上田真由美2021年7月20日 19時59分 かんぽ生命保険の不正販売を報じた番組を巡ってNHK経営委員会が当時の会長を厳重注意した問題で、森下俊三経営委員長は20日、注意した会議での発言が個別番組への干渉を禁じた放送法に抵触するとの指摘を「介入する考えは全くないし、あくまでもガバナンスを確認するため」と否定し、その後の番組作りにも影響を与えなかったとの認識を改めて示した。 森下氏が記者団の取材に応じたのは、会議の議事録が8日に全面開示されてから初めて。当時委員長代行だった森下氏はこの会議で「取材も含めて極めて稚拙」などと発言していた。 森下氏は「客観的事実を確認するために発言し、それに対して上田(良一)会長は具体的に言及されなかった」と説明。「(議事録の)前後をきちんと読んでいただきたい」と述べた。今後も経営委で取材手法に言及するのかとの問いに「一般的にどうと言われても、答えようがない」と答え、否定しなかった。 進退を問う声には「ご意見はご意見としておうかがいし、真摯(しんし)にこれからも業務を行っていく」と続投の意向を示した。 また、経営委員会はこの日、今回の議事録を開示するか議論してきた今年2月以降の経営委の議事録を23日にホームページで公開することも決めた。(上田真由美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
盛り土、11年前から基準超把握か 元熱海市幹部が証言
静岡県熱海市で起きた土石流災害の起点付近にあった盛り土について、造成当時に同市土木部門の幹部だった男性が朝日新聞の取材に応じ、おおむね造成が完了した2010年8月の時点で、県条例に基づく基準を超える大量の土が積まれていたと証言した。基準超過の状態を、11年前から行政側が把握していた可能性が出てきた。 県は、基準超の高さの盛り土がされていたとみている一方、土石流発生の以前から基準超過の状態を把握していたかどうかは「調査中」としていた。 元幹部は、造成が完了したとされる10年当時に複数回、盛り土の現場を訪れたという。市は当時、土地を所有していた業者に対し、土砂について「多すぎるから搬出するよう伝えていた」が、業者は「金がないので出せない」と拒んだと証言した。土地は11年2月に現所有者に譲渡された。 熱海市は19日、朝日新聞の… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:364文字/全文:733文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上野由岐子が届けた言葉 「できないことをなげくより」
あの日にもらった、あの選手の言葉が、いまも背中を押してくれる――。 上野海森さん(18)は、兵庫県尼崎市の園田学園女子大の1年生。寮生活をしながらソフトボール部で汗を流す。2020年春。福岡市の福岡大付属若葉高校3年だった海森さんは、父や兄を相手に自主練習をしていた時、インターハイの中止をニュースで知った。その夜、一人になって初めて泣いた。 当時、新型コロナウイルスが国内で猛威をふるい始めていた。福岡でも緊急事態宣言が出され、学校は休校に。高校最後の年は小学1年から始めたソフトボールの集大成になるはずだったのに、公式大会がすべて中止になった。修学旅行など学校行事もほぼ消えた。 失意に暮れた3年生のもとに届いたのが、ソフトボール日本代表の上野由岐子さんからの色紙だった。同校ソフトボール部OGだ。海森さんは上野選手にあこがれて同校を選んでいた。 表には一人一人の名前に「頑張れ」を添えて、裏にも言葉がつづられていた。 《ひとにはできることと で… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:925文字/全文:1356文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
双子死体遺棄、技能実習生に有罪 「厳しい環境」とも
屋代良樹2021年7月20日 20時11分 熊本県芦北町の自宅で双子の男児の遺体を放置したとして、死体遺棄の罪に問われたベトナム国籍の技能実習生レー・ティ・トゥイ・リン被告(22)に対し、熊本地裁(杉原崇夫裁判官)は20日、懲役8カ月執行猶予3年(求刑懲役1年)の判決を言い渡した。 判決によると、リン被告は昨年11月15日ごろ、自宅で双子の男児を出産。死産だったが、遺体を段ボール箱に入れて室内の棚の上に置き続けて遺棄した。 公判で被告側は、段ボールに入れたのは「埋葬のための安置」で、遺体を捨ててはいないと無罪を主張。リン被告は「妊娠がわかったら帰国させられると思って誰にも相談しなかった」とも訴えた。杉原裁判官は「被告の行為は死産を周りに隠したまま私的に埋葬するための準備で、正常な埋葬のための準備ではない」と主張を退けたが、「(妊娠すれば)実際は仕事ができず、帰国に追い込まれてしまう。十分にサポートする制度もなく、実習生にとっては厳しい環境だった」とも言及した。 リン被告は2018年8月に農業の技能実習生として来日し、芦北町の農家で働いていた20年7月に妊娠が判明した。中絶を試みたができず、出産した。閉廷後、「私は子どもの遺体を捨てたり、隠したりしていません」とのコメントを出し、控訴する意向を示した。 法務省入国管理局は19年3月、実習実施者と監理団体を対象に、妊娠を理由とした技能実習生に対する不利益な取り扱いをしないよう注意喚起している。(屋代良樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
尾身会長「8月第1週に東京で3千人感染」 見通し示す
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は20日、日本テレビの報道番組で、東京都の1日の新規感染者数について、8月第1週には過去最多の3千人近くまで増加するとの見通しを示した。それに伴い、医療逼迫(ひっぱく)が起きる可能性も「極めて高い」とした。 尾身氏は番組内で、「2週間後には(新規感染者数が)2倍になって、(年末年始の)第3波のピークを超えていく可能性が出てきた」と述べた。この日の新規感染者数が1387人だったことから、司会者が「8月の第1週には3千人に近い数字になるのか」と質問すると、尾身氏は「そういうことだ」と応じた。東京では、1月7日に2520人の新規感染者を数えている。 尾身氏は、ワクチン接種が進んでも「東京では入院の患者が増えている。このままのスピードで感染が広がると、医療の逼迫がまた起きてくる可能性が極めて高い」とも指摘した。「この1、2カ月はもうひと頑張りして、医療の崩壊、逼迫を起こさないようにしてほしい」と、感染防止対策への協力を呼びかけた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内で新たに3758人感染 各地で感染拡大の傾向続く
新型コロナウイルスの国内感染者は20日午後8時現在で、新たに3758人が確認された。前週の火曜(13日)より1372人多い。亡くなったのは20人。 各地で感染の拡大傾向が続く。沖縄県では新たに154人を確認。前週の同じ曜日に比べ2倍を超えている。東京都は1387人で、前週の同じ曜日比で557人増えた。20日までの1週間の1日あたりの平均感染者数は1180・0人で、前週の149・3%。 大阪府では313人の新規感染者を確認した。1日の新規感染者が200人を超えるのは、これで8日連続となっている。 一方、北海道は20日、「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請した。対象地域は札幌市としている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
刻まれなかった1本のヤマユリ 事件で姉失った男性の思い
土屋香乃子 林知聡2021年7月20日 20時45分 2016年7月、入所者19人が殺害された障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で、犠牲者のうち7人の名前を刻んだ慰霊碑が完成した。26日で事件から5年。大部分が建て替えられた園舎で20日、追悼式が営まれ、遺族らが慰霊碑に献花した。 慰霊碑は「鎮魂のモニュメント」と名付けられ、神奈川県が建立を提案。当時、犠牲者名は遺族の希望で匿名とされたが、県によると、「希望者は名前を(碑に)入れても良いのではないか」という声が遺族の一部から上がり、裁判で母親が明らかにした美帆さん(当時19歳)を含む7人の名前が刻まれた。犠牲者を表すヤマユリの花もあしらわれ、遺族の同意が得られた18本が彫り込まれている。 事件は16年7月26日未明に発生。殺人などの罪に問われた元職員、植松聖(さとし)死刑囚(31)の死刑が、昨年3月に確定している。(土屋香乃子) 犠牲者19人のうち、1人の遺族が慰霊碑にヤマユリを刻むのを断った。姉(当時60)を亡くした男性(62)。残酷なこの事件と、美しいヤマユリの花が自分の中で結びつかない。だから、県に「姉の分を刻まないで」と申し出た。姉の名前も刻まなかった。 裁判では殺人などの罪に問われた元職員の植松聖(さとし)死刑囚(31)に対し、死刑を求めた。しかし、徐々に考えは変わった。なぜ植松死刑囚は障害者への差別的な発言を繰り返したのか。なぜ事件を止められなかったのか……。 事件から5年たっても、そんな思いが消えないまま、この日、追悼式に参列した。慰霊碑建立は男性にとって区切りではないというが、こうも語った。「作っただけではなく、広めていくのが遺族としての役目、義務だと思う」(林知聡) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
押しつけられた「復興五輪」 頼りない理念に冷めた目
震災からの復興の後押しと、被災地が復興した姿の世界へのアピール。それが東京五輪・パラリンピックの「大義」だったはずだ。コロナ禍に復興五輪が押し流されてしまった後、残るものは何か。21日、福島と宮城で競技が始まる。 ちょうど10年前、石原慎太郎・東京都知事が五輪招致の再挑戦を表明する際、旗印にしたのが「復興五輪」の源流だ。海外には原発事故による放射能への不安の声もあったが、招致レースの最終盤、日本開催を訴える決め手になったのはやはり「復興」だった。 「Tokyo2020」を勝ち取ったのは、震災2年半後の13年9月。 「まだ五輪どころじゃない」と、少なくない被災者が冷ややかだった。多くの人が仮設住宅暮らし。村井嘉浩・宮城県知事は、開催を歓迎しつつも「(復興事業の)資材やマンパワー不足に拍車がかからないか」と懸念を口にした。 被災地の賛同へ示された「見返り」 出発点は「五輪のための復興五輪」。だから被災地の理解を得ようと、政府や組織委からは「見返り」がいくつも示された。 一番は、五輪そのものが被災… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1059文字/全文:1518文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
バッハ氏、五輪開催の疑念「胸にとどめた」 総会で演説
遠田寛生2021年7月20日 21時15分 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は20日、東京で開かれたIOC総会の冒頭で演説し、東京オリンピック(五輪)の開催に疑念を持っていたことを初めて明らかにした。 バッハ会長は「延期を決めてから15カ月間、非常に不確実な理由で日々の決定を下さなければならなかった。私も未来がどうなるか分からなかった」と述べたうえで、「どんな犠牲を払っても前進すると解釈もされた。しかし、(もし発言すれば)我々の疑念はその通りになっていたかもしれない。五輪はバラバラになっていた可能性がある。だからこそ、我々の胸の内に疑念をとどめなければならなかった」と明かした。 また、陽性になった選手らの情報を公開しないことについて、IOCの広報担当者は総会後の記者会見で「医学的な情報なので、これまでもそういう場合は名前や身元が分かるような情報は出していない」と正当性を主張した。 この日の総会では、大会組織委員会の橋本聖子会長が開幕前の最終報告をした。橋本会長は記者会見で「(開催決定から)7年積み上げてきたものがゼロになることもあった。組織委が存続する以上はしっかりとレガシーを残したい」と話した。 総会は2日間にわたって行われ、21日は2032年夏季五輪の開催地をオーストラリアのブリスベンにすることを承認するかどうかの投票が行われる。(遠田寛生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
お盆のJR指定席予約、過去2番目の低さ 昨年から微増
2021年7月20日 20時31分 JR旅客6社は20日、お盆期間(8月6~17日)の新幹線と在来線の特急などの指定席予約状況を発表した。19日現在の予約席は計84万席で、記録がある1995年以降で2番目に低かった。新型コロナウイルスの影響がなかった一昨年比で24%、昨年比では110%と微増になった。JR東海によると、東海道新幹線は、昨年比で96%とほぼ横ばいだった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル