大木理恵子2021年6月10日 20時11分 熊本県水上村の中嶽弘継(なかたけひろつぐ)村長からパワーハラスメントを受けてうつ病を発症したなどとして、村の男性職員(53)が10日、村と中嶽村長を相手取り、慰謝料など計約530万円の損害賠償を求める訴訟を熊本地裁人吉支部に起こした。 訴状によると、男性は2007年から村総務課に所属し、公用車の運転に従事。中嶽村長の初当選から1年余り経った16年6月ごろから、顕著なパワハラが始まった。 男性が公用車を運転する際、対向車に村民が乗っていれば深く頭を下げてあいさつするよう強要。男性があいさつをしない時には「なんで気がつかないか」「責任をどうとるか」などと複数回叱った。 2時間近くトイレ休憩を許されずに「膀胱(ぼうこう)がおかしいのか」などと言われたほか、長時間の飲み会にたびたび参加を強いられ嫌みを言われ続けたこともあった。男性が運転中にマスクを着用していることについて「お前がマスクしていることがわからん。地元でマスクしなくてもよいと思っている」などと言われた。「懲戒にする」「今度査問委員会をする」といった発言もあった、としている。 男性は2回、村総務課長にパワハラを相談したが、課長は「村長は言っても聞かない人だから」「診断書が出されたら休んでくれとしか言えない」と取り合わなかったという。 男性は昨年3月に適応障害、4月にうつ病と診断され、約1年間休職している。10日に熊本市内で記者会見し、「私のような被害者がこれ以上出ないよう、パワハラの事実を皆さんに知っていただきたく提訴を決断した」と声を詰まらせながら話した。 中嶽村長のパワハラ疑惑は、地元民放が今月報じ、中嶽村長は「パワハラを行ったという認識はない。誤解を招く言動があれば、改めるにやぶさかではない」などと記した文書を地元報道機関に送っていた。 村総務課は取材に、「訴状が届いていないのでコメントできない」と答えた。村と中嶽村長の代理人弁護士は「村長はパワハラはないと思っているが、訴状についてはきちんと対応すると言っている」とコメントした。(大木理恵子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
撮れた! クマゲラの子育て 札幌の森林でヒナすくすく
日吉健吾2021年6月10日 20時30分 【動画】札幌の森林でクマゲラが子育て=日吉健吾撮影 夏を迎える札幌市内の森林で、国の天然記念物クマゲラが繁殖の時期を迎えている。忙しく子育てに追われる姿を撮影した。 好天に恵まれた朝、午前4時半に車を駐車し、歩くこと20分。すでに野鳥や写真の愛好家6人が見守っていた。新型コロナウイルス対策で全員がマスク姿だ。巣穴が見える数十メートル離れた場所に三脚を立て、600ミリの望遠レンズを載せる。レンズの焦点距離を1・4倍に伸ばせるテレコンバーターと一眼レフカメラを装着した。 早朝の静かな森で10分ほど耳を澄ましていると「キョーン、キョーン」という鳴き声が聞こえてきた。黒い体に頭頂部の赤色が目立つオスの親鳥が巣穴に飛来した。この時は穴から顔を出すヒナにエサを与え始めたものの、自分の体で巣穴を覆い隠してしまった。 その後、約1時間おきにエサを運ぶ場面が見られたが、周辺にいるカラスに狙われるのを警戒してか、入り口を覆ったり、すぐ巣穴の中に入ってしまったりした。 「あと1回、エサやりを撮影して帰ろう」と心に決めてから、待つこと2時間半――。エサを求め競うように大きく口を開けたヒナ2羽がファインダー越しに見える。そこにオス親だけでなくメス親も加わり、1枚の写真に収めることができた。帰り道、自分の足取りが軽く感じた。 北海道と東北の一部に生息するクマゲラは全長約45センチになる国内最大のキツツキの仲間。4~6月の繁殖期が終わると、幼鳥は巣立ちの時期を迎える。(日吉健吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
帰国困難のセルビア人陶芸作家 市民が支えた14カ月
新型コロナウイルスの影響で、岐阜県多治見市に1年以上も足止めされていたセルビア人の女性陶芸作家が15日、帰国の途に就く。市内で2年間、やきものを学び、昨春には祖国に戻る予定だったが、航空便は何度もキャンセルに。滞在費も底をつきかけ、苦境に陥った彼女を支えたのは、多治見で出会った友人や知人たちだった。 セルビア中部ゴルニ・ミラノヴァツ市出身のヨバナ・チャボロビッチさん(36)は、2018年春、多治見市陶磁器意匠研究所(意匠研)のセラミックスラボに入所した。同国の大学で陶芸を学び、恩師に日本行きを勧められて来日した。ラボ在籍中の2年間に数多くの作品を制作した。 意匠研の前田剛副所長(57… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:934文字/全文:1232文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
真夏日の北海道、大雪山系には春 チシマザクラ咲く
本田大次郎2021年6月10日 21時30分 北海道内各地で30度を超える真夏日となった10日、北海道の大雪山系・黒岳の中腹で、チシマザクラが4分咲きとなり、山はやっと遅い春を迎えた。 この日正午、黒岳ロープウェイの五合目駅(標高1300メートル)での気温は18度。近くの展望台では、「日本一遅咲きの桜」をうたうチシマザクラが、7日に開花し、残雪を抱いた山々を背景に、一気に花をほころばせていた。 駅周辺では、高山植物のキバナシャクナゲも一斉に咲き始めた。黒岳ロープウェイの担当者は「鮮やかな新緑とチシマザクラを一緒に楽しめる季節」と話している。(本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌市の五輪PV中止を検討 五輪中の医療提供も厳しく
佐藤亜季2021年6月10日 21時30分 札幌市の秋元克広市長は10日、東京五輪・パラリンピックのパブリックビューイング(PV)の中止を検討していることを明らかにした。新型コロナウイルス感染症対策本部会議後の会見で「大会組織委員会と中止を含めた検討をしていきたい」と述べた。 市はこれまで、PV会場を市中心部に設けて競技を中継するほか、スポンサーによるブース出店、ステージイベントなどを行う予定だった。しかし緊急事態宣言下で、市内のコロナ感染者は依然として1日100人を超す規模が確認され、医療提供体制も逼迫(ひっぱく)が続く。秋元市長は「(7~8月の五輪)大会期間中に感染者数が低い状況になるのは現状としては難しいのではないか。スポンサーなどとの関係もあるので組織委と協議していきたい」とした。 五輪で札幌市はサッカーやマラソンなどの競技会場となるが、会場の感染対策や関係者の医療提供体制も見通せない。秋元市長は、コロナ対応で医療提供体制は逼迫(ひっぱく)しており、「(五輪関係者への)特別な医療提供は(開催時の)7月も厳しいと想定する。市としての提供は難しい」とし、競技場や公道での感染対策について「組織委は早急に考えを示してほしい」と語った。(佐藤亜季) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高速道路で急減速か 後続車2台衝突、逮捕の男は黙秘
板倉大地2021年6月10日 22時00分 高速道路で車を急に減速し、後続車2台に衝突事故を起こさせて運転手2人に軽傷を負わせたとして、福岡県警は10日、住所、職業不詳の柴山和希容疑者(25)を自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致傷)容疑で逮捕し、発表した。「何も言えません」と黙秘しているという。 県警によると、柴山容疑者は1月30日午前5時45分ごろ、北九州市門司区吉志の九州道下り線の追い越し車線で乗用車を運転中、後続の大型トラックの通行を妨害しようと急に減速し、大型トラックを急停止させ、後続の別の大型トラックと衝突する事故を起こさせた疑いがある。後続車2台をそれぞれ運転していた大分県佐伯市と福岡県春日市の男性2人(ともに40代)は首や腰に軽いけがをした。 現場は片側2車線のゆるやかな右カーブ。柴山容疑者は走り去ったが、防犯カメラの映像などから特定されたという。(板倉大地) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飲食店でお酒、解除後も飲めない? 政府、来週にも判断
東京や大阪など10都道府県に出ている緊急事態宣言が20日に期限を迎える。五輪の主催都市である東京の感染再拡大(リバウンド)を警戒する政府は、仮に宣言を解除しても何らかの感染対策は続ける構えだ。飲食店で禁じている酒類の提供を解禁できるかどうかが、大きな焦点となる。 宣言が出ているのは、北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡、沖縄の10都道府県。感染状況は改善傾向にあり、政府は20日の宣言解除をめざす。今後の対策の内容についても検討を進めており、来週にも方針を決める構えだ。菅義偉首相は10日、記者団に「感染者数や病床の状況について専門家と相談をしながら、最終的に判断したい」と述べた。 ただ、北海道と沖縄は病床使用率などの指標が宣言を出す目安の「ステージ4(感染爆発)」にとどまるため、政府は慎重に感染状況を見極める。 政府が特に警戒するのが、首都・東京でのリバウンドだ。9日にあった厚生労働省の専門家会合では、東京で人出が増えていることから「警戒が必要」との指摘が出た。7月23日には東京五輪の開会式が控える。首相は五輪開催にあたり「国民の安心、安全を守る」と繰り返しており、首相周辺は「五輪まで感染者を少なくしなければならない」と語る。 このため、政府内では「東京や大阪などでは感染防止対策をいきなり全部解除とはならない」(コロナ対策にあたる幹部官僚)と、段階的に対策を緩和する案が検討されている。焦点は、4月25日から続く酒類やカラオケを提供する飲食店への休業要請の扱いだ。 「酒禁止、守ってくれるのか」 不安も 厚労省幹部は「夜は酒を出さ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:415文字/全文:1104文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
酒解禁でも時短継続 まん延防止解除の群馬・石川・熊本
新型コロナウイルスの対応で、群馬、石川、熊本の3県に適用中の「まん延防止等重点措置」が期限の13日に解除されることが正式に決まった。3県とも飲食店への酒類提供の自粛要請は解除するが、営業時間の短縮要請は多くの地域で維持される。石川県では「Go To イート」の食事券販売の再開を目指す動きもある。 群馬県は10日、対策本部会議を開き、重点措置が解除される14日以降も、20日までは県独自の「警戒度」を最高の「4」に据え置き、県内全域の飲食店に、午後8時までの営業時短要請を続けることを決めた。 重点措置対象の前橋、高崎、伊勢崎、太田、沼田、渋川、藤岡、富岡、安中各市と玉村町の10市町には、酒類提供を終日自粛としていたが、午後7時までは提供できるようになる。 県内の1日あたりの感染者数が113人と最多を更新した5月上旬には7割近かった病床使用率は、10日現在で22・4%まで下がったが、「医療現場の負担感が減ったとは言えない」(県幹部)状況が続く。 コロナ禍で打撃を受けた観光業への支援策として、県民限定で県内宿泊料金などの一部を補助する事業の再開は見送った。山本一太知事は10日の会見で「リバウンドを防ぎたい。経済活動の再開も、慎重に段階的に行いたい」と話した。 「大変厳しかったと思う。お… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:741文字/全文:1313文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新型コロナ、新たに2046人の感染確認 71人死亡
新型コロナウイルスの国内感染者は10日午後9時半現在で、新たに2046人が確認された。亡くなった人は71人だった。 東京都では新たに439人の感染を確認した。年代別では20代が141人で最多。30代が84人、40代が77人、50代が65人と続いた。65歳以上の高齢者は23人だった。全体では前週の木曜日(3日)と比べて69人少なかった。10日までの1週間平均の感染者数は391・7人で前週比は82・4%。 大阪府の新規感染者は148人。インド型変異株に30代と40代の男性2人が感染していたことも判明した。海外の渡航歴はなかったという。 沖縄県では、新たに166人の感染を確認。県の集計では直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は94・05人で全国最多。2番目の北海道(26・85人)と大きく差が開いている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸市、12~15歳へのワクチン接種券発送見合わせ
鈴木春香2021年6月10日 20時32分 新型コロナウイルスワクチンの市立中学・高校での集団接種を検討していた神戸市は、12~15歳への接種券の発送をいったん見合わせる。久元喜造市長が10日の定例会見で明らかにした。「国の方針の混乱」を理由に挙げた。 厚生労働省がファイザー社製ワクチンについて対象年齢を12歳まで引き下げたことを受け、神戸市は中高生への集団接種も視野に、6月中に接種券を発送できるよう準備してきた。 ところが、萩生田光一文部科学相が8日の記者会見で、12~15歳への接種に検討すべき課題があるとして「学校でただちに集団接種ということは考えていない」などと発言。これを踏まえ、久元市長は「厚労省がアクセル、文科省がブレーキをかけているような状況で大変当惑している」と批判。「国の方針が混乱しており、検討はしばらくストップしたい」と説明した。(鈴木春香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル