阿部峻介2021年7月30日 17時58分 警察官が覚醒剤の空袋を捜査対象者の車に仕込んだ疑いが指摘される薬物事件の上告審判決で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は30日、違法捜査の有無をはっきりさせずに関連する証拠を採用した二審・東京高裁判決を破棄し、高裁に審理を差し戻した。裁判官5人の全員一致の意見。 高裁で再審理へ、最高裁が判決 第三小法廷は、証拠捏造(ねつぞう)の可能性を念頭に「本件事実の持つ重要性」から「(高裁判決を)破棄しなければ著しく正義に反する」と判断。覚醒剤の空袋は車内にもともとあったのか、それとも警察官が仕込んだのかについて、高裁で再審理させることにした。 一審・東京地裁は、警察官が自分のズボンに手を入れてから男性被告(57)の車の運転席ドアの内ポケットに手を伸ばした車載カメラの映像などから、空袋を仕込んだ疑いを認定。これを根拠にした令状取得手続きには「重大な違法」があるとして関連証拠を採用せず、覚醒剤の所持や使用など一部を無罪とした。高裁は、事実関係をあいまいにしたまま地裁に審理を差し戻すとしたため、弁護側が上告していた。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「将来亡くなる確率」は交通事故よりコロナ 厚労省推計
2020年の傾向が続けば、65歳以上の高齢者は交通事故より、新型コロナウイルス感染症で亡くなる確率が少し高い――。厚生労働省が30日に公表した「簡易生命表」でそんな推計結果が明らかになった。 2020年時点である年齢だった人が将来、どの死因で死亡するのかの確率を計算した。この年の死因の動向が今後も続くと仮定している。 その結果によると、新型コロナが死因になる確率は、男性は65歳、75歳とも0・29%。90歳は0・22%だった。女性は65歳で0・20%、75歳で0・21%、90歳で0・18%だった。 これに対して交通事故で亡く… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:366文字/全文:635文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「4連休前に抑えたかった」 「まん延防止」遅れに不満
北海道の鈴木直道知事が「まん延防止等重点措置」の要請を検討すると表明したのは7月15日。国には20日に要請したが、適用が決まったのはその10日後だった。道や札幌市は早めの重点措置適用を訴え続けてきたが、人出が増える4連休を過ぎた後の適用に「本来なら連休前に人流を抑制したかった」(秋元克広・札幌市長)と不満も漏れる。 道内では30日も新規感染者は250人となり、3日連続で200人超。27日連続で前週の同じ曜日を上回り、増加傾向に歯止めがかかっていない。 感染力が強いとされるデルタ株が猛威をふるい、行動が活発な若年層の感染が目立つ。直近1週間の感染者のうち、30代以下が占める割合は28日時点で62%に上る。 クラスター(感染者集団)の発生も相次ぐ。7月は28日までに33件発生。分野別で最多は「事業所」の14件、次いで「飲食店」の9件。これまで多かった「医療施設・福祉施設」は、高齢者へのワクチン接種が進むなどして4件にとどまる。 医療提供体制も厳しい… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:661文字/全文:1095文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
相次ぐ豪雨、復活するダム計画 翻弄される前村長の半生
会員記事 藤原慎一 新谷千布美2021年7月30日 19時00分 熊本県南部の清流・川辺川へのダム建設計画。半世紀以上前に持ち上がり、流域住民の反対を受けていったんは中止されたが、昨年7月の豪雨で再び動き出した。相次ぐ方針転換に住民が振り回されるなか、建設に向けた手続きが進む。 「私たちが費やした時間は一体何だったのかと思いますよ」。川辺川の中流に位置する五木村の前村長、和田拓也さん(74)は、首を振った。役場職員から2007年に村長に就いた和田さんの歩みは、翻弄(ほんろう)される村の歴史と重なる。 国が計画を発表したのは1966年。中心部が水没する五木村は猛反対したが、下流域の安全のためなどの理由から82年に受け入れに転じた。予定地にあった約500世帯のうち8割近くが村を去った。 67年に役場に入った和田さん。ダム計画への賛否で家族や親類が仲たがいし、分断される村を見てきた。村長就任後は、ダムを前提に高台の公園整備などを進め、傷んだ村を再びまとめようとした。だが、就任翌年の08年、蒲島郁夫知事が「白紙撤回」を表明し、09年には国が中止を決めた。 水没予定地だった川辺川沿いに立つ五木村の前村長・和田拓也さん=2021年6月25日午後0時51分、熊本県五木村、藤原慎一撮影 方針転換を受け、水没を免れることになった川沿いの振興に乗り出した。和田さんは川沿いの宿泊施設のオープンを見届け、19年に退任。ところが、昨年7月の記録的豪雨の後、蒲島知事はダム容認に転じた。 「方針が変わるたびに、村は… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1681文字/全文:2244文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性交同意年齢めぐる発言 タブー化させてはいけない議論
有料会員記事 聞き手・三輪さち子 聞き手・吉川真布 聞き手・田中聡子2021年7月31日 5時00分 「性交同意年齢」をめぐる発言で、国会議員が議員辞職に追い込まれた。SNSの普及で性被害が深刻化するなか、どうすれば子どもを守れるのか。処罰はどうあるべきなのか。発言の背景にあるものを考える。 「真摯な恋愛」を隠れみのにした性的搾取に無自覚な発言 島岡まなさん(大阪大学教授) 本多平直衆院議員が「50代の私と14歳の子が、恋愛したうえでの同意があった場合に罰せられるのはおかしい」と発言した立憲民主党内の会合に、私は有識者として出席していました。性行為の同意能力があるとみなす「性交同意年齢」を、一律に13歳から16歳に引き上げるべきだという私の主張に対して、本多氏から飛び出したのが、あの発言でした。 「真摯(しんし)な恋愛」を隠れみのに性的搾取がなされていることが社会問題化している。そうした問題に無自覚な発言が、刑法改正を議論する国会議員からなされたことに、私は驚きました。近年の性犯罪をめぐる議論に対応できていない。アップデートできていないのだと思いました。 中学生が「これは真摯な恋愛だ」と思い込まされ、大人になってから性的搾取だったことに気づくということは実際に起きています。後になって被害に気づき、自分を責め、苦しむ。大人の場合より、未成年者の方がずっと深刻な被害をもたらします。 日本の性交同意年齢は100年も前から基準が変わらず、各国との状況とくらべてもその遅れは顕著です。日本は学校などでの性教育も不十分です。どうすれば対等な関係が築けるかということをほとんど教えません。だからこそ、年齢を引き上げる必要があります。 記事の後半では、「年齢を引き上げればいいとするのではなく、国民的議論を」と話す立命館大学教授の嘉門優さんや、「初めて子どもを性被害から守ることに特化した条例を制定した」という長野県知事の阿部守一さんにも聞きました。 刑法の分野は、ジェンダー平… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2897文字/全文:3586文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
繰り返しの宣言 吉村知事「何で自粛ばかりの声大きく」
4回目の緊急事態宣言の発出が決まった大阪府。府の要請に応じる形で宣言が出されてきたこれまでの流れと異なり、今回は府の要請を待たずに政府が「頭越し」で発出を決めた。 吉村洋文知事は30日夜に開かれた府の対策本部会議で、「デルタ株(インドで見つかった変異株)の感染拡大力はすさまじい。危機意識をどう共有するかが今回は重要なポイントだ」と語った。一方、会議では政府の決定に対し、「(宣言の)基準はまだ満たしておらず、唐突感がある」(山口信彦副知事)との声も上がった。 28日、吉村知事は定例記者会見で、軽症中等症病床か重症病床のいずれかの使用率が50%に達した場合に緊急事態宣言を政府に要請することを発表した。 30日時点の病床使用率は軽症中等症病床が35・5%、重症病床が12・9%。吉村知事が設けた基準は満たしていない。それでも政府が宣言発出を決めたことについて、吉村知事は「法律上、国が判断すること。考え方も理解できる」としつつ、政府と府との見解の違いも強調した。 府が特に懸念するのは、繰り返される緊急事態宣言で府民の行動変容が期待できなくなっていることだ。 吉村知事は「宣言が何度も繰り返され、オリンピックもある。『なんで自分たちばかり自粛なんだ』という声が大きくなっている」と指摘。「リスクコミュニケーション(リスクについての情報共有)を成立させるためにも基準を作って、(府民に)理由を事前に説明するのが重要ではないか」と強調する。 大阪市の松井一郎市長も30日、「東京はずっと宣言中だが、一番(多い)感染者が出ている。宣言をしたら(感染拡大が)止まるわけではない」と述べ、宣言の効果を疑問視。8月に予定されている市立中学校の修学旅行は実施する方針を示した。 ■迫るデルタ株の懸念 置き換わってないのに感染拡大 府の対策会議では、府内では、東京都に比べるとデルタ株への置き換わりが進んでいないとの見解も示された。ただ、今後デルタ株が増えた場合、府内の感染スピードが速まる恐れがあるという。 大阪府内の1週間あたりの新規感染者数を前週と比較すると、16~22日は1・58倍、23~29日は1・67倍の伸びで、東京都とほぼ同じ速度で増え、感染者数も1千人に迫っている。 一方、厚生労働省に助言する専門家組織の分析によると、東京都では8割がデルタ株に置き換わっているが、大阪府では3割弱にとどまっているという。 大阪では3月1日~6月20日の「第4波」で、医療が崩壊状態に陥った。この時は、従来株から英国で確認されたアルファ株への置き換わりが急速に進んだ。大阪府のアルファ株の割合は3月上旬は約25%だったが、4月上旬に約75%、5月上旬にほぼ100%となった。 今回のデルタ株は、アルファ株より感染力が1・5倍強いとされている。大阪府の藤井睦子健康医療部長は対策会議後、記者団に「これからのリスクは(東京より)大阪の方が高い。置き換わりが進めば、拡大スピードが上がってしまう」と懸念を示した。(久保田侑暉、浅沼愛) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「札幌限定の緊急事態」検討も 「まん延防止」の北海道
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、北海道にコロナ対応の特措法に基づく「まん延防止等重点措置」が適用されることが決まった。期間は8月2~31日で、感染状況が厳しい札幌市を措置区域とする。道と市は感染対策を協議しており、市内の飲食店に酒類提供の終日自粛を要請する方向だ。31日の対策本部会議で決定する。 鈴木直道知事は30日夕、報道陣に「(重点措置の適用までに)時間がかかってしまったのは非常に残念な思いだ。札幌市内では緊急事態措置と同等の扱いになり、実効性ある対策を講じていきたい」と述べた。前日29日にコロナ担当の西村康稔経済再生相と電話で意見交換し、「札幌市に限定した緊急事態宣言ができないか投げかけたが、重点措置で対策を講じることになった」という。 重点措置が道に適用されるの… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:894文字/全文:1239文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長崎原爆の日の平和宣言骨子発表 核禁条約批准求める
長崎市の田上富久市長は30日、「長崎原爆の日」の8月9日に開かれる平和祈念式典で読み上げる平和宣言の骨子を発表した。日本政府に対し、今年1月に発効した核兵器禁止条約を批准し、この条約を世界のルールに育てていくよう求める内容だ。 宣言には、今春93歳で亡くなった被爆者で修道士の小崎登明さんが核廃絶を願った手記の一節を盛り込む。被爆者が残した言葉の引用は3年連続となる。 政府や国会議員には、唯一の被爆国として、核禁条約への署名・批准に加え、来年1月にも開かれる第1回締約国会議へのオブザーバー参加を訴える。国が定める被爆地域の外にいて被爆者と認められていない長崎の「被爆体験者」の救済も求める。 この日記者会見した田上市長は「核兵器を確実になくすために、核禁条約を育てるのが重要だ」と話した。(米田悠一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ここは極楽浄土?池を覆うハスの大輪 北海道北見
三上修2021年7月30日 19時30分 北海道北見市小泉の「鏡池」でハスの花が見ごろを迎えている。白やピンクの大輪が池を覆い、「極楽浄土みたい」と見入る人や、カメラをむける人も。見ごろはお盆ごろまで。無料。 旅先のカンボジアでハスの花に感動した農業市田信一さん(84)が、十数年前から池を掘って栽培を始めた。深く掘ることで越冬させているという。池の広さは3300平方メートルあり、「日本最北のハス池」を名乗っている。 「はすまつり」はコロナ禍で昨年に続いて中止になった。猛暑が続いて半月ほど早く満開を迎え、ひときわ美しく咲いているという。(三上修) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Pour les Japonaises, le plafond de verre reste « extrêmement bas »
Par Philippe Mesmer Publié le 30 juillet 2021 à 20h00 – Mis à jour le 02 août 2021 à 12h24 Réservé à nos abonnés Récit« L’autre Japon » (5/6). Bien que le sujet prenne de l’importance au sein du débat public, les avancées sur l’égalité hommes-femmes sont minces dans l’Archipel. « Au début, […]