「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査が進む北海道寿都町で、町と原子力発電環境整備機構(NUMO)が町民向けの新たな勉強会を始める。町とNUMOは最終処分場に関する議論を深めるための「対話の場」を4月から行っているが、文献調査反対派の多くが参加を見送っている。新たな勉強会は「まちづくり」を前面に幅広く参加を呼びかけるが、どのような会合になるかは見通せない。 勉強会は、高校1年生以上の町民が対象。「町の将来ビジョン(まちづくり)に資する様々な勉強や意見交換などを行う」「まちづくりや産業振興に資する勉強や意見交換を行う」とし、月1回、1年間続けるという。参加人数の上限は設けず、今月21日まで募集する。 活動内容は参加者の求めに応じて決める。さまざまな分野の専門家を招いたり、町外へ視察したりすることを想定する。 すでに町とNUMOは4月か… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:553文字/全文:949文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌での飲食時短は継続 「まん延」解除の北海道方針
北海道に出されている新型コロナウイルス対応の「まん延防止等重点措置」が11日で解除されることが8日、決まった。今後の感染再拡大を抑えるため、道は12日以降も独自の感染対策をとる考えだ。札幌市の飲食店に要請している営業時間の短縮は午後9時まで、酒類提供は午後8時までに一部緩和した上で、25日まで継続する方向で検討している。9日の道対策本部会議で正式決定する。(榧場勇太、佐藤亜季、中野龍三) 政府が道への重点措置適用の解除を決めたことを受け、鈴木直道知事は8日夕、報道陣の取材に応じ、「新規感染者数や医療提供体制への負荷がここまで大きく改善した。ご理解ご協力いただいた全ての皆さんに改めて深く感謝申し上げたい」と述べた。 その上で「道内は楽観できない状況にある。12日以降も全道で感染防止行動を徹底し、札幌市では一定の強い措置を継続していく必要があり、国や札幌市とも認識を共有している」と語った。 道には5月9日に重点措置が適用され、感染拡大とともに同16日には緊急事態宣言が発出。1度の延長を経て、6月21日に重点措置に切り替えられ、今月11日までが期限となっている。 重点措置期間中は、札幌市では飲食店に午後8時までの時短(酒類提供は午後7時)を要請。感染者が多かった石狩地域の他の市町村、旭川市、小樽市は「経過区域」として、飲食店に午後9時までの時短(同午後8時まで)を求めている。 道は札幌市の感染状況を踏ま… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:917文字/全文:1531文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
重点措置延長の埼玉、飲酒は「一人」「同居家族」を継続
11日に期限を迎える新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が8月22日まで延長されたのを受け、埼玉県は8日の対策本部会議で適用区域を引き続き、さいたま、川口両市とすることを正式に決めた。期間は12日から8月22日まで。 会議後の記者会見で、大野元裕知事は「目立つのは東京由来。県境を越えた感染への対策を徹底的にやりたい」と理解を求めた。 12日以降の県要請は現行とほぼ同じ。2市の飲食店には「午後8時まで」の時短営業を求め、感染防止策の県認証を受けていることを条件に、酒類提供(午後7時まで)は「一人」「同居家族」に限り認める。適用区域外の飲食店には「午後9時まで」の時短営業を求め、同様の条件で酒類提供(午後8時まで)は「1グループ4人以下」「同居家族」に限り認める。 適用区域か否かを問わず、県認証を受けていない飲食店の酒類提供は終日提供を自粛するよう求める。 県は7日夜、重点措置を1カ月程度延長するよう政府に要請していた。(川野由起) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内感染者、前日に続き2千人超 愛知は独自の警戒宣言
新型コロナウイルスの国内感染者は8日、午後8時現在で新たに2246人が確認された。7日に続いて2千人を超え、新たな死者は17人増えた。 12日から4度目の緊急事態宣言が出される東京都の新たな感染者は896人。前週の木曜日(7月1日)と比べ223人の増加で、19日連続で前週の同じ曜日を上回った。8日までの1週間平均の感染者数は663・6人で前週の126・9%となり、感染拡大が続いている。 そのほか、いずれも「まん延防止等重点措置」の延長が決まった神奈川県が322人、千葉県が200人、埼玉県が155人、大阪府が125人だった。 49人の感染を確認した愛知県では重点措置の解除が決まったが、県独自の「厳重警戒宣言」が12日から始まり、東京五輪終了後の8月11日まで1カ月間続く見通しだ。県内全域の飲食店に午後9時までの閉店を求める。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
千葉は飲酒「2人まで」 を継続 重点措置適用は9市に
千葉県の熊谷俊人知事は8日、千葉市など県内12市に適用されている新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」について、12日以降は適用区域を千葉、市川、船橋、松戸、浦安、習志野、市原、成田、柏の9市とする方針を明らかにした。延長期間は8月22日まで。 君津、木更津、袖ケ浦、富津の4市を対象から外し、柏市を加える。感染状況や病床使用率などから判断したという。 熊谷知事は8日、報道陣に対し「これまでも東京で感染が拡大すると、県西部で時間をおいて感染が拡大する。比較的早い措置が必要だ」と述べ、感染が拡大している柏市以外でも、今後の病床使用率などを見極め、県西部を中心に適用区域を広げる可能性を示唆した。 適用区域の飲食店に対しては、これまで通り、「1グループ2人まで」「90分以内」を条件に午後7時までの酒類の提供を認める。その他の措置も、現行の内容を維持する方針。 8日の千葉県内の感染者は200人と、2月6日以来5カ月ぶりに200人に達した。熊谷知事は「徐々に感染者が増加しており、医療提供体制に厳しい状況も考えられる。ワクチンが65歳未満にも一定程度浸透する最後の踏ん張り時だ」と理解を求めた。(小木雄太) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サケ・マス引き網漁、漁獲過去最高に ロシア水域で操業
大野正美2021年7月8日 22時00分 ロシア200カイリ水域でのサケ・マス引き網漁(表層トロール漁)の試験操業船「第68善龍丸」(富山県魚津市)が8日、6月10日から7月5日までの操業を終え、北海道根室市の花咲港に帰港した。水揚げされた漁獲総量は88・3トンで、昨年の27・6トンから大きく増え、過去最高となった。 ロシア200カイリ内では2015年、流し網漁が禁止された。引き網漁はそれより漁業資源への悪影響が少ないとされ、水産庁の委託事業として16年に始まった。今年はカムチャツカ半島南の漁区で漁獲枠125トン、入漁料2433万円の条件で操業。漁獲枠に対する実際の漁獲の消化率は70・6%で、過去の20~50%台から大幅に上がった。 ただ、価格の安いカラフトマスが77・7トンと全体の88%を占め、価格が高いシロザケ(7・5トン)は8%、ベニザケ(3トン)は3%にとどまった。漁の後半、ベニザケなどの漁獲が増える傾向もあったが、カラフトマスが漁獲枠の上限に近づき、10日ほど早く漁を切り上げたという。 昨年はロシアとの交渉妥結が遅れ、操業日数は15日間にとどまった。今年は交渉が早くまとまり、26日間に増えた。漁獲増はそうした背景もあるが、善龍丸の大高真澄船長(41)は、「引き網を続けて習熟したのも、漁獲増につながったのではないか。今後はベニザケがとれやすい夜の漁を増やすなどさらに工夫し、高い魚の割合を増やしたい」と話した。(大野正美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京都と兵庫、飲食店への時短要請は継続 重点措置解除後
重点措置が解除される京都府と兵庫県だが、飲食店への営業時間の時短要請は継続する。解除にあたって時短を緩和するが、京都府は1時間、兵庫県は30分の後ろ倒しにとどめた。 8日にあった京都府の対策本部会議。12日以降も府独自の要請を行うことを決め、飲食店には午後9時までの営業、午後8時半までの酒類提供を要請することになった。要請期間は、人口も観光客も多い京都市は8月1日まで、京都市以外は7月25日と期間を分けた。 京都府の西脇隆俊知事は会議後の記者会見で、「いきなり全ての措置をなくすとすぐに緩んでしまう危険もある」と説明した。また、「7月中旬からお盆にかけては、人の流れがいっそう増える懸念がある。デルタ株の広がりや首都圏の感染拡大もあり、引き続き緊張感を持って感染防止に努めないといけない」とも述べた。 兵庫県は7月31日まで飲食店への時短要請を続ける。神戸市や阪神地域など15市町を対象に禁止していた土日の酒類提供は容認することになった。飲食店への時短要請は、県内を大阪に近い10市町と、それ以外の31市町の二つに分けた。10市町は営業は午後8時半まで、酒類提供は午後7時半まで。それ以外の市町は営業午後9時半、酒類提供午後8時半とした。 兵庫県の井戸敏三知事は8日の記者会見で、時短要請の緩和を30分刻みとした理由について、大阪からの人の流れを考慮したと説明。「(大阪の時短要請との差が)1時間あると流入がありうる。ある程度抑制できる範囲が30分だ」と述べた。「全く同じことを続けるのは県民も納得しない」と、長引く制限に反発する県民感情への配慮があったとも話した。 8月22日まで重点措置が継… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:959文字/全文:1664文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バッハ氏「最終的に来ましたよ!」観客協議の場で前向き
伊木緑2021年7月8日 22時02分 「最終的に私ども、日本に来ましたよ!」。8日に来日した国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は、政府や東京都、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会など5者の代表者による協議の冒頭、興奮した様子でこう切り出した。 菅義偉首相が記者会見を開き、東京都に緊急事態宣言を出すと発表した直後の同日午後8時。バッハ会長は3日間の隔離のため、オンラインで出席した。 「今日の午後着きました。私はこの日をずっと1年以上待ち望んでおりました。今はもう呼び出しをかけられているアスリートのような気がします。日本に来て態勢を整えて準備をし、そしてこれからアクションに臨むということです」 今回の5者協議は観客の扱いについて決定する場。その後に大会組織委の橋本聖子会長が「非常に困難な決断を行うことになる」と述べたのとは対照的に、バッハ会長は前向きな言葉を並べた。 バッハ会長は大会終了まで滞在する予定だ。「安全で安心な大会をすることができるように、東京で7月23日からそれをスタートすることができるようにと、そのために来ているのであります。まさにその瞬間のために我々は仕事をしてきたのであります」 報道陣に公開された冒頭あいさつの終盤には、来日する五輪関係者や選手団のワクチン接種状況についてもアピールした。「少なくとも五輪選手団の人たちで日本に来る人の中で85%以上がワクチン接種を済ませて来日するという状況になっております。IOCのスタッフにつきまして、100%に近い数字となって来日します。ということは、我々の責任を示しているということであります」(伊木緑) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
破裂音で「不自由展」事実上中止へ 主催団体「再開を」
8日午前9時半ごろ、名古屋市中区栄4丁目の市施設「市民ギャラリー栄」で郵便物の開封時に破裂音がする事件があった。名古屋市は「安全上の観点」から11日まで施設を臨時休館すると決めた。国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で一時中止になった企画展「表現の不自由展・その後」出展作品の展覧会が6~11日の日程で開かれていたが、展覧会は事実上の展示中止となる。 愛知県警中署によると、破裂音がしたのは施設の7階で、展覧会会場は8階。当時は午前10時の開場前で、8階には入場を待つ人たちがいた。ギャラリーを管理する市文化振興事業団の事務室がある7階で、郵送された茶封筒(縦約23センチ、横約12センチ)を職員が開封したところ、破裂音が10回ほど続いた。 捜査関係者によると、爆竹とみられ、周囲に黒い粉が散乱したという。封筒は同ギャラリー宛てで、不自由展中止を求める内容の文書が添えられていたという。職員のほかに会場警備の警察官もいたが、けが人はなかった。県警などはすぐにギャラリーを封鎖し、来場者全員を避難させた。市施設に対する威力業務妨害の疑いで捜査している。この建物には同市中区役所も入っており、中区役所は通常業務を続けた。 名古屋市「警備で対応できるレベル超えた」 市は、休館の理由について「警備を強化して対応できるレベルを超えた実力行使事案で、けがの発生は十分あり得た。重く受け止めて休館の対応をとった」とする。11日まで休館する判断については、「展覧会の期限だから」と説明した。 休館で展覧会は事実上の中止となる。市担当者は、「非常に心苦しい。2日間は開催できた。警備も十分に対応した」と話した。 河村たかし市長は8日午後… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1781文字/全文:2502文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
NHKかんぽ報道問題とは 異例の「厳重注意」を解説
NHKの最高意思決定機関そのものが、放送法が禁じる番組内容への干渉をしたのか。NHK経営委員会の議事録公開が注目されてきたのは、非公開の会合で交わされた議論にそんな疑いがあるからだ。 ことの始まりは、3年前にさかのぼる。 議事録や国会答弁などによると、2018年4月24日、NHKは「クローズアップ現代+」で、郵便局員がかんぽ生命保険を不適切な営業で販売していたと報道した。その後も情報提供が相次ぎ、8月の放送予定を見据えて続編に向けた取材を続け、7月に2本の動画を番組ホームページやツイッターなどに掲載した。取材結果を一部明かしつつ、情報提供も募る「オープン・ジャーナリズム」という手法だった。 これに対して、日本郵政グループはかんぽ生命など3社長連名の抗議文をNHK会長宛てに届けた。「詐欺まがい」「押し売り」などの言葉が名誉毀損(きそん)だとして、動画の削除を要求。番組側は動画を修正したうえで郵政側に取材を交渉したが、拒否された。 この取材交渉中に、番組の責任者が「番組制作と経営は分離しているため、会長は番組制作に関与しない」と発言したことを郵政側は問題視した。「番組制作・編集の最終責任者は会長であることは放送法上明らか」と改めて抗議し、ガバナンス(企業統治)の検証を求めた。番組は動画を削除し、予定していた番組続編の放送延期を郵政側に伝えた。 事態はここから、NHKの経営委員も巻き込んで思わぬ展開をたどっていく。 9月25日、日本郵政の鈴木… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2109文字/全文:2744文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル