予防に取り組むNPO法人を運営する。コロナ禍のいま、急増する悩み相談に耳を傾け続けている。娘のような思いはさせまい、と。 「コロナを理由に解雇され、生活が苦しい」「巣ごもりが続いて相談できる人がいない。死にたい」 広島市西区のNPO法人「小さな一歩・ネットワークひろしま」には昨春以降、こんな相談が相次いでいる。電話やLINEを中心に全国から寄せられ、1日平均で約150件。例年の倍だ。 相談者は7割が女性。人と話す機会が減ってうつ病になったり、自宅にいる時間が増えた夫からの家庭内暴力(DV)に苦しんだりと、コロナ禍の前にはなかった内容が多いという。 「コロナ禍で、心の不安を抱える相談者が増えた」。代表の米山容子さんはそう感じている。うなずきながら耳を傾け、1時間を超えても電話は切らず、「相手の気持ちが落ち着くまで、ゆっくり話を聞く」。その理由は、自死した長女の歩美さんに対する、後悔にある。 「話を最後まで聞いていたら」 2011年4月。歩美さんは恋人との人間関係に悩み、うつ状態を伴う「身体表現性障害」を患った。大量の薬を一度に飲み、何度も病院に運ばれた。米山さんが身の回りの世話をする日々。歩美さんは口癖のように「死にたい」と言った。 6月。大量の薬を飲んで、再び倒れた。米山さんはしびれを切らし、「いい加減にしなさい」ときつく言った。目を離した隙に、歩美さんは自宅近くのマンションの3階から飛び降りた。脳死状態。そのまま7日後に亡くなった。 米山さんは自分を責めた。「叱らず、優しく受け入れていたら」「話を最後まで聞いていたら」――。 そんな思いから、統計調査会社を経営するかたわら、社会福祉士の資格を取った。娘の死から4年後の命日にNPOを設立。悩み相談を傾聴するほか、自死遺族同士が気持ちを語り合える会を開催してきた。 葛藤はあった。自分の娘を助けられなかった人間が、他人を救えるのか。自分が「傲慢(ごうまん)」だと感じ、何度もやめようと思った。 しかし、コロナ禍が始まると、歩美さんと同年代の女性からの相談が増え、「死にたい」という言葉をよく聞くようになった。10年前の歩美さんと、重なった。「もう後悔はしたくない」。自殺を考えるほど苦しむ人がいる限り、活動を続けようと思った。 厚生労働省によると、昨年、国内で自ら命を絶ったのは2万1081人。11年ぶりに増加した背景にはコロナ感染拡大の影響もあるとみられ、女性や若い世代の増加が目立った。歩美さんと同じ20代も前年比で2割増えた。感染の収束が見通せない中、自殺者がさらに増え続けるのではないかと、米山さんは危惧する。 「思い悩む心と、相談する勇気を受け止めたい」。歩美さんから、人生の宿題をもらったと感じている。(福冨旅史) 主な悩み相談窓口 ◆小さな一歩・ネットワークひろしま 090・1352・2377 (平日 午前10時~午後5時) ◆広島いのちの電話 082・221・4343 ◆よりそいホットライン 0120・279・338 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「あの人といえば…」 故人の思い出の品とともに送る
納棺師・「おくりびとのお葬式」代表 木村光希さん 今回からは、納棺だけでなく葬儀にもトータルに関わった事例を紹介していきましょう。我々は「おくりびとのお葬式」として全国11店舗で葬儀のプロデュースをお手伝いしています。その際に故人さまがどんな方だったか、ご家族とお話をすると、様々な「情報」が入ってきます。 それをお別れの時間に生かそうというのが、「おくりびとのおくりもの」です。故人さまがどう覚えられ、どう思い出される人なのか、です。「あの人と言えば……」というものです。 病気で亡くなられた80代の女性。黄疸(おうだん)が強い方で、化粧などでカバーさせていただきました。娘さんは「こんなに黄疸は隠れるんだね」と驚いていました。でも、おでこの上の縦の傷は、あえて隠さないようにしました。故人さまらしい特徴をあえて残すことで、会話が生まれることがあるからです。 ご家族に「何か思い残したこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
メモには存在しないコールセンターが…詐欺見抜いた行員
2021年5月30日 9時24分 特殊詐欺を防いだとして、三重県警伊賀署は三重銀行伊賀新堂支店(伊賀市新堂)に勤務する前川益子さんと松本玲子さんに署長感謝状を贈った。 同署によると、4月8日午後、伊賀新堂支店を訪れた市内の60代女性が「市職員と銀行職員を名乗る者から介護保険料の返金手続きがあると連絡を受けた」と窓口の前川さんらに相談。女性が持参したメモには相手から伝えられた「050」で始まる電話番号と「コールセンター」の記載があった。三重銀行にコールセンターはなく、該当職員もいないことを確認し、詐欺を防いだという。 感謝状を手渡した山沢正和署長は「ちょっとした気付きで詐欺被害を防ぐことができた。続けて頂きたい」と激励。前川さんは「お客様に引き続き、お声がけをしたい」。松本さんは「お話を直接うかがい、詐欺を防げた。こういう結果になって良かった」と話した。 同署によると、1月から3月までに県内で特殊詐欺は27件発生。このうち管内は2件で被害額は計約250万円だったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
嫌いな餌は「ポイ」 気ままなサル・モップの日常が本に
日本の動物園で3頭しか飼育されていない珍しいサル「シロガオサキ」を紹介する本が出版された。タイトルは「今日のモップくん シロガオサキのモップくん観察記」(blueprint刊)。日本モンキーセンター(愛知県犬山市)で飼育されているモップ(雄、17歳)の日常を紹介する同センター公式ツイッターの投稿をまとめた1冊だ。 シロガオサキは、南米の熱帯雨林に生息する体重1~2キロほどの中型のサル。雄の全身はふさふさの黒い毛で覆われ、顔だけ白いことからこの名がついたと言われる。 著者は、ツイッターで「今日のモップくん」を発信している飼育員の根本慧さん(33)だ。モップがいる南米館を2011年から担当している。飼育頭数が多い南米館では、たった1頭のシロガオサキは印象の薄い存在だったという。 14年、同センターの運営が公益財団法人に移管された際、飼育動物を紹介するブログが始まった。ブログ用に毎日モップの写真を撮っていた根本さんは、その振る舞いを面白く感じるようになった。 例えば、餌に対する態度。「他のサルならがっつくのにモップくんは嫌いな食べ物は『ポイする』」。獣舎の床に無防備に寝そべる姿にも驚いた。「野生じゃ生きていけないじゃん!」と感じた。 根本さんの思いとは異なり… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:653文字/全文:1194文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
学びの裾野広げる 知的障害者の「大学」で駆ける青春
拡大するレクリエーションでじゃんけんをしてチームを決めるエルズカレッジおおさかの学生たち=2021年4月8日、大阪市浪速区、小若理恵撮影 「健常者と同じように学びたい」という知的障害者らの願いに応えるまなびやが大阪市内にある。在学するのは特別支援学校の高等部などを卒業した19歳~22歳の学生52人。「大学」のような福祉事業所で全国的にも珍しい。新入生を迎えたばかりの学校生活の様子を紹介する。(小若理恵) 4月上旬のある日、1~4回生が大阪市浪速区の「エルズカレッジおおさか」の近くにあるグラウンドに勢ぞろいした。 新入生19人を迎え、初めて全員で楽しむレクリエーション。「ちゃんと並んで」。緊張気味の1回生に、先輩たちがてきぱきと指示を出す。「借り人競争」のゲームでは、チームの仲間と協力して「乗り物が好きな人」「朝食がパンだった人」などのお題に当てはまる人を探し出した。 拡大するレクリエーションの前に体操をするエルズカレッジおおさかの学生たち=2021年4月8日、大阪市浪速区、小若理恵撮影 約2時間、みんなで声を掛け合いながら体を動かすと、1回生もすっかり打ち解けた笑顔になった。 知的障害がある学生が豊かな人生を送るために学びを深める全国でも珍しい施設「エルズカレッジおおさか」。記事後半では学生たちが互いに高め合い、成長していく様子をお伝えします。 拡大するみんなでレクリエーションを楽しむエルズカレッジおおさかの学生たち=2021年4月8日、大阪市浪速区、小若理恵撮影 文部科学省によると、特別支… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:3111文字/全文:3495文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル