上皇ご夫妻をはじめ65歳以上の皇族方6人が1日、新型コロナウイルスのワクチンを接種した。上皇ご夫妻はお住まいの仙洞仮御所(東京都港区)で、常陸宮ご夫妻、寛仁親王妃信子さま、高円宮妃久子さまは皇居内にある宮内庁病院で接種した。関係者への取材でわかった。 皇族方のワクチン接種は初めて。87歳の上皇さま、86歳の上皇后美智子さまを始め、皇族方では7人が65歳以上の優先接種の対象。97歳の三笠宮妃百合子さまをのぞく6人が接種したこととなる。 皇族方は市区町村に住民登録がなく、一般国民のようにワクチンの接種券が交付されていない。宮内庁は、皇族方のワクチン接種について「政府の方針に従い、それぞれのご意向に沿って進めていく」とし、接種券が受けられない皇族方のワクチン確保は、厚生労働省や東京都と調整するとしていた。 常陸宮さまは上皇さまの弟で、華子さまとともに東京都渋谷区の常陸宮邸で生活している。信子さまはヒゲの殿下として親しまれた故・寛仁さまの妻で、麻生太郎財務相の妹。久子さまは故・高円宮さまの妻。(杉浦達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高齢者の予約受け付け拡充 「なぜ予約できない」不満で
北海道旭川市は、75歳以上の高齢者向けコロナワクチン接種で予約がなかなか取れず、市民から不満が寄せられていることを受け、予約可能日を8月までとし、1万人分の枠を確保、1~7日の間、集中的な受け付けを始めた。 同市の75歳以上の高齢者は約6万3千人で、これで75歳以上の予約はすべて取れそうだという。接種日が8月と遅れることもあるが、市は「予約できないことに不安を抱える高齢者が多いので、予約してもらうことで、まずは安心してもらいたい」と説明する。 旭川市での高齢者向けワクチン接種は、週末に行う集団接種と医療機関での接種の二本立て。市が受け付ける接種予約は、集団接種と、かかりつけ医を除く医療機関での接種分となる。予約受け付けは75歳以上から始め、毎週火曜に400~1600人分の予約を取っていたが、毎回15分~1時間で埋まっていた。 「なぜ予約できないのか」との苦情が多く寄せられたため、市は予約体制を見直した。75歳以上でまだ予約できていないとみられる約1万人が速やかに予約できるよう、7日まで集中的に受け付ける。8日からは65歳以上の高齢者の予約も受け付ける。 市では今後、集団接種の平日実施や町内会単位での接種を計画しており、高齢者接種の早期完了を目指す。(本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
脱ダム訴えた元官僚、職人への転身 桶づくりに思い込め
ダム建設を進めてきた国土交通省の元官僚が、桶(おけ)づくりの職人に転身した。森を切り開いてきた立場から一転、木のぬくもりに魅せられ、「ダムだけに頼っては人の命を守れない」と訴え続けている。 近畿地方整備局の河川部長や本省の防災課長を務めた京都市下京区の宮本博司さん(68)。2006年に早期退職し、実家の梱包(こんぽう)資材業を継いだ。 翌年から木の桶づくりを始めて15年。会社の隣に建てた小さな工房で、早朝や週末に木と向き合う。木肌にかんなをかける手つきは慣れたものだ。 「ダムと桶。思えば、水をためるものをずっとつくり続けてるんだなって」 官僚時代、苫田ダム(岡山県)や長良川河口堰(かこうぜき)(三重県)の現地所長を務めるなど、多くのダム計画に関わってきた。水没地区の住民は移住を強いられ、計画への賛成派と反対派に分断された。それぞれに悩み苦しむ姿を見て「このままダムをつくり続けていいのか」との思いが募った。 転機になったのは、河川整備… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
田畑を侵食する竹林、SDGsに 鍵はラーメンの具
放置された竹林が全国的に広がり、環境破壊につながる問題になっている。全国でも有数の広さの竹林があり、タケノコ生産量は全国トップの福岡県で、環境保護団体などが「SDGsバンブープロジェクト」を始めた。ラーメンの具などに使われる「メンマ」にして食べてもらうとともに、障害者が働く場にもして、国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)に貢献しようとしている。 同県八女市郊外に、かつて牛舎だった木造の作業所がある。5月上旬、中尾圭詞さん(34)が障害者施設のメンバーらとメンマ作りにいそしんでいた。 市内各地の竹林から2メートルほどに育った幼竹を伐採。作業所に持ち帰って柔らかい部分を20~30センチほど切り出す。熱湯で約1時間煮込み、塩水に漬けて次々と保管箱に入れる。「塩抜きと味付けを加えて2カ月もすれば出荷できます」。約50キロの竹から約20キロのメンマができ、余った部分も肥料などに使えるという。 八女市出身の中尾さんは、もともとマッサージ店を営んでいた。転機は2012年の九州北部豪雨。ボランティアで3カ月にわたって被災地のがれきや土砂を撤去した。被災者と話すうち、「地元の資源を使ってまちおこしや環境改善に取り組みたい」と考えるようになった。復興支援イベントなどを手がけたが、一時的ではない息の長い活動をしたいと考えていた昨春、SDGsに取り組む環境団体「九州循環共生協議会」(代表理事=駄田井正・久留米大名誉教授)の事務局長を務める山村公人さん(54)と知り合った。 国連が掲げるSDGsには「森林の管理」のほか、「働きがいのある仕事」もあります。全国を見ると、竹林は1年に一つの市の面積分広がっています。 竹は成長力が旺盛で、手入れ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1381文字/全文:2037文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「かわいい」と餌やり 外来種のコブハクチョウが苗を…
「都心から一番近い天然湖沼」と言われる、千葉県柏市や我孫子市などにまたがる手賀沼。5月に本格化する田植えの時期に、沼に生息する外来種のコブハクチョウが、植えたばかりの稲の苗を食べる被害が相次いでいる。さらに、周辺へ移動していることも明らかになってきた。生態系への影響を懸念する専門家は対策を訴えている。 5月末、我孫子市農政課の職員が通勤途中に沼の近くの水田で1羽のコブハクチョウが稲の苗を食べているのを見つけた。すぐに職員3人が現場にかけつけ、ロープなどを張って水田から追い出そうとしたが、隣の水田に移るなどしたため、追い払うのに30分ほどかかった。 市農政課の斎藤寿義課長補佐は「音を出したり、ネットを張ったりしても効果がない」と話す。稲が硬くなる6月中旬ごろまでは週に2~3回、「出動」が続くという。市は広報や看板で「生態系に悪影響が出るため餌やりはやめてください」と訴えているが、「かわいい」と餌をやる人が絶えないという。 県農村振興課によると、周辺の市から報告された農業被害は2019年度、柏市で642アール、我孫子市31アールなど、6市合計で706アールに上った。被害総額は約840万円になる。 我孫子市鳥の博物館によると、コブハクチョウはカモ科の鳥でユーラシア大陸の中緯度地域に広く分布し、成鳥では全長150センチ程度になる。手賀沼で初めて観測されたのは1973年。外来種のため、飼育されたものが逃げ出したか、人為的に放たれたものだという。90年には繁殖も確認された。その後増加し、現在は170羽程度が生息しているとみられる。 稲を食べたり、踏み倒したりする農業被害のほか、遊歩道を歩いている人がヒナに近づいて攻撃されることもある。湖岸のマコモやヒメガマなどの水辺の植物を根から食べてしまい、野鳥の営巣や魚の産卵する場所が減ることで、生態系への影響が懸念される。 周辺地域への移動も確認 さらに最近、そのコブハクチ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:425文字/全文:1247文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
踏切から大きな音「体が先に動いた」 転倒のバイク救助
大下美倫2021年6月1日 10時45分 神戸市須磨区の踏切内で転倒した原付きバイクの男性を助けたとして、JR西日本は31日、朝日総合開発の社員大野隆一(おおのりゅういち)さん(52)=神戸市須磨区=に感謝状を贈った。授与式はJR須磨駅であった。 大野さんは5月12日午前8時40分ごろ、出勤前に、自宅の玄関前でメダカの餌やりをしていた。「ガシャン」。大きな音が聞こえたという。 焦げ臭さと車輪が空回りするような音に気づいて自宅の庭から見ると、目の前の踏切内で高齢の男性が倒れていた。近くには原付きバイクもあった。 大野さんは男性に声をかけた後、すぐに非常停止ボタンを押した。その後、JRに連絡し、男性はまもなく同社の社員に保護された。5分ほどのできごとだった。 大野さんは「パニックにはならなかった。体が先に動いた。もらえてうれしい」と笑顔を見せた。(大下美倫) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
家賃収入が突然ゼロ… 若者に目立つ不動産投資トラブル
会社の給与だけでは将来が不安――。そんな心理からか、不動産投資に関心を持つ若者がコロナ禍で増えつつある。ただ、悪質な業者とのトラブルも相次いでいて、リスクに目を向ける必要がある。(阪田隼人) 都内に投資用マンション2戸を持つ会社員の男性(34)は昨年11月、銀行で記入した通帳を見て異変に気づいた。不動産会社から払われるはずの家賃が、数カ月前から全く振り込まれていなかった。慌てて会社に連絡すると、「お金がなく、振り込めない。解約するなら違約金を払ってもらう」と告げられた。 会社は朝日新聞の取材に対し、メールで回答した。約220件の契約のうち、コロナ禍による経営不振で「債務不履行になってしまった件が数十件あったことは事実」とし、多くは「話し合いのうえで事情を説明し、契約者と解約合意に至った」と主張した。 だが、男性はコロナが理由だと聞いた覚えはない。電話口の声からは、悪びれる様子さえなかったという。「最初からだます気だったに違いない」。そう考えている。 男性が不動産投資を始めたの… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1462文字/全文:1911文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
全焼したハンバーグ店「さわやか」営業再開 ファン行列
火災で全焼した人気ハンバーグ店「炭焼きレストランさわやか静岡インター店」(静岡市駿河区中野新田)が31日、全焼した跡地で約7カ月ぶりに営業を再開した。初日から多くの人たちが訪れ、4時間半待ちになる時間帯も出た。初日はテープカットがあり、多くのファンが午前11時の再開を待ちわびていた。 さわやかは、県内に34店舗をかまえる静岡を代表する人気ハンバーグ店。看板メニューの「げんこつハンバーグ」などが人気を集め、県内外から多くの客が訪れる。 この日は開店前から行列ができた。深夜午前2時から並んだという静岡市葵区の会社員大内一真さん(31)は「さわやかが燃えた時は悲しかったが、こうして復活してくれて本当にうれしい。味は変わらずおいしいです」と話した。 さわやか静岡インター店は昨年11月の火災で、建物(約263平方メートル)が全焼した。さわやかによると、従業員が厨房(ちゅうぼう)のグリル台に油をこぼし、引火したことが原因という。けが人などはいなかった。 今回の再オープンまでに、利… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:180文字/全文:625文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛知はよくて岐阜はだめ? 時短協力金給付に不公平感
新型コロナウイルス対策で営業時間短縮(時短)に応じた喫茶店への協力金を、岐阜県が4月に「不支給」と決定しながら、5月27日付で一転取り消し、支給すると決めた。不支給の決定取り消しを求めて提訴の準備をしていた経営者の男性(48)が31日、記者会見を開いて明らかにした。 男性と佐久間信司弁護士によると、喫茶店は岐阜市と愛知県一宮市で1店ずつ経営。岐阜市の店は、コロナ禍で初めて緊急事態宣言が出て、県が時短営業に協力金を設けたことなどで、昨年4月から閉店を1~2時間前倒しし午後8時とした。宣言が解除された後も「年配客が多く安全のために協力したい」と自主的に8時閉店を続けてきた。 今年1月、県が再び飲食店に午後8時までの時短を要請。男性は1月16日~2月7日分の協力金138万円を申請したが認められなかった。県担当者からは「時短要請した前日までの直近3カ月間、午後8時を超えて営業していた店が対象」とされたといい、自主的に8時閉店を続けていた男性は対象外だとされた。 同様に8時閉店を続けてきた… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ウソ」はどっち? 秋元司議員の被告人質問始まる
会員記事 川嶋かえ、新屋絵理2021年6月1日 7時30分 カジノを含む統合型リゾート(IR)事業をめぐる汚職と証人買収事件で罪に問われた衆院議員・秋元司被告(49)の被告人質問が、6月1日から東京地裁で始まる。贈賄側や買収の実行役らが法廷で罪を認めるなか、「すべて無罪だ」と訴える秋元議員自らがどのように語るのかが注目される。 秋元議員は、二つの罪に問われている。IR事業の進出を目指した中国企業側から現金など計約760万円相当の賄賂を受け取ったとする収賄罪と、その中国企業側に現金計3500万円を渡して、裁判でうその証言をするよう支援者らに依頼したとされる証人買収罪だ。 供述調書は検事のストーリー 贈収賄事件では、中国企業の元顧問2人が賄賂を渡したことを認めている。衆院が解散した2017年9月28日、議員会館の事務所で、ようかんが入った袋に現金300万円を入れて秋元議員に渡して「ありがとう」と言われたことなどを今年4月の公判で証言した。 賄賂を渡した理由は、「政府の中心で立案に関わるIR担当の内閣府副大臣で非常に重要」「より強力な後押しをしてほしかった」などと語った。 だが、秋元議員とともに収賄罪で起訴された元政策秘書・豊嶋晃弘被告(42)は5月の公判で、「(贈賄側と)面会した記憶はない」と説明。「国会議員にとって選挙は一番重要。票に関係ない人を重要な日に呼ぶのはあり得ない」とした。そのうえで、賄賂の授受を認めた捜査段階の供述調書は「検事のストーリー。真実ではない」と強調した。 秋元議員の弁護側も初公判で▽300万円の授受があったとされる時間は議員会館にいない▽IR関連で実質的な権限はなかった――などと主張している。 証人買収事件では、実行役を担った秋元議員の支援者ら4人が罪を認め、有罪判決をすでに言い渡されている。このうち3人が4月末から5月上旬に法廷で証言した。 証人買収罪は17年に改正組織犯罪処罰法で新設され、金銭で偽証を持ちかけた時点で未遂でも処罰できるようになった。今回の事件が初適用で、秋元議員は改正法の国会採決にも加わっていた。 IT関連会社の元経営者(5… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:929文字/全文:1807文字 2種類の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル