「爆発的」とも言われる今回の新型コロナウイルス感染拡大で、感染の中心とされるのが若い世代だ。なぜ街に出て、路上で集うのか。記者が街で尋ねた。大阪府などに30日、適用が決まった緊急事態宣言は、若者たちに届くのだろうか。 29日午後8時、大阪・ミナミの南海難波駅前。大型商業施設のライトが次々と消えていく中、待ち合わせし、繁華街の方向へ向かう若者の姿があった。 まん延防止等重点措置から宣言へ切り替わることが、既に報じられていた。 同僚と歩いていた会社員女性(23)は、記者に「もう何度目の宣言か数えられない」と言った。路上飲みは何回かしたことがある。「仕事で疲れると飲みたくなるんだけど、終わるのは午後8時すぎで店がやってないから」 昨年は感染者数などを気にしていたが、今年6月ごろから飲みに出るようになった。「五輪開催中だからというより、街の雰囲気かな。宣言が出ても、開いている店を探して行くかも」 「かかったらかかった時」 記者が「コロナは怖くない?」と聞くと、「かかった友だちがいるけど大丈夫だった。『死ぬ』とかの危機感は無いかな。かかったらかかった時」と言った。 午後8時半過ぎの商店街。表通りの店のシャッターが閉まる中、客引きの若い女性が「21時までハッピーアワー実施中です!」と叫んでいた。ストリートライブの歌声が響く。缶ビールや缶チューハイを手にした若者が耳を傾けていた。 商店街から少し入ると、開けている店の明かりが目立つ。道路から店内をのぞくとほぼ満席。4人以上のグループの姿もあった。 繁華街「アメリカ村」の三角公園の前で、歩道のポールに腰掛けて缶ビールを開ける男性3人組がいた。会社の同僚という。 路上で飲んでいる理由を尋ねると、男性(24)は「店より外の方が密にならない」と笑った。「しばらく前からこのノリ」 宣言がまた出されることを伝えたが、「何も変えないっす」。身近に感染者はいないといい、「結局、コロナって何? どう怖いか、何をどうしたらいいかわからない」と言った。 街を歩く中で、JR大阪駅隣のグランフロント大阪「うめきた広場」で路上飲みする人が多いと聞いた。 ターミナル駅のすぐそばに、若者グループが集まる場所がありました。意外な飲み物を手にする人たちも。 記者が到着した午後10時ご… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
白いシャチが2頭も 「海の王者」が戯れる 夏の知床
世界自然遺産・知床の海、北海道羅臼町沖の根室海峡がシャチでにぎわっている。この夏は、非常にめずらしい白いシャチが2頭並んで泳ぐ姿も確認されている。 例年なら夏になると、根室海峡で見られる鯨類はシャチからマッコウクジラなどへ置き換わっていく。ところが、今夏は羅臼漁港から出ているネイチャークルーズ船が、1回の運航でシャチを数十頭も確認できることがしばしばある。 同じ群れの中で2頭並んで泳ぐ白いシャチ=2021年7月24日、北海道羅臼町沖の根室海峡、知床ネイチャークルーズ提供 7月28日午後1時出港の便では、港を出てからわずか30分ほどで複数の群れに遭遇した。群れは当初、沖合に散らばっていたが、やがて波の弱い岸寄りに集結し、その数は30頭ほどに膨らんだ。 アイヌの人々がレプンカムイ(沖の神)と呼んだ「海の王者」は、尾びれで海面をたたいて激しくしぶきを上げたり、クルーズ船に近づいてきて海面から顔を出したりした。 ネイチャークルーズ船のすぐそばで海面から顔を出したシャチ。スパイホップと呼ばれる行動で、辺りを眺めているとされる=2021年7月28日、北海道羅臼町沖の根室海峡、神村正史撮影 逆立ちをした個体が、今度は尾びれで海面を強くたたいた=2021年7月28日、北海道羅臼町沖の根室海峡、神村正史撮影 コロナ禍の影響で、乗客は少… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:548文字/全文:916文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪(伊丹)空港の滑走路、異常で一時閉鎖 9便に遅れ
2021年7月31日 9時46分 31日午前6時ごろ、大阪(伊丹)空港のB滑走路(長さ3千メートル)の一部に異状があるのを作業員が見つけた。B滑走路は補修のため閉鎖されたが、午前9時すぎに運用を再開した。この影響で、計9便に遅れが出た。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警察官が覚醒剤の空袋仕込む?違法捜査の有無、見極めへ
阿部峻介2021年7月30日 17時58分 警察官が覚醒剤の空袋を捜査対象者の車に仕込んだ疑いが指摘される薬物事件の上告審判決で、最高裁第三小法廷(林道晴裁判長)は30日、違法捜査の有無をはっきりさせずに関連する証拠を採用した二審・東京高裁判決を破棄し、高裁に審理を差し戻した。裁判官5人の全員一致の意見。 高裁で再審理へ、最高裁が判決 第三小法廷は、証拠捏造(ねつぞう)の可能性を念頭に「本件事実の持つ重要性」から「(高裁判決を)破棄しなければ著しく正義に反する」と判断。覚醒剤の空袋は車内にもともとあったのか、それとも警察官が仕込んだのかについて、高裁で再審理させることにした。 一審・東京地裁は、警察官が自分のズボンに手を入れてから男性被告(57)の車の運転席ドアの内ポケットに手を伸ばした車載カメラの映像などから、空袋を仕込んだ疑いを認定。これを根拠にした令状取得手続きには「重大な違法」があるとして関連証拠を採用せず、覚醒剤の所持や使用など一部を無罪とした。高裁は、事実関係をあいまいにしたまま地裁に審理を差し戻すとしたため、弁護側が上告していた。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「将来亡くなる確率」は交通事故よりコロナ 厚労省推計
2020年の傾向が続けば、65歳以上の高齢者は交通事故より、新型コロナウイルス感染症で亡くなる確率が少し高い――。厚生労働省が30日に公表した「簡易生命表」でそんな推計結果が明らかになった。 2020年時点である年齢だった人が将来、どの死因で死亡するのかの確率を計算した。この年の死因の動向が今後も続くと仮定している。 その結果によると、新型コロナが死因になる確率は、男性は65歳、75歳とも0・29%。90歳は0・22%だった。女性は65歳で0・20%、75歳で0・21%、90歳で0・18%だった。 これに対して交通事故で亡く… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:366文字/全文:635文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「4連休前に抑えたかった」 「まん延防止」遅れに不満
北海道の鈴木直道知事が「まん延防止等重点措置」の要請を検討すると表明したのは7月15日。国には20日に要請したが、適用が決まったのはその10日後だった。道や札幌市は早めの重点措置適用を訴え続けてきたが、人出が増える4連休を過ぎた後の適用に「本来なら連休前に人流を抑制したかった」(秋元克広・札幌市長)と不満も漏れる。 道内では30日も新規感染者は250人となり、3日連続で200人超。27日連続で前週の同じ曜日を上回り、増加傾向に歯止めがかかっていない。 感染力が強いとされるデルタ株が猛威をふるい、行動が活発な若年層の感染が目立つ。直近1週間の感染者のうち、30代以下が占める割合は28日時点で62%に上る。 クラスター(感染者集団)の発生も相次ぐ。7月は28日までに33件発生。分野別で最多は「事業所」の14件、次いで「飲食店」の9件。これまで多かった「医療施設・福祉施設」は、高齢者へのワクチン接種が進むなどして4件にとどまる。 医療提供体制も厳しい… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:661文字/全文:1095文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
相次ぐ豪雨、復活するダム計画 翻弄される前村長の半生
会員記事 藤原慎一 新谷千布美2021年7月30日 19時00分 熊本県南部の清流・川辺川へのダム建設計画。半世紀以上前に持ち上がり、流域住民の反対を受けていったんは中止されたが、昨年7月の豪雨で再び動き出した。相次ぐ方針転換に住民が振り回されるなか、建設に向けた手続きが進む。 「私たちが費やした時間は一体何だったのかと思いますよ」。川辺川の中流に位置する五木村の前村長、和田拓也さん(74)は、首を振った。役場職員から2007年に村長に就いた和田さんの歩みは、翻弄(ほんろう)される村の歴史と重なる。 国が計画を発表したのは1966年。中心部が水没する五木村は猛反対したが、下流域の安全のためなどの理由から82年に受け入れに転じた。予定地にあった約500世帯のうち8割近くが村を去った。 67年に役場に入った和田さん。ダム計画への賛否で家族や親類が仲たがいし、分断される村を見てきた。村長就任後は、ダムを前提に高台の公園整備などを進め、傷んだ村を再びまとめようとした。だが、就任翌年の08年、蒲島郁夫知事が「白紙撤回」を表明し、09年には国が中止を決めた。 水没予定地だった川辺川沿いに立つ五木村の前村長・和田拓也さん=2021年6月25日午後0時51分、熊本県五木村、藤原慎一撮影 方針転換を受け、水没を免れることになった川沿いの振興に乗り出した。和田さんは川沿いの宿泊施設のオープンを見届け、19年に退任。ところが、昨年7月の記録的豪雨の後、蒲島知事はダム容認に転じた。 「方針が変わるたびに、村は… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1681文字/全文:2244文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性交同意年齢めぐる発言 タブー化させてはいけない議論
有料会員記事 聞き手・三輪さち子 聞き手・吉川真布 聞き手・田中聡子2021年7月31日 5時00分 「性交同意年齢」をめぐる発言で、国会議員が議員辞職に追い込まれた。SNSの普及で性被害が深刻化するなか、どうすれば子どもを守れるのか。処罰はどうあるべきなのか。発言の背景にあるものを考える。 「真摯な恋愛」を隠れみのにした性的搾取に無自覚な発言 島岡まなさん(大阪大学教授) 本多平直衆院議員が「50代の私と14歳の子が、恋愛したうえでの同意があった場合に罰せられるのはおかしい」と発言した立憲民主党内の会合に、私は有識者として出席していました。性行為の同意能力があるとみなす「性交同意年齢」を、一律に13歳から16歳に引き上げるべきだという私の主張に対して、本多氏から飛び出したのが、あの発言でした。 「真摯(しんし)な恋愛」を隠れみのに性的搾取がなされていることが社会問題化している。そうした問題に無自覚な発言が、刑法改正を議論する国会議員からなされたことに、私は驚きました。近年の性犯罪をめぐる議論に対応できていない。アップデートできていないのだと思いました。 中学生が「これは真摯な恋愛だ」と思い込まされ、大人になってから性的搾取だったことに気づくということは実際に起きています。後になって被害に気づき、自分を責め、苦しむ。大人の場合より、未成年者の方がずっと深刻な被害をもたらします。 日本の性交同意年齢は100年も前から基準が変わらず、各国との状況とくらべてもその遅れは顕著です。日本は学校などでの性教育も不十分です。どうすれば対等な関係が築けるかということをほとんど教えません。だからこそ、年齢を引き上げる必要があります。 記事の後半では、「年齢を引き上げればいいとするのではなく、国民的議論を」と話す立命館大学教授の嘉門優さんや、「初めて子どもを性被害から守ることに特化した条例を制定した」という長野県知事の阿部守一さんにも聞きました。 刑法の分野は、ジェンダー平… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2897文字/全文:3586文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
繰り返しの宣言 吉村知事「何で自粛ばかりの声大きく」
4回目の緊急事態宣言の発出が決まった大阪府。府の要請に応じる形で宣言が出されてきたこれまでの流れと異なり、今回は府の要請を待たずに政府が「頭越し」で発出を決めた。 吉村洋文知事は30日夜に開かれた府の対策本部会議で、「デルタ株(インドで見つかった変異株)の感染拡大力はすさまじい。危機意識をどう共有するかが今回は重要なポイントだ」と語った。一方、会議では政府の決定に対し、「(宣言の)基準はまだ満たしておらず、唐突感がある」(山口信彦副知事)との声も上がった。 28日、吉村知事は定例記者会見で、軽症中等症病床か重症病床のいずれかの使用率が50%に達した場合に緊急事態宣言を政府に要請することを発表した。 30日時点の病床使用率は軽症中等症病床が35・5%、重症病床が12・9%。吉村知事が設けた基準は満たしていない。それでも政府が宣言発出を決めたことについて、吉村知事は「法律上、国が判断すること。考え方も理解できる」としつつ、政府と府との見解の違いも強調した。 府が特に懸念するのは、繰り返される緊急事態宣言で府民の行動変容が期待できなくなっていることだ。 吉村知事は「宣言が何度も繰り返され、オリンピックもある。『なんで自分たちばかり自粛なんだ』という声が大きくなっている」と指摘。「リスクコミュニケーション(リスクについての情報共有)を成立させるためにも基準を作って、(府民に)理由を事前に説明するのが重要ではないか」と強調する。 大阪市の松井一郎市長も30日、「東京はずっと宣言中だが、一番(多い)感染者が出ている。宣言をしたら(感染拡大が)止まるわけではない」と述べ、宣言の効果を疑問視。8月に予定されている市立中学校の修学旅行は実施する方針を示した。 ■迫るデルタ株の懸念 置き換わってないのに感染拡大 府の対策会議では、府内では、東京都に比べるとデルタ株への置き換わりが進んでいないとの見解も示された。ただ、今後デルタ株が増えた場合、府内の感染スピードが速まる恐れがあるという。 大阪府内の1週間あたりの新規感染者数を前週と比較すると、16~22日は1・58倍、23~29日は1・67倍の伸びで、東京都とほぼ同じ速度で増え、感染者数も1千人に迫っている。 一方、厚生労働省に助言する専門家組織の分析によると、東京都では8割がデルタ株に置き換わっているが、大阪府では3割弱にとどまっているという。 大阪では3月1日~6月20日の「第4波」で、医療が崩壊状態に陥った。この時は、従来株から英国で確認されたアルファ株への置き換わりが急速に進んだ。大阪府のアルファ株の割合は3月上旬は約25%だったが、4月上旬に約75%、5月上旬にほぼ100%となった。 今回のデルタ株は、アルファ株より感染力が1・5倍強いとされている。大阪府の藤井睦子健康医療部長は対策会議後、記者団に「これからのリスクは(東京より)大阪の方が高い。置き換わりが進めば、拡大スピードが上がってしまう」と懸念を示した。(久保田侑暉、浅沼愛) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「札幌限定の緊急事態」検討も 「まん延防止」の北海道
新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、北海道にコロナ対応の特措法に基づく「まん延防止等重点措置」が適用されることが決まった。期間は8月2~31日で、感染状況が厳しい札幌市を措置区域とする。道と市は感染対策を協議しており、市内の飲食店に酒類提供の終日自粛を要請する方向だ。31日の対策本部会議で決定する。 鈴木直道知事は30日夕、報道陣に「(重点措置の適用までに)時間がかかってしまったのは非常に残念な思いだ。札幌市内では緊急事態措置と同等の扱いになり、実効性ある対策を講じていきたい」と述べた。前日29日にコロナ担当の西村康稔経済再生相と電話で意見交換し、「札幌市に限定した緊急事態宣言ができないか投げかけたが、重点措置で対策を講じることになった」という。 重点措置が道に適用されるの… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:894文字/全文:1239文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル