2021年6月3日 19時30分 第25回手塚治虫文化賞(朝日新聞社主催)の贈呈式が3日、東京・築地の朝日新聞東京本社であった。マンガ大賞「ランド」の作者山下和美さんに鉄腕アトムのブロンズ像と副賞200万円が、新生賞の「葬送のフリーレン」原作担当の山田鐘人さんと作画担当のアベツカサさん、短編賞の「消えたママ友」「妻が口をきいてくれません」の野原広子さん、特別賞の「鬼滅(きめつ)の刃」の吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)さんにはブロンズ像と100万円が贈られた。 野原さん以外の受賞者は、代理が出席。式は新型コロナウイルス感染防止のため、例年よりも規模を縮小し、関係者のみで開かれた。 式では受賞者や関係者が喜びを語った。 「この世」と呼ばれる封建的な村で育った少女たちの歩みを描いた「ランド」でマンガ大賞を受賞した山下和美さんのあいさつを、講談社モーニングの小松悠真副編集長が代読。「新連載の原稿の締め切りを勘違いし、大変修羅場になってしまい、式に来られなくなってしまいました。本当に申し訳ない。衣装まで用意していたのに。出席したかったんですよ。受賞したことを全然信じていないから」とユーモアたっぷりに喜びを表現した。 過去に手塚作品の「火の鳥」の新装版が刊行された際、トリビュートコミックを描いた喜びにも触れ、「今回も(受賞記念イラストで)思いっきり百鬼丸を描かせて頂きましたよ。本当にありがとうございます。こんな日がくるなんて。やった!」と結んだ。 新生賞は、勇者一行が魔王を倒した後の物語を描く「葬送のフリーレン」原作担当の山田鐘人さんと、作画担当のアベツカサさん。式には小学館週刊少年サンデー編集部の小倉功雅さんが代わりに出席した。山田さんは「火の鳥のいくつもの時代にまたがる壮大なストーリーが好き」、アベさんは「世代を超えて読みたいと思わせてくれる手塚先生の作品はやはり偉大」とそれぞれ手塚作品に関するメッセージを寄せた。 エッセー漫画のような絵柄でシリアスな物語を描く「消えたママ友」「妻が口をきいてくれません」で短編賞に選ばれた野原広子さんは「編集さんに受賞の連絡を頂いた時は、『いったい何を言っているんだろう』と理解するのにしばらく時間がかかった。本当に賞を頂いたんだな、と実感がわいてきました。これからもできることをコツコツと頑張って描いていきたい」とスピーチした。 社会現象を巻き起こし特別賞に選ばれた「鬼滅の刃」の吾峠呼世晴さんは、集英社週刊少年ジャンプの中野博之編集長が代理出席。「世界中の子どもたちを漫画の力で幸せにするのが、少年ジャンプの野望、目標。大きな希望をかなえてくれた作品となった」と語った。この日、主人公の竈門(かまど)炭治郎をイメージしたネクタイと妹の禰豆子をイメージしたポケットチーフをつけてきたと明かし、「誰にも気付いてもらえませんでした」と笑いを誘った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「まつげ伸びる」美容液の根拠なし 消費者庁が措置命令
2021年6月3日 19時30分 「2週間でまつ毛が伸びる」とした美容液の表示には合理的な根拠がないとして、消費者庁は3日、化粧品・健康食品販売会社「ハウワイ」(大阪市中央区)に対し、景品表示法違反(優良誤認)に基づき、再発防止などを求める措置命令を出し、発表した。 発表によると、同社が自社サイトで通信販売していたまつ毛の美容液「エターナルアイラッシュ」(税込み4378円)について、「まつ毛が伸びる効果」を裏付ける資料を求め、提出されたが、合理的な根拠は認められないと判断した。「重ね発酵ハーブ茶」(同5478円)では「飲むだけダイエット」などと表示していたが、合理的な根拠は示されなかったという。 調査した公正取引委員会によると、まつ毛美容液は新型コロナウイルスの感染予防でマスク着用が定着するなか、目元に使う化粧品として需要が高まっているという。 同社によると、エターナルアイラッシュは年間約1億2千万円を売り上げたという。同社の役員は朝日新聞の取材に「科学的な根拠はなく、表示の認識が甘かった。指摘を真摯(しんし)に受け止める」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
県高校総体の男子バドでクラスター 鹿児島、13人感染
白石昌幸、仙崎信一2021年6月3日 19時39分 鹿児島県は3日、薩摩川内市で5月下旬に開催された県高校総合体育大会(高校総体)男子バドミントン競技の選手ら13人が新型コロナウイルスに感染し、クラスター(感染者集団)が発生したと明らかにした。 県によると、13人は10~40代の男女。9校の競技参加者12人(選手9人、関係者3人)と親族1人。親族は会場には入っていない。県高校体育連盟は一時、選手や関係者約780人に自宅待機を要請した。 県高体連によると、男子バドミントンは5月26~28日にあり、65校が参加。31日に参加した2人の感染が確認され、県高体連は6月1日夜、参加した選手669人、引率の教員ら106人に翌2日の自宅待機を要請した。 会場では検温や消毒、ドアの常時開放などの感染対策をとっていたが、県によると換気が不十分だった。県高体連の山元晃一理事長は「できる限りの対策を講じてきたが、感染者が出たことは残念」と話した。(白石昌幸、仙崎信一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ばんえい競馬ホクショウマサル死す 31連勝の記録保持
中沢滋人2021年6月3日 20時00分 北海道帯広市の「ばんえい競馬」で、地方競馬・中央競馬を含めて最多の31連勝の記録を持つホクショウマサル(坂本東一厩舎(きゅうしゃ))が2日に死んだ。10歳だった。3月のばんえい最高峰レース「ばんえい記念」も制したばかりで、知名度・実力を兼ね備えたトップホースだった。 主催する帯広市が3日、明らかにした。ばんえい記念で優勝後の春先に体調を崩し、厩舎(きゅうしゃ)で療養していたという。死因などは現時点で不明という。 ばんえい競馬は馬が鉄ソリを引いて力とスピードを競う世界で唯一の形態の競馬。ホクショウマサルは2013年5月にデビューし、世代最高峰を決める重賞レースを制すなど実力を見せた。病気で16年から2年ほどレースから遠ざかったが、18年7月の復帰レースから勝ち星を重ね、20年1月、コンピューター管理された1973年4月以降では中央・地方競馬を含めて最多となる30連勝を達成。同年2月に記録を31に伸ばした。 今年3月のばんえい記念では、並み居る実力馬を抑えて初制覇し、元気な姿を見せていた。生涯成績は125戦48勝(うち重賞3勝)。坂本調教師は「春先から体調を崩し、長期療養しておりましたが、容体が変わり残念ながら死亡しました。今年も昨年以上に活躍すると思っておりましたので、残念でなりません」とのコメントを出した。(中沢滋人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
弘道会ナンバー2らを逮捕 銃刀法違反容疑 滋賀県警
2021年6月3日 20時00分 アパートの一室で短刀1本(刃渡り約22センチ)を所持していたとして、滋賀県警は3日、特定抗争指定暴力団山口組の中核組織・弘道会(名古屋市)の若頭(わかがしら)、野内正博(のうちまさひろ)容疑者(55)=岐阜市=ら6人を銃刀法違反容疑で逮捕し、発表した。認否は明らかにしていない。 県警組織犯罪対策課によると、ほかに逮捕されたのは組員3人と組関係者2人。6人は共謀して2019年11月28日、岐阜市内のアパートで短刀を所持していた疑いがある。 野内容疑者は弘道会のナンバー2で、岐阜県に本拠を置く山口組傘下組織の組長。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全国で新たに2832人感染 死者は3日連続100人超
新型コロナウイルスの国内感染者は3日午後8時現在で、新たに2832人が確認された。前週の木曜日より約1300人少なかった。死者は111人で、3日続けて100人を上回った。厚生労働省によると、全国の重症者数は2日時点で1227人。 緊急事態宣言が出ている沖縄県は3日、県立高校を7~20日に休校にすると発表した。10代以下に感染が広がっているためで、小中学校の休校を各市町村教育委員会に求めるという。 同県では新たに244人の感染を確認。療養者数は2754人と過去最多を更新し、2日時点の病床占有率は新型コロナ専用が99・5%、一般病床も93・2%に達した。保健所の業務も追いつかず、濃厚接触者の調査を一部で中止した。 東京都では508人の感染を確認。前週の木曜日より176人少なく、3日までの1週間平均は475・3人で前週比81・2%となった。大阪府では226人の感染と、19人の死亡が発表された。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
いじめ「起こって当然」 勝訴後に原告が学校に求めた事
千葉市の小学校で同級生からいじめを受けてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したとして、大学生の男性(19)が同級生の保護者と市に約1400万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が3日、東京高裁であった。白石史子裁判長は、一審が否定した学校側の責任も認め、同級生の保護者と市に388万円の賠償を命じた。 男性は、小学5年時に同級生から殴りかかられるなどの暴力を振るわれたり、後ろの席から消しゴムや鉛筆などを投げつけるなどの嫌がらせを繰り返されたりしたとして、2016年に提訴。相談した担任の教師から「言いに来なくていい」などと言われ、適切な対応がなかったとして学校側の責任も主張した。 この日の判決は、同級生によるいじめ行為を認めたうえで、教師に対しても、同級生にもっと強く指導することや、男性の訴えを真摯(しんし)に聞いて精神的に支えるなどの措置をとるべきだったのに怠ったと指摘。その結果、男性に精神的、肉体的苦痛を与えたとした。 また、「男性は学級担任から守られず、クラスで孤立していると感じ、多大な精神的苦痛を受けた」と認定。被害によるPTSDの発症は認めなかったが、頭痛や睡眠障害、フラッシュバックなどの「PTSDに準ずる精神症状が継続している」とした。 一審・千葉地裁は、同級生から3件の暴力行為があったことを認め、33万円の賠償を同級生の保護者に命じたものの、学校の責任は認めていなかった。 男性はこの日の判決後、学校の責任が認められたことについて「意味のある判決。闘ってきたかいがあった」としたうえで、いじめについて次のように語った。「いじめはあってはならないものではなく、学校という子どもの成長の場では起こって当然。起こったいじめを教育へと帰結させ、子どもを成長に導くのが教職員の役割だ。大人がすべきことは隠蔽(いんぺい)や見てみぬふりではない。いじめを通して子どもを成長に導き、被害者と加害者を生み出さないことだ」 原告弁護人の杉浦ひとみ弁護士も、「教師の責任を丁寧に認定し、それを違法と判断してくれた。また、PTSDに準じるとして精神的に大きな被害があったと認めたことも大きい」と判決を評価した。 千葉市教育委員会の磯野和美教育長は「判決内容を検討した上で今後の対応を考える」とコメントした。(編集委員・大久保真紀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大火砕流から30年の涙雨 島原を包む鎮魂の祈り
消防団員や報道関係者ら43人が死亡・行方不明になった雲仙・普賢岳(長崎県)の大火砕流から30年を迎えた3日、地元の同県島原市では、雨の中、市主催の犠牲者追悼式が営まれた。 大火砕流のあった1991年6月3日も雨だった。発生時刻の午後4時8分にサイレンが鳴り響くと、犠牲者遺族や市民らが黙禱(もくとう)した。各小学校でも追悼行事が催され、市内は犠牲者を悼む祈りに包まれた。(小川直樹) 鎮魂の被災地ぬらす涙雨 当時、島原市長として陣頭指揮にあたった鐘ケ江管一さん(90)は、被災者が集団移転した仁田団地であった市主催の追悼式に参列。ゆっくりと献花台まで歩き、花をたむけた。「悔やまれて仕方なかった。毎日亡くなった方のご冥福を祈ってきた」。30年前と同じ雨空に「涙雨ですね」と話した。 発生時刻の午後4時8分には市内全域でサイレンが鳴った。消防団員が犠牲になった北上木場農業研修所跡地では、遺族が普賢岳に向かって黙禱(もくとう)。父を亡くした福岡市の会社員山下優樹さん(42)は「あの日を忘れることは決してない。子どもにも大事な日だと教えていきたい」と話した。 撮影ポイントだった「定点」では、多くの報道陣が巻き込まれた。日本テレビのカメラマンだった弟を亡くした和歌山市の会社経営小村哲也さん(58)はサイレンとともに手を合わせた。「最後まで仕事を全うした弟を誇りに思う。報道で命を落とす人が少しでもなくなることを祈りました」 拡大する雲仙・普賢岳噴火災害から30年。降りしきる雨の中、「定点」に花を供え手を合わせる報道関係者の遺族たち=2021年6月3日午後3時55分、長崎県島原市、吉本美奈子撮影 拡大する消防団員などが犠牲となった「北上木場農業研修所」跡を訪れ、手を合わせる遺族ら=2021年6月3日午後3時53分、長崎県島原市、金子淳撮影 拡大する雲仙・普賢岳噴火災害から30年。降りしきる雨の中「定点」では手を合わせる人の姿が見られた=2021年6月3日午後3時5分、長崎県島原市、吉本美奈子撮影 なぜ夫が…割り切れない思い今も 「私たち遺族は、深い悲しみを背負いながら過ごしてきました」 追悼式で、島原市の大町寿美さん(64)は遺族を代表してあいさつした。消防団員の夫安男さん(当時37)を失い、子ども3人を懸命に育てた30年だった。 葉タバコ栽培と酪農を家族で営んでいた。大火砕流が起きる前に比較的小規模な火砕流が相次ぐと、安男さんは、最も山に近い上木場(かみこば)地区の消防団の応援で頻繁に出かけた。ある日、「自分は消防団員。何かあったら本望だよ」と口にした。寿美さんはこう返した。「残された人はどうすっと?」 1991年6月3日夕方。上… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学入学金の納入期限遅らせて 学生ら文科省に署名提出
桑原紀彦2021年6月3日 22時13分 私立大学に支払う入学金の納入期限が早すぎるとして、大学生ら有志のグループが期限を遅らせることを求めてインターネット上で署名を集め、3日、文部科学省に約3万7千人分を提出した。 例年、国立大学の合格発表は前期日程が3月上旬、後期日程は3月下旬に設定されている。一方、私立大学の入学金の納入期限は、それより前に設定されていることが多い。納入後は、入学を辞退しても返還されないのが一般的だ。全国大学生活協同組合連合会が昨年度の新入生の保護者約2万人に調査(回収率33%)したところ、入学しなかった私立大に支払った入学金などの納付金は平均29万4千円だった。 グループは、東京都内の大学などに通う13人。「コロナ禍で家計が厳しいなか、期限の早い大学には入学金を支払えず受験そのものをあきらめた人もいる。受験生の選択肢を狭めないよう期限を遅くしてほしい」と訴えてきた。 同グループの五十嵐悠真さん(22)=日本大学4年=は3日、署名を丹羽秀樹副大臣に渡した後、取材に「文科省には、納入期間を延長するよう各大学に要請してほしい」と訴えた。 グループは、入学金問題に関する情報を集めているという。詳細は専用ページ(https://nyugakukin.mystrikingly.com/blog/9f6959208cb)へ。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東京で508人感染 週平均500人割れも死者は16人
東京都は3日、新型コロナウイルスの感染者を新たに508人確認したと発表した。前週の木曜日(27日)と比べて176人少なかった。3日までの1週間平均の感染者数は475・3人で前週比は81・2%。行政検査の件数(2日までの3日間平均)は8845・0件だった。また、新たに16人の死亡が発表された。 新規感染者508人を年代別で見ると、20代が135人で最多。30代が108人、40代が81人、50代が76人と続いた。65歳以上の高齢者は47人だった。 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都基準の重症者数は67人で、前日から6人減った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル