外尾誠2021年8月1日 8時00分 【動画】「炭鉱列車」ラストラン見学会=外尾誠、吉本美奈子撮影 福岡県大牟田市を中心に三井三池炭鉱の石炭運搬などに活躍し、昨年5月に廃止された「炭鉱電車」のラストラン見学会が31日、市内の専用駅周辺であった。参加した計80人の家族連れや鉄道ファンらが、日本の近代化を支えた「歴史の証人」の雄姿を心に刻んだ。 炭鉱電車は石炭を運んだ馬車鉄道がルーツで、1891(明治24)年に蒸気、1909(同42)年に電気機関車が導入され、最盛期の総延長は約150キロ。97年の炭鉱閉山後は、三井化学大牟田工場が原料運搬の専用鉄道として市内の1・8キロで昨年まで運行していた。今夏から2年がかりで関連施設を撤去予定。 見学会は「最後の雄姿を見たい」というファンの声を受けて同工場が企画。保有する5両を線路上に並べ、特徴の説明や内部の見学、走行する姿の撮影会などがあった。新型コロナ対策のために、参加者は約450人の応募者から抽選で80人にしぼられた。その1人で同県久留米市の公務員吉川寿弘さん(52)は「18歳まで過ごした大牟田の象徴。無くなるのは寂しいけど、最後に姿が見られて良かった」。この日の説明役を担ったNPO法人「炭鉱電車保存会」の藤原義弘理事長は「地域の繁栄も衰退も見てきた歴史の生き証人。動態での保存ができるように活動を進めたい」と話した。(外尾誠) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
誰にもある孤立の可能性 急増する「家族なき」人々の死
シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん 今年初め、死後1週間以上経って発見された女性の自宅を訪問しました。女性が倒れていた畳には、人の形に真っ黒いシミができていました。すぐ隣に親戚が住んでいますが、長らく交流がなく、女性が亡くなっているのを発見したのはケースワーカーでした。 女性は国際線のキャビンアテンダント(CA)でしたが、精神疾患を発症して退職し、その後は両親と暮らしていたようです。数年前に父が亡くなり、半月前には認知症の母が脳梗塞(こうそく)で入院し、女性はひとり暮らしになった矢先でした。母は認知機能が低下しており、娘の死を理解できません。誰にも「助けて!」と言えず、ひとりで亡くなった女性の気持ちを考えると、やりきれない思いでいっぱいです。 数カ月前には、脳梗塞を発症し、その後遺症で話ができず、半身不随になった見ず知らずの男性を助けました。日本で生まれ育った外国人で、直前まで国外に5年以上住んでいたので、私が会った時は日本での住民票は抹消されていました。貯金せず(自助)、国民健康保険に加入せず(共助)、日本にいる家族に拒否され(互助)、かつて住民登録をしていた自治体では生活保護などを受ける権利もありませんでした(公助)。自業自得かもしれませんし、実際に「そんな人を助ける必要はない」と私に言う人は何人もいました。 でも、CAの女性やこの男性… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1021文字/全文:1629文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島のゾウ「アイ」急死 39歳、立てないままけいれん
東郷隆2021年8月1日 9時17分 安佐動物公園(広島市安佐北区)は30日、約10年にわたり飼育した雌のサバンナゾウの「アイ」(推定39歳)が死んだと発表した。食べた草から発生したガスで胃腸が膨らみ、肺を圧迫して呼吸できなくなった可能性があるという。 同園がゾウ舎内のカメラを確認したところ、アイは29日午後6時半ごろに座り込み、立ち上がれないままけいれんを起こし、約10分後に動かなくなったという。30日朝、死んでいるのが見つかった。解剖して詳しい死因を調べるという。 アイは推定2歳の時に南アフリカから日本にやってきた。東京都多摩動物公園や群馬サファリパークなどを経て、2011年に安佐動物公園に来た。雄の「タカ」との繁殖を目指していた。担当する飼育係は「マルミミゾウのメイが鳴くと駆け寄るなど優しい一面もあった。兆候がなく、突然のことで驚いている」と話した。(東郷隆) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪の風物詩「ピン交換しよう!」 感染対策もしっかり
コロナ下の東京オリンピック(五輪)は、観客や大会関係者が楽しんできた五輪の風物詩「ピンバッジ交換(ピントレーディング)」にも影を落とす。会場は無観客となり、海外の大会関係者も絞られ、交流が生まれにくいからだ。そんな中、「海外の皆さんに日本の思い出を持ち帰って欲しい」と、会場周辺で交換を呼びかける人もいる。 「ピン交換しませんか」 7月30日午後、東京・国立競技場前。ピンバッジを体中に付けた千葉県浦安市の亀山隆史さん(47)が海外メディア関係者に控えめに声をかける。口元は黒いマスクで覆われ、手には「Change Pins!」と書かれた手作りボード。 2014年のサッカーW杯ブラジル大会を現地で観戦し、バッジ交換の魅力に目覚めた。でも「海外の方が少ない。いつもより交換できる感じはない」。 「ピントレーディング」とは、五輪やサッカーW杯など大規模な大会で、各国選手団やスポンサー企業などが制作したバッジを交換し合う。バッジにはそれぞれの国旗をあしらうなど、国の特徴が出る。 一説によると、1896年の第1回アテネ五輪で選手や役員を判別するためにバッジを制作したのが始まりで、交換が普及したのは1980年代で、各国にコレクターも多い。 スポンサーであるコカ・コーラは、各大会でピン交換に力を入れ、今回も東京・渋谷の「RAYARD MIYASHITA PARK」内にピンバッジがもらえる場所を開設している。 「私のライフワーク」。ピン… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:369文字/全文:994文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天声人語の見出し、あなたはどうつける? 編集者も悩む
朝日新聞ポッドキャスト まなび場天声人語 「天声人語」を題材に、学びを深めませんか。今回は、読解力アップにも役立つ「見出し作り」です。見出しを考えることは、文章が訴えたいことを短い言葉で表現する訓練にぴったりです。読者のみなさんの投稿から選ばれた優秀作を紹介します。 ポッドキャストでは、編集者の矢島由利子記者が、審査のポイントと見出し作りのコツを詳しく解説。読者からの質問にも答えます。 Apple PodcastやSpotifyなどで配信しています。音声プレーヤーの右上にある「i」の右上にあるボタン(購読)でリンクが表示されます。 今月の優秀作 君の声を聴かせて (隠岐絵里さん 39 大阪府) 既読スルーで心もスルー (高山千代さん 65 東京都) イルカも催促「お返事は?」 (堀口直子さん 65 神奈川県) 返事を待つ者たち (須賀康太さん 16 東京都) 今日もあなたは元気でイルカしら (芦原芳子さん 55 京都府) (編集者の見出しワンポイント)文章のテーマにとどまらずに そもそも見出しとは? 私たち編集者は新聞を作る際、記事のテーマを示すだけでなく、文章が訴えたいことを端的かつ印象的に表現しようと、毎日頭をひねっています。 今回は「シロイルカも既読ス… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1853文字/全文:2261文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
こっそりYouTube 1人1台端末の活用、悩む学校
小中学生に1人1台の情報端末を配備する国の「GIGAスクール構想」が本格始動してから、まもなく4カ月。どのように活用するか。ネット依存やトラブルを避けるために、どこまで制限すべきか。教育現場は試行錯誤し、保護者も悩んでいる。(阿部朋美、三島あずさ、編集委員・宮坂麻子) 2016年の熊本地震の際、休校中の家庭との連絡や学習のフォローに苦労した経験から、通信機能つき端末を全ての小中学校に先行導入した熊本市。新型コロナによる昨春の長期休校では、いち早く双方向のオンライン授業ができた。 端末には最低限のフィルタリングしかかけず、アプリのダウンロード、ユーチューブへの投稿、SNSの利用以外は、ほぼ自由に使えるようにしている。 市立五福小学校では、音読を… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2208文字/全文:2537文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オンライン授業可能9割 「1人1台」端末配備の自治体
この春、国の「GIGA(ギガ)スクール構想」による「1人1台」の情報端末を使った教育が、小中学校で本格化した。朝日新聞が活用状況をアンケートしたところ、教員と児童生徒が別々の場所にいても、互いにやりとりが可能なオンライン授業ができる自治体が9割以上に上ることがわかった。 新型コロナウイルスによる昨春の一斉休校は地域によっては3カ月近く続き、「学びの空白」が課題になった。これを受け、「1人1台」は、2023年度までの配備計画が20年度内に前倒しされた。コロナや災害で登校できない事態になっても、学びを止めない態勢は一定程度、整った形だ。 調査は6月、道府県庁所在市と政令指定市、東京23区の教育委員会に行い、全74市区が回答した。 双方向のオンライン授業については、児童生徒のパソコンやタブレット端末にテレビ会議システムを入れるなど、71自治体が「できるように設定している」と回答。家でも端末を使えるよう持ち帰りを認めている自治体は44で約6割、「今後認める予定」は23あった。通信環境が整っていない家庭があることや、活用スキルを身に付けるのが先決などとして、7市は「現時点で認める予定はない」とした。 支援員不足、重い財政負担……課題も 調査では「1人1台」をめぐる課題も浮かんだ。 端末の操作や活用のスキルは… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1838文字/全文:2402文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジャングルジムから転落か、小1女児が死亡 大津の公園
2021年8月1日 18時08分 1日午前9時40分ごろ、大津市北大路3丁目の公園で、「女の子がジャングルジムから落ちた」と近くにいた人から119番通報があった。同市内の小学1年生の女児(6)が救急搬送されたが、市内の病院で死亡が確認された。 大津署によると、現場は住宅地にある児童公園で、ジャングルジムは高さ約3メートル。公園に一緒に来ていた兄(17)が、近くにいた人に通報を頼んだという。署は転落して体を強打した可能性があるとみて調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首都圏脱出し軽井沢へ、観光に移住に続々 地元は警戒も
避暑地の代名詞、長野県軽井沢町が、コロナ下の首都圏の住民たちの「脱出先」になっている。日帰り観光だけでなく移住先にも選ばれ、人口の「転入超過」の幅では全国926町村のトップにたつ。地元ではコロナ感染拡大の不安も高まる。コロナと五輪と炎天の夏。軽井沢に集う人たちを追った。 東京都の新規感染者が初めて4千人を超えた7月31日の午後。JR軽井沢駅の南側に広がるアウトレットモール前には東京、神奈川、群馬などのナンバーの車が次々とやってきた。約3500台分ある駐車場が埋まっていく。東京の最高気温は32・5度を記録したが、ここでは26・2度。涼しい風が吹き抜ける。 東京から家族で来た会社員男性(39)は滞在3日目だという。夏は海沿いのリゾートに行くのが常だったが、コロナの感染を恐れてこちらに来た。「近場だからいいかと思って」。夜はテレビで五輪を見て過ごしているという。 埼玉県ふじみ野市から来た主婦(59)は、1日にあった五輪サッカーのチケットがあたっていた。世界中の人が東京に集まる非日常を楽しみにしていたが、無観客に。「関心は薄れた」と言いつつ、結局は五輪中継を見て過ごしており、ふだんはコロナ感染を恐れて近所を離れずにいるという。この日は久しぶりの県外だった。「想像以上の人出に驚いた」 群馬県高崎市の主婦(48)は、家族で都内に宿泊する予定だったがコロナ感染の多さでキャンセルした。代わりに娘と時々訪れる軽井沢へ来た。 軽井沢への人の流れは、NTTドコモの携帯電話の位置情報から推計したデータにも表れている。 長野県外からアウトレットモール付近を訪れた人(7日間平均)は、5月には東京都などで3回目の緊急事態宣言が出ていたにもかかわらず、ピークになった。4回目の宣言が出されると再び増え、7月下旬には1日あたりの人出が昨年の約1・5倍になっていた。 町長「細心の注意を」 買い物時間ずらす住民も こうした流れに地元は警戒し… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:827文字/全文:1650文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
夏休みの県境またぐ移動「中止・延期を」 全国知事会
阿久沢悦子2021年8月1日 21時27分 新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言の対象地域が2日から広がるのを前に、全国知事会は1日、オンライン会議を開いた。都道府県境をまたぐ夏休みの旅行や移動について、「原則中止・延期」を国民に呼びかけるよう、政府に求める緊急提言をまとめた。 会議には44知事が出席した。提言では、「全国の多くの地域で『感染爆発』と言って過言でない状況」と指摘。感染力の強いデルタ株の全国的な拡散を防ぐため、お盆の帰省も含めた夏休みの移動を減らす必要があることに触れ、移動がやむをえない場合でも時期を分散し、事前にPCR検査を受けるなどの対応を訴えた。また、政府には「国民に危機感を伝え行動変容を促す強いメッセージを発出すること」を求めた。 各知事からは、急激な感染拡大に危機感を訴える声が相次いだ。飯泉嘉門会長(徳島県知事)は「緊急宣言下でも人流が減らない。政府のメッセージが国民に伝わっていない」。長野県の阿部守一知事は「国の強いメッセージを引き出す必要がある。ロックダウン(都市封鎖)的な移動制限も含め、法制度(の改正)を本気で検討してほしい」と述べた。国への提言では、新型コロナ対応の特別措置法の改正も含めた改善と、ロックダウンのような手法のあり方を検討することを求めた。 福井、宮崎、茨城の3県の知事は、「移動の多い夏休み期間に都道府県単位での感染抑制は難しい」などとして、緊急事態宣言の全国への拡大を要望した。 また国体や高校総体、全国高校野球選手権大会などを念頭に、中高生が参加する部活動の全国大会の選手や関係者へのPCR検査や抗体検査を、国の責任で実施することも提言した。(阿久沢悦子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル