細見卓司2021年6月9日 21時00分 新型コロナウイルスのワクチン接種で、平日夕方以降や週末に、住民の近所の会場で実施する取り組みが、大阪市生野区で14日に始まる。行政主導の集団接種とは異なり、住民から「便利な時間に打ちたい」「遠くの会場まで足を運べない」との声を受け、区内の病院に勤める医師が発案した。医師や看護師の通常診療以外の時間帯で、「打ち手」を確保しやすいというメリットもある。 当面は、今年度中に65歳以上になる高齢者向け接種を優先する。いずれは、平日日中に仕事を抱え、夕方以降や週末にしか接種を受けられないという64歳以下の住民のニーズもあるとみている。 「ワクチン受けにいくのプロジェクト」と称し、生野区の活性化をめざす一般社団法人いくのもりが取り組む。メンバーで医師の中村一仁さん(48)が、保健所とも相談し、発案した。「『もっと早く打って』などと、多くの人の声を聞いて、貢献したいと考えていた」と中村さん。どんな「プロジェクト」なのか。 接種場所は、区内の12カ所の「福祉会館」など。平日は午後6時半開始、土日は午前9時半または午後1時半開始の予定。中村さんに加え、医師5人と看護師4人がチームを組み、平日日中の通常診療以外の時間帯に、各会場を巡回する。 区内の医療機関の院長の協力で、ワクチンを確保するめども立った。住民は1回目の接種を受けた後、3週間後に同じ場所で2回目を受けることができる。 予約方法は、いくのもりが各地域の住民らに呼びかけ、どうするのが望ましいか考えてもらった。複数の地域で開かれた「予約相談会」の方法では、ボランティアが高齢者に対し、既に他の医療機関などで予約していないか聞き取った上で、当日の接種がスムーズにできるよう事前に予診票の記入を手伝った。医療機関では「予約を受けるだけでもマンパワーが足りない」(中村さん)ことから、医療従事者の予約受け付け業務の負担を軽減する狙いもある。すでに予約が埋まったところも、これから予約方法を検討するところもある。 中村さんは「主役は地域住民で、僕はツール。今までの行政主体ではないところに意義がある」と語る。いくのもり代表理事の木村和弘さん(53)は「地域からわき起こってきた課題を、町ぐるみで解決する象徴的なモデルになる」と強調する。 接種券を持つ区民が対象。問い合わせは、メール(ikunogurashi@gmail.com)で。(細見卓司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪湾に成人と幼児の女性2遺体 関空連絡橋から転落か
2021年6月10日 0時16分 9日午後4時ごろ、大阪府泉佐野市と沖合の関西空港を結ぶ関西空港連絡橋を車で走行していた男性から「車が止まっていて、人が橋の上から落ちたように見えた」と府警関西空港署に通報があった。 駆けつけた署員が橋上の空港自動車道下り線の路肩で、無人のままで止まっていた和歌山ナンバーの乗用車を見つけた。エンジンはかかったままだった。 署員らが付近を捜索したところ、橋から約1キロ南の泉南市沖の海上で、成人と幼児とみられる女性2人がうつぶせに浮いているのを発見した。ともに搬送先の病院で死亡が確認された。 成人女性は黒色の半袖のワンピース姿。幼児は白い半袖Tシャツに黒色の長ズボンを着ていたという。 府警は女性が幼児と橋から転落した可能性もあるとみて、状況を詳しく調べるとともに、身元の確認を進めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
尾身会長「応援は他の方法で」 五輪・パラのPV
2021年6月10日 5時00分 東京オリンピック(五輪)・パラリンピック期間中に行われるパブリックビューイング(PV)について、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は9日、実施を控えるべきだとの考えを示した。同日の衆院厚生労働委員会で、立憲民主党の早稲田夕季氏の質問に答えた。 尾身氏は「パブリックビューイングがあれば、当然応援したい、声を出したい」と応援する人の思いを代弁した上で、「応援は他の方法でもできる。テレビを見たり、色んなものを使ったりして、新たな応援をみんなでやるいい機会になるのでは」と話した。 五輪・パラのPVをめぐっては、各地で中止する動きが相次いでいる。 埼玉県の大野元裕知事は7日、期間中に同県内のソニックシティ(さいたま市大宮区)と朝霞市立総合体育館で予定していたPVを中止すると発表。「五輪の興奮と感動を共有していただきたいと考えていたが、意義と感染症のリスクを総合的に勘案し、中止を決定した。大変残念だが、主催者としての判断だ」と述べた。 東京都墨田区も、区内のスカイツリーで実施予定だったPVの中止を決めた。区は「感染症の収束が見通せないことから、区民の健康と安全を最優先に考慮した」としている。 東京都は代々木公園(渋谷区)での開催を中止し、新型コロナウイルスのワクチンの大規模接種会場として活用する方針を明らかにしている。都によると、井の頭公園(武蔵野市、三鷹市)や、東日本大震災と熊本地震の被災地4県などでは実施予定という。ただ、武蔵野市は都に対し、中止を求める要望書を出している。 小池百合子都知事は9日、PVの中止を求める声が相次いでいることについての受け止めを記者団から問われ、こう答えた。 「それぞれで考えていきます」 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「リベンジポルノするぞ」脅迫容疑で公立高校教頭を逮捕
2021年6月9日 21時44分 愛知県内に住む元交際相手の女性を脅迫したとして、県警津島署は9日、北海道深川西高校教頭の吉田周平容疑者(55)=北海道深川市文光町=を脅迫の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 署によると、吉田容疑者は5月12日午後10時50分ごろから翌日午前7時20分ごろまでの間、女性(28)が復縁に応じないことに激高し、電話やSNSで「リベンジポルノするぞ」「社会生活できんくしてやる」などと伝え、脅迫した疑いがある。 2人はSNSを通じて知り合い、約3カ月間交際していたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道で「核抜き条例」また可決 せたな町
阿部浩明2021年6月9日 21時46分 北海道せたな町議会(定数12)は9日、町内に「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)を持ち込ませないと定めた「核抜き条例」案を全会一致で可決した。 成立したのは「せたな町に放射性物質等を持ち込ませない条例」。条例案を提出した横山一康町議は「1次産業が主体の町には放射性物質は相いれない。将来にわたって豊かな自然を残す担保として、町の姿勢を示すものだ」と話した。 核のごみをめぐっては、寿都町と神恵内村で、国の最終処分場選定に向けた全国初の文献調査が進んでいる。これに対し、近隣自治体などから反対の声が相次ぎ、黒松内町や積丹町などで「核抜き条例」が可決されている。(阿部浩明) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪湾に成人と幼児の女性2遺体 関空連絡橋から転落か
2021年6月10日 0時16分 9日午後4時ごろ、大阪府泉佐野市と沖合の関西空港を結ぶ関西空港連絡橋を車で走行していた男性から「車が止まっていて、人が橋の上から落ちたように見えた」と府警関西空港署に通報があった。 駆けつけた署員が橋上の空港自動車道下り線の路肩で、無人のままで止まっていた和歌山ナンバーの乗用車を見つけた。エンジンはかかったままだった。 署員らが付近を捜索したところ、橋から約1キロ南の泉南市沖の海上で、成人と幼児とみられる女性2人がうつぶせに浮いているのを発見した。ともに搬送先の病院で死亡が確認された。 成人女性は黒色の半袖のワンピース姿。幼児は白い半袖Tシャツに黒色の長ズボンを着ていたという。 府警は女性が幼児と橋から転落した可能性もあるとみて、状況を詳しく調べるとともに、身元の確認を進めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「SOGIハラ訴訟」同性パートナーとの扶養関係問う
戸籍上で同性のパートナーとの内縁関係を認めず、扶養手当などを支給しなかったのは憲法が保障する「法の下の平等」に反するとして、元北海道職員が9日、道と地方職員共済組合を相手取り、手当相当額など約483万円の損害賠償を求めて札幌地裁に提訴した。弁護団によると、同性間の扶養関係が認められるかを問う訴訟は全国初という。 提訴したのは札幌市の社会福祉士、佐々木カヲルさん(51)。戸籍上は女性だが、自身の性について「男ではなく女ともいえない」と自認する。同性パートナーと同居し、自身の住民票に編入させている。 訴状などによると、道や共済組合の基準では、内縁関係の相手も扶養親族に含まれ、手当の支給対象となる。佐々木さんは道職員だった2018~19年、主婦をしていたパートナーについて、扶養手当の支給や寒冷地手当の増額を道や組合に求めたが、いずれも「同性間に内縁関係を認めることはできない」として拒否された。佐々木さんは性的指向によるハラスメントだと感じ、退職した。 「性的少数者の中には、本来与えられるはずの権利を、はじめからあきらめている人が多くいる。私は『ふつう』を求めて闘いたい」 提訴後の会見にのぞんだ佐々木さんは、はっきりとした口調で訴えた。 佐々木さんは、札幌市のパートナーシップ宣誓制度を利用したり、本籍地を同一にしたりして、夫婦としての実態を対外的に表明することに努めた。扶養関係が認められず、共済保険に入れなかったため、パートナーの国民健康保険料を佐々木さんが払ったという。佐々木さんは今回の請求に、本来であれば払わないで済んだ保険料の額も含めた。 道は「職員間の公平性の確保」などを理由に手当の支給を拒否した。これに対し、佐々木さんは「私たちを公平に扱わないことが、他の職員にとっての公平なのか。私たちの公平はどこに行くのか」と訴える。 佐々木さんは、性的指向と性自認を示す「SOGI(ソジ)」へのハラスメント(嫌がらせ)を知ってもらいたいと、今回の裁判を「元道職員SOGIハラ訴訟」と名づけた。「SOGIは、すべての人に関係する言葉。性的少数者の問題だと他人事にせず、人権問題としてとらえてほしい」 佐々木さんにとって朗報もある。今年3月、同性どうしの結婚が認められないのは違憲だとして、道内の同性カップル3組が国に損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は、同性婚を認めない民法や戸籍法の規定が憲法14条に違反するとの初判断を示した。 弁護団は「内縁相手が同性であっても異性であっても、扶養にかかる費用や補償の必要性は変わらず、道や共済組合の決定は、真にやむをえない区別ではなく、不当な取り扱いだ」と訴えている。(川村さくら) ◇ 「SOGI」とは、どの性を好きになるかを表す「性的指向(Sexual Orientation)」と、自分の性別をどう考えるかを表す「性自認(Gender Identity)」の頭文字を取った言葉だ。 性的少数者に限らず、あらゆる人に当てはまる考え方。国連などの国際機関に加え、日本国内でも使用が増えている。 「なくそう!SOGIハラ 実行委員会」代表の松中権(ごん)さんによると、「SOGIハラ」には、SOGIに関する差別的言動や、SOGIを理由とした職場での異動や解雇などが挙げられる。他者から勝手に暴露される「アウティング」なども含まれる。 <同性婚訴訟・札幌地裁判決> 3月17日の判決で、武部知子裁判長は「法の下の平等」を定めた憲法14条違反を認定した理由について、「性的指向など人の意思によって選択・変更できないものに基づく区別は、真にやむを得ない区別であるかによって、その合理性を慎重に検討されなくてはならない」とした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再エネ電気、ふるさと納税の「返礼品」に 一転活用へ
政府は9日、ふるさと納税の返礼品に、自治体が地元の太陽光発電所などでつくった電気の活用を認める方針を決めた。総務省は今年4月、電気は地場産品に当たらないとの見解を示していたが、再生可能エネルギーの導入を加速させるため、一転して活用することになった。 政府の国・地方脱炭素実現会議(議長・加藤勝信官房長官)で同日、自治体が温室効果ガスの排出実質ゼロ(脱炭素)に取り組む行程表を取りまとめた。その中で、再エネの普及策の一つとして、ふるさと納税の活用を盛り込んだ。 ふるさと納税を希望する人は、再エネで発電した電気を売る新電力会社と契約した上で、その地域の自治体に寄付をする。支払う電気料金のうち、寄付額の3割までの金額を割り引く仕組みを想定している。再エネの電気を買ったことを示す「非化石証書」の活用も検討している。 電気の返礼品はこれまで9市… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:353文字/全文:727文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
維持困難路線の自治体負担、協議に意欲 JR北社長
佐藤亜季2021年6月9日 21時59分 北海道議会の地方路線問題調査特別委員会は9日、JR北海道の島田修社長を参考人として招致した。経営悪化に苦しむJR北に対し、国は2021年度から3年間で計1302億円の支援を決め、道も観光列車の無償貸し付けを実施する。JR北は再建に向け、特に維持が厳しい8線区の地元自治体との費用負担を巡る議論を本格化させる。島田社長は「地域のみなさまと一体となって利用促進に取り組んでいきたい。中期経営計画終了の3年間で維持できる仕組みの構築に全力をあげる」と述べた。 参考人招致は、国や道の経営支援決定を受け、JR北の経営再建策を問うために実施された。委員会では地方路線維持を不安視する質疑が相次いだ。JRは「単独では維持困難」としている10路線13線区(1237・2キロ)のうち、宗谷線・名寄―稚内や石北線・新旭川―網走、根室線・釧路―根室など8線区では、自治体に維持費用負担を求めている。島田社長は「中期経営計画が終了する2023年度までに一定の合意形成なされるよう、全力で取り組む」と述べた。 また、廃止・バス転換の方針を決めた5線区のうち、留萌線(深川―留萌)と根室線の富良野―新得の2線区では自治体との協議が続いている。島田社長は「バス転換に早期に合意いただけるよう全力で取り組む」とした。 委員会前日の8日には、函館線で7日深夜に保線作業車のブレーキが利かなくなり、想定を大きく上回る速度で走り続けるトラブルが発生した。島田社長は「経営方針の基本である安全最優先の取り組みを続けているが、逸走するという大変重大な事象を発生させた。原因究明のうえ、しっかりした再発防止策を構築していく」と述べた。(佐藤亜季) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自民・武井俊輔氏が同乗の車、六本木で当て逃げ容疑
2021年6月9日 19時19分 自民党の武井俊輔衆院議員(宮崎1区)の公設秘書が運転する乗用車が、東京・六本木で当て逃げ事故を起こしていたことが9日、警視庁への取材でわかった。武井氏も後部座席に同乗していたという。秘書や武井氏は任意の事情聴取に応じており、同庁は道路交通法違反の疑いで調べる。 捜査関係者によると、8日午後6時すぎ、港区六本木3丁目の都道交差点で60代の男性秘書が運転する乗用車が左折した際、50代男性の自転車と衝突。秘書は現場から走り去ろうとしたが、自転車の男性が追いかけて停車させた。男性にけがはなかった。車は車検が切れていたという。 武井氏の地元事務所は朝日新聞の取材に対し、「運転していた秘書は指摘されるまで事故に気づかなかった。被害者の方には大変申し訳ない」としている。武井氏をめぐっては、2019年にも別の私設秘書が飲酒運転で警察車両に追突する事故を起こしていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル