新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、東京五輪の競技が24日、埼玉県内会場でも始まった。サッカー女子の2試合が無観客で行われた埼玉スタジアム(さいたま市緑区)周辺を訪れた。 試合開始4時間前の午後1時半ごろ、最寄りの埼玉高速鉄道の浦和美園駅周辺の人影はまばら。「記念撮影をしてきた」と話す女性(70)はこの日の試合の観戦チケットが当たっていたといい、妹(67)と雰囲気を味わいたいと、いずれも福岡県から来た。「25日は国立競技場などを見にいく」という。 スタジアムの「南門」に着くと、親子が記念撮影する姿があった。聞くと、チケットが当たっていたという。付近は閑散としていた。近所に住む会社員の斉藤貴敏さん(42)と芽空(がく)さん(9)がハンドボールの練習をしていた。「浦和レッズの試合がある日は、午後からの試合でも朝から人でにぎわうんですよ。今日は寂しいですね」と話した。 バスケットボールをしていた高校生に五輪開催について尋ねてみた。川口市の1年生の男子生徒は「選手がかわいそうだから賛成」。すると、友人の男子生徒は「そんなこと言ったら俺たち中3の時、サッカーの最後の大会がなくなったじゃん。コロナで。だったら別に(五輪も)やらなくていいじゃんって感じ」と反論した。 キックオフが近づく午後4時前、スタジアムから音楽が聞こえてきた。正面入り口近くに東京五輪エンブレムを模した藍色と白色のそろいの半袖シャツ姿の、県の都市ボランティア10人らが会場に向かう外国人選手らを乗せたバスを沿道から歓迎しようと、横断幕や小旗を手に到着した。 都市ボランティアは、観客の誘導などの活動が中心だったが、無観客となったため、県が新たな活動内容を16日に発表したばかり。登録済みの約4200人のうち、これまでに約1千人が参加の意思を示している。 外国人選手らを乗せたとみられるバスが到着すると、一斉に「Welcome to Saitama」と記された色鮮やかな小旗を振って迎えた。ごみ拾いもして活動時間はおよそ30分。 都市ボランティアの一人、さいたま市浦和区の荒井美照さん(67)は30年来の浦和レッズのサポーターで、様々なスポーツイベントでボランティアをしてきた。「来て頂いてありがとう」という気持ちをこめて、旗を振ったという。「スポーツが好きで貢献したいと思い、浦和駅で観戦客への観光案内やバス誘導などをする予定だった。無観客になったのは正直少し残念だが、仕方ない。短時間でも参加できてよかった」と話した。 県は今後、県内で競技が行われるすべての日に、ボランティアにこうした活動をしてもらう。 日が傾きかけた午後5時半ごろ、1試合目のスウェーデンとオーストラリアの対戦が始まった。スタジアムから選手の声や笛の音がかすかに聞こえていた。周辺は、大会スタッフや警察官らのほかに、目立った人混みはなく閑散としていた。(丸山ひかり) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
30年前出会った左官の芸術・鏝絵 改めて記者が訪ねた
会員記事 文・写真 佐藤陽2021年7月25日 15時00分 壁に描かれた鏝絵を前に、「大変だが、鏝絵を守っていかないと」と話す尾方勝子さん(左)と義弟の泰浩さん(中央)。右は、鏝絵の取材を45年続ける藤田洋三さん=大分県日出町 「鏝絵(こてえ)」という言葉を耳にされたことはあるでしょうか? 左官が鏝と漆喰(しっくい)を使い、家や土蔵の壁などに描くレリーフ状の絵のことをいいます。仕事をくれたお礼に花鳥風月を描き、一家の幸福や健康を祈る。江戸末期から明治期に盛んに作られ、「左官さんの芸術」ともいわれます。私(54)は入社した1991年、鏝絵に出会いました。30年が経ち、その「はじまり」も含めて、大分県と静岡県を訪ねてみました。 斬新さ、ユーモアに引き込まれた 取材のきっかけは、私(54)が初任地として大分県に赴任した30年前。同県別府市在住のカメラマン、藤田洋三さん(70)が教えてくれた。都会育ちの私は、鏝絵が発する斬新さやユーモア、左官さんの思いのようなものを感じ、引き込まれた。 藤田さんは、大分県姫島の民家に描かれた「大」という文字を見つけて以来、その魅力にハマった。保存活動をしながら、カメラに収め続けた。気づいたら45年がたっていた。鏝絵に関する著書も数冊書き、雑誌の特集記事も担当した。 30年前の取材では、大分県内の鏝絵を見るだけで終わってしまった。静岡県松崎町出身の名左官、入江長八(ちょうはち、1815~89)が、江戸末期から明治前期に鏝絵を芸術の域に高めたとされる。通称「伊豆の長八」。彼の郷里を訪ねてみたいと思った。 東京駅から新幹線と特急、バ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:3525文字/全文:4104文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
近大ブリヒラ、この夏ブレーク? 不人気の過去、一転
近畿大学が開発したブリヒラ=近大提供 この夏、ブリとヒラマサをかけ合わせた魚「ブリヒラ」が本格的に売り出されている。近畿大学が半世紀前に開発した完全養殖魚。時代の波に乗り、ブレークなるか。 6月16日、大阪市であった飲食店関係者ら向けの商談展示会に、ブリヒラを紹介するコーナーがあった。刺し身を試食した飲食店経営者らは「食感がしっかりしていて脂ののりがいい」「味が濃く、カルパッチョにしてもいい」と興味津々だった。 ブリヒラはブリを母、ヒラマサを父に持つ。世界で初めてクロマグロの完全養殖に成功した近大水産研究所が、1970年に開発した。和歌山県白浜町の近大の施設で稚魚を作り、高知県の養殖業者が育てている。 ブリは味の濃さと脂ののりが魅力だが、夏に課題を抱える。産卵を終えてやせ細る上、血合いの色が変わるのが早く、消費者から手にとってもらえない。ヒラマサは変色しにくく堅めの食感が特徴だが、ブリほどの味や脂はない。食べ頃まで成長する時間も3年と長く、値段も高めだ。 しかしブリヒラは味、脂、食感の良さを兼ね備えた上、変色もしにくい。成長も1年半と早い。値段はブリより少し高いが、ヒラマサよりは安い。夏でもおいしく安いブリ類として期待されている。 2万匹では足りぬ、今年は5万匹 夏のブリ類の主力に 近畿大学が開発したブリヒラ。変色しにくさも特長だ=近大提供 夏に扱うブリ類の半分以上をブリヒラに置き換えようと動き出したのが、「ベイシア」(前橋市)だ。関東を中心に約100店のスーパーマーケットを展開している。 同社は近大と連携し、2018年からブリヒラを販売している。20年は刺し身やすしなどで2万匹を売り、お盆には完売。客からは「もうブリヒラないの?」との声が寄せられた。 1970年に開発されたブリヒラが今、脚光を浴びる理由とは。後半ではその背景を探ります。 そこで今年は5万匹のブリヒ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1001文字/全文:1713文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カレー事件の死刑囚「執行に日々恐怖」弁護士に涙で訴え
和歌山市で1998年に起きたカレー毒物混入事件で、殺人罪などで死刑判決が確定した林真須美死刑囚(60)が5月、無罪を求めて2度目の再審請求を和歌山地裁に申し立てた。「時間がない」と涙ながらに弁護士に訴えたという。25日で事件から23年。今も動機は明らかになっていない。(国方萌乃、西岡矩毅) 「毎日毎日、死刑になるんじゃないかとおびえ、生きていくのが限界です」 昨年9月、大阪拘置所の面会室。生田暉雄(てるお)弁護士(79)は、アクリル板越しに林死刑囚と向き合っていた。涙を流して訴える林死刑囚は頭のほとんどが白髪で、事件当時の写真より頰はほっそりしている。 生田さんが「やりましょう」と答えると、「ありがとう、助かった」と肩をふるわせたという。 「再審弁護人としての弁護をお願いします」 生田さんの元に初めて手紙が届いたのは、2016年秋ごろ。その頃多数の案件を抱えており、「すぐにはできない」と手紙で返した。 「一日も早く再審無罪を勝ち取りたい」「再審中でも(死刑)執行があり、日々恐怖です」 その後も月に一回程度手紙が届き、生田さんも林死刑囚の求めに応じて拘置所に本を差し入れるなど、やり取りが続いた。仕事が落ち着いた昨秋に初めて拘置所を訪れ、再審を引き受けた後も面会を重ねてきた。 申し立ての準備のため拘置所から送ってもらった裁判資料にはどれも付箋(ふせん)が貼られ、林死刑囚が独房で熱心に読み込んでいた様子がうかがえた。 5月に申し立てをする前は、面会の度、「早く申立書を出してくれ」と涙声で懇願された。「オリンピックが中止になれば、話題をそらすために死刑が執行されるかも知れない」と焦りを見せていたという。 「なぜあんなことを」見えない動機 「なぜあんなことをしたのか知りたい」。カレー事件被害者の会副会長の杉谷安生さん(74)は林死刑囚が無罪を訴える限り動機が明かされず、今も心にわだかまりを抱える。 林死刑囚は一審では黙秘を貫… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
タトゥーに政治的主張? コロンビア選手、長袖着て出場
鎌田悠2021年7月25日 17時55分 東京オリンピック(五輪)のアーチェリーコロンビア代表のバレンティナ・アコスタヒラルド選手(21)が自身のSNSで、腕のタトゥーを隠して試合に出るよう大会関係者から求められたと明らかにした。23日の試合は、長袖の服でプレーしたという。 アコスタヒラルド選手の自身のインスタグラムへの投稿によると、試合前、大会関係者に腕などの複数のタトゥーを調べられた。そのうち英語で「OPTIMISM」(楽観主義)と書かれた文字が、「政治的主張」にあたるとして問題視されたという。 投稿の中で、アコスタヒラルド選手は「普段は試合で長袖は着ない。だって暑いから。もし顔のタトゥーだったらどうしたんだろう」などと話した。その後、大会関係者はこの求めを撤回したという。アコスタヒラルド選手の次戦は28日に予定されている。 世界アーチェリー連盟にSNSを通じて経緯を尋ねたが、「承知していない」と回答した。 国際オリンピック委員会(IOC)はこれまで五輪憲章第50条に基づき、政治や宗教、人種的な意思表示を禁止してきたが、今大会からは競技会場でも試合前や選手紹介の場など、一部に限って容認する方針にした。(鎌田悠) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スケボーの放送中、映像が二重に NHKの中継乱れる
鎌田悠、宮田裕介2021年7月25日 18時00分 東京オリンピック(五輪)のスケートボード男子ストリート決勝で、NHK総合の中継映像が25日午後1時25分ごろ、一時乱れるトラブルがあった。映像が二重になり、一時聖火台の映像に切り替わった後、復旧した。 試合は当時、日本代表の堀米雄斗選手(22)が金メダルを争っており、ツイッターには「テレビが故障したのかと思って慌てた」などの投稿が相次いだ。試合は、高難度の演技を次々と決めた堀米選手が、ライバルを抑えて金メダルを獲得した。 NHKによると、放送の元となる国際映像にトラブルがあったという。再放送などで準備が間に合うものは、乱れのない映像に差し替えて放送する予定としている。(鎌田悠、宮田裕介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
体長2メートルのイグアナ逃げる 埼玉・川越の住宅街
岡本進2021年7月25日 18時04分 25日午後2時10分ごろ、埼玉県川越市今成3丁目の女性から「ペットとして飼っていたイグアナが逃げた」と110番通報があった。グリーンイグアナの雌で、体長は2メートル前後あるものの、人に危害を与える可能性は低いという。県警が行方を捜している。 川越署によると、女性は自宅の庭のケージで飼っていたが、鍵をかけ忘れたといい、24日午後10時ごろから25日午後1時ごろまでの間に逃げ出したらしい。 女性宅はJR川越線西川越駅に近い住宅街にある。周りには畑も広がり、入間川にも近い。25日午後5時時点で目撃情報はないという。(岡本進) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
琵琶湖で遊泳中、小2男児が死亡 大津市の水泳場
2021年7月25日 18時30分 25日午後1時55分ごろ、大津市荒川の琵琶湖にある「松の浦水泳場」で、京都市右京区の小学2年生、岩佐琉葵(りゅうき)君(8)がうつぶせで浮いているのを遊泳客の男性が見つけた。岩佐君は病院に搬送されたが、死亡が確認された。 大津北署によると、岩佐君は家族や家族の会社の同僚らと水泳場に遊びに来ていた。浜から十数メートル沖の湖上で見つかったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
免疫学研究の阪大・審良教授が遭難か 登山から帰宅せず
2021年7月25日 19時13分 【動画】大阪大学特任教授遭難か=朝日放送テレビ 撮影 25日午前0時ごろ、奈良県天川(てんかわ)村の観音峯山(標高1347・7メートル)に日帰りで単独登山に行った大阪大学特任教授の審良(あきら)静男さん(68)=大阪府摂津市=が帰宅しない、と長男から奈良県警に相談があった。県警は遭難したとみて一帯を捜したが見つからず、26日早朝から捜索を再開する。 県警吉野署によると、審良さんは24日午前9時半ごろ、奈良県大淀町の近鉄下市口駅に到着した、と長男に連絡。天川村の洞川(どろがわ)から観音峯山に登る予定だと伝えていた。だが、その後は下山の連絡がなく、帰宅していないという。 審良さんは免疫学の研究で知られ、2011年には医療分野で世界的な発見や貢献をした研究者に贈られるガードナー国際賞を受賞した。ノーベル医学生理学賞の有力候補に挙げられたこともある。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
台風8号、27日上陸か 五輪のボート競技は後ろ倒しへ
2021年7月25日 19時23分 大型の台風8号は25日、発達しながら南鳥島近海を北へ進んだ。気象庁によると、27日に東北から東日本に接近して上陸する恐れがある。国際ボート連盟は25日、27日の東京五輪ボート競技を順延し、翌28日の日程も29日に後ろ倒しすることを決めた。大会組織委員会を通じて発表した。 気象庁によると、台風8号の中心気圧は992ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は20メートル、最大瞬間風速は30メートル。27日午後6時までの24時間の予想雨量は、東北で最大100~200ミリ、関東甲信で100~150ミリ。気象庁は大雨や土砂災害などに注意を呼びかけている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル