緊急事態宣言が21日解除され、都内の飲食店では酒類の提供が条件付きで可能になった。しかし、上野・アメ横を歩くと、人通りはまばら。飲食店からは「休業中に客が離れてしまったのでは」と心配する声も聞こえてきた。 「まだ初日、月曜日だからだと思いたいが」。居酒屋の40代の男性店長はつぶやいた。酒類が提供できる午前11時から、店先に14人分の座席を準備したが、2時間で来店客は2人だけだった。 男性店長によると、100メートルほど離れた店では、宣言期間中も酒を提供していた。この日も昼からほぼ満席で、「ああいう店にお客さんが集中している気がする」とぼやく。「客足が戻らなければ、営業しても赤字になってしまう。ここで巻き返さないと。踏ん張りどころです」 酒の提供は午後7時までなどの条件が残る。大通りから離れた10席ほどの居酒屋の男性店長(25)は「これからが本番という時間帯にお酒を出せないのでは意味が無い。『飲食店のみなさん、緩和してあげましたよ』という、政府や都のアリバイ作りなのでは?」と話した。 都が示す「客は同一グループごとに2人までで、90分以内」という条件にも疑問の声が上がった。焼き鳥屋の店長(39)は「3人で入ってきたお客さんに『帰って』とは言えないよ。律義に守る店があるとは思えないけどなあ」。 「お酒の提供はしておりませ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:812文字/全文:1385文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
子どもの接種、丁寧な説明重要 「緊張から失神」指摘も
職場や大学での新型コロナウイルスワクチンの接種が21日から本格的にはじまった。今後、12~15歳の子どもに対しても接種が広がっていく見通しだ。高齢者に比べると感染したときに重症化する可能性は低いとされるが、接種するかどうかをひとり一人が判断するためにも、有効性と安全性の正確な情報発信が重要になる。 日本で現在、接種に使われているファイザー製とモデルナ製は、ともに高い有効性が報告されている。安全性にも大きな問題は指摘されていない。 ファイザー製の対象は当初16歳以上だった。12~15歳を対象にした追加の試験が行われ、ワクチンによって十分に免疫のしくみが刺激されていることが認められたため、6月1日からは12歳以上の子どもにも接種できるようになった。 ただ、接種後の痛みや発熱といった反応は、若い人ほど出やすいとされている。ファイザー製を接種した国内の医療従事者約2万人を調べた中間報告によると、37・5度以上の発熱や頭痛、倦怠(けんたい)感の頻度は、年齢が若いほど高まる傾向がみられている。 日本小児科学会「できれば個別接種が望ましい」 米国では、反応の種類にも年… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:987文字/全文:1477文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
デジタル化、新聞の役割は 朝日新聞あすへの報道審議会
ネット上で誰もが意見を発信できる時代。言いっ放しのつぶやきがあふれ、あやふやな情報も駆けめぐっています。新聞社はニュースをどう届ければいいのでしょうか。朝日新聞が今月1日に開いた「あすへの報道審議会」で、パブリックエディター(PE)と読者、本社編集部門の記者らが意見を交わしました。 <パブリックエディター> ◇高村薫(たかむらかおる)さん 作家。「マークスの山」「土の記」など著書多数。1953年生まれ ◇山本龍彦(やまもとたつひこ)さん 慶応大法科大学院教授(憲法学)。1976年生まれ ◇小松理虔(こまつりけん)さん 地域活動家。福島県いわき市を中心に活動。1979年生まれ ◇小沢香(おざわかおり) 朝日新聞社員。前・フォーラム編集長。1966年生まれ 記者の顔見せ、読者と考える 小松PE 青沼ハンナさん(読者) 今、大学1年で、紙の新聞のほかにヤフーニュースもチェックする。グローバルな視点を身につけたいと思い、ユーチューブで海外メディアの動画も見ている。同世代の友人はSNSで情報を得ているようだ。 中野令子さん(読者) 証券会社に約17年間勤め、現在は子育てをしながら、お金をテーマにウェブ記事を書いている。スマートニュースなどで経済メディアの記事を中心に、発信元を確認しながらみている。周囲の人たちは、あまりニュースに関心がないようだ。 伊木緑・東京社会部記者 私はツイッターやオンラインイベントでも発信している。2年前、スポーツ庁が女性の運動を促すキャンペーンで「スポーツをせずにボーッと生きてしまう女性」とうたった。仕事や家庭で忙しい女性は運動する時間もないのに、と違和感を持ち、朝日新聞のウェブメディア「withnews」で「ボーッと生きてるわけじゃない」と書いたら、予想以上に読まれた。「おかしいと思うことに正面からおかしいと言う。これこそジャーナリズム」という読者からのコメントに目を開かされた。今はどんな記者なのかが読者に見られている。 高津祐典・文化くらし報道部記者 朝日新聞のユーチューブチャンネル「囲碁将棋TV」で対局の中継動画などを流している。ファンと記者がコメントを書き込み、リアルタイムで指し手に一喜一憂している。昨年10月に始め、現在の登録者は約2万5千人。20~30代のファンが多く、今までとは異なる読者とつながれている感じがある。 小沢香PE 記者は黒衣と言われてきたが、むしろ記者の違和感や気づきを伝えると、読む人それぞれの価値観に届くのでは。 伊藤大地・朝日新聞デジタル編集長 ネットメディアを経て昨年11月に入社した。購読料をいただき毎日届ける紙の新聞が水道のようなインフラだとすれば、無料ニュースがあふれる中でお金をいただくデジタル版はミネラルウォーターを売るようなもの。取材の過程を見せ、信頼される必要がある。 小松理虔PE 僕はSNSでニュースを見て、情報発信している。記者の顔が見えると朝日新聞の見え方が変わってくる。デジタル化は、記者が顔を見せて読者と信頼関係を作っていくきっかけになる。 ネットへの過剰反応、懸念 読者 拡大する読者2人と高村薫PEはリモートで参加した=2021年6月1日午後1時43分、東京都中央区、杉本康弘撮影 青沼さん 最近懸念しているのは、ネット上の話題をメディアが報じることで、さらに大きくなってしまうこと。競泳日本代表の池江璃花子さんにSNSで東京五輪開催に「反対の声をあげてほしい」との声が寄せられた時にも感じた。 中野さん 私が気になったのは、新型コロナウイルスの感染拡大で「東京脱出」というハッシュタグ(検索ワード)がツイッターで拡散されているという昨春の記事が、むしろ拡散をあおったとネットで話題になったこと。SNSでの拡散は怖いと感じた。 山本龍彦PE いずれも重要な指摘。一般的に虚構性の高いネットの情報をメディアが報じると、増幅することもある。「フィードバック・ループ」という現象だ。デジタル配信や紙面の計画を話し合う編集局の会議を先日見学した際、冒頭でネットのトレンドが報告されていたが、盛り上がりが本当に実在するのか、批判的な視点も必要だ。 伊藤 トレンドだけでなく、何が問題か、なぜ問題か、どうすればいいのかを報じてこそ、読んでもらえる記事になる。どう拡散するのかはツールを使えば分かり、情報の発信元も特定できる。こうした専門的な知識も必要だ。 小松PE SNSの時代に何か反論が出るのは当然で、発信者が想像できない部分もある。あとからでも検証し、課題や改善点を開示すれば信頼につながる。 山本PE より根源的な課題もある。ネット利用者の関心を引きつけることが経済的な価値を生む「アテンション・エコノミー」という構造の中でジャーナリズムはどうあるべきか。PV(閲覧数)を稼ぐ競争に組み込まれ、利用者の好む記事を選択的に出すと、特定の傾向の情報だけを見る「フィルターバブル」が生まれる。ニュースは本来、個人が見たい情報だけを届けるものではないはずだ。 前田直人コンテンツ戦略ディレクター ある程度は競わざるを得ない。まずは朝日新聞に触れてもらうことがニュース報道を見てもらうきっかけになる。新聞の発行部数は減り、デジタルでの挑戦が必要。ジャーナリズムは大衆と共に存在している。 時代の視座となる役目 高村PE 高村薫PE ジャーナリズムの基本は、個人的な関心事や興味と一定の距離を保ち、取材対象を相対化すること。デジタルなら何でも盛り込めるという考えから離れ、同時代の視座になる報道が求められる。 伊藤 変わらなきゃいけないことと、変わってはいけないことがある。デジタルは紙の新聞と異なり、読者がどこにいるか分からない。ジャーナリズムが社会に不可欠な公共財として機能し続けるには、より多くの人に接する努力をしないといけない。 高津 デジタル時代の記者の役割は、読者とつながり、コミュニティーを育て、新しい結びつきを生むことだと思う。記者が持つ「雑味」も読者と共有して輪を広げたい。討論しながら考えを深める「白熱教室」でおなじみの米ハーバード大のマイケル・サンデル教授と日本の若者の対話を企画し、記事を自分のツイッターアカウントに投稿したら、囲碁・将棋ファンが拡散してくれた。 高村PE 年配の読者はデジタルにアクセスせず、若い読者は新聞ジャーナリズムに興味がないかもしれない。色々な受け止め方が成立するのがデジタル時代の新聞社の生き残り方なのかと思う。ただ、個別のテーマで新たな読者を開拓することと、本来のジャーナリズムは姿の違うものだ。 正確な報道は社会的な使命 読者 野村雅俊PE事務局長 皆さんが考えるデジタル時代のジャーナリズムとは。 青沼さん 今年は衆院選があり、私は初めて投票する。若い世代が投票に行けば未来を変える可能性があると希望が持てる記事を書いてほしい。社会のデジタル化に昔ながらの選挙活動が合っているのかという視点の記事も面白いと思う。 中野さん コロナ禍という平常でない時こそ、報道機関には正確な情報を伝える社会的使命がある。新聞社は質の高い情報を提供するという安心感がある。 高村PE 新聞を毎日読み始めたのは小学校高学年の時、ベトナム戦争がきっかけだった。ジャーナリズムは世界を眺める窓、社会を見つめる窓。ネットには無限の情報があるけれど、東日本大震災など大変な事態が起きた時は信頼に足る窓が絶対に必要。新聞ジャーナリズムの役割は将来も変わらないが、質が保たれていることが大切だ。 取材過程の透明化、今こそ 山本PE 山本PE ニュースの重要性を組織的に議論し、専門的な観点で編集するのが新聞社の強み。今後は取材や編集の過程をもっと透明化しないといけない。 前田 朝日新聞デジタルは5月に10周年を迎えたのを機に、リベラルジャーナリズムの根幹として多様な視点を意識し、「多様性と未来」をキーワードにジェンダーなどの強化ジャンルを設けた。人の物語の背景に大きな社会問題が横たわっていることが分かる記事も配信している。 山本PE グーグルやフェイスブックのようなプラットフォーム企業が、我々の生活をコントロールする巨大権力となりつつある。メディアは情報技術の専門知識を高め、しっかり監視すべきだ。ただジャーナリズムは、刺激的なコンテンツがあふれるネット空間では、どうしても分が悪い。プラットフォーム企業にニュース使用料を求める仕組みなどが海外で議論されているが、ジャーナリズムを保護する制度を日本でも検討する時だろう。 高津 メディアを優遇する制度は理解してもらえるだろうか。どんな記者が発信しているのかといった透明性も高め、メディアの活動が必要だと思ってもらわないと。 伊藤 ジャーナリズムは人びとに必要だと理解してもらってこそ成り立つ。好みの情報に接するだけでは「知的健康」は保てない。例えば災害の現場でも、1社だけでなく、いろんな問題意識を持ったカメラやペンの記者がいることが大事。多様な現場取材ができる環境を残していく責任が我々にはある。 拡大するあすへの報道審議会の会場。感染症対策を徹底して開催した=2021年6月1日午後1時42分、東京都中央区、杉本康弘撮影 小松PE 福島のテレビ局記者だった頃、権力監視や批判精神を持つことがジャーナリズムだと教えられた。今、新聞社がジャーナリズムとは何かを説明しないといけない時代。記者が自分の言葉で説明し、どうすれば社会が変わるのか、読者と考える必要がある。新人記者も取材の1秒1秒がそういう瞬間だという自覚を持つことが必要じゃないかな。 小沢PE ジャーナリズムは情報を届けて終わりではない。世の中の課題はSNSの検索ワードでつながる運動だけでは解決せず、もっと複雑。新聞社が現場や個人に今以上にリアルに迫り、市民が語れる場も用意してほしい。 角田克・常務執行役員編集担当 デジタル化が急進展する中で、ジャーナリズムとは何か、メディアとは何かという根本が問われている。基幹メディアであり続け、読者の皆様の信頼に応え続けるためには、朝日新聞のジャーナリズムもまた再構築が欠かせない。基本は変えず、手法や手段は柔軟にという姿勢で、次なるステージへの歩みを速めていきたい。 (司会は野村事務局長) 青沼さん「記者の皆さんの思いを知ることができた」 「あすへの報道審議会」に参加した読者2人に感想を聞きました。 青沼ハンナさんは「リモート参加で映像や音声の不具合が心配でしたが、トラブルがなくてよかった」とホッとした様子。「記者の皆さんの新たな取り組みや記事に対する思いを知ることができ、貴重な体験ができました。もっと記者の皆さんに直接質問する時間がほしかったです」と振り返りました。 中野令子さんは審議会を前に、朝日新聞デジタルをじっくり見たり、音声配信サービス「朝日新聞ポッドキャスト」を聞いたりしたそうです。「コンテンツが充実している。紙の新聞とデジタル版がかけ合わさると、取材の過程も知ることができるなど記事をイメージしやすくなると感じた」と語りました。 ◇ パブリックエディター(PE) 読者から寄せられる声を幅広く受け止め、本社編集部門に意見や要望を伝える役割を担う。社外の識者3人と社員1人で構成。ほぼ毎週開いている会議や、特定のテーマを設けて年3回程度開く「あすへの報道審議会」で議論を重ねている。 […]
池袋暴走事故でトヨタが異例コメント「車両に異常なし」
東京・池袋で2019年、乗用車に母子がはねられ死亡した事故について、旧通産省工業技術院元院長の飯塚幸三被告=自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の罪で公判中=が運転していたハイブリッド車「プリウス」を生産したトヨタ自動車が21日、「車両に異常や技術的な問題は認められなかった」とするコメントを出した。 この事故でトヨタがコメントを出すのは初めて。特定の交通事故についてコメントを出すのも異例だ。トヨタ幹部は21日の公判終了後、取材に対し「プリウスに乗る全ての方に安心安全な車だとお伝えしたかった。メーカーとしての責務だ」と話した。 飯塚被告は公判で「車に異常があった」と無罪を主張してきた。被告人質問では「エンジンが異常に高速回転してパニックになり、ブレーキペダルを踏んだがますます加速した」と述べ、「ペダルの踏み間違いの記憶は一切ない」としている。 検察側は「飯塚被告がブレー… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:476文字/全文:871文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女性殺人事件で男を逮捕 SNSで「殺してあげますよ」
千葉県袖ケ浦市で5月、刺し傷がある女性の遺体が見つかった事件で、県警は21日、横浜市緑区寺山町、アルバイト夏見翔太容疑者(23)を殺人容疑で逮捕し、発表した。女性を刺したことは認めたうえで、殺意を否認しているという。 逮捕容疑は、5月7日ごろ、袖ケ浦市蔵波の竹林内で、近くに住む美容師見習の中込愛美(あみ)さん(当時19)を刃物のようなもので突き刺すなどして殺害したというもの。 捜査関係者によると、夏見容疑者の自宅からは、血液のようなものが付着した包丁が見つかっており、県警は事件で使われた凶器とみて鑑定を進めている。 2人はSNSを通じて知り合ったとみられ、夏見容疑者が中込さんにSNSで「殺してあげますよ」などとメッセージを送っていた。事件当日に会う約束をしていたといい、初対面だったとみられる。 また、事件当日の現場付近の… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:251文字/全文:621文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「妻と娘の名前言えますか」池袋暴走、遺族が被告に質問
「遺族の無念と向き合っているのか」――。東京・池袋で2019年、暴走した乗用車で母子が死亡するなどした事故の東京地裁での公判で、遺族が21日、自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死傷)の罪に問われた被告に、被害者参加制度を使って直接質問した。被告は「悩まれ、悲しまれ、苦しまれたと想像している。大変申し訳ない」と答えた。 質問したのは妻の松永真菜さん(当時31)と長女の莉子ちゃん(同3)を失った拓也さん(34)と、真菜さんの父の上原義教さん(63)ら。 「刑務所に入る覚悟はあるか」 遺族の問いに被告は… 松永さんが「命を奪った事実を真剣に考えたか」とただすと、旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)は「私にも子がおり、妻と子が突然亡くなったと考えると本当につらい思いをしたと思う」。刑務所に入る覚悟があるかとの問いには「はい」と答えた。 「ペダルの踏み間違いはしていない。過失はない」との無罪主張について、「主張に無理があると思わないか」と指摘した松永さんに、飯塚被告は「車を止められなかったことは悔やんでいる」と述べるにとどめた。上原さんは質問のなかで、涙ながらに「人間は過ちを犯す。せめて過ちを認めて」と訴えた。 次回7月15日に論告求刑と最終弁論があり、結審する見通し。(新屋絵理、大山稜) 「私が許せない理由は何だと思うか」 事故で妻子を失った松永拓也さんら遺族と、飯塚幸三被告の主なやりとりは以下の通り。(――は松永さんの質問、カギ括弧内は飯塚被告の答え) ――私の妻と娘の名前を言えますか 「はい、マナさんとリコさんです」 ――漢字はわかりますか。 「『真』という字に……、記憶が定かでないけど、菜の花の菜。リコさんは難しい字なのでちょっと書いてみることができないです。申し訳ありません」 被告「心苦しいが、私の過失はない」 ――ブレーキペダルを踏んだ記憶は100%自信がありますか。 「はい。普通は自分が思ったよりスピードが出ていればブレーキを踏んでいるので、そう思っています」 ――無罪を主張しているのですよね。 「心苦しいとは思っていますが、私の記憶では踏み間違いをしておりませんので、私の過失はないものと考えております」 ――本心では主張に無理がある… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ほっとした」「だめだろう」 酒提供解禁で客戻る?
北海道に出されていた新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が解除され、21日から「まん延防止等重点措置」に切り替えられた。重点措置の対象区域となる札幌市内の飲食店では約1カ月ぶりに、感染対策の要件を満たせば午後7時まで酒類を提供でき、経過区域の旭川市や小樽市、石狩地域の市町村でも午後8時まで出せるようになった。規制緩和により、飲食店や観光地は客足が戻ることに期待するが、感染リスクが残る中での集客の難しさを指摘する声も根強い。(佐藤亜季、鈴木剛志、志田修二、西川祥一、阿部浩明、三木一哉) 売り上げが激減していた飲食店からは、酒類提供再開に期待する声が上がる。 居酒屋「炎」を展開する伸和ホールディングスは、札幌市内で休業していた20店を順次再開させる。「(酒類提供が)午後7時までといった制約はあるが、(酒類提供の解禁は)一安心。今後、徐々に(道などの要請は)緩和の方向にいくと思うのでほっとしている」(担当者)。アクリル板設置など道が求める感染防止対策の準備を各店で整えている。 酒類提供ができない間も開けていた4店では、売り上げはほとんどなかったという。各店の再開で、まずはコロナ禍前の半分程度まで売り上げを回復させたいという。 ススキノの焼き肉店「焼肉 上を向いて歩こう。」は、酒類提供が午後7時までと短時間のため、新メニューを検討中だ。道が求める感染対策に加え、非接触型のレジの導入なども進め、準備が整い次第営業を再開する。店主の神田隆さんは「飲食店の可能性は依然あると信じている」と、客が徐々に戻ることを期待する。飲食の売り上げはピークの2割程度だが、社員の雇用確保のために不動産などの事業も始めつつ、引き続き飲食を事業の中心に据えるという。 「まだ客戻らない」不安の声 重点措置で酒類提供が解禁されたとはいえ、札幌では午後7時まで、旭川や小樽、石狩管内では午後8時までに制約される。なかなか客足が戻らないことへの不安も根強い。 石狩管内の千歳市の居酒屋店主(54)は「客の戻りは期待はできない」。客の多くを占める自衛隊員や市役所関係者らは、「皆、まん防(まん延防止等重点措置)の縛りでまだ(夜の街には)出られないだろう」という。 昨年の客の入りは例年の2割。特に年末年始は1割にも満たなかった。緊急事態宣言下では食事だけを提供したが、「食べるところがないという常連客のため。焼け石に水ですよ」。出張やゴルフで訪れたホテルの宿泊客からの問い合わせに「ノンアルコールなら」と答えると「それじゃ意味がないんだよ」と逆切れされたこともあった。 7月は自衛隊の異動期で、例年なら送別会が多いが、それも期待できないという。ひとまずアルバイト1人を復帰させたが、「ほんとに予約はゼロ。ひと組でもふた組でも入ってくれれば」と語った。 「お酒が提供できるようになったからと言って、まったく喜べないよね」。小樽市のすし店のおかみ(59)もそう言う。今回の緊急事態宣言の解除も、これまで繰り返された自粛と緩和の一つとしか思えないという。「まだコロナは怖いし、すぐに観光客が来てくれるようにはならないと思う。今年の夏もだめだろうね」 釧路市内で飲食店3店を経営… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長良川鵜飼41日遅れで開幕 今年は観覧船内の飲食解禁
深津弘2021年6月21日 22時00分 1300年以上の歴史があり、国の重要無形民俗文化財に指定されている岐阜市の長良川鵜飼(うかい)が21日夜、新型コロナウイルスの影響で41日遅れて開幕した。6隻の鵜舟のかがり火が川面を照らすなか、鵜匠が巧みな手縄(たなわ)で鵜にアユを追わせ、観覧船の観光客が幻想的な伝統漁法に見入った。 期間は例年5月11日~10月15日だが、「まん延防止等重点措置」の適用で開幕が大幅にずれ込んだ。観覧船での食事と飲酒を禁止した昨年は、乗客が前年の2割弱に激減。今年は船内にアクリル板を設置し、酒のつぎ合い禁止やマスク会食などの感染対策を徹底することで飲食を解禁した。 初日の乗客は255人と例年の開幕より大幅に少なかった。宮内庁から任命を受ける6人の鵜匠の代表杉山雅彦さん(61)は「鵜がここまで家でのんびりしたのは初めてで、体調を維持しながら何とか開幕を迎えることができた。私も鵜もやる気満々で、感染対策をしながら10月の最後までやり切りたい」と話した。(深津弘) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
トヨタは職域接種も「カイゼン」、集団申請の外国人パブ
21日に本格化した新型コロナウイルスワクチンの「職域接種」。東海地方でも、トヨタ自動車やJR東海など大企業が社員らへの接種をスタートさせたほか、従業員が一定数に満たない事業者が、まとまって接種を受けようという動きも相次いでいる。 愛知県豊田市に本社を置くトヨタ自動車。初日の21日、本社内の体育館で約300人が接種を受けた。 トヨタは、5月末から豊田市の集団接種の運営を支援。この経験をふまえ、生産現場の効率化に取り組んできた社員らが「カイゼン」を重ねた。接種者は予診をいすに座らず立ったまま受け、最短ルートの動線を直進するだけで済むようにした。「流れを止めずリズムよく進んでもらうことで、有効に時間を使ってもらう」と担当者。接種まで約3分で、体調を確認するため15~30分ほど待機すれば終わる。 仕入れ先企業を含めた約8万人を対象として想定し、9月10日までに2回の接種を終える計画だ。今後は各拠点にも会場を設け、1日あたり最大約1万人に接種できるようにする。 トヨタ自動車系の部品メーカー、東海理化(愛知県大口町)。午前9時半から本社の体育館で職域接種が始まり、接種を終えた長田健さん(49)は「スムーズに打てた。こんなに早い時期に打てるとは思っていなかった」と話した。 同社は、愛知県内3工場に会場を設け、従業員とその家族ら約1万5千人を対象とする予定。接種後の体調不良に備え、工場では各ラインの接種者は1日1人とする。安全衛生管理室の平屋敷裕二室長は「全ての人が安全に接種できるように進めたい」と話す。 JR東海も、運転士や駅員など鉄道事業に携わる社員約1万7千人を対象に職域接種を開始。この日は同社が経営する名古屋セントラル病院(名古屋市中村区)など2カ所で、指令員ら20人が接種を受けた。指令員の須崎友介さん(33)は接種後、「職場でできてありがたい」と話した。 当面は人数を絞って接種し、7月に東京や大阪にも接種会場を設けて本格化。1日約400人のペースで進め、9月中に2回目の接種完了を目指している。 副反応に備えて、なるべく翌日が休みの社員が就業後に接種できるように調整し、万が一、体調不良になった場合は有給休暇をとれるようにする。特に2回目の接種後に発熱するケースが多いことから接種翌日に勤務となった場合はバックアップ態勢も整えるという。(三浦惇平、堀川勝元) 職域接種は、医師や看護師などを自力で確保でき、最低1千人に接種できるところが対象だ。従業員の少ない事業所が集まって接種する動きも出ている。 名古屋港の港湾運送会社など… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JO de Tokyo : le public autorisé, à rebours des préconisations sanitaires
La présidente de Tokyo 2020, Seiko Hashimoto (à gauche), la ministre des Jeux olympiques, Tamayo Marukawa (à droite), et le président du Comité international olympique, Thomas Bach, lors d’une réunion à Tokyo, le 21 juin 2021. RODRIGO REYES MARIN / AP Trente-deux jours avant la tenue des Jeux olympiques de […]