村上友里2021年7月12日 20時17分 東京電力福島第一原発事故で局所的に放射線量が高くなった「特定避難勧奨地点」の指定を国が解除したのは違法だとして、福島県南相馬市の住民ら808人が国に解除取り消しなどを求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。鎌野真敬裁判長は、「権利侵害があったと認められず違法ではない」として住民側の請求を退けた。 市内152世帯を同地点に設定した政府は2014年、年間積算被曝(ひばく)線量が20ミリシーベルトを下回るとして解除。その後に税金減免などの支援を打ち切った。 判決は、指定の解除は帰還を強制していないと指摘。「国は1ミリシーベルト以下にする義務がある」との原告の主張には「法的義務はない」とした。(村上友里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
集団接種中止の大阪市 「どんどん供給されると思った」
会員記事 本多由佳、浅沼愛2021年7月13日 6時00分 国からの新型コロナウイルスワクチンの供給不足をめぐり、大阪市はニーズが高い診療所などでの個別接種を継続するため、区民センターなどでの集団接種を取りやめる。政府方針に沿って接種の迅速化に取り組んできたが、方針転換を迫られた形だ。 松井一郎市長は12日の記者会見で、「市民の皆さん、接種にご協力いただいた医療従事者や関係者の皆様に、混乱を招き、大変ご迷惑をおかけしました」と陳謝した。 6月下旬~7月上旬の1週間あたりの配送量は、約1700カ所での個別接種向けに17万~18万回分、約40カ所の集団接種向けに4万回分だった。松井市長は「個別接種のニーズが高いので、個別接種を残すと判断した。ワクチンは個別接種分だけでも足りないので、集団接種の再開のめどは立たない」との認識を示した。 その上で、「接種態勢をどん… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:662文字/全文:1019文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大声だめ・自由時間なし…コロナ禍でプール再開の工夫
皆さんの身近な困りごとや疑問をSNSで募集中。「#N4U」取材班が深掘りします。 コロナ禍の水泳授業はどうしたらいいのか。する学校としない学校、判断の違いは何か――。プールの季節を迎え、困り事や疑問をSNSで募る「#ニュース4U」取材班に、教員や保護者からそんな声が寄せられた。学校現場では、感染防止や指導方法に苦心している。 6月下旬、大阪市港区の市立磯路小学校で、今年度初めての水泳授業が行われた。「わぁ!」「水がきれい」。2年生2学級の児童約50人がはしゃいでプールサイドに並ぶと、すかさずマスクを着けた担任教諭が「大きな声は出さないで」。昨年度は感染対策で1~4年生は水泳授業を中止。入学して初めてのプールに興奮する児童に、教諭は目を配り続ける。 例年だと水泳授業は2学年合同で実施するが、密を避けるために今年は1学年のみで行う。「顔を水面につけてみましょう」と教諭が指示すると、そっと顔を沈める児童もいれば、水をバシャバシャする児童も。児童はマスクを着けないため、間隔を保って同じ方向を向くよう指示。密着しないよう指導し、授業の最後に設けていた「自由時間」もなくした。 糸井利則校長(59)は「水泳授業で泳力をつけることは、夏の水の事故を防ぐ上でも大切。着替えや授業中の感染対策を徹底して続けていく」と話す。 水泳授業する?しない? 現場で判断 学校の水泳授業についてスポーツ庁と文科省は、地域の感染状況を踏まえ、プールの塩素濃度の管理や2メートル以上の間隔を保つなどの感染防止策を講じた上で、実施するかどうかを現場で検討するよう求めている。 大阪市や京都市、岡山市は今年度、市立小中学校の水泳授業を原則実施する。大阪府教育庁は学校に判断を委ねた。 ある府立支援学校では「水中で介助が必要な生徒も多く、近距離での指導や身体接触は避けられない」と多くの教員が反対したが、6月下旬から始めたという。校長は「生徒が水に慣れ、危険性を学ぶためにも水泳授業は必要。工夫しながら続けていきたい」と話す。 コロナ禍の水泳授業、どんな工夫が必要? 記事の後半では、水泳授業での感染対策について専門家が提言。制限がある中で工夫を凝らした水泳授業に取り組んだ学校の例や、専門家に聞く「家でできる効果的な水泳の練習方法」について紹介しています。 また、京都市は水泳授業を実施するが、夏休み中のプール開放は中止。大阪市は学校に判断を任せている。 水泳授業での感染対策につい… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首相が熱海の被災現場視察「激甚災害に匹敵する対応を」
笹山大志2021年7月12日 20時19分 菅義偉首相は12日、静岡県熱海市で発生した土石流被害の現場を視察した。その後、記者団の取材に応じた首相は、発達した雨雲が帯状に連なる「線状降水帯」について、「発生を予測するための資機材や開発を思い切って前倒しで進めたい」と述べた。 首相は被災現場の視察後、避難所となっている市内のホテルで被災者から話を聞いたほか、川勝平太知事らから被害状況の説明などを受けた。 首相は記者団とのやりとりでは、賃貸住宅などを行政が借り上げる「みなし仮設住宅」や風評被害対策などの要望について「できることはすべてやる方針だ」と前向きな姿勢を示した。 一方、国からの補助金が上乗せされる激甚災害指定の要望について「それに匹敵するような対応は政府としてしっかりやっていきたい」と述べた。内閣府によると、被害状況の調査が終わっておらず、復旧にかかる費用が指定の基準を満たすか現時点で不明だという。(笹山大志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道滝上町の山林に遺体、ヒグマに襲われた可能性も
川村さくら2021年7月12日 21時14分 北海道警によると、北海道滝上町滝ノ上原野の山林にある林道沿いで12日、性別不明の遺体が見つかった。道警紋別署はヒグマに襲われた可能性もあるとみて、捜査を進めている。 署によると、12日午後2時ごろ、林道を通行した人が「人が倒れていて、死体のようだ」と通報した。遺体を確認したところ、頭部に傷があり出血が確認されたほか、そばには動物のフンが落ちていた。フンが何の動物のものなのかは特定できていないという。衣類や靴は着用しており、持ち物のリュックなどから山登りに訪れていた人とみられる。遺体の状況から死後1カ月以内だとみている。 署はクマに襲われた可能性もあるとして捜査を進めている。現場は国道273号の浮島トンネルから、浮島湿原方向へ3キロほど進んだ場所。(川村さくら) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東海3県で54人感染 愛知は「厳重警戒措置」スタート
新型コロナウイルスの国内感染者は12日午後8時現在で、新たに1506人が確認された。東海3県では12日、新たに54人の新型コロナウイルス感染が確認された。愛知県42人、岐阜県8人、三重県4人。 愛知県では1週間前の月曜(21人)、2週間前の月曜(20人)より新規感染者が増え、「明らかにリバウンド傾向」(大村秀章知事)だ。インドで確認された感染力が強い変異株(デルタ株)などの「L452R」の変異があるウイルスに感染した人は、この1週間で新たに7人確認され、累計55人となった。 県は12日、名古屋市など4市対象の「まん延防止等重点措置」が11日で終了したのを受け、県独自の「厳重警戒宣言」に基づく措置を始めた。東京五輪終了後の8月11日まで県全域の飲食店に午後9時までの閉店を求める。人流を抑えるため、県をまたぐ移動の自粛も求める。大村氏は「特に首都圏や五輪開催地は控えてほしい」と呼びかけた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
4度目の宣言、人流わずか2%減 都内主要駅付近を推計
山崎啓介2021年7月12日 21時43分 前回の緊急事態宣言の解除から1カ月も経たず、東京都に12日、4度目の緊急事態宣言が出された。繰り返される宣言の前後で、都内の人口の減少幅はどのように変わっているのか。主な駅付近の人出の変化について、NTTドコモの携帯電話の位置情報から滞在人口を推計するデータで調べた。それによると、昨年4月の1度目の宣言当時と最近とでは、状況に大きな変化があるようだ。 分析したのは1~4度目の緊急事態宣言の初日と、その2週間前の人出の変化。新宿駅(歌舞伎町)、新橋駅、渋谷駅、銀座駅、東京駅(丸の内)付近の5カ所について、日中の7日間平均の推定人口を集計した。 その結果、1度目の宣言が出た前後では約29%、2度目は約20%の減少が見られたが、3度目では約2%、今回の4度目でも約2%減だった。1度目と今回で減少幅が最も変化したのは渋谷駅周辺で、1度目は約40%減だったのが4度目では約1%と、宣言前に比べてほとんど減っていなかった。(山崎啓介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再び始まったお酒我慢の日々 都が示す要請の「根拠」
新型コロナウイルス対応の4度目となる緊急事態宣言が12日、東京都に出された。前回の宣言解除からわずか21日。感染拡大の「急所」と言われる飲食店には、再び酒類の提供停止が要請された。我慢の日々が、また続く。 東京・新橋の焼き鳥屋「山しな」。仕込みをしていた店主の山科昌彦さん(46)の話に耳を傾けた。 こんなに早く、またお酒が出せなくなるとはね……。これまでの要請は全部受け入れてきた。お酒が出せないと、売り上げは8割減る。開店した2006年以来の危機だね。 【都内の飲食店は昨年4月以降、営業時間の短縮要請を断続的に受けている。3度目の宣言となった4月25日からは、酒類の提供停止の要請も加わった】 要請に従っているのに、「なぜ酒がないのか」と、お店に来ようとするお客さんから毎日のように言われて。時には怒鳴られたことも。気分が落ち込んだし、正直者が馬鹿を見る感じ。宣言の効果が薄れた表れなんじゃないかな。 3度目の宣言が解除された時は、お酒の制限は最後だろうと思ったんだけどね。都が配った「お酒の提供を中止しています」というポスターも、すぐに捨てちゃったよ。 【政府は今回の宣言に際し、協力金の前払いも検討するとしている】 最初からそうしてくれって。協力金は、申請から3~4カ月かかったこともあった。周りの店を見ると、時短営業を受け入れず、酒を提供する店もある。協力金が早ければ、そういう店もここまで増えなかったと思うんだけどね。 【西村康稔経済再生相は酒類を提供する店について、金融機関に働きかけるよう求める考えを示し、批判を受けて撤回した】 上から目線だよ。対策は必要だけど、他の方法があるでしょ。従業員の雇用を守るため、やむなく営業する店があるのもわかる。現場のことをわかっていないから出た発言だろうね。 でも今回も、時短と酒の提供中止を受け入れるよ。要請通りにして、「どこまでできるかやってやろう」っていう、負けず嫌いの意地もあるよね。守り切れば、思いっきり文句を言っても許されるでしょ。(藤野隆晃) 3つの条件で「感染リスクが高まる」 12日に4度目の緊急事態宣言期間に入った東京都では、一部緩和からわずか3週間で再び飲食店に対して、酒類提供の停止が要請された。新型コロナウイルス対策の「急所」とされてきた飲食店でなぜ、酒類提供の停止まで求めるのか。都が要請の「エビデンス」(科学的根拠)として示したのが、これまでの飲食店への営業時間短縮要請の経緯と、1人が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」との関連性だ。 4度目の緊急事態宣言期間に入った東京都は再び、酒類提供停止を要請。都がその「エビデンス」を示す一方、お酒の小売店からは、反発の声も。記事の後半でお伝えします。 「酒類提供を午後7時まで『… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
解除の福岡、屋台に明かり 再延長の沖縄、「我慢」続く
会員記事 山田佳奈 藤山圭、小川裕介2021年7月12日 22時20分 新型コロナウイルス対応のまん延防止等重点措置の期間が終了した福岡県で12日、飲食店の酒類提供や営業時間の制限が約3カ月ぶりに解除された。福岡名物の屋台にも久しぶりに明かりが戻った。ただ、人流増加は感染再拡大につながるとして県は警戒する。一方、沖縄県は宣言再延長となり、苦難の日々はさらに続く。 福岡・天神の屋台「博多っ子純情屋台 喜柳(きりゅう)」は12日夜、2カ月ぶりに営業を再開した。経営者の迎敬之(むかえたかゆき)さん(46)は「全開で店を開けられて本当にうれしい」と話す。 1人客でも仲良く飲める雰囲気が好きで屋台の仕事に就いたという迎さんにとって、休業は苦渋の決断だった。この間、新メニューの開発に取り組んできたが、夜には屋台で客に酒を出す夢を何度も見た。 再開できても心配は尽きない。お盆の時期は書き入れ時だが「福岡でもまた感染者が増えるのではないか」。4月からの時短営業への協力金も届いていない。迎さんは「屋台をやめるつもりはないが、先が見えないのは不安。ワクチン接種を進め、感染拡大、休業要請の繰り返しを止めてほしい」と話す。 福岡市によると、市内に約100軒ある屋台のうち、緊急事態宣言期間中に営業していたのは3軒ほど。重点措置に切り替わっても10軒に満たなかったという。 中洲の屋台「わっぜか」は緊急事態宣言中、酒の提供をやめて時短営業を続けてきた。経営する上赤(かみあか)鴻志郎さん(30)は「緊急事態宣言中、お客さんがゼロの日もあった。重点措置期間中は10組に届くかどうかだった」と振り返る。 通常営業に戻り、「今日からまた頑張ります」。静岡県から旅行で訪れた女性の親子は「川からの風が気持ちよく、屋台は楽しい」と話していた。 天神のなじみの屋台に飲みに… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1126文字/全文:1873文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛知県の半数自治体で接種計画変更 ワクチン供給急減で
会員記事 岡本智、小林圭2021年7月12日 20時30分 政府から自治体への米ファイザー製新型コロナウイルスワクチンの供給量が減った影響について、愛知県は12日、半数ほどの自治体が接種計画を変更、または再検討しているとの調査結果を明らかにした。 計画を変更した、または変更を決めたのは個別接種14市町、集団接種15市町。計画変更を検討するのは、個別接種13市町、集団接種16市町。あわせると県内54市町村のうち、半数ほどが影響を受けている。 名古屋市は12日、区役所などで実施する集団接種の1回目接種の8月分予約枠を半減させ、3万2700人分にすると発表した。9月は1回目の接種を2日間のみ受け付け、あとは2回目接種のみ対象とする。かかりつけ医での個別接種を減らさないための措置という。 市に届いたのは6月が72万… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:276文字/全文:608文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル