「私は性暴力を容認しない」「性暴力を看過せず、行動する」――。慶応大学の学生有志の団体「Safe Campus」が全国の学生を対象に、こんな意思表示をするピンバッジのデザインコンテストを企画している。バッジを多くの人に身につけてもらい、被害者が相談しやすく、性暴力が起きにくい環境を作ることが狙いだ。 きっかけは2019年、大学関係者による性暴力事件が相次いで発覚したことだった。就職活動中の女子学生に対する準強制性交などの疑いでOBが逮捕されたり、体育会系の部活動で男子学生による盗撮行為が明らかになったりした。 理工学部4年の佐保田美和さんは当時、学内での性暴力事件を話題に盛り上がる男子学生の会話を耳にしたことがある。 「おかしい」と声を上げたかったが、「場の雰囲気を壊したくない」と踏みとどまってしまい、悔しさが残った。「性被害が軽視される風潮を変えたい」と考え、仲間たちと2019年11月に団体を立ち上げた。 団体はこれまでに、セクシュ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:723文字/全文:1151文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アプリで知り合った女がFX投資話 3千万円の詐欺被害
坂田達郎2021年6月9日 11時02分 山形県庄内地方の50代の会社役員の男性が、マッチングアプリで知り合った女から外国為替証拠金取引(FX)への投資を持ちかけられ、約3千万円をだまし取られた。山形県警が実際のやり取りに使われたSNSの画像を公開し、注意を呼びかけている。 捜査2課によると、男性は昨年11月ごろ、女と知り合い、FX投資に誘われた。複数の人物を紹介され、SNSで「口座開設料が必要」「レートを上げるために入金を」と求められ、指定された口座に入金。同じアプリで知り合った別の女からもFXを勧められ、同12月~今年2月ごろに十数回、計約3千万円を振り込んだという。 いずれも金融機関で振り込んだ。1回の最高額は700万円に達し、対応した職員が目的を尋ねたこともあったが、男性は「(会社の)運営資金だ」などと説明したという。男性が2月ごろに口座から現金を引き出したいと女に依頼したがかなわず、被害に気づいたという。(坂田達郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
感染リスクの提言「IOCにぜひ伝えて」 尾身氏
2021年6月9日 11時10分 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は8日、東京五輪・パラリンピック開催に伴う感染リスクに関する考えについて「IOC(国際オリンピック委員会)にぜひ伝えていただきたい」と話した。参院厚生労働委員会で立憲民主党の田島麻衣子氏の質問に答えた。 尾身氏は五輪開催時のリスクについて、政府や自治体、大会組織委員会、IOCが共有した上で、感染対策を実施する必要があると指摘。「私はIOCに直接のチャンネルを持っていない」と前置きしつつ、IOCに「日本の状況を知ってもらって、理解してもらうことが大事」と強調。考え方の提出先を政府とするのか、大会組織委員会とするのかは未定だが、提出先の組織からIOCに伝えることを求めた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
悩みたどりついた海辺の書店 元動画配信大手役員が開店
神戸・須磨海岸近くの住宅街に5月、小さな本屋がオープンした。港のように開かれた、自由を感じられる場所に。「自由港書店」と名付けた店主の旦(だん)悠輔さん(41)は、3年前まで東京で動画配信大手の取締役を務めていた。悩みながらたどり着いたこの場所で、本と人が出会い出港していくのを見守る。 JR須磨海浜公園駅から海へと続く、青く塗られた一本道。青緑のタイル壁のビル1階に、自由港書店はある。広さ5坪。客が7人も入れば混み合う小さな店だ。手作りの看板や床板、港の灯をイメージした照明がぬくもりを感じさせる。 棚には、絵本、詩集、小説、個人が作ったイラストブック。選ぶ基準は「自由を感じられる本」かどうか。世の価値観や枠組みにとらわれない考え方や生き方を示してくれると思った本を並べる。「人数は少なくても、切実に本を求めている人に届けていきたい」。思い浮かぶのは、かつての自分だ。 3年前まで、数千万人の視聴者にインターネット動画を届ける仕事の最前線にいた。 ITコンサルタント会社を経て、ネット動画の世界に飛びこんだのは2007年。ユーチューブの日本語版が始まるころで、まさに黎明(れいめい)期だった。新たな表現手段を得た無名の芸人やアニメーション作家たちが競い合う世界。「テレビでは生まれにくいコンテンツがあふれていて、ものすごいマグマを感じたんです」 アニメを担当し、作り手の発… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1269文字/全文:1864文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
リコール事務局長、取材重ねた記者に漏らした「本音」
愛知県の大村秀章知事に対するリコール署名偽造事件で、地方自治法違反(署名偽造)の疑いで8日に再逮捕された運動団体事務局長の田中孝博容疑者(60)は、逮捕前の取材に偽造への関与をほのめかしていた。記者が取材を重ねる中で漏らした「本音」は、事件に関わることから、署名活動への考え、家族への思いまで多岐にわたっていた。 記者が田中容疑者と初めて会ったのは昨年6月2日、名古屋市内のホテルの記者会見場だった。美容外科経営の高須克弥氏らがリコール署名活動を始めると宣言。司会の田中容疑者は高須氏が答えられない場面では助け舟を出していた。はっきりとした大きな声が印象的だった。 署名活動の取材をしていた記者は、署名偽造の疑惑が明るみに出た今年2月から田中容疑者に頻繁に連絡するようになった。時には電話で1時間以上、対面では3時間近く話すこともあった。 5月上旬、田中容疑者は記者との電話で「不正署名」という言葉を使った。 広告関連会社(名古屋市)に名簿をもとに署名用紙に書き写す「代筆」を頼み、有権者から同意を取るつもりだったと説明する田中容疑者は、突然その言葉を口にした。 「そもそも(事後に本人に同意を取るのは)できっこねえだろうと。この言葉は許してほしいけど、よっぽど精度の高い不正署名を作ってくれると思っていた」 そしてこう続けた。「(書き… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1632文字/全文:2207文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「世界一の朝食」をホテルの外でも ランチで7920円
2021年6月9日 8時00分 「世界一の朝食」を誇る神戸北野ホテルの朝食が、あべのハルカス(大阪市阿倍野区)と兵庫県立芸術文化センター(兵庫県西宮市)にある系列レストランでランチとして味わえる。 山口浩総支配人・総料理長の師匠は、フランス料理界を代表するシェフ、故ベルナール・ロワゾー氏。バターやクリームを抑え、素材の持ち味を生かす独特の調理法で「水の料理人」と呼ばれた。そのロワゾー氏の朝食を出すことを唯一許されたのが同ホテルだ。 ホテル外で初めて提供することになったきっかけは新型コロナだ。緊急事態宣言中でも、フランスの「アール・ド・ヴィーヴル(自分らしく美しく楽しく生きる)」という考え方を取り入れ、新しい日常の中でも気軽に非日常の世界を楽しんでもらいたいとの願いからだという。 両店は緊急事態宣言の延長で臨時休業になっていたが、6月から再開し、数量限定で提供する。3千円相当のお土産付きで7920円。お土産には、神戸市のブランドいちご「二郎いちご」を使ったジャムや、自慢のグラノーラなど、通常はホテルの利用客しか買えない品だという。 同ホテルの担当者は「遠出をせず地元で『世界一』の味を楽しんで」と話している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「村八分」訴訟、元区長ら控訴せず 集落で賠償金負担
大畠正吾2021年6月8日 20時22分 大分県宇佐市にUターンした元公務員の男性(72)が、集落の住民から「村八分」の扱いを受けたとして元区長らに慰謝料を求めた訴訟で、原告男性と被告の元区長3人がいずれも控訴しない方針を決めた。5月25日の判決で大分地裁中津支部が元区長3人に支払いを命じた計110万円については集落の全13戸で分担するという。 原告側、被告側双方への取材でわかった。被告の1人によると、集落は先週末に寄り合いを開いて今後の方針を協議。控訴せず、各戸が分担して110万円と金利などを負担することを決めた。これと別に1人の被告に支払いが命じられた33万円については、被告本人が負担することになった。被告の宇佐市も控訴しないとみられる。 寄り合いでは「控訴すればまた数年ごたごたが続く」などの意見が出たという。これまで途絶えていた原告男性への集落行事の連絡については、区長がいないので集落からはせず、双方の代理人弁護士を通じて行う方針だという。 判決などによると、原告の男性は兵庫県から宇佐市の山間地にUターン。農家への交付金を巡って集落の住民らとトラブルになった。住民らは2013年、男性が住民票を移していないことを理由に自治会から除外し、断交することを全員一致で決議。その後、男性への行事連絡や市の広報誌の配布がなくなった。 男性は18年に330万円の支払いを求めて提訴。判決は元区長らの行為を「『村八分』として共同不法行為を構成する」と認め、3人に共同で110万円を支払うよう命じた。また、その中の1人が嫌がらせをしたとして別に33万円の支払いも命じた。(大畠正吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
支える力になりたいから 一度だけ語ったあの日の事件
付属池田小学校の事件で、けがを負った会社員の源(みなもと)華月(かづき)さん(28)=大阪府池田市=は当時のことを周りに話さず過ごしてきた。でも一度だけ、同世代の学生の前で事件を語り、胸の内を打ち明けたことがある。傷ついた人への接し方を知ってほしいとの思いからだ。 20年前のあの日、休み時間になり、教室の後ろで立っていた。サッとそばを男が通り過ぎた。右脇に熱を感じ、両手で押さえていた。 「ここにいちゃいけない」。階段をヨタヨタと上り、2階の4年生の教室の前の廊下で倒れた。右脇がドクドクし、痛みが走る。「眠ったら死んじゃう」と思った。病院に搬送される救急車の中で救急隊員らに尋ねた。「助かりますか」 入院先の病院に毎日、母親は… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:701文字/全文:1020文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
対面授業なしは「義務不履行」 学生が明星大を提訴へ
独自 村上友里2021年6月9日 5時00分 コロナ禍を理由に対面授業をやらないのは、大学として義務を果たしていない――。そう訴える男子学生(19)が、学費の半額分の返還などを大学側に求める訴訟を東京地裁に近く起こす。学生は「オンライン授業を安易に続ける大学に不安や疑問を感じる学生は多い。誰かが声をあげないといけない」と話している。 原告の男子学生は2020年4月、「将来、会社を経営したい」と東京都日野市にある明星大学に入った。入学式もなく、所属する経営学部で受けた20年度の授業は、オンラインのみ。録画された講義動画を見てリポートを提出するのが主な内容だった。実家を離れての一人暮らしで、コロナ禍でアルバイトもできなかった。 「(昨年は)画面越しでしか教授らを見ていない。授業の疑問を相談できる友人をつくる場もなく孤独だった」という男子学生は、なぜ丁寧な説明もなくオンライン授業を続けるのかと大学への不信感がふくらんだ。父親(70)から「理不尽な対応なら問題提起すべきだ」との助言もあり、提訴を考えたという。 訴えでは、文部科学省が20年7月と9月に▽対面授業ができない理由の説明▽授業の代わりとなる学生同士や教授らとの交流機会の設定――などを実施するよう各大学に求めていたことを指摘。大学側の対応は「文科省の要請に反している」としたうえで、施設を利用させるなど学生との契約義務を履行していないと主張する。学費の返還分を含め、計140万円の損害賠償を大学側に求める予定だ。 明星大は取材に、「学生や教職員の安全確保を最優先する」との方針のもと、昨年春から全学部の授業をオンラインにし、昨秋から一部科目で対面授業を再開したと説明。ただ、経営学部の昨年度の全授業はオンラインで行ったという。 こうした授業方針は、学生用ポータルサイトや大学ホームページなどで周知。このほか、経営学部の1年生については昨年9月と今年3月の計2回、学生同士や上級生、教員との交流会を対面で行ったという。男子学生による提訴方針は「訴状が届いていないため確認できない」とした。 文科省による調査(20年10月時点)では、全国の大学や高等専門学校など計187校が、対面授業の実施割合を全体の半分未満と回答した。「ほぼすべての学生が授業形態などを理解・納得している」と答えたのは、このうち18校だった。(村上友里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元法相からの50万円「使った」 市議、公判証言翻す
戸田和敬、東郷隆2021年6月8日 21時00分 2019年7月の参院選をめぐり、元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)=公職選挙法違反罪で公判中=から現金50万円を受け取った自民党の今田良治・広島市議(74)が広島県警の聴取に対し、現金を寄付したとする公判での証言を翻し、「個人的に使った」と話していることが本人や捜査関係者への取材でわかった。 今田氏は昨年11月、東京地裁であった克行被告の公判に証人として出廷。19年3月と6月に計50万円を受け取り、同年12月に自身の選挙区の広島市安佐北区内にある二つのまちづくり団体に寄付した、と証言した。候補者の選挙区内での寄付行為を禁止する公選法違反の疑いがあるとして、今年2月に市民が告発。県警が受理して捜査していた。 今田氏は8日、朝日新聞の取材に「早くあのお金は手放したかった。渡したという思い込みをずっと持っていたので、寄付という言葉を使った」などと説明。「個人的に使ったのか」との質問には、「それでいいです」と応じた。5月下旬に県警から聴取され、同じ内容を話したという。 公判で虚偽の証言をしたことで、偽証罪に問われる可能性について、今田氏は「持って行っていないのに寄付したと言えば、偽証になるかもしれない。気持ちでは持って行ったつもりになっていた」と話した。(戸田和敬、東郷隆) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル