名古屋出入国在留管理局の施設に収容中のスリランカ人ウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が死亡した問題で、遺族が7日、東京都内で記者会見した。支援する学生らが同席し、ウィシュマさん死亡の経緯を究明するため、入管施設内で撮影したビデオ映像の開示を政府に求めるオンライン署名運動を呼びかけた。 ビデオの開示について上川陽子法相は6日、記者会見で「保安上の問題や亡くなった方の名誉・尊厳、最終報告をまとめる第三者への影響」を理由に「公開は相当ではない」と答えた。 これに対しウィシュマさんの妹ワヨミさん(28)は7日の会見で「入管の活動が正しいなら堂々と出せるはず。ビデオを出さないのは、自分たちに問題があると認め、それを隠すためだと思う」と語った。「日本に行けば姉の死について正確な答えが聞けると信じていた。来日して2カ月たつが何の成果も得られず、精神的にも肉体的にも疲れています」とも述べた。 遺族の代理人を務める指宿昭一弁護士は「入管法改正案は市民の力で阻止できた。法務省や入管庁(出入国在留管理庁)はビデオを絶対に出したくないのだろうと思うが、市民が声をあげれば開示させることができる」と訴えた。(編集委員・北野隆一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ対策雇用助成金詐取か 大阪府警が容疑の男ら逮捕
新型コロナウイルスの影響を受けた事業所に対し、従業員の休業手当などの一部を助成する国の雇用調整助成金などをだまし取ったとして、大阪府警は7日、指南役とみられる大阪市北区の職業不詳、平川誠容疑者(44)ら3人を逮捕し、発表した。専門家は各種給付金の審査態勢の甘さが狙われていると指摘する。 府警生活安全特別捜査隊によると、平川容疑者と清掃業、中村紀代子容疑者(57)=公判中=らは2020年5月~21年1月、実態がないのに厚生労働省に雇用調整助成金と、アルバイト従業員らを対象とした緊急雇用安定助成金を申請し、計約3500万円をだまし取った疑いがある。平川容疑者らは実際には働いていない人を中村容疑者が経営する清掃業者の従業員と偽って申請を繰り返していたという。 平川、中村両容疑者は経済産業省の持続化給付金100万円をだまし取ったとして、今年3月に詐欺容疑で逮捕された。5月に大阪地裁であった初公判で平川容疑者は起訴内容を認めている。 捜査関係者によると、持続化給付金の詐取容疑で捜査を進めたところ、平川容疑者が雇用調整助成金などもだまし取っていた疑いが浮上したという。 雇用調整助成金の支給額がコロナ禍の特例で1人あたり最大日額1万5千円に引き上げられ、従業員のタイムカードや給与明細の写しを提出すれば申請できるなど、手続きも簡素化された。 厚労省によると、特例が導入された20年2月~今年6月末までに計378万件が支給決定された。年率にすると、約6400件だった19年度の400倍を超すペースだ。 一方、今年4月までに44件(計約計2億7千万円分)の不正受給が発覚している。従業員を休業させたように装ったり、従業員ではない人に休業手当を支払ったように見せかけたりするケースが大半だという。同省は悪質と判断した場合は刑事告発する方針だ。 兵庫県警は6月、知人らを勝手に「従業員」として雇用調整助成金計約1700万円をだまし取ったとして、姫路市の会社役員の男ら3人を逮捕した。北海道や岡山県でも逮捕者が出ている。 詐欺事件に詳しい上原幹男弁護士(第二東京弁護士会)は「形式上の書類がそろっていれば申請が通る現行の審査態勢は改善していく必要がある」と指摘。別人を従業員と偽って申請するケースが散見されることから「例えば、偽造の難しい給与の振り込み履歴の提出などを義務化すれば不正申請の数を減らすことにはつながるのでは」と話す。 厚労省の担当者は「コロナ禍で困窮している人を救済するための制度で不正な申請を前提としてしない」とし、「悪質な申請については刑事告発を含め厳正に対処する」としている。(河野光汰、茶井祐輝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Shohei Ohtani earns fourth win, drives in run against Red Sox
Anaheim, California – Shohei Ohtani threw seven solid innings and gave himself run support with an RBI double Tuesday as the Los Angeles Angels overpowered the Boston Red Sox 5-3. After lasting less than an inning in his previous start at Yankee Stadium on June 30, the two-way star bounced […]
新幹線で運転士が腹痛になったら…代わりはいないの?
新幹線の走行中、運転士がトイレにいくために席を離れたことが問題になった。腹痛はだれにでも起こりえることだが、どうすればよいのか。 Q 新幹線の走行中、運転士がトイレに行くために席を離れたことが問題になったね。 A 東海道新幹線の東京発新大阪行き「ひかり」の走行中、男性運転士が腹痛を訴(うった)え、運転室から約25メートル離(はな)れたトイレに行った。結果的に、約3分間、運転士不在のまま新幹線が走り続けたんだ。名古屋駅で別の運転士と交代し、病院に向かったそうだ。 Q 腹痛はだれにでも起こりえることだね。代わりの運転士はいなかったの? A JR東海によると、新幹線は通常から運転士1人体制だ。運転資格をもった乗務員が乗車していれば交代してもらうことはできる。今回の場合、運転士は車掌(しゃしょう)長を呼んで運転室にいてもらったが、車掌長には資格はなかったんだ。 Q どうしたらよかったんだろう? A 運転士が所定の手続きを… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:520文字/全文:939文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
娘と孫、救えなかったのか 倉敷の男性、喪失感の3年
喪失感に押しつぶされそうな3年だった。犠牲者の名が一人ずつ読み上げられる間、目を閉じた。岡山県倉敷市真備町で6日にあった西日本豪雨3年の追悼式。同市の三宅常男さん(62)は妻(65)と参列した。 次女の遥さん(当時27)、孫の愛さん(同5)を失った。 3年前の7月6日夕。2人が住む平屋建ての借家を、いつものように仕事帰りに訪ねた。20分ほどの滞在。帰宅しようとする三宅さんを、2人は「じいちゃん、またな」と見送った。外は雨が降り続いていた。 遥さんには軽度の知的障害があり、地元の社会福祉法人などからサポートを受けて子育てをしていた。6日夜に電話で話した支援者によると、遥さんは、音に敏感な愛さんが雨を怖がって寝付かないと訴えた。小学校への避難を促すと、「場所が分からない」と途方に暮れていたという。 「怖い」「助けて」送られたメール 翌7日朝には、庭一面が浸水… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:534文字/全文:922文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
仏教界根深いジェンダーギャップ 女性僧侶が法要行うと
ジェンダー(性差)の格差がとりわけ大きいと指摘される日本の宗教界で、実際にどのようなジェンダーギャップがあるのかを探る研究会があった。伝統仏教教団の事例から浮かび上がったのは、女性僧侶や、寺院に居住する男性住職の配偶者や家族らの「寺族」が置かれた不安定な立場だった。 研究会は「宗派運営におけるジェンダー格差―改善への道を模索する―」と題され、龍谷大学(京都市)の「ジェンダーと宗教研究センター」の主催で6月9日に、オンライン上で開かれた。 住職の死後 追い出される「寺族」も 「女性と仏教・関東ネットワーク」の世話人を務める瀬野美佐さんが「曹洞宗教団のジェンダー」をテーマに発表。男女同権がいわれた戦後でも、男性僧侶が住職をする大きな寺の下請けのような小さな寺の住職しか尼僧ができなかった状況などが経済格差や差別を生んだと指摘した。 また、年間収入が300万円… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:805文字/全文:1191文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
砲台、地下壕…九州に眠る「戦争遺跡」訪ね歩いて30年
砲台や飛行場の跡など、九州各地には戦争にまつわる遺構がいまも残る。福岡市南区の江浜明徳さん(70)は、そうした「戦争遺跡」を30年にわたって訪ね歩き、300カ所以上を記録してきた。「『見ることができる遺構』を多くの人に知ってもらいたい」と、語り継ぐ活動を続ける。 6月19日、福岡市博多区の冷泉公園。江浜さんは拡声機を持ち、約20人を前に語り始めた。 「ここはもともと有数の繁華街でした。全部焼けて空き地になり、公園になった。広島の平和記念公園と同じです」 第2次世界大戦末期の76年前のこの日、福岡は米軍による爆撃にさらされ、1千人以上が犠牲になった。江浜さんが案内したのは、この「福岡大空襲」の日に合わせて戦争の遺構や遺物を訪ねるツアー。密集する家屋を撤去して道幅を広げた「疎開道路」や、戦後に多くの軍人や海外居住者が引き揚げてきた博多港、老舗額縁店に残る防空壕(ごう)など12カ所を2時間半かけて巡った。 福岡市で学校司書をする小川真由美さん(40)は「生まれ育った街にこれだけの遺構があると知り、歴史の一つではなく、より身近に、生活の中にあると感じられた」。 まだ身近だった戦争の記憶 江浜さんは福岡県久留米市出身で、高校教師として地理を教えていた。労働組合で平和教育を担当したこともあって、40歳くらいから戦争遺跡を訪ね始めた。教員らをかつての軍の港や演習場などに案内したり、文書や写真を小冊子やプリントにして生徒の学習教材に使ったり。組合の機関紙にも10年ほど連載した。退職後は退職金をつぎ込み、南九州や離島にも足を延ばしてきた。 郷土資料や戦前の地図から情報を集め、手のひらにおさまるノートとカメラを持って現地へ。関係者たちからも話を聞いた。メモをとられるのを嫌がる戦争体験者もいるため、話を聞いた時は、家に帰ってからノートに書き留めた。 子どものころ、戦争はまだ身… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:903文字/全文:1702文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
盛り土の工法「不適切」 静岡県、過去に業者へ是正指導
2021年7月7日 13時25分 静岡県熱海市で起きた大規模な土石流で、県の難波喬司副知事は7日、県庁で記者会見を開き、最上流部の盛り土の工法が不適切だったという認識を示した。盛り土を含む一体の開発で、県と市が業者に是正指導をしていたことも明らかにした。 難波氏は崩落地点に地下水脈があったことが確認できると指摘。「こういった谷を盛り土する場合、排水するのが基本だ。ただ最近の写真を見ると、排水装置や、本来はあるべき土砂を止める土留め壁などもないように見える」と述べた。 県によると、崩落した土地の最上位部分には開発に伴う盛り土があった。2010年以降の国土交通省のデータなどから、盛り土は約5万4千立方メートルあったと推定され、この盛り土を含めた10万立方メートルが崩落した可能性があるとしている。 一方、崩落地点近くにある太陽光パネルの開発について、難波氏は「(土石流の)主要な原因になっていないと思われる。影響は極めて小さいだろう」と述べた。 県は盛り土が崩れて土石流が大規模化したとみていて、県は盛り土と土石流の関連など原因究明を進める方針だ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「感染拡大の兆候明らか」大阪府、重点措置の延長要請へ
11日に期限を迎える新型コロナウイルスに対応する「まん延防止等重点措置」について、大阪府は7日、対策本部会議を開き、政府に延長を要請することを決めた。延長か解除かは最終的に政府が決定する。 吉村洋文知事は会議の冒頭、「感染再拡大の兆候が明らかにみられる。人出も増えている状況で、感染者が増えるのはほぼ間違いない。7月末に高齢者のワクチン接種が完了するまで努力することが必要だ。重点措置を延長すべきだ」と話した。 大阪府では、直近1週間の新規感染者数は10万人あたり、8・95人(6日公表時点)で、政府の分科会が「感染急増段階」として定めるステージ3(15人)の数値を下回っている。 病床の逼迫(ひっぱく)度も改善されているが、吉村洋文知事は緊急事態宣言解除後の人出の増加や変異株の存在を指摘。「リバウンド(感染再拡大)する要素や条件は整っている」と警戒感を示している。 大阪府では、10町村を除く33市の飲食店に対し、午後8時までの営業時間の短縮や、酒類提供を午後7時までとした上で1グループ2人以内に限定する対策を要請している。吉村知事は重点措置が延長された場合、対象地域は引き続き33市とする考えを示している。(久保田侑暉、寺尾佳恵) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
地球1周分、8の字に周回 ハリオアマツバメ渡りルート
季節により北海道やオーストラリアなどを周回する渡り鳥「ハリオアマツバメ」の渡りルートを、酪農学園大学(北海道江別市)などの研究チームが突き止めた。繁殖地の一つ北海道十勝地方で、ハリオアマツバメに小型移動記録機器を取り付けることに成功。東アジア、東南アジア、オセアニアを「8」の字を描くように、地球1周分の長い旅をしていた。 ハリオアマツバメは全長約20センチ、羽を広げた幅が約40センチ。分類学上、ツバメ(スズメ目)とはまったく別のアマツバメ目に属する。水平飛行時の速さは、鳥類トップクラスの時速170キロにも達するといわれる。日中に活動しているときは常に空を飛び続ける。夏は本州の中部地方以北に生息し、樹洞(じゅどう)に巣をつくって繁殖する。こうした生態により、観測例が極端に少なく、渡りルートは謎に包まれていた。 酪農学園大の森さやか准教授(鳥類生態学)と、長崎大、慶応大などによる研究チームは、2015年からハリオアマツバメの研究を始めた。18年、十勝地方の生息地に設置した巣箱に巣をつくった4羽に、0・7グラムほどの移動記録装置を取り付けた。翌年に再び戻ってきた4羽から記録装置の回収することに成功した。 それによると、秋の渡りは、8~9月ごろ北海道から南下し、10月ごろ九州から朝鮮半島へ渡る。さらに中国へ向かい、フィリピン、ニューギニアを経て、11月にはオーストラリア東海岸に到着する。12~3月をそこで過ごす。 春の渡りは、4月ごろからオーストラリアを北西に移動しながら、インドネシア、ベトナム付近を経て、5月ごろ台湾から日本へ渡ってくることがわかった。総移動距離は地球1周に当たる約4万キロに及ぶ。 森准教授によると、渡り鳥の… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:344文字/全文:1071文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル